この付録では、Oracle Management Agent(管理エージェント)をインストールする前に検証する必要のあるプロパティ・ファイルとそのファイルに含まれるコマンドの場所について説明します。特に、次の内容について説明します。
管理エージェントをインストールするたびに、platformInfo.propertiesファイルで示されたプロパティ・ファイルが、特定のApplication Programming Interfaces(API)を正常に実行するために必要なコマンドのデフォルトの場所とともにロードされます。たとえば、ping実行可能ファイルなどです。この項では、このようなプロパティ・ファイルについて説明します。特に、次の内容について説明します。
表E-1は、platformInfo.propertiesからロードされるプロパティ・ファイルを示しています。
表E-1 platformInfo.propertiesファイルからロードされるプロパティ・ファイル
| ロード順序 | プロパティ・ファイル名 | タイプ | 説明 |
|---|---|---|---|
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1 |
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汎用 |
このファイルにリストされているコマンドを実行するたびに渡される必要がある引数が含まれます。 |
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2 |
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汎用 |
オペレーティング・システムに関係なく、実行する必要のあるすべてのコマンドのパスが含まれます。 |
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3 |
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オペレーティング・システム固有 |
該当のオペレーティング・システムに対して実行する必要のあるコマンドが含まれます。たとえば、 Microsoft Windowsの場合、Cygwinバイナリのパスは、 |
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4 |
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汎用 |
コマンド・パスを指定するために使用されるすべての変数が含まれます。使用する変数はコメント解除して、適切な値を指定する必要があります。 |
次の点に留意してください。
platformInfo.propertiesファイルで示されたプロパティ・ファイルは、昇順に1つずつロードされます。これによって、ロードされる最後のファイルで指定されているコマンドの場所により、前にロードされたプロパティ・ファイル内の同じキーに指定されている値が上書きされます。
たとえば、spaths.propertiesは、ssPaths.propertiesの前にロードされます。sPaths.propertiesファイル内で、ping実行可能ファイルのデフォルトの場所がusr/bin/pingで、ssPaths.propertiesファイル内の同じ実行可能ファイルの場所がusr/sbin/pingの場合、後者のファイルの値が前のファイルより優先されます。
その他のコマンド変数を含める場合、次のいずれかを実行できます。
sPaths.properties、ssPaths_<platform>.propertiesまたはuserPaths.propertiesで追加コマンドの変数を指定します。
追加のコマンド変数を使用して新規プロパティ・ファイルを作成します。その新規のプロパティ・ファイルの名前をplatforminfo.propertiesで指定します。
表E-2は、ロードされるその他のプロパティ・ファイルを示しています。
表2-2 ロードされるその他のプロパティ・ファイル
| プロパティ・ファイル名 | タイプ | 説明 |
|---|---|---|
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汎用 |
アプリケーションの動作やパフォーマンスの制御に役立つプロパティが含まれています。たとえば、次のプロパティが含まれます。
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汎用 |
設定で無視できることがわかっているエラー・メッセージがエラー・ストリームに表示される場合、 一般的に、コマンドの実行時にエラー・ストリームにデータが含まれる場合、コマンドに失敗したとみなされます。ただし、エラー・ストリーム内のデータが常にエラーに対応しているわけではありません。 このため、そのようなエラー・メッセージを無視するには、これらのメッセージ(バナーを含む)を たとえば、リモート・ホストで Administrator. It usually boils down to these two things:#1) Respect the privacy of others.#2) Think before you type.Password: This essentially is just a warning to the user and does not constitute the failure of the executed command. |
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注意: これらのファイルのデータ形式では、1行につき1つのプロパティのみを制御します。プロパティ値は、variable=valueの形式で指定する必要があります。 |
プロパティ・ファイルで指定されるデフォルトのコマンドの場所は、ホストとオペレーティング・システム間で異なる場合があります。したがって、管理エージェントをインストールする前にコマンドの場所を検証することが重要です。
この項では、管理エージェントをインストールする前に検証する必要のあるプロパティ・ファイルとそのファイルに含まれるコマンドの場所について説明します。特に、次の内容について説明します。
<OMS_INSTANCE_HOME>/sysman/prov/resources/の場所にあるプロパティ・ファイルで、次の変数の(OMSホスト上の)コマンドの場所を検証します。
SH_PATH
SSH_ARGS
SSH_KEYGEN_PATH
SSH_PATH
SCP_ARGS
SCP_PATH
UNZIP_ARGS
UNZIP_PATH
TAR_PATH
各プロパティ・ファイルを手動で確認するのではなく、OMSのOracleホームから次のコマンドを実行して、デフォルトの場所で見つからない変数を自動的にリストすることができます。
$<ORACLE_HOME>/sysman/prov/resources/scripts/validatePaths -dirloc oms/sysman/prov/resources/
<OMS_INSTANCE_HOME>/sysman/prov/resources/の場所にあるプロパティ・ファイルで、次の変数の(宛先ホスト上の)コマンドの場所を検証します。
SH_PATH
SH_ARGS
SCP_PATH
SCP_ARGS
SUDO_PATH
SSH_HOST_KEY_LOC
ZIP_PATH
TAR_PATH