Oracle Enterprise Manager Configuration Change Consoleユーザーズ・ガイド 10gリリース5(10.2.0.5) for Microsoft Windows or UNIX Systems B55858-01 |
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しきい値監視により、特定のイベントが発生するか、しきい値に到達したときに、電子メール通知、SNMPトラップまたはレポート(あるいはこれらの任意の組合せ)の形式でアクションを生成できます。実行されるアクションは、個々のしきい値ルールにより決定されます(各しきい値ルールは、デバイスへの割当てプロセスを簡略化するためにしきい値ルール・セットに集約されます)。しきい値ルール・セットを実装するには、次の一般的な手順を実行します。
しきい値ルールを定義します。これらのルールは、監視するリソースのタイプに応じて変化します。また、各ルールには、特定のリソース状態に対するイベント駆動型またはしきい値駆動型のレスポンスを含めることができます。たとえば、CPU使用率が特定のしきい値に到達したときに、または特定のアカウントがログオンまたはログオフするたびに、ルールにより通知を生成できます。
定義済のルールを使用してしきい値ルール・セットを定義します。ルール・セットにより、特定のデバイスに対してデプロイする目的でしきい値ルールを集約します。
特定のデバイスにしきい値ルール・セットを割り当てます。
エージェントを更新して新規ルール・セットを有効化します。
次の項では、これらの手順を実行する方法について詳細に説明します。
しきい値ルール・セットは、しきい値ルールを集めたものです。各しきい値ルールは、個別に定義され、後でしきい値ルール・セットとして結合されます。
しきい値ルール・セットを定義する場合、次のいずれかの方法を使用します。
各ルールを先に作成し、次にそれらのルールからルール・セットを作成します。
空のルール・セットを作成してから、定義したルールをルール・セットに移入します。
最初に、作成する通知の種類を決定する必要があります。また、アクションの基盤とする監視対象、通知先の個人、およびエスカレーション優先度を決定する必要があります。
しきい値ルールでは、特定のリソースを監視し、しきい値に到達するか、特定のイベントが発生した場合にアクションを実行します。Configuration Change Consoleでは、監視するリソースに応じて次のように複数のしきい値ルール・タイプがサポートされています。
表8-1 しきい値ルール・タイプ
ルール/リソース・タイプ | 通知の基盤 | 説明 |
---|---|---|
プロセス・アクティビティ(CPU%) ユーザー・アクティビティ(CPU%) CPU負荷 メモリー使用量 ファイルシステムのディスク使用量 エージェント・アクティビティ停止 |
事前定義済のしきい値 |
一定の期間、リソースが指定したしきい値を上回るか、下回ると、電子メール通知、SNMPトラップまたはレポートが生成されます。 |
ユーザーのログイン/ログアウト エラー・ログ データベース内のエラー |
特定のイベント発生の検出 |
ユーザーのログイン/ログアウトや管理イベントなどの特定のイベントに対して、電子メール通知、SNMPトラップまたはレポートが生成されます。 |
通知は、電子メールまたはSNMPトラップ(あるいはその両方)を通じて実行できます。
管理タスクを使用してSNMPサーバー情報を構成します。
「管理」→「サーバー構成」→「SNMP管理」
管理タスクを使用して電子メール・サーバー情報を構成します。
「管理」→「サーバー構成」→「電子メール管理」
電子メールを通じて通知を行う場合、通知を受信するConfiguration Change Consoleユーザー(「ユーザー」画面で定義)を入力します。個人の電子メール・アカウントは、次の場所で作成します。
「管理」→「ユーザー」→「ユーザー」
ソフトウェアは、通知を送信すると、受信者による確認を待機します。確認が一定の時間間隔内に到着しない場合、ソフトウェアは、次に示す優先度レベルに定義されたルールに従って通知をエスカレートします。優先度レベルにより、エスカレーション発生の迅速さと、エスカレーション発生の有無が定義されます。
このプロセスは、直接のマネージャを持たない受信者に通知が到達するまで続けられます。
表8-2 エスカレーション優先度
優先度 | 定義 |
---|---|
P1 |
