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Oracle SOA Suite開発者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31839-01
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8.4 Rule Authorを使用したディクショナリの作成と保存

ルールの作成と変更にRule Authorを使用するためには、ディクショナリから開始する必要があります。 Rule Authorでは、ルールとそのルールに関連する定義はディクショナリに格納されます。 ディクショナリを使用するには、新規ディクショナリを作成するか、既存のディクショナリをロードして変更できます。

ディクショナリを作成する前に、ディクショナリを格納するリポジトリを設定しておく必要があります。 Rule Authorでは、ディクショナリの永続記憶域として、WebDAV(Web Distributed Authoring and Versioning)リポジトリまたはファイル・リポジトリの2種類のリポジトリがサポートされています。 ディクショナリの格納に使用するリポジトリのタイプを決定する必要があります。 WebDAVリポジトリは、ユーザーがWebサーバー上でディクショナリにアクセスおよび書き込むことができるように構成できます。

8.4.1 ファイル・リポジトリの設定方法

Oracle Business Rulesでは、インストール時に空のファイル・リポジトリ(ディクショナリが含まれていません)が提供されます。 emptyFileRepositoryというこの空のファイル・リポジトリは、$ORACLE_HOME/rules/libディレクトリにあります。 新規ファイル・リポジトリの作成が必要な場合は、次の2つの選択肢があります。空のファイル・リポジトリをコピーして新規リポジトリを作成するか、Rule Authorの「接続」セカンダリ・タブを使用して新規ファイル・リポジトリを作成できます。

emptyFileRepositoryを使用して新規ファイル・リポジトリを設定する手順は、次のとおりです。

  1. ホスト・システムでコマンドを使用して、emptyFileRepositoryファイルを、$ORACLE_HOME/rules/libディレクトリから新規ファイル・リポジトリの保存先にコピーします。

  2. 新規ファイル・リポジトリを使用する場合は、Rule Authorの「リポジトリ」タブの接続ページからリポジトリに接続できます(第8.4.3項を参照)。

Rule Authorを使用して新規ファイル・リポジトリを作成する手順は、次のとおりです。

  1. Rule Authorの「リポジトリ」タブの接続ページにアクセスします。

  2. 「ファイルの場所」フィールドに完全パスを入力し、「作成」をクリックします。

リポジトリを作成し、作成したリポジトリに接続した後は、そのリポジトリにディクショナリを作成して保存できます。

8.4.2 WebDAVリポジトリの設定方法

Oracle Business Rulesでは、ルールセット、データ・モデルおよびルールの永続記憶域として、Oracle HTTP ServerのWebDAVリポジトリの使用がサポートされています。 Oracle HTTP Serverでは、mod_oradavモジュールによってWebDAVがサポートされています。

WebDAVプロトコルはHTTPプロトコルの拡張機能です。このプロトコルによって、リモート・ユーザーはWebサーバーにコンテンツを書き込むことができます。 WebDAVリポジトリを使用する場合は、望ましくない結果を防止し、安全性の高いシステムが維持されるように、Webサーバーを構成する必要があります。

Webサーバーの次のセキュリティ機能の一部またはすべてを採用することをお薦めします。

  • WebDAV対応領域へのアクセスに対して認証を要求します。

  • 認証中は少なくともSSLを使用します(Basic認証を使用する場合はセッション全体に対して使用します)。

  • ForceTypeディレクティブを使用して、WebDAV対応領域内のコンテンツを参照するURLの実行を防止します。

WebDAVリポジトリを作成するために、ファイル・システムのコンテンツが格納されている場所にWebDAVベース・リポジトリを作成する方法の例を示します。 この例では、次の内容が想定されています。

  • すべてのファイル・システム・パスは、Oracle HTTP ServerがインストールされているORACLE_HOMEに対する相対パスです。

  • この手順を実行しているユーザーは、Oracle Application Serverをインストールしたユーザーでコンピュータにログインしています(これによって、Oracle HTTP Serverは、rule_repositoryディレクトリに対する読取りと書込みを実行できます)。

  • Oracle HTTP Serverには、URLのhttp://www.myserver.com:portを使用してアクセスできます。


注意:

