Oracle Enterprise Manager Application Server Control Consoleを使用して、アプリケーションまたはモジュールをデプロイ、アンデプロイまたは再デプロイできます。
Application Server Control Consoleは、Oracle Universal Installerを使用してOC4Jをインストールするときに、自動的にインストールおよび構成されます。 このコンソールは、OPMNコマンドライン・ツールopmnct1
(各サーバー・ノードのORACLE_HOME/opmn/bin
ディレクトリにインストールされている)を使用して、インストールされている他のすべてのOracle Application Serverコンポーネントとともに起動されます。 次のコマンドを発行して、インストールされているすべてのコンポーネントを起動します。
http://ohs_host_address:port/em
ここで、
ohs_host_address
は、OHSホスト・マシンのアドレスです。
port
は、OPMNによってOHSに割り当てられたHTTPリスナー・ポートです。 OPMNから割り当てられているリスナー・ポートのリストを取得するには、OHSホスト・マシンで次のopmnct1
コマンドを実行します。
opmnct1 status -1
OPMNステータス出力のhttp1
として指定されているポートをport
の値として設定します。
HTTP_Server | HTTP_Server | 6412 | Alive | 1970872013 | 1 6396 | 0:48:01 | https:4443,http2:722,http1:7779
SOAインフラストラクチャ内でアーカイブ・ファイル(.ear
または.war
)を使用するすべてのアプリケーションは、Enterprise Manager Application Server Control Consoleを使用してデプロイできます。 このコンソールには、デプロイ・プロセスをわかりやすく効率的に進めるために、3ページのデプロイ・ウィザードが用意されています。
新規のアプリケーション、モジュールまたはスタンドアロン・リソース・アダプタをデプロイできます。 新規のOC4Jインスタンスをインストールまたは作成すると、次の2つのアプリケーションがOC4Jインスタンスに自動的にデプロイされます。
デフォルト・アプリケーション(default
): OC4Jインスタンスにデプロイするすべてのアプリケーションに対する親アプリケーションです。 OC4Jインスタンスにデプロイされるすべてのアプリケーションは、default
アプリケーションの属性とプロパティを継承します。
Application Server Controlアプリケーション(ascontrol
): ascontrol
アプリケーションはApplication Server Controlを表し、他のJ2EEアプリケーションと同様に、すべてのOC4Jインスタンスに自動的にデプロイされます。
注意: デプロイ・ウィザードの使用中に、ブラウザがアクティブにならないためにHTTPセッションがタイムアウトになった場合は、デプロイ・プロセスを再度開始する必要があります。 |
アプリケーションをデプロイする手順は、次のとおりです。
図11-4に示すように、クラスタ・トポロジ・ページに移動します。
アプリケーションのデプロイ先になるターゲット・インスタンスのリンクをクリックします。
図11-5に示すように、OC4Jインスタンスのホーム・ページが表示されます。
「アプリケーション」をクリックします。
「デプロイ」をクリックします。
図11-6に示すように、デプロイ: アーカイブの選択ページが表示されます。
ウィザードの1ページ目で、OC4Jサーバーにアップロードするアーカイブを選択します。 選択できるアーカイブ・ファイルは、J2EEアプリケーション(EARファイル)、Webモジュール(WARファイル)、EJBモジュール(EJB JARファイル)またはリソース・アダプタ・モジュール(RARファイル)です。 次のように、アーカイブ・ファイルへのローカル・パスを入力します。
/applications/soademo/soademo.ear (On Unix) \soademo\soademo.ear (On Windows)
「参照」をクリックし、ローカル・ディスクまたはOC4Jインスタンスが実行されているサーバー上でファイルの場所を選択することもできます。
デプロイ・プランとは、OC4J固有の複数のデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルに存在するOC4J固有のすべての構成データを統合するXMLファイルです。 デプロイ・プランは、アーカイブに適用したり、新規のデプロイ・プランのテンプレートとして使用できます。
デフォルト・オプションを選択してデプロイ・プランを自動的に作成し、「次へ」をクリックします。 図11-7に示すように、デプロイ・ウィザードの2ページ目のデプロイ: アプリケーション属性ページが表示されます。
デプロイされるアーカイブ・ファイルのタイプと場所が表示されます。 既存のデプロイ・プランを選択した場合は、そのデプロイ・プランの名前と場所が表示されます。 アーカイブ・ファイルのデプロイメント・ディスクリプタに基づいて新規のデプロイ・プランを作成するためにデフォルト・オプションを選択した場合、このフィールドは空です。
デプロイするアプリケーションの名前を入力します。 この名前には空白を使用でき、この名前によって、OC4Jアプリケーション・ページに表示されるアプリケーション・リストでこのアプリケーションを識別できます。
デプロイするアプリケーションに対する親アプリケーションとして使用するアプリケーションを選択します。
たとえば、すべてのOC4Jインスタンスで使用できるdefault