通知は、受信者により5分以内に確認されない場合、受信者の直接のマネージャにエスカレートされます。通知は、最終的に確認されるか、直接のマネージャを持たない受信者に到達するまで、5分ごとに組織階層内の次の直接のマネージャにエスカレートされます。通知は、確認されるかどうかにかかわらず、最後のマネージャの受信ボックス内に残されます。 |
P2 |
通知は、受信者により30分以内に確認されない場合、受信者の直接のマネージャにエスカレートされます。通知は、最終的に確認されるか、直接のマネージャを持たない受信者に到達するまで、30分ごとに組織階層内の次の直接のマネージャにエスカレートされます。通知は、確認されるかどうかにかかわらず、最後のマネージャの受信ボックス内に残されます。 |
P3 |
通知は、受信者により4時間以内に確認されない場合、次の最高位のピアに転送されます。そのピアが4時間以内に応答しないと、通知はピアの直接のマネージャにエスカレートされます。通知は、確認されるか、直接のマネージャを持たない受信者に到達するまで、4時間ごとにピアとマネージャを交互に移動するこのエスカレーション・パターンを繰り返します。通知は、確認されるかどうかにかかわらず、最後のマネージャの受信ボックス内に残されます。 |
P4 |
通知は、受信者により24時間以内に確認されない場合、次の最高位のピアに転送されます。そのピアが24時間以内に応答しない場合、通知は次の最高位のピアに転送されます。そのピアが24時間以内に応答しないと、通知はピアの直接のマネージャにエスカレートされます。通知は、確認されるか、直接のマネージャを持たない受信者に到達するまで、24時間ごとにピアとマネージャを交互に移動するこのエスカレーション・パターンを繰り返します。通知は、確認されるかどうかにかかわらず、最後のマネージャの受信ボックス内に残されます。 |
P5 |
この優先度レベルでは、受信者が通知を確認するかどうかにかかわらず、エスカレーションは発生しません。この優先度は、ユーザーのアクションや確認を必要としない情報提供のための通知に役立ちます。 |
エスカレーション手順は、通知が確認されるか、指定した管理階層の最上位に到達するまで継続されます。すべてのエスカレーションは、通知履歴に記録されます。個人は、通知に応答する際に、手動で通知をエスカレートすることもできます。
「しきい値ルール・セット・ビュー」モードの「しきい値ルール」画面では、システムで定義されているしきい値ルール・セットを確認し、新規しきい値ルール・セットを作成できます。
この画面にアクセスするには、「ポリシー」→「しきい値監視」→「しきい値ルール」(しきい値ルール・セット・ビュー)の順に移動します。
しきい値ルール・セットにより、デバイスまたはデバイス・グループに割り当てるしきい値ルールを集約します。このため、先にルールを定義してからルール・セットを作成すると便利です。
システムにすでに定義されているルールを表示するには、「しきい値ルール」画面のビュー・ドロップダウン・メニューから「しきい値ルール」を選択します。
「ルール・ビュー」の「しきい値ルール」画面には、事前定義済ルールがすべてリストされます。
ルールの表示は、次の基準に従って制限できます。
ルール・タイプ: しきい値ルールのタイプ(CPU使用率、ユーザー・アクティビティなど)
優先度: エスカレーションおよび通知優先度(P1からP5)
新規ルールを追加するには、画面の一番下のドロップダウン・メニューから項目を選択します。これにより、定義するルールのタイプに応じたルール定義画面が表示されます。表示される画面は、選択したルールのタイプに応じて異なります。
各ルールには、名前、関連する管理者、および説明が割り当てられます。
ルール名は、必須フィールドです。
管理者は、文書化目的のオプション設定です。
オプションの説明フィールドは、しきい値ルールの機能を記述するために使用します。
画面で入力する必要のある正確なオプションは、定義するルールのタイプに応じて異なります。次の表に、ルール固有のオプションをまとめます。
表8-3 ルール固有のオプション
ルール・タイプ | タイプ固有のフィールド/アクション |
---|---|
プロセス・アクティビティ |
プロセスの名前またはパターンを指定します。 CPUしきい値と、システムがそのしきい値を上回るか、下回ったときに通知するかどうかを入力します。 ポリシーにより通知を送信する前にシステムで所定の状態が継続する時間を入力します。 |
ユーザー・アクティビティ |
