Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド 11gリリース1(11.1.0.1.0) B61023-01 |
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この章では、Enterprise Managerの詳細構成と、Enterprise Managerインストールに関する基本的な情報について説明します。ディレクトリ構造について説明し、Enterprise Managerをすべてのユーザーからアクセス可能にする方法について説明します。
この章を読み終えると、このマニュアル内に記載されている他の詳細構成タスクに進むことができます。
この章では特に、次のトピックについて説明します。
Enterprise Managerは一連の標準的な構成設定で簡単にインストールできる設計になっているため、すぐに使用を開始できます。
ただし、ハードウェアおよびソフトウェアの管理要件は企業によって大きく変わることも事実です。このため、インストール後にEnterprise Managerを再構成して、次のことを可能にします。
Enterprise Managerのセキュリティおよびファイアウォール機能を実装します。
Webアプリケーションに対するエンドユーザーのパフォーマンスの監視を有効にします。
ネットワーク環境のトポロジの変更が必要になったときに、Enterprise Managerコンポーネントを再構成します。
業務の拡大に伴い、Enterprise Managerコンポーネントのメンテナンスおよびトラブルシューティングを行います。
メンテナンスと詳細構成タスクを実行する前に、Enterprise Managerをインストールするとディスクにコピーされるディレクトリおよびファイルについて理解しておく必要があります。各ファイルの場所を理解すると、インストールまたは構成上の問題の解決が必要な場合に役立ちます。
Enterprise Managerによってインストールされるディレクトリおよびファイルは、Enterprise Managerのインストール時に選択したインストール・オプションによって異なります。また、Enterprise ManagerがFusion MiddlewareまたはOracle Database 11gの一部としてインストールされると、Enterprise Managerのファイルおよびディレクトリの場所は少し変わります。
Enterprise Managerをインストールするとディスクに作成されるディレクトリについて理解を深めるには、次の項を使用してください。
Oracle Enterprise Manager Grid Control 11gリリース1をインストールするときは、4つのインストール・タイプのいずれかを選択できます。Oracle Management Serviceは、「Oracle Management Agent」以外のすべてのインストール・タイプでインストールされます。
Oracle Management Serviceをインストールすると、実際には3つのOracleホーム・ディレクトリがインストールされます。
Oracle Management Serviceホーム・ディレクトリ
ミドルウェアWebTierホーム・ディレクトリ
ミドルウェア共通ホーム・ディレクトリ
Oracle Management Serviceインスタンス・ホーム・ディレクトリ
Oracle Management Agentホーム・ディレクトリ
Oracle Management Serviceは、Oracle WebLogic Serverを使用してインストールおよびデプロイされるJ2EEアプリケーションです。
インストール時には、Oracle Management Serviceを含むEnterprise ManagerコンポーネントがGrid Controlホーム内にインストールされます。
Fusion Middlewareインストールに固有のディレクトリの詳細は、Fusion Middlewareのドキュメントを参照してください。
インストール時には、Oracle Management Serviceホーム・ディレクトリの他に、Oracle Management Agentがインストールされます。これは、Oracle Management Serviceホスト上のターゲットに対して管理データの収集および管理タスクの実行を行うために使用されます。
Oracle Management Agentは、Fusion Middlewareホーム・ディレクトリと同じレベルにある別のOracleホーム・ディレクトリにインストールされます。
図18-1は、基本的なGrid Controlインストールにおける、理解しておく必要のある重要なディレクトリの一部を示しています。この情報は、Oracle Management Serviceのインストールの管理、トラブルシューティングおよび構成を開始する際に使用してください。
表18-1では、図18-1に示したOracle Management Serviceディレクトリについて詳しく説明しています。この表で示されているORACLE_HOMEは、Oracle Management ServiceがインストールおよびデプロイされるOracle Management Serviceホーム・ディレクトリを指しています。
表18-1 管理サービスOracleホーム内の重要なディレクトリ
ディレクトリ | 説明 |
---|---|
管理サービス・ホーム内の |
|
管理サービス・ホーム内の |
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ORACLE_HOME/config |
|
ORACLE_HOME/log |
このディレクトリには、Oracle Management Serviceのログ・ファイルが含まれています。リポジトリ・ログ・ファイルは、 |
ORACLE_HOME/emd |
|
Oracle Management Agentは、Oracle Management Serviceをインストールすると自動的にインストールされます。このOracle Management Agentのローカル・インスタンスにより、Oracle Management Serviceホスト上のターゲットに関する管理情報が収集されます。これにより、これらのターゲット(ホスト自身など)をGrid Controlコンソールから管理できます。
各種のインストール方法を使用して、追加のOracle Management Agentをインストールできます。このため、エンタープライズ全体の各ホストにOracle Management Agentをインストールできます。インストールされたOracle Management Agentが各ホスト上のターゲットに関する管理データを収集すると、Grid Controlコンソールからこれらのターゲットを管理できるようになります。
追加のOracle Management Agentのインストール・タイプを選択した場合は、Oracle Management Agentの実行に必要なファイルのみがインストールされます。
具体的には、Oracle Management Agentのファイルは、Oracle Management Serviceをインストールした際のagent
