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Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61023-01
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C オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成の要件

この付録では、作成する必要のあるオペレーティング・システム・グループとユーザー、およびその作成方法について説明します。特に、次の内容について説明します。

必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザー

次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーは、すべてのインストール・タイプで必要です。

システム上のすべてのOracleソフトウェア・インストールに対して、1つのOracleインベントリ・グループが必要です。Oracleソフトウェアを初めてインストールした後は、そのシステムでの後続のOracleソフトウェア・インストールすべてに対して同じOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、異なるインストールに対して別々のOracleソフトウェア所有者ユーザー、OSDBAグループおよびOSOPERグループ(oracledbaおよびoper以外)を作成するように選択することもできます。異なるインストールに対して別々のグループを使用すると、各グループのメンバーに、システム上のすべてのデータベースではなく、関連付けられたデータベースのみに対するDBA権限を持たせることができます。

オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成方法

次の各項で、必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。


注意:

ローカルなユーザーおよびグループを作成する方法以外に、ディレクトリ・サービス(たとえば、ネットワーク・インフォメーション・サービス(NIS)など)内に適切なユーザーおよびグループを作成する方法もあります。ディレクトリ・サービスの使用方法の詳細は、システム管理者に問い合せるか、またはオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

Oracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループがまだ存在していない場合は、作成する必要があります。次の各項で、Oracleインベントリ・グループが存在する場合にその名前を判別する方法と、必要に応じてOracleインベントリ・グループを作成する方法について説明します。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかの判断

Oracleソフトウェアを初めてシステムにインストールすると、oraInst.locファイルが作成されます。このファイルは、Oracleインベントリ・グループの名前と、Oracleインベントリ・ディレクトリのパスを識別します。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを判断するには、次のコマンドを入力します。

# more /etc/oraInst.loc

このコマンドの出力にoinstallグループ名が表示されていれば、グループはすでに存在しています。

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータに、Oracleインベントリ・グループの名前oinstallが表示されます。

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合、次のコマンドを使用してOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

OSDBAグループの作成

次のような場合は、OSDBAグループを作成する必要があります。

  • OSDBAグループが存在しない場合。たとえば、システムにOracle Databaseがまだインストールされていない場合などです。

  • OSDBAグループは存在するが、新しいOracleインストールで別のオペレーティング・システム・ユーザー・グループに対してデータベース管理権限を付与しようとする場合。

OSDBAグループが存在しない場合、または新しいOSDBAグループが必要な場合は、次の手順でOSDBAグループを作成します。次のコマンドで、グループ名dbaを使用します(その名前のグループがまだ存在していない場合)。

# /usr/sbin/groupadd dba

OSOPERグループの作成(オプション)

OSOPERグループを作成するのは、制限付きのデータベース管理権限セット(SYSOPERオペレータ権限)を持つオペレーティング・システム・ユーザーのグループを指定する場合のみです。ほとんどのインストールでは、OSDBAグループを作成するのみで十分です。OSOPERグループを使用する際、次の場合にはOSOPERグループを作成する必要があります。

  • OSOPERグループが存在しない場合。たとえば、これがシステムへの初めてのOracle Databaseソフトウェアのインストールである場合などです。

  • OSOPERグループは存在するが、新しいOracleインストールで別のオペレーティング・システム・ユーザー・グループに対してデータベース・オペレータ権限を付与しようとする場合。

新しいOSOPERグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次のコマンドで、グループ名operを使用します(その名前のグループがまだ存在していない場合)。

# /usr/sbin/groupadd oper

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次のような場合は、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合。たとえば、これがシステムへの初めてのOracleソフトウェアのインストールである場合などです。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーは存在するが、新しいOracle Databaseインストールにおいて、別のグループ・メンバーシップを持つ別のオペレーティング・システム・ユーザーを使用して、これらのグループにデータベース管理権限を付与しようとする場合。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかの判断

oracleという名前のOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを判断するには、次のコマンドを実行します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

oracleユーザーが存在する場合は、既存のユーザーを使用するか、それとも別のoracleユーザーを使用するかを決定します。


注意:

必要に応じて、既存のユーザーを使用または変更する前にシステム管理者に問い合せてください。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合、または新しいOracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順に従ってOracleソフトウェア所有者ユーザーを作成します。次の手順では、ユーザー名としてoracleを使用します(その名前のユーザーがまだ存在していない場合)。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    

    このコマンドのオプションは次のとおりです。

    • -gオプションは、プライマリ・グループを指定します。これは、Oracleインベントリ・グループ(oinstallなど)である必要があります。

    • -Gオプションは、セカンダリ・グループを指定します。これには、OSDBAグループおよび(必要に応じて)OSOPERグループが含まれる必要があります。たとえば、dbadba,operなどを指定します。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    

注意:

共有ファイル・システム・ローダーおよびOracleソフトウェア・ライブラリを使用する場合は特に、すべてのOMSで同じUIDを使用することをお薦めします。UIDが異なると、一方のOMSで作成されたファイルを別のOMSで変更することができません。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallでない場合や、適切なOSDBAグループまたはOSOPERグループのメンバーでない場合、次のようなコマンドを入力して、oracleユーザーを変更します。-gオプションを使用してプライマリ・グループを指定し、-Gオプションを使用して必要なセカンダリ・グループを指定します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba[,oper] oracle

ユーザーnobodyの存在の確認

ソフトウェアをインストールする前に、次の手順に従って、nobodyユーザーがシステムに存在することを確認します。

  1. ユーザーが存在するかどうかを判断するには、次のコマンドを入力します。

    # id nobody
    

    このコマンドでnobodyユーザーに関する情報が表示された場合は、そのユーザーを作成する必要はありません。

  2. nobodyユーザーが存在しない場合は、次のコマンドを入力して作成します。

    # /usr/sbin/useradd nobody