この付録では、リリース10.1.2と10.1.3.1の間で行われたワークフロー・サービスに対する変更の概要を説明します。
この付録の内容は次のとおりです。
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関連項目:
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リリース10.1.2の「ワークフロー・ウィザード」を使用して設計したワークフローを、リリース10.1.3.1でデプロイして実行できます。 必要な作業は、プロセスの再デプロイのみです。 ただし、リリース10.1.2と10.1.3.1では、インスタンス表が異なります。 したがって、リリース10.1.2