アプリケーションを選択できます。 子アプリケーションは、親アプリケーションのネームスペースを参照します。 この設定は、複数のアプリケーション間でEJBなどのサービスを共有する際に使用されます。
Webアプリケーションをデプロイする場合は、アプリケーションへのアクセスに使用するWebサイトにアプリケーションをバインドします。 ドロップダウン・メニューからWebアプリケーションを選択します。
<web-app
>要素が指定のWebサイトのXMLファイル(例: http-web-site.xml
)に追加され、アプリケーション名、Webアプリケーション名およびコンテキスト・パスが示されます。 次に例を示します。
<web-app application="utility" name="utility_web" root="/utilroot" load-on-startup="false" max-inactivity-time="no shutdown" shared="false"/>
最後に、デプロイするアプリケーション内のパッケージ化された各Webモジュールのコンテキスト・ルートを表示または変更できます。
Webモジュールのコンテキスト・ルートは、Webブラウザからアプリケーションにアクセスするために使用するURLに追加されます。 たとえば、コンテキスト・ルートを/soademo
と入力した場合、モジュールには次のURLでアクセスできます。
http://node1.company.com:777/soademo
「次へ」をクリックし、デプロイ・ウィザードの次のステップに進みます。
図11-8に示すように、デプロイ: デプロイ設定ページが表示されます。
「デプロイ」をクリックしてアプリケーションをデプロイします。
注意: 「デプロイ」をクリックすると、デプロイ・プランがアーカイブとともにOC4Jサーバーに送信されます。 デプロイ・プロセスは、Webブラウザが閉じている場合でも続行されます。 |
.ear
ファイル内のパッケージ化されたアプリケーションをデプロイすると、次の処理が実行されます。
アプリケーションを再デプロイする場合は、最初に既存のインストールがOC4Jからアンデプロイされます。
OC4Jによって、EARファイルがマスター・デプロイ・ディレクトリ(デフォルトでは、ORACLE_HOME/j2ee/home/applications/
ディレクトリ)にコピーされます。
OC4Jによって、.ear
ファイル内のパッケージ化されたapplication.xml
ファイルが開かれて解析されます。 このファイルは標準J2EEのディスクリプタで、.ear
ファイル内に含まれるすべてのモジュールがリストされます。 OC4Jは、これらのモジュールを考慮してEAR環境を初期化します。
OC4Jによって、各モジュール・タイプ(Webモジュール(WAR)、EJBモジュール、コネクタ・モジュールまたはクライアント・モジュール)のモジュール・デプロイメント・ディスクリプタがメモリーに読み込まれます。 JARおよびWARファイル環境も初期化されます。
OC4Jによって、J2EEデプロイメント・ディスクリプタおよびOC4J固有のデプロイメント・ディスクリプタに含まれる構成詳細が反映されます。 OC4Jは、OC4Jによるアクション(例: インタフェースによるEJBのラップ)が必要なJ2EEコンポーネント構成を考慮します。
OC4Jによって、OC4J固有の新規の構成ファイルが、デプロイ・プランの内容に従って、ORACLE_HOME/j2ee/home/application-deployments/app_name
ディレクトリに書き込まれます。 OC4J固有のデプロイメント・ディスクリプタが1つ以上指定されている場合、OC4Jでは追加の要素を生成済ファイルに追加します。
生成されたクラス(例: EJBインタフェース・ラッパー・クラス)はコンパイルされ、このディレクトリ下の新規サブディレクトリに格納されます。 たとえば、EJBラッパー・クラスは、ORACLE_HOME/j2ee/home/application-deployments/app_name/jar_name.jar/
ディレクトリ内にあるdeployment-cache.jarというアーカイブ内に生成されます。jar_name.jar
は、デプロイされたEJB JARの名前に対応しています。
最後に、OC4Jによって、このアプリケーションがデプロイされたことを示す表記法を使用して、OC4J server.xml
構成ファイルが更新されます。
Application Server Control Consoleを使用すると、特定のOC4JインスタンスまたはOracle Application Serverクラスタ内のOC4Jインスタンスのグループに、アプリケーションをデプロイできます。 このグループは、OC4Jインスタンスの同期化セットで、これらのインスタンスは同じクラスタ・トポロジに属しています。 グループ内のすべてのOC4Jインスタンスで、構成操作を同時に実行できます。
アプリケーションをクラスタ内のOC4Jインスタンスのグループにデプロイする手順は、次のとおりです。
Application Server Control Consoleのホーム・ページで、「クラスタ・トポロジ」をクリックします。 クラスタ・トポロジ・ページが表示されます。
このページに表示される内容は次のとおりです。クラスタ・トポロジ・ページの「グループ」セクションには、soa_group
というグループがリストされます。
現在、クラスタに含まれるすべてのOracle Application Serverインスタンス
各Oracle Application Serverインスタンス内のアクティブなOC4Jインスタンス
各OC4Jインスタンスにデプロイされたアプリケーション
OC4Jインスタンスのグループをデプロイするには、ページの下部にある「グループ」で、グループで共有する共通インスタンス名をクリックします。
第11.3.1項「アプリケーションのデプロイ方法」で説明した手順に従って、アプリケーションをデプロイします。