ヘッダーをスキップ
Oracle Enterprise Manager Application Configuration Consoleスタート・ガイド
リリース5.3.2
B56955-01
  目次
目次

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

5 追跡、比較、検索および置換

Application Configuration Consoleは、ITインフラストラクチャを監視および監督するための多彩なツールを備えています。


注意:

この章のタスクは、Application Configuration Consoleのクライアントにすでにログインしていることを前提としています。

5.1 アセットおよび構成の追跡

追跡を使用すると、Application Configuration Consoleの構成または外部リソースに変更がある場合に、アラートを表示したり、電子メールを受信したりすることができます。

「Server1」アセットに追跡を設定します。

  1. ナビゲータ・ビューで、「ポータル・ライフサイクル・ビュー」「開発」「アプリケーション・サーバー」「Server1」を開きます。

  2. 「リソース・ビュー」を右クリックして、「開く」を選択します。

    アセット・ビューに追跡を設定します。現在、存在するビューはリソース・ビューのみであるため、これを選択します。

  3. エディタ領域の下部で、追跡スケジュールのタブをクリックします。

  4. 「編集」ボタン(左上隅)をクリックします。実行するまでは、他に何も実行できません。

  5. 「追跡の有効化」チェック・ボックスを選択して、オプションを選択します。この場合は、「構成の追跡」を選択します。

  6. 次に特定の構成、この場合は「config.xml」を選択します。

  7. これはデモンストレーションが目的であるため、スケジュールは当日の次の時間のみに設定します。

  8. 差異が検出された場合に通知を受けるため、該当する領域に「電子メール・アドレス」を入力します。

  9. 「保存」をクリックして、スケジューリング操作を完了します。

5.1.1 追跡に関するその他の注意事項

追跡について次の点に注意してください。

  • 単一の構成または選択した構成、あるいはアセット全体を追跡できます。

  • 通常のシナリオでは、1年の12か月、週の毎日の午前1時のように、繰返しのスケジュールを設定します。ちなみに、パフォーマンスという観点では営業外の時間が最適です。

  • 差異が検出されると、Application Configuration Consoleのアラート・ビューで常に通知されます。電子メール通知はオプションです。

  • スケジューリング・ダイアログの下部にある「更新」オプションが「置換」に設定されていると、差異が検出された場合は常に、Application Configuration Consoleの構成が外部リソースで自動的に上書きされます。

5.1.2 追跡で差異が検出された場合

追跡で差異が検出された場合、Application Configuration Consoleではアラート・ビューにアラートが表示され、検出日時と、比較対象の内部および外部のデータのそれぞれのパスが識別されます。

アラートはハイパーリンクです。このハイパーリンクをダブルクリック(または右クリックして「比較ビューで開く」を選択)すると、検出された差異がエディタ領域に表示されます。結果を示す比較ビューでは、差異が含まれる行が太字で表示され、差異のあるプロパティはハイライト表示されます。

電子メール通知を選択した場合、アラート・ビューに表示された情報と同様の情報が本文に記載されたメッセージを自動的に受信します。メッセージの下部にはURLがあり、これをクリックすると、Application Configuration ConsoleのWebレポート比較レポートをブラウザで表示できます。このレポートには、比較ビューでアラートを開いたときにエディタ領域に表示されるものと同じ情報が示されます。

5.2 アセットおよび構成の比較

2つ以上のコンテナまたは構成を比較することで、アプリケーションの問題の元になりやすい、構成の差異を迅速に特定できます。個別の構成またはコンテナ・ツリー全体を比較できます。アセットまたは構成をその外部リソースと比較して、Application Configuration Consoleのデータと外部リソースのデータの差異を確認することもできます。

「開発」および「ステージング」環境のそれぞれの「Webサーバー」レイヤーという、2つのコンテナの単純な比較を実行します。

  1. ナビゲータ・ビューで、「開発」環境の「Webサーバー」レイヤーをクリックしてから、「ステージング」環境の「Webサーバー」レイヤーを[Ctrl]を押しながらクリックします。

  2. 右クリックして、ポップアップ・メニューから「比較」を選択します。

  3. 「比較オプション」ダイアログが開くので、デフォルトを確定して「OK」をクリックします。

    少しすると、比較の結果がエディタ領域に表示されます。結果を示す比較ビューには、左側の列にプロパティのすべてが表示され、追加的な列に各コンテナまたは構成の値が表示されます。差異が含まれるコンテナ行はすべて太字で表示され、差異のあるプロパティはハイライト表示されます。

    比較中のコンテナには同じ名前のWebサーバーがあります。これは比較を表示する際に混乱を招く場合があるため、Application Configuration Consoleには列をより意味のある名前(この場合は個々の環境名など)に変更する機能があります。列の名前を変更するには、個々の列名の下を右クリックして「列名の変更」を選択します。図5-1は、右クリック・メニューの選択肢が表示された、すでに名前が変更された列を示しています。

