サービスをユーザー・インタフェースにバインドする最も簡単な方法は、ADFデータ・コントロールを使用することです。
ここでは、次の項目について説明します。
注意: SOAアプリケーションでは、ADFデータ・コントロールを使用する必要はありません。 しかし、ADFデータ・コントロールは、クライアントでの製品の表示、およびテスト目的のために便利です。 |
EJBセッションBeanからADFデータ・コントロールを作成するには、ナビゲータでセッションBeanを右クリックし、「データ・コントロールの作成」を選択するか、セッションBeanをデータ・コントロール・パレットまでドラッグします。
注意: Oracle固有のライブラリを使用しないJ2EE開発者は、ADFデータ・コントロールのかわりに、JSFマネージドBeanを使用できます。 JSFマネージドBeanを使用する方法は複雑になるため、このマニュアルでは説明しません。 |
EJB 3.0セッションBeanからデータ・コントロールを作成すると、複数のXMLファイルが生成され、ナビゲータに表示されます。 生成されるファイルとデータ・コントロール・パレットについては、後続の各項で説明します。
データ・コントロールを作成すると、サービス・レイヤーに次のXMLファイルが生成されます。
UpdateableSingleValue.xml: デザインタイムXMLファイル
これらのファイルがどのように関連付けられ、使用されるかの詳細は、『Oracle Application Development Framework開発者ガイド』の付録Aを参照してください。
DataControls.dcxファイルは、ビジネス・サービスのデータ・コントロールを登録すると作成されます。 この.dcxファイルによって、クライアントと使用可能なビジネス・サービス間の相互作用を簡素化する、Oracle ADFサービス・レイヤー・アダプタ・クラスが識別されます。 EJB、WebサービスおよびBeanベースのデータ・コントロールの場合は、このファイルをプロパティ・インスペクタで編集して、パラメータの追加または削除、およびデータ・コントロールの設定の変更ができます。 たとえば、この.dcxファイルを使用すると、ソート機能を使用するかどうかなど、様々な項目に対するグローバル・プロパティを設定できます。
セッションBeanをOracle ADFデータ・コントロールとして登録すると、各セッションBeanに対するXML定義ファイルがサービス・プロジェクトに作成されます。 このファイルは通常、構成定義ファイルと呼ばれます。 構成定義ファイルの名前はセッションBeanと同じですが、拡張子.xmlが付加されます。
構成定義は、次に示す3つのタイプのオブジェクトで構成されます。
属性
アクセッサ
操作
クライアント開発者は、データ・コントロール・パレットを使用して、データ・バインドされたHTML要素(JSPページ用)、データ・バインドされたFaces要素(JSF JSPページ用)、およびデータ・バインドされたSwing UIコンポーネント(ADF Swingパネル用)を作成します。 データ・コントロール・パレットは、次の2つの選択リストで構成されます。
使用可能なビジネス・オブジェクト、メソッドおよびデータ・コントロール操作の階層表示。
適切なビジュアル要素のドロップダウン・リスト。特定のビジネス・オブジェクト用に選択して、オープン・クライアント・ドキュメントにドロップできます。
また、Webアプリケーション開発者は、データ・コントロール・パレットを使用して、ビジネス・サービスによって提供されたメソッドを選択し、ページ・フローのデータ・ページやデータ・アクションにドロップできます。
このパレットは、前述の項で説明したXMLファイルの直接表現であるため、ファイルを編集することで、パレットに含まれている要素を変更できます。
データ・コントロール・パレットに表示されているビジネス・サービスの階層構造は、サービス・プロジェクト内のデータ・コントロールを使用して登録したビジネス・サービスによって決まります。 パレットには、登録したビジネス・サービスごとに個別のルート・ノードが表示されます。
データ・コントロール・パレットのルート・ノードは、ビジネス・サービス用に登録されたデータ・コントロールを表します。 ルート・データ・コントロール・ノードから階層を下位にたどると、パレットには、Beanベースのビジネス・サービスが、コンストラクタ、属性、アクセッサまたは操作として表されます。
コンストラクタ: 作成可能なタイプは「コンストラクタ」ノード内に含まれます。 これらのタイプによって、オブジェクトのデフォルト・コンストラクタがコールされます。
属性: Beanプロパティなど。単純なスカラー値オブジェクト、構造化オブジェクト(Bean)またはコレクションを定義できます。
アクセッサ: get()メソッドおよびset()メソッド。
操作: Beanメソッドなど。値を戻す場合と戻さない場合、メソッド・パラメータを使用する場合と使用しない場合があります。 Webサービスの場合、データ・コントロール・パレットに表示されるのは操作のみです。
データ・コントロール・パレットの使用方法の詳細は、『Oracle Application Development Framework開発者ガイド』を参照してください。
サービス・プロジェクト用のデータ・コントロール定義の作成が終了した後は、ビジネス・サービスの変更後にデータ・コントロールを更新する場合があります。 データ・コントロール定義をリフレッシュすると、最新のビジネス・サービスの変更内容がADFアプリケーションで使用可能になります。データ・コントロール定義をリフレッシュするために実行する処理は、サービス・プロジェクトに対する変更のタイプによって異なります。
パレットが表示されていない場合は、「表示」メニューを選択し、「データ・コントロール・パレット」を選択します。 パレットがすでに表示されている場合は、そのパレットを右クリックし、「リフレッシュ」を選択します。
サービス・プロジェクトで、作成するBeanまたは他のビジネス・サービスの新規プロパティを定義します。 .javaファイルをコンパイルし、対応する.xmlファイルにビジネス・サービスのメタデータを再生成します。 変更したビジネス・サービスがBeanベース(EJBセッションBeanなど)の場合は、セッションBeanを右クリックして「データ・コントロールの作成」を選択すると、データ・コントロールをリフレッシュできます。
ADF Business Componentsの場合、データ・コントロール定義は、ADF BCプロジェクト・ファイルを変更したときに自動的に更新されます。
データ・コントロール定義を削除するには、ビュー・プロジェクトで、DataBindings.dcxファイルを選択し、構造ウィンドウで、サービス・プロジェクトに表示されなくなったビジネス・サービスを表しているデータ・コントロール・ノードを選択します。 データ・コントロール・ノードを右クリックし、「削除」を選択します。
JDeveloperによって、サービス・プロジェクト内のデータ・コントロール定義ファイル(DataBindings.dcx)が更新されます。 このDataBindings.dcxファイルによって、クライアントと使用可能なビジネス・サービス間の相互作用を簡素化する、Oracle ADFサービス・レイヤー・アダプタ・クラスが識別されます。