この例のWebDAVリポジトリの構成は、内部テストとしてのみ使用し、本番環境では使用しないでください。 この例で作成されたリポジトリには、アクセス制御が含まれていないため、WebDAVリポジトリに対するアクセスまたは変更は誰に対しても許可されます。 WebDAVリポジトリのセキュリティ構成については、『Oracle Business Rulesユーザーズ・ガイド』を参照してください。

WebDAVリポジトリを作成する手順は、次のとおりです。

  1. Apache/Apache/htdocsディレクトリに、rule_repositoryという名前のディレクトリを作成します。

  2. Apache/oradav/confディレクトリで、moddav.confファイルを編集し、次の行を追加します。

    <Location /rule_repository>
        DAV on
        ForceType text/plain
    </Location>
    
    
  3. Oracle HTTP Serverを再起動します。

    WebDAVリポジトリが作成され、次のURLにアクセスできます。

    http://www.fully_qualified_host_name.com:port/rule_repository/


注意:

認証が実行されるように、URLには完全修飾ホスト名を使用する必要があります。

mod_oradavの使用方法については、『Oracle HTTP Server管理者ガイド』を参照してください。 特に、第9章のWebDAVのセキュリティ上の考慮事項に関する項を参照してください。

8.4.3 リポジトリの作成方法および接続方法

Oracle Business Rulesのディクショナリには、ルールおよびそのルールに関連付けられているデータ・モデルが格納されます。 Rule Authorを使用してディクショナリを作成および保存するには、最初に、リポジトリに接続する必要があります。 Rule Authorでは、WebDAVリポジトリおよびファイル・リポジトリの2種類のリポジトリがサポートされています。


注意:

WebDAVリポジトリを使用する場合は、その前に、接続できるリポジトリが存在している必要があります。

リポジトリに接続する手順は、次のとおりです。

  1. 「リポジトリ」タブをクリックします。

  2. 「接続」セカンダリ・タブをクリックします。

  3. 「リポジトリ・タイプ」フィールドで、「ファイル」リポジトリ・タイプを選択します。

  4. 「ファイルの場所」ボックスに、ファイル・リポジトリへのパスを入力します(図8-3を参照)。

  5. 「接続」をクリックします。

    正常に接続した場合は、Rule Authorによって、確認メッセージが表示されます。


注意:

ファイル・リポジトリを作成して接続する場合は、「接続」のかわりに「作成」をクリックします。 「作成」を使用する場合、Rule Authorでは、「ファイルの場所」フィールドの相対パス名は受け入れられません。

図8-3 Rule Authorファイル・リポジトリの接続ページ

Rule AuthorのWebDAVリポジトリの接続ページ
「図8-3 Rule Authorファイル・リポジトリの接続ページ」の説明

8.4.4 Rule Authorディクショナリの作成方法および保存方法

Rule Authorディクショナリは最上位コンテナであり、Rule Authorで作業する起点となります。 ディクショナリは、通常、アプリケーションのルール部分に対応しています。

ディクショナリを作成および保存する手順は、次のとおりです。

  1. 第8.4.3項「リポジトリの作成方法および接続方法」に示すように、リポジトリに接続します。

  2. 「作成」セカンダリ・タブをクリックします。

  3. 「新規ディクショナリ名」フィールドに、ディクショナリ名を入力します。 たとえば、「OrderBookingRule」と入力します(図8-4を参照)。

  4. 「作成」をクリックします。

    Rule Authorによって、ステータス・メッセージが表示されます。

    図8-4 Rule Authorのディクショナリを作成ページ

    Rule Authorのディクショナリを作成ページ
    「図8-4 Rule Authorのディクショナリを作成ページ」の説明

  5. 「別名保存」セカンダリ・タブをクリックします。

  6. 「ディクショナリ」フィールドに、ディクショナリ名を入力します。

  7. バージョンを指定するには、「バージョン」フィールドにバージョンを入力します。

  8. 「別名保存」をクリックします。

    Rule Authorによって、確認メッセージが表示されます(図8-5を参照)。

    図8-5 Rule Authorの別名保存ページ

    Rule Authorの別名保存ページ
    「図8-5 Rule Authorの別名保存ページ」の説明

8.4.5 ディクショナリ保存時の処理内容

ディクショナリを保存すると、Rule Authorでは、指定したバージョン名を使用して、そのディクショナリに関連したルールとデータ・モデルがリポジトリに格納されます。 これによって、リポジトリが更新されます。