    図5-1 列名が変更された比較結果

    列名が変更された比較ビュー

最初の比較では、Application Configuration Console内のコンテナを比較しました。次は、Application Configuration Consoleデータとその外部リソースを比較します。

  1. ナビゲータ・ビューで、「ポータル・ライフサイクル・ビュー」「開発」「アプリケーション・サーバー」「Server1」「リソース・ビュー」を開きます。

  2. 「config.xml」を右クリックして、ポップアップ・メニューから「リソースと比較」を選択します。

  3. 「比較オプション」ダイアログが開くので、デフォルトを確定して「OK」をクリックします。

    少しすると、比較の結果がエディタ領域などに表示されます。これは、比較で検出された差異を公開するために拡張されたビューです。比較ビューの列ヘッダーでは、Application Configuration Consoleデータと外部リソース・データが区別されます。

次は同じエンティティを比較しますが、今回はApplication Configuration Consoleの構成コンテンツ(RAWテキスト形式)とその対象となる外部リソースを比較します。

  1. ナビゲータ・ビューで、「ポータル・ライフサイクル・ビュー」「開発」「アプリケーション・サーバー」「Server1」「リソース・ビュー」を開きます。

  2. 「config.xml」を右クリックして、ポップアップ・メニューから「コンテンツをリソースと比較」を選択します。

    少しすると、比較の結果がエディタ領域に表示されます。この比較は「物理ビュー」に表示され、構成およびその外部リソースが物理的(テキスト)に表示されます。コンテンツを編集し、値をどちらかの方向、つまりApplication Configuration Consoleデータまたは外部リソースに正規化することができます。

5.2.1 比較に関するその他の注意事項

比較について次の点に注意してください。

  • 差異が検出されると値を編集または正規化できます。たとえば、6つの構成の比較によって特定のプロパティ値に差異が検出されたときに、プロパティ値をすべて同じにする場合があります。これは、選択した値への行の正規化を選択して実行します。

  • サーバー名やポート番号など、比較によって差異が検出されることが事前にわかっている場合があります。差異による混乱を緩和するため、比較で特定のプロパティを一時的または永久的に無視するように設定できます。

  • 一部の比較は何度も実行することがあります。比較基準を設定して比較を最初に実行した後、任意に実行できるようにその設定を保存できます。

  • 保存した比較を他のユーザーと共有できます。保存した比較を繰返し間隔で自動的に実行するスケジュールを設定することもできます。スケジューリングされた比較は、追跡において差異がアラート・ビューに表示される場合と同様に動作し、電子メール通知を生成できます。

  • 類似したエンティティを比較していると想定した場合でも、Application Configuration Consoleでは異質であると判断される場合があります。この主な原因は、異なるプロパティ名の使用と、構成ファイル内の誤った配置です。比較キーと呼ばれる形式のメタデータと、Savespecsとして知られる保存ルール・セットによって、比較を整合化するための障害を克服する高度な手法を利用できます。

5.3 検索および置換の操作

Application Configuration Consoleには強力な検索および置換機能があります。この機能では、ユーザー・データ内のプロパティ値だけでなく、Application Configuration Console内で実行する操作に関連してユーザーが指定した、特定の設定も検索できます。

この章の前半で実行した比較操作では、タイムアウト値の不一致が明らかになりました。デモンストレーションのため、ここでは、プロジェクト内で発生したこの不一致をすべて検索し、値を適宜、再設定すると仮定します。

  1. ナビゲータ・ビューで、「ポータル・ライフサイクル・ビュー」を右クリックして、「編集」「検索および置換」を選択します。

  2. 検索および置換のダイアログが開くので、次のように基準を設定します。

    1. 現在の表示ではない場合は、「プロパティ」タブをクリックします。

    2. 「名前および値」ラジオ・ボタンを選択します。

    3. プロパティ名にTimeoutと入力します。

    4. 現行値に1000と入力します。

    5. 置換値に300と入力します。

  3. 「検索」をクリックします。操作の結果を確認します。

  4. 「置換」をクリックして、現行値を置換値で上書きします。

    複数のエントリがある検索結果リストでは、Application Configuration Consoleはリストの次のエントリにジャンプします。「すべて置換」をクリックすると、Application Configuration Consoleではリストのすべてのエントリが更新されるため、その後の操作は不要になります。

5.3.1 検索および置換の操作に関するその他の注意事項

プロパティおよび値の検索以外に、次の項目も検索できます。

  • コンテナ名

  • コンテナ・メタデータ

  • 追跡またはプロビジョニングの設定

  • 認証パックの設定

  • ホストおよびエンドポイントの設定

  • リソース仕様の設定

  • グループ名とグループ内のユーザー


注意:

置換プロパティ値はすべて、Application Configuration Consoleの規定された要件に対して検証されるため、無効な値は設定できません。