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Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61023-01
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E コマンドの場所の検証

この付録では、Oracle Management Agent(管理エージェント)のインストール前に検証する必要のあるプロパティ・ファイルおよびその中のコマンドの場所について説明します。特に、次の内容について説明します。

プロパティ・ファイルの概要

管理エージェントをインストールするたびに、platformInfo.propertiesファイルに示されているプロパティ・ファイルがロードされます。これには、特定のApplication Program Interface(API)を正常に実行するために必要なコマンドのデフォルト場所が含まれています。たとえば、ping実行可能ファイルがその1つです。この項では、このようなプロパティ・ファイルについて説明します。特に、次の内容について説明します。

platformInfo.propertiesファイルからロードされるプロパティ・ファイル

表E-1に、platformInfo.propertiesファイルからロードされるプロパティ・ファイルを示します。

表E-1 platformInfo.propertiesファイルからロードされるプロパティ・ファイル

ロード順序 プロパティ・ファイル名 タイプ 説明

1

Paths.properties

汎用

このファイルに一覧表示されたコマンドを実行するたびに渡される必要のある引数が含まれています。

2

sPaths.properties

汎用

プラットフォームに関係なく実行する必要のあるすべてのコマンドのパスが含まれています。

3

ssPaths_<platform>.properties

プラットフォーム固有

そのプラットフォームで実行する必要のあるコマンドが含まれています。たとえば、ssPaths_linux_zseries64.propertiesなどです。

Microsoft Windowsでは、ssPaths_msplats.propertiesファイル内にCygwinバイナリのパスがハードコードされています。Cygwinをc:\cygwin(デフォルトの場所)以外の場所にインストールすると、管理エージェントのインストールが失敗することがあります。この問題を解決するには、Cygwinをデフォルトのディレクトリ(c:\cygwin)にインストールするか、Cygwinバイナリの正しいパスを使用してこのプロパティ・ファイルを更新する必要があります。

4

userPaths.properties

汎用

コマンド・パスの指定に使用する変数が含まれています。使用する変数のコメントを解除し、適切な値を指定する必要があります。


次の点に注意してください。

  • platformInfo.propertiesファイル内に示されているプロパティ・ファイルは、1から順にロードされます。つまり、最後にロードされるファイル内に指定したコマンドの場所が、その前にロードされたプロパティ・ファイル内の同じキーに対して指定した値を上書きします。

    たとえば、spaths.propertiesssPaths.propertiesより先にロードされます。したがって、sPaths.propertiesファイル内のping実行可能ファイルのデフォルト場所がusr/bin/pingであり、ssPaths.propertiesファイル内の同じ実行可能ファイルの場所がusr/sbin/pingである場合、ssPaths.propertiesファイル内の値がsPaths.propertiesファイル内の値より優先されます。

  • 他のコマンド変数を含める場合は、次のいずれかを実行できます。

    • sPaths.propertiesssPaths_<platform>.propertiesまたはuserPaths.properties内に追加のコマンド変数を指定します。

    • 追加のコマンド変数を使用して新規のプロパティ・ファイルを作成します。次に、platforminfo.properties内にこの新規プロパティ・ファイルの名前を指定します。

ロードされるその他のプロパティ・ファイル

表E-2に、ロードされるその他のプロパティ・ファイルについて説明します。

表E-2 ロードされるその他のプロパティ・ファイル

プロパティ・ファイル名 タイプ 説明

system.properties

汎用

アプリケーションのアクティビティやパフォーマンスの制御に役立つプロパティが含まれています。次に例を示します。

  • oracle.system.prov.threadpoolsize

    アプリケーションで作成され、宛先ホスト上で並行してコマンドを実行するスレッドの数。デフォルトで設定されているスレッドプール・サイズの値は、32です。このプロパティでスレッドプール・サイズに適切な値を指定できます。

  • oracle.sysman.prov.threadpoolmaxsize

    ワークロードに応じて動的に増加するスレッドの数。アプリケーションで使用されるデフォルト値は、256です。このプロパティでスレッドプール・サイズに適切な最大値を指定できます。

ignoreMessages.txt

汎用

設定で無視しても問題がないとわかっているエラー・メッセージがエラー・ストリームに表示される場合、ignoreMessages.txtファイルでこれらのメッセージを更新できます。

一般的に、コマンドの実行時にエラー・ストリームにデータが含まれる場合、そのコマンドは失敗したとみなされます。しかし、エラー・ストリーム内のデータが常にエラーと対応しているわけではありません。

したがって、このようなエラー・メッセージを無視するために、これらのメッセージ(バナーを含む)をignoreMessages.txtファイルに追加する必要があります。

たとえば、リモート・ホスト上で/usr/local/bin/sudoを実行すると、次のメッセージがエラー・ストリームに書き込まれます。このような種類のエラー・メッセージは、ignoreMessages.txtファイルに追加できます。

Administrator. It usually boils down to these two things:#1) Respect the privacy of others.#2) Think before you type.Password:
This essentially is just a warning to the user and does not constitute the failure of the executed command.


注意:

これらのファイルのデータ形式は、1行につき1つのプロパティのみを制御します。プロパティの値は、variable=valueという形式で指定する必要があります。

コマンドの場所の検証

プロパティ・ファイル内に指定されているデフォルトのコマンドの場所は、ホストおよびプラットフォーム間で異なります。このため、管理エージェントをインストールする前に、コマンドの場所を検証することが重要です。

この項では、管理エージェントのインストール前に検証する必要のあるプロパティ・ファイルおよびその中のコマンドの場所について説明します。特に、次の内容について説明します。

OMSホスト上のコマンドの場所の検証

<OMS_INSTANCE_HOME>/sysman/prov/resources/にあるプロパティ・ファイル内で、次の変数に対応する(OMSホスト上の)コマンドの場所を検証します。

  • SH_PATH

  • SSH_ARGS

  • SSH_KEYGEN_PATH

  • SSH_PATH

  • SCP_ARGS

  • SCP_PATH

  • UNZIP_ARGS

  • UNZIP_PATH

  • TAR_PATH

OMSのOracleホームから次のコマンドを実行すると、各プロパティ・ファイルを手動で確認しなくても、デフォルトの場所に見つからない変数が自動的に一覧表示されます。

$<ORACLE_HOME>/sysman/prov/resources/scripts/validatePaths -dirloc oms/sysman/prov/resources/

宛先ホスト上のコマンドの場所の検証

<OMS_INSTANCE_HOME>/sysman/prov/resources/にあるプロパティ・ファイル内で、次の変数に対応する(宛先ホスト上の)コマンドの場所を検証します。

  • SH_PATH

  • SH_ARGS

  • SCP_PATH

  • SCP_ARGS

  • SUDO_PATH

  • SSH_HOST_KEY_LOC

  • ZIP_PATH

  • TAR_PATH