Oracle Enterprise Service Busにより、企業内および企業外の複数のエンドポイント間でデータを転送できます。 ビジネス・ドキュメント(Extensible Markup Language(XML)メッセージとして)の異種アプリケーション間での結合、変換およびルーティングには、オープン標準が使用されます。 これにより、既存のアプリケーションへの影響を最小限に抑えてビジネス・データを監視および管理できます。 エンタープライズ・サービス・バスは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)およびイベント駆動アーキテクチャ(EDA)を配信するための基礎となるインフラストラクチャです。
Oracle Enterprise Service Busは、SOAおよびEDAを使用したサービスの基礎になります。 その核心にあるのは疎結合のアプリケーション・フレームワークで、業界標準を使用する分散化された異機種間のメッセージ指向環境におけるビジネスに、高度な柔軟性、再利用性および全体的な応答性を提供します。
Oracle Enterprise Service Busが提供するアプリケーション統合機能は、次の3つの広範なカテゴリに分類されます。
接続性
接続性は、アダプタ・サービスおよびSimple Object Access Protocol(SOAP)呼出しサービスを介して提供されます。 Oracle Enterprise Service Busには、サービスの起動および作成を支援するツールやウィザードが用意されています。
文書トランスフォーメーション
Oracle Enterprise Service Busには、標準ベースのデータ・マッパーが含まれています。このデータ・マッパーは、xslファイルを指定してデータをXMLスキーマ間で変換します。これによって、異なるスキーマを使用するアプリケーション間でのデータ交換が可能になります。 目的の結果を得るには、複数のトランスフォーメーションが必要になる場合があります。 これらのトランスフォーメーションは、必要に応じてOracle Enterprise Service Bus内で再利用できます。
ルーティング
XMLメッセージ内に格納されているデータは、ルーティング・サービスを使用して、ソース・アプリケーションからターゲット・アプリケーションに配布されます。 ルーティング・サービスは、その名前が示すように、Oracle Enterprise Service Bus環境内の異なるポイント間でメッセージを送受信する方法を決定します。
ルーティング・ルールでは、ルーティング・サービスがメッセージを受信するとOracle Enterprise Service Busが起動するサービスのセット(ターゲット・サービスと呼ばれます)を最低限指定します。 さらに、ルーティング・ルールを構成するときは、次のオプションを指定できます。
この章では、次のことを理解できます。
メッセージ・インスタンス・フローの作成方法
外部サービスの起動方法
アダプタ・サービスの作成方法
ルーティング・サービスの作成方法とルーティング・ルールの構成方法
Oracle Enterprise Service Busフローのテスト方法
Oracle Enterprise Service Busの概要の追加説明は、『Oracle Enterprise Service Bus開発者ガイド』の「Oracle Enterprise Service Busの概要」を参照してください。