| Oracle® Enterprise Manager Oracle Fusion Middleware Managementスタート・ガイド 11g リリース1(11.1.0.1) B61025-01 |
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Enterprise Manager Grid Control内のApplication Dependency and Performance(ADP)のページでは、Java EE、SOAおよびポータル・アプリケーションが分析されて、様々なアプリケーションの構築ブロック間の複雑な関係が、Oracleインテリジェント・プラットフォームの中核となるアプリケーション・スキーマ・モデルに取得されます。
この章の内容は次のとおりです。
アプリケーション・スキーマに格納される洞察性を使用することで、ADPはアプリケーション・サービス管理(ASM)環境を実現できます。この環境は個別に自己カスタマイズを行い、変化に応じて発展し、専門技術者の関与を最小限に抑えて、異種環境における総体的なサービス指向ビューを提供します。企業はADPによって分散アプリケーションをより効率的に管理でき、機敏な管理が可能になり、総所有コストを抑えることができます。
次の項を参照してください。
企業は、現在のJava EE、SOAおよびPortalアプリケーション群を利用して、ミッションクリティカルなビジネス機能を主な関係者(多くの場合、顧客、取引先および従業員)に提供することができます。このような複合アプリケーションは、多種多様なJava EEコンポーネントと、異種環境に分散されている公開サービスで構成されています。
企業が現在の複雑かつ分散されたJava EE、SOAおよびPortalアプリケーション群を異種環境全体で有効に管理するには、次の特性を備えたインテリジェントASMプラットフォームを採用する必要があります。
異種環境全体の総体的なサービス指向ビューの提供
インテリジェントASMプラットフォームは、低レベルのテクノロジ集約的なメトリックにマップされる、高レベルのサービス指向メトリックを提供します。これらの測定手法は、異種環境全体にデプロイされた多数の相互接続アプリケーション・コンポーネントの一体的かつ総合的なビューを提供するため、サービス指向形式で編成される必要があります。
Java EE、SOA、Portalおよびアプリケーションの専門知識の必要性を最小限に抑制
インテリジェントASMプラットフォームには、現在のJava EE、SOAおよびPortalアプリケーション群の様々な相互接続コンポーネント間の複雑な関係を取得する機能があります。この機能の利用によって、効果的なAPM環境の設定および維持においてJava EE、SOA、Portalおよびアプリケーションの専門技術者への依存を最小限に抑えることができます。
反復的なDIY手動プロセスの排除
インテリジェントASMプラットフォームは、個別に自己カスタマイズを行い、変化とともに発展する機能を備えることで、反復的なDIY手動プロセスを排除します。このような反復的なDIY手動プロセスの排除は、複雑性の増加と急速な変化に容易に対応できる唯一の方法です。
現在のミッションクリティカルなビジネス機能は、幅広く分散された環境全体にデプロイされた多数の相互接続コンポーネントで構成されるJava EE、SOAおよびPortalアプリケーション群を利用しています。これらのアプリケーションを効率的に管理するため、企業はまず、ビジネス機能、関連付けられた相互接続コンポーネント、および基盤となるランタイム環境の複雑な関係を理解する必要があります。IT企業が明瞭かつ正確な理解を得るためには、異種環境全体を対象とする総体的なサービス指向ビューが必要です。
さらに、これらのビューの適切な配置によって、企業内の様々なレベルのユーザーが共同作業を行ったり、各自の仕事をより効率的に処理できるようになります。
アプリケーション・スキーマ・ナビゲーションでは、階層トラバース、アーキテクチャ・モデル・ナビゲーション、文字列問合せ、ドリルダウン、ドリルアウトなどの手法を使用することで、関連情報に効率よくアクセスできます。
Java EE、SOAおよびPortalのパフォーマンスを効率的に管理するため、IT企業は、設定と維持に必要な専門知識を最小限に抑えるADPのようなインテリジェント・プラットフォームを採用する必要があります。従来のAPMツールキットとは異なり、ADPではカスタマイズしたAPM環境の設定および維持においてユーザーの専門知識に依存しません。そのかわりに、ADPは独自のモデルドリブン・アプローチを使用してアプリケーション・スキーマ・モデルに格納される情報を活用し、専門技術者の関与を最小限に抑えます。個別に自己カスタマイズを行い、変化とともに発展するADPの独自の機能によって、カスタム・エンタープライズ・アプリケーションだけでなく、社外で開発されたアプリケーションの管理においても完璧なソリューションとなります。