監視するログイン・ユーザーを「ユーザー」メニューから選択します。 CPU使用率のしきい値と、システムがそのしきい値を上回るか、下回ったときに応答するかどうかを選択します。 ポリシーにより通知を送信する前にユーザー・アカウントが継続してCPU使用率のしきい値を上回るか、下回る時間を入力します。 |
CPU負荷アクティビティ |
監視する特定のCPU名またはすべてのCPUを「CPU」メニューから選択します。 しきい値(CPU使用率(%))と、システムがそのしきい値を上回るか、下回ったときに応答するかどうかを選択します。 ポリシーにより通知を送信する前にシステムで所定の状態が継続する時間(分単位)を選択します。たとえば、70%超の使用率で10分間という基準を選択した場合、システムのCPU使用率が継続的に70%を超えると、通知が発生します。 |
メモリー使用アクティビティ |
管理デバイスのメモリー使用量を監視する場合、このルールを使用します。Windowsプラットフォームでは、物理メモリーと仮想メモリーの両方が含まれます。UNIXシステムでは、物理メモリーとスワップ領域が含まれます。 メモリー使用量のしきい値(割合)を入力します。 システムがしきい値を上回るか、下回ったときに応答するかどうかを選択します。 通知を送信する前にシステムが継続してしきい値を上回るか、下回る時間(分単位)を選択します。 |
ディスク使用アクティビティ |
監視するファイルシステムを「ファイルシステム」メニューから選択します。 使用可能なディスク・ストレージのしきい値の割合を入力し、状態がしきい値を上回るか、下回ったときに通知を行うかどうかを選択します。 ポリシーにより通知を送信する前にシステムで所定の状態が継続する時間を選択します。 |
メッセージ・アクティビティのないエージェント |
エージェントからメッセージを受信できない場合に、通知を作成するまでの時間(分単位)を選択します。 オプションで、アクティビティの停止後に、エージェントがメッセージの送信を開始したら通知を行うよう選択できます。 |
ログ内のエラー |
Configuration Change Consoleログのエラーを監視する場合、このタイプのルールを使用します。 エラー・パターンを指定するか、ログ内で検索する事前定義済エラーをメニューから選択します。事前定義済エラーの説明と、出力される可能性のあるエラー・メッセージのリストは、付録E「しきい値ルールの事前定義済エラー」を参照してください。 事前定義済エラーを選択しない場合、監視するモジュールを選択します。モジュール・オプションには、データベース、エージェント、JMSおよびユーザー・インタフェース(UI)が含まれます。 事前定義済エラーを選択しない場合、アクションを実行するエラーの重大度レベルを選択します。重大度レベルは、S1からS5です(S1の重大度が最も深刻)。各レベルには、その下のすべての重大度レベルが含まれます。たとえば、S3を選択すると、通知はS1、S2またはS3の重大度で起動されます。 |
データベース内のエラー |
データベース・ログ内の事前定義済エラー、または特定のエラー・メッセージやエラー番号を監視する場合、このタイプのルールを使用します。 データベースにアクセスするクライアントの名前またはパターンを入力します。事前定義済エラーの説明と、出力される可能性のあるエラー・メッセージのリストは、付録B「オペレーティング・システム・ルール・セット機能の詳細」を参照してください。 事前定義済エラーを選択するか、エラー・テキストを指定します。ワイルドカードとしてアスタリスク(*)を含むパターンの使用が可能です。 |
ルールを定義したら、実行するアクションも定義します。
フィールド | 説明 |
---|---|
通知 | 通知先の個人を入力します(Configuration Change Consoleの「ユーザー」画面)。これにより、その個人に関連する電子メール・アカウントに通知が送信されます。 |
優先度 | エスカレーション優先度(P1、P2、P3、P4またはP5)を選択します。これらの優先度の詳細は、「エスカレーション優先度」を参照してください。 |
SNMPサーバー | トラップを送信するSNMPサーバーを選択します。複数のサーバーを選択できます。SNMPサーバーは、「管理」→「サーバー構成」→「SNMP管理」で構成する必要があります。 |
レポートの生成 | ドロップダウン・メニューから事前構成済レポートを選択すると、通知の発生時にそのレポートが自動的に生成されます。 |
