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Oracle Warehouse Builderユーザーズ・ガイド
10gリリース2(10.2)
B31258-02
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19 データ・オブジェクトの検証

妥当性チェックでは、データ・オブジェクトおよびETLオブジェクトの両方の定義が検証され、配布時に発生する可能性のある問題またはエラーが識別されます。オブジェクトが無効である場合、生成および配布はできません。設計プロセスの任意の時点で、オブジェクトを検証し、オブジェクトのスクリプトを生成できます。これらの機能は、配布プロセス内からも使用できます。ただし、オブジェクトを定義し、指定している定義が完全かつ有効であることを確認した場合、スタンドアロンの機能として実行できます。さらに、配布前にスクリプトを生成および表示し、問題がないことを確認できます。

この章の内容は次のとおりです。

オブジェクトの検証

いつでも検証用のオブジェクトを手動で選択できます。「オブジェクト」メニューまたはオブジェクトの右クリック・メニューから、「検証」操作を選択します。

単一オブジェクトまたはオブジェクトのセットを検証する手順は、次のとおりです。

  1. プロジェクト・エクスプローラから単一オブジェクトまたはオブジェクトのセットを選択します。

    複数のオブジェクトを選択するには[Ctrl]キーを使用します。また、モジュールおよびプロジェクトなどのオブジェクトを含むオブジェクトも選択できます。

  2. 「オブジェクト」メニューから「検証」を選択するか、オブジェクトを右クリックしてポップアップ・メニューから「検証」を選択します。

    Warehouse Builderにより選択したオブジェクト定義が検証され、図19-1に示すように「検証結果」ダイアログに結果が表示されます。

    図19-1 「検証結果」ダイアログ

    図19-1の説明が続きます
    「図19-1 「検証結果」ダイアログ」の説明

検証結果の表示

「検証結果」ダイアログを使用すると、検証結果を表示したり、無効な定義を修正できます。「検証結果」ダイアログを開くと、左側にナビゲーション・ツリー、右側に検証メッセージが表示されます。これらの領域を使用して、特定のオブジェクトを見つけたり、そのオブジェクトに対する検証メッセージを表示できます。

「検証結果」ダイアログの上部にある「表示」ドロップダウン・リストを使用すると、表示される検証メッセージのタイプをフィルタできます。選択できるオプションは、次のとおりです。

「検証結果」ダイアログ・ボックスのコンポーネントは、次のとおりです。


注意:

「検証結果」ウィンドウは、定義の検証時に表示されます。これらの結果を後で表示するには、「表示」メニューから「検証メッセージ」を選択してください。

検証結果ナビゲーション・ツリー

検証されたオブジェクトまたはオブジェクトのセットは、図19-2に示すように、左側のナビゲーション・ツリーに表示されます。ナビゲーション・ツリーは、大規模なオブジェクトのセットを検証する際に特定のオブジェクトを探す場合に便利です。

図19-2 検証ナビゲーション・ツリー

図19-2の説明が続きます
「図19-2 検証ナビゲーション・ツリー」の説明

このツリーを使用して、オブジェクトまたはオブジェクトのタイプを選択し、右側に特定の検証メッセージを表示できます。

検証メッセージ

検証メッセージは、検証結果ウィンドウの右側に表示されます。選択したオブジェクトにその他のオブジェクトが含まれる場合、すべてのオブジェクトが結果に含められます。たとえば、検証用のモジュールを選択した場合、モジュール定義およびそのモジュール内のすべてのオブジェクトの定義が検証されます。検証メッセージには、オブジェクト名、検証ステータスおよび検証メッセージが表示されます。


注意:

指定のオブジェクトについて複数の検証メッセージが存在する場合があります。複数のエラーまたは警告が発生した場合、個別に表示されます。

検証ステータスには次の3つのタイプがあります。

  • 正常終了: このオブジェクトの検証テストを正常にパスしたことを示します。作業を続行できます。

  • 警告: 配布時に問題が発生した可能性があることを示します。これは重大なエラーではありません。警告は、可能性のある問題について注意を促すために表示されます。

  • エラー: オブジェクト定義が無効であることを示します。オブジェクト定義を生成できません。

「検証メッセージ」セクションまたはナビゲーション・ツリーでオブジェクト名をダブルクリックし、無効なオブジェクトを編集できるエディタを起動できます。たとえば、図19-1に示したナビゲーション・ツリーまたは「検証」タブのいずれかで、オブジェクト名「PRODUCTS_DIM」をダブルクリックすると、このディメンションに対するデータ・オブジェクト・エディタが起動します。これを使用して、ディメンション定義を編集します。


注意:

「検証結果」ウィンドウからオブジェクトを編集する場合、オブジェクトは自動的に再検証されません。以前無効であったオブジェクトを再検証する必要があります。

「検証」タブでメッセージをダブルクリックすると、テキスト・エディタに検証メッセージが開きます。テキスト・エディタの「ファイル」メニューを使用して、このメッセージをファイルとして保存できます。