独自のモデルドリブン・アプローチに基づいて、ADPは反復的なDIY手動プロセスを排除します。このレベルの自己カスタマイズと変化への継続的な対応を実現するため、ADPはAppsSchemaモデリング・テクノロジを使用して、アプリケーション構造およびインフラストラクチャ構成の分析というクリティカルなタスクを実行します。アプリケーション・スキーマ・モデルにこのような洞察性を取得した後、ADPはその情報を活用して完全にカスタマイズされたASM環境を構築します。この環境を最新の状態に保つため、新規アプリケーションがデプロイされたり変更が適用されるたびに、ADPはアプリケーション・スキーマ・モデルを継続的に更新します。個別に自己カスタマイズを行い、変化とともに発展するADPの独自の機能によって、迅速な価値実現、総所有コスト(TCO)の抑制、資本利益率(ROI)の最大化が可能になります。
オラクルはJava EE、SOAおよびPortalのための業界初のインテリジェントASMプラットフォームを提供します。従来のAPMツールキットとは異なり、ADPはこれらのアプリケーションを分析して様々なアプリケーションの構築ブロック間の複雑な関係を、アプリケーション・スキーマ・モデル内に取得します。アプリケーション・スキーマ・モデルは、このインテリジェントASMプラットフォームの頭脳です。
アプリケーション・スキーマ・モデルに格納される洞察性を使用することで、ADPはASMソリューションを実現できます。このソリューションは個別に自己カスタマイズを行い、変化に応じて発展し、専門技術者の関与を最小限に抑えて、異種環境における総体的なサービス指向ビューを提供します。Oracleのようなインテリジェント・プラットフォームの採用によって、企業は分散アプリケーションをより効率的に管理でき、機敏な管理が可能になり、総所有コストを抑えることができます。
ADPは複数階層の完全に分散された構成可能なアーキテクチャを基盤として、企業のデプロイにおけるニーズの変化に対応する拡張性と柔軟性を提供します。
ADPはマシン上でサービスとして運用され、マシンが最初に起動するときに自動的に実行を開始して、永続的に稼働されます。ADPは通常、専用のマシンにインストールされ、管理対象アプリケーション・サーバーのグループの監視のみに使用されます。
ブラウザによるADPへのリモート・アクセスを可能にするため、Webコンテナがインストールされます。このWebコンテナはADP UIアプレットをブラウザにプロビジョニングして、これらのアプレットとの通信を管理します。図12-2を参照してください。
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注意: ブラウザ機能はデフォルトで停止されています。ブラウザ機能を起動するには、ADP_HOME/config/Acsera.propertiesファイルでTomcatプロパティをtrueに設定します。 |
次のコア・コンポーネントがデプロイされてADP ASMシステムを形成します。
ADP JavaエージェントはADP ASMシステムのデータ・コレクタです。ADP Javaエージェントはすべての管理対象アプリケーション・サーバーにデプロイされて一連のタスクを実行します。このタスクにはパフォーマンス管理の収集、コンテキスト関係の追跡、オーバーヘッドを最小限に抑えたリアルタイムのデータ要約などが含まれます。事前に定義された集計間隔の満了時に、これらのエージェントは要約済データをADPに追加分析のため転送します。Oracle SOA Suite、Oracle WebLogicおよびIBM WebSphereなどの様々なJava EEプラットフォームについて、ADPはそれらのデプロイ・インフラストラクチャを活用してADP Javaエージェントをすべてのアプリケーション・サーバーに迅速にデプロイします。
ADPマネージャはADP ASMシステムのコア分析エンジンです。ADPマネージャはすべてのADP Javaエージェントからの要約済データによって、複雑な数学的モデリングや統計的計算をリアルタイムで実行します。ADPマネージャはバックアップとともに構成して、より高いレベルの可用性を実現できます。
ADPマネージャはUIコンポーネントを含めずに構成することも可能で、これはヘッドレス構成とも呼ばれています。
ADPマネージャには高可用性(HA)がビルトインされていませんが、管理者は別のマシンにインストールされたバックアップADPマネージャを保有できます。このバックアップADPマネージャは同じデータベースをポイントしますが、無効になっています。本稼働ADPマネージャにエラーが発生した場合、バックアップADPマネージャを同じデータベースに対して有効にできます。次に、エージェントがバックアップADPマネージャから再デプロイされた後、バックアップADPマネージャは管理対象リソースに対してアプリケーションを再検出し、それらのマネージャを同期化します。メトリックはすべてそのまま維持されます。これは、バックアップADPマネージャのオンラインでの起動にかかる短い時間内ではモデルは変更されないということを前提にしています。
このバックアップ・プロシージャにおける重要点は、履歴データを維持するため、ADPがリポジトリとして使用するデータベースをバックアップすることです。モデリング側では、バックアップADPマネージャはアプリケーションを再検出する必要があります。この処理は、リソースが構成されていて新規エージェントがデプロイ済であるかぎり、自動的に行われます。
履歴データの維持が不要な場合、ユーザーは単純に新規のADPマネージャおよびデータベースを保有してデータベースをスワップできます。バックアップ処理に相当の時間をかける必要はありません。