しきい値またはイベントの内容と、レスポンスのレベルを決定したら、しきい値ルールを次のように定義または変更できます。
ポリシーの名前および管理者を入力します。
ルール固有のオプションを入力します(前述の表を参照)。
通知オプションを選択します(前述の表を参照)。
「レポートの生成」ドロップダウン・メニューから「レポート」を選択します。データベースに不要な負荷をかけないように、レポートの実行は最小限にとどめ、対象とするデバイスの数はできるだけ少なくしてください。レポートは、通知の受信者として指定した人に送信されます。
ルールを有効化または無効化します。通知を一時的に停止するには、「有効」チェック・ボックスの選択を解除します。
ルール・セットにルールを適用します。すでにルール・セットを定義している場合、このルールを使用可能なルール・セットに追加できます。「使用可能なルール・セット」領域からルール・セットを選択し、「>>」ボタンを使用して「選択したルール・セット」領域に移動します。
作業が終了したら、「保存」をクリックします。
ルールをデプロイするには、画面最上部のツールバーの「エージェントの更新」ボタンをクリックします。
しきい値ルール・セットにより、複数のしきい値ルールを集約し、特定のデバイスに割り当てることができます。
既存のすべてのしきい値ルール・セットにアクセスするには、「しきい値ルール」画面で「しきい値ルール・セット・ビュー」を選択します。この画面にアクセスするには、「ポリシー」→「しきい値監視」→「しきい値ルール」(しきい値ルール・セット・ビュー)の順に移動します。
既存のルール・セットを変更するには、適切なルール・セットの「ルール・セット名」列のリンクをクリックします。新規ルール・セットを追加するには、画面の一番下までスクロールし、「ルール・セットの作成」ボタンを選択します。どちらの場合も、しきい値ルール・セットの追加または変更画面が表示されます。
この画面で、情報を入力し、使用可能なルールをルール・セットに対して選択します。ルール・セットに次の情報を入力します。
ルール・セット名を入力します。
ルール・セットに関連付ける管理者を選択します。
ルール・セットの説明を入力します(オプション)。
ルール・セットに対してしきい値ルールを選択するため、使用可能なルール・ウィンドウでルールを選択して「>>」ボタンをクリックし、選択したルール・ウィンドウに移動します。
作業が終了したら、「保存」をクリックします。異なる名前でルール・セットを保存する(「別名保存」ボタンをクリック)、ルール・セットを削除する(「ルール・セットの削除」ボタンをクリック)、または変更を保存せずに画面を閉じる(「取消」ボタンをクリック)ことも可能です。
しきい値ルール・セットを定義したら、それらを特定のデバイスに割り当てる必要があります。
この画面にアクセスするには、「ポリシー」→「しきい値監視」→「しきい値ルール」(しきい値ルール・セット・ビュー)の順に移動します。この画面には、ポリシーごとのデバイスまたはデバイス・グループ割当ての数が、「デバイス割当て」列と「グループ割当て」列にそれぞれ表示されます。ルール・セットを個々のデバイスまたはデバイス・グループに割り当てることができます。
デバイスにルール・セットを割り当てるには、ビュー・ドロップダウン・メニューから「しきい値ルール・セット・ビュー」を選択し、割り当てるルール・セットの「デバイス割当て」件数リンクをクリックします。これにより、「ルール・セットへのデバイスの割当て」画面の「デバイス・モード」ビューが表示されます。
デバイス・グループにポリシーを割り当てるには、ルール・セットの「グループ割当て」リンクをクリックします。これにより、ポリシーへのデバイスの割当て画面の「グループ・モード」ビューが表示されます。
注意: デバイス割当てまたはグループ割当てのいずれかを設定できますが、同時に両方を設定することはできません。たとえば、デバイス・グループにすでに割り当てられているポリシーに個々のデバイスを割り当てようとすると、確定済のグループ割当ては無効になります。 |
画面は、「選択モード」ドロップダウン・メニューを使用して次のモードに切り替えることができます。
デバイス・モードでは、個々のデバイスがデバイス・グループに基づいたツリー構造で表示されます。
グループ・モードでは、デバイス・グループが表示されます。
デバイス索引モードでは、使用可能なデバイスのアルファベット順の索引が表示されます。
デバイスを割り当てます(すべての選択モード)。1つ以上のデバイスまたはグループを選択してポリシーに割り当て、「保存」をクリックします。