ディレクトリ内の構造と同じディレクトリ構造(図18-1)にインストールされます。
Oracle Management Agentの実行に必要なファイルが含まれているディレクトリは、AGENT_HOMEディレクトリと呼ばれます。たとえば、Oracle Management Agentを起動または停止するには、AGENT_HOMEのbin
ディレクトリにあるemctl
コマンドを使用します。同様に、Oracle Management Agentのログ・ファイルを構成するには、AGENT_HOMEのsysman/config
ディレクトリにある構成ファイルを変更します。
表18-2には、AGENT_HOMEディレクトリ内の重要なサブディレクトリの一部が示されています。
表18-2 AGENT_HOMEディレクトリ内の重要なディレクトリ
WindowsシステムにOracle Management Agentをインストールした場合、AGENT_HOMEディレクトリのディレクトリ構造は、UNIXシステムにインストールした場合のディレクトリ構造と同様になります。
たとえば、WindowsシステムのE:\oracle\em11gAgent
ディレクトリにOracle Management Agentをインストールした場合、次のディレクトリに移動すると、WindowsシステムでOracle Management Agentに対するemctl
コマンドを見つけることができます。
$PROMPT> E:\oracle\em11gAgent\bin
Grid Control、Fusion MiddlewareまたはOracle Databaseをインストールした結果として作成されるディレクトリ構造に、同じ名前のサブディレクトリが複数含まれる場合があります。たとえば、AGENT_HOMEディレクトリ内にbin
ディレクトリが作成されます。AGENT_HOME/bin
ディレクトリ内のemctl
コマンドは、Oracle Management Agentを制御するために使用します。
また、Oracle Management ServiceのOracleホームにもbin
ディレクトリが作成されます。このディレクトリ内のemctl
コマンドは、Oracle Management Serviceを制御するために使用します。
特定のbin
ディレクトリ内のファイルによって制御されるOracleホームを即座に識別するには、次のコマンドを使用します。
$PROMPT> emctl getemhome
このコマンドを使用すると、emctl
コマンドのこのインスタンスによって実行されるコマンドの影響を受ける現行のOracleホームへのパスが表示されます。
オラクル社の製品、サービスおよびサポート・マニュアルを、障害のある方々が利用しやすいようにするための活動の一環として、Enterprise Managerには補助テクノロジを使用するユーザーの管理データへのアクセスを可能にするいくつかの機能が用意されています。
完全なアクセシビリティのためにこれらの機能を有効にするには、次の項で説明するように2つの構成設定を変更する必要があります。
Enterprise Managerでは、ユーザー操作の反応性を向上させるユーザー・インタフェース開発テクノロジが利用されています。たとえば、表内のある新規レコード・セットにナビゲートする場合、HTMLページの全体は再表示されません。
ただし、このパフォーマンス向上テクノロジは通常、スクリーン・リーダーではサポートされません。この機能を無効にして、障害を持つユーザーに対してEnterprise ManagerのHTMLページへのアクセスをより容易にするには、次の手順を使用します。
Grid Controlインストールでuix-config.xml
ファイルを探すには、ディレクトリをOracle Management Serviceホームの次の場所に変更します。
./oms11g/sysman/archives/emgc/deployments/EMGC_DOMAIN/emgc.ear/em.war/WEB-INF/uix-config.xml
テキスト・エディタを使用してuix-config.xml
ファイルを開き、次のエントリを探します。
<!-- An alternate configuration that disables accessibility features --> <default-configuration> <accessibility-mode>inaccessible</accessibility-mode> </default-configuration>
accessibility-mode
プロパティの値をinaccessible
からaccessible
に変更します。
ファイルを保存して閉じます。
Oracle Management Serviceを再起動します。
Enterprise Managerでは、パフォーマンス・データの表示にチャートが使用されます。ほとんどのユーザーにとって、このチャートはデータの重要なグラフィカル・ビューであり、傾向の分析やパフォーマンス・メトリックの最小値および最大値の認識に役立ちます。
ただし、チャートにはスクリーン・リーダーで読むことができる情報が付加されていません。この問題を解決するため、各パフォーマンス・チャートに完全な説明テキストが表示されるようにEnterprise Managerを構成できます。デフォルトでは、チャートの説明テキストのサポートは無効になっています。チャートの説明テキストが有効になっている場合、Enterprise Managerでは各チャートに小さなアイコンが表示され、説明テキストへのドリルダウン・リンクとして使用できます。
図18-2は、チャートの説明テキストを有効にしている場合にEnterprise Managerチャートの下に表示されるアイコンの例です。
チャートの説明テキスト用のドリルダウン・アイコンを有効にするには、次のようにします。
web.xml
構成ファイルを探します。
Grid Controlインストールでweb.xml
ファイルを探すには、ディレクトリをOracle Management Serviceホームの次の場所に変更します。
./oms11g/sysman/archives/emgc/deployments/EMGC_DOMAIN/emgc.ear/em.war/WEB-INF/web.xml
テキスト・エディタを使用してweb.xml
ファイルを開き、ファイル内で次の6行を探します。
<!-- Uncomment this to enable textual chart descriptions <context-param> <param-name>enableChartDescription</param-name> <param-value>true</param-value> </context-param> -->
このセクションの最初の行および最後の行を削除して4行のみを残し、このセクションからコメントを削除します。
<context-param> <param-name>enableChartDescription</param-name> <param-value>true</param-value> </context-param>
ファイルを保存して閉じます。
Oracle Management Serviceを再起動します。