無効なオブジェクトの編集

オブジェクトを検証すると、「検証結果」ウィンドウが表示されます。ここから、無効なオブジェクトを表示し、これらのオブジェクトのエディタに直接アクセスできます。

無効な定義を編集する手順は、次のとおりです。

  1. 「検証結果」ウィンドウで、ツリーまたは検証メッセージ・グリッドから無効なオブジェクトをダブルクリックします。

    選択したオブジェクトのエディタが開きます。

  2. オブジェクトを編集して問題を修正します。

  3. 終了するとエディタを閉じ、再検証します。

生成済スクリプトの表示

配布前のオブジェクト定義の検証に加えて、スクリプトを生成し表示することもできます。このプロセスでは、Warehouse Builderがオブジェクト定義を検証し、オブジェクトの作成および移入に必要なスクリプトを生成します。その後、生成結果および各スクリプトについて生成されたコードを表示できます。また、ファイル・システムにこれらのスクリプトを保存できます。


注意:

この項で説明している方法を使用して生成されたスクリプトは、配布不可である可能性があります。これは表示および検証用です。選択した場合、これらのスクリプトをファイル・システムに保存することもできます。

スクリプトの生成

単一オブジェクトまたはオブジェクトのセットについてスクリプトを生成する手順は、次のとおりです。

  1. プロジェクト・エクスプローラから、単一オブジェクトまたはオブジェクトのセットを選択します。

    複数のオブジェクトを選択するには、[Ctrl]キーを使用します。モジュールを選択することもできますが、多数のオブジェクトが含まれる場合、スクリプトの生成に時間がかかる場合があります。

  2. 「オブジェクト」メニューから、「生成」を選択します。オブジェクトを右クリックし、「生成」を選択することもできます。

    Warehouse Builderにより、選択したオブジェクトのスクリプトが生成されます。操作が完了すると、図19-3に示すように、「生成結果」ウィンドウが表示されます。

    図19-3 「生成結果」ウィンドウ

    図19-3の説明が続きます
    「図19-3 「生成結果」ウィンドウ」の説明

生成結果の表示

「生成結果」ダイアログは「検証結果」に似ています。このダイアログで、データ・オブジェクト用スクリプトの生成結果を確認します。このダイアログの左側にはナビゲーション・ツリーが表示され、右側には生成メッセージが表示されます。

表示されるオブジェクト・タイプを拡張または縮小できます。

「生成結果」ダイアログの上部にある「表示」 ドロップダウン・リストを使用すると、表示される生成メッセージを制限できます。選択できるオプションは、次のとおりです。

  • すべてのオブジェクト

    検証された全オブジェクトに関する全タイプの検証メッセージが表示されます。

  • 警告

    警告のみが表示されます。警告は重大エラーではありませんが、配布中の潜在的な問題を示します。

  • エラー

    検証の結果生成されたエラーのみが表示されます。エラーは、オブジェクト定義が無効であることを示します。


注意:

「生成結果」ウィンドウは、オブジェクト作成スクリプトを生成するときに表示されます。この結果を後で表示するには、「表示」メニューから「生成済スクリプト」を選択します。

「生成結果」ダイアログの右側には、「検証」および「スクリプト」という2つのタブが表示されます。「検証」タブには、選択したオブジェクトに関する検証メッセージが表示されます。このタブは表示専用です。検証の詳細は、「オブジェクトの検証」を参照してください。

図19-4に示すように、「スクリプト」タブには選択したオブジェクトの作成用に生成されるスクリプトのリストが表示されます。このリストには、各スクリプトで生成されるオブジェクトの名前、スクリプト名およびオブジェクト・タイプが含まれます。

図19-4 「スクリプト」タブ

図19-4の説明が続きます
「図19-4 「スクリプト」タブ」の説明

スクリプトの表示

ターゲット・オブジェクトのスクリプトを生成した後、スクリプトを開いてコードを表示できます。Warehouse Builderは、次のタイプのスクリプトを生成します。

  • DDLスクリプト: データベース・オブジェクトを作成または削除します。

  • SQL*Loader制御ファイル: ファイル・ソースからデータを抽出およびトランスポートします。

  • ABAPスクリプト: SAPシステムからデータを抽出およびロードします。

生成済のスクリプトを表示する手順は、次のとおりです。

  1. 「生成結果」ウィンドウで、「生成結果」ダイアログの左側にあるナビゲーション・ツリーでオブジェクトを選択します。

  2. このダイアログの右側にある「スクリプト」タブを選択します。

    「スクリプト」タブには、選択したオブジェクトの生成済スクリプトのリストが含まれます。

  3. 特定のスクリプトを選択し、「コードの表示」ボタンをクリックします。

    図19-5に示すように、選択したスクリプトがコード・ビューアに表示されます。これは読取り専用です。

    図19-5 生成されたスクリプト

    図19-5の説明が続きます
    「図19-5 生成されたスクリプト」の説明

スクリプトの保存

生成済スクリプトを表示したとき、これらをファイル・システムに保存することもできます。

生成済スクリプトを保存する手順は、次のとおりです。

  1. 生成結果ウィンドウで、左側のナビゲーション・ツリーからオブジェクトを選択します。

  2. ウィンドウの最下部のセクションから「スクリプト」タブを選択します。

    「スクリプト」タブには、選択したオブジェクトの生成済スクリプトのリストが含まれます。

  3. 特定のスクリプトを選択し、「別名で保存」ボタンをクリックします。

    「保存」ダイアログが開き、スクリプト・ファイルを保存するロケーションを選択できます。