この付録では、Oracleによって実装されたパブリック・ネットワーク・サービスMIB、バージョン2(RFC 1565)の各変数の解釈に役立つ情報を提供します。具体的には、次の表にあるSNMP変数について説明します。
applTableには、すべての種類のネットワーク・サービス・アプリケーションに適用するように設計された汎用変数が含まれています。applTableの特定の変数は、Oracleサーバーに対して実装されています(リスナーでは、ネットワーク・サービスMIB変数を使用しません)。
Oracleサーバー・アプリケーションのapplTableの各エントリは、インストール済データベース・サーバーの現行インスタンスが実行中かどうかに関係なく、SNMP_RW.ORA構成ファイルで構成されたデータベース・サーバーを表します。
表E-1に、applTableの変数をリストし、Oracleサーバーに対してどの変数が実装されているかを示します。
表E-1 Oracleサーバーに対して実装されているapplTable変数
変数名 | Oracleサーバー |
---|---|
applIndex |
x |
applName |
x |
applDirectoryName |
|
applVersion |
x |
applUptime |
x |
applOperStatus |
x |
applLastChange |
x |
applInboundAssociations |
x |
applOutboundAssociations |
|
applLastInboundActivity |
|
applLastOutboundActivity |
これらのOracleサービスに対して実装されていないapplTable変数は、applDirectoryのみです。これは、この変数が、OSIディレクトリ・サービスを使用するサイトのみに対して意味を持つためです。
表E-2に、実装されているapplTableの各変数および対応するオブジェクトIDを示します。
実装されているapplTableの各変数の説明は次のとおりです。
表E-2 applTable変数および対応するオブジェクトID
変数名 | オブジェクトID |
---|---|
applIndex |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.1 |
applName |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.2 |
applDirectoryName |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.3 |
applVersion |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.4 |
applUptime |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.5 |
applOperStatus |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.6 |
applLastChange |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.7 |
applInboundAssociations |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.8 |
applOutboundAssociations |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.9 |
applLastInboundActivity |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.12 |
applLastOutboundActivity |
1.3.6.1.2.1.27.1.1.13 |
構文
INTEGER (0〜2147483647)
最大アクセス
アクセス不可
説明
アプリケーションを一意に識別するための索引。この整数は、SNMP_RW.ORA構成ファイルで割り当てられます。
applIndexは、Oracleサーバー・サービスごとに実装されています。
代表的な範囲
0 - 2147483647
重要度
高
関連する変数
applName
推奨する表示方法
該当なし
構文
DisplayString
最大アクセス
読取り専用
説明
識別のために、ネットワーク・サービス・アプリケーションに対して選択される名前を示します。applNameは、Oracleサーバー・アプリケーションに対して実装されています。
Oracleサーバーの場合、applNameの値は、SNMP_RO.ORA構成ファイル内のSIDパラメータの値です。
代表的な範囲
5〜25文字
重要度
Oracleサーバーの場合は、高
関連する変数
applIndex
推奨する表示方法
単純文字列
構文
DisplayString
最大アクセス
読取り専用
説明
アプリケーション・ソフトウェアのバージョンを示します。値は、内部的に取り出されます。
applVersionは、Oracleサーバー・アプリケーションごとに実装されています。
代表的な範囲
1〜15文字
重要度
低
関連する変数
なし
推奨する表示方法
単純文字列
構文
TimeStamp
最大アクセス
読取り専用
説明
マスター・エージェントが保持する変数であるsysUptimeの値を示します。この値は、特定のアプリケーション・インスタンス(Oracleサーバー)の最後の初期化時に取り出されます。
この変数に対する2つの要求で同じ値が戻された場合、このアプリケーションに関連したカウンタは、この2つの要求の間にリセットされていません。
applUptimeは、Oracleサーバーに対して実装されています。
代表的な範囲
0..4294967295
重要度
高
関連する変数
なし
推奨する表示方法
ゲージまたはカウンタ
構文
INTEGER (1)稼働中、(2)停止中
最大アクセス
読取り専用
説明
アプリケーションの動作ステータスを示します。Oracleでは、(1)稼働中および(2)停止中が実装されています。稼働中の値(1)は、アプリケーションが稼働中で使用可能であることを示します。停止中の値(2)は、アプリケーションが使用できないことを示します。appleOperStatusは、Oracleサーバーに対して実装されています。
このアプリケーションに対するapplOperStatus変数の値が2であり、使用できないことを示している場合、サブエージェントはそのアプリケーションに接続できません。この場合は、そのアプリケーションの動作ステータスとは無関係に存在するMIB表のみが、SNMPアクセス可能です。Oracleサーバーの場合、該当する表は、パブリックRDBMS MIBのrdbmsDbTableおよびrdbmsSrvTableのみです。applOperStatusの値が2(停止中)の場合は、プライベートOracleデータベースMIBのすべての表がアクセス不可になります。
代表的な範囲
列挙型1または2
重要度
高
関連する変数
なし
推奨する表示方法
警告または単純文字列
構文
TimeStamp
最大アクセス
読取り専用
説明
ネットワーク・サービス・アプリケーションが現行の動作状態に入った時点でのsysUptimeの値を示します。sysUptimeは、この管理対象ノード上のマスター・エージェントによって保持されます。ローカル・ネットワーク管理サブシステムの最後の初期化の前に現在の状態に入った場合、このオブジェクトには値0(ゼロ)が挿入されます。
applLastChangeは、Oracleサーバーに対して実装されています。
代表的な範囲
0 - 4294967295
重要度
低
関連する変数
applUpTime、sysUptime
推奨する表示方法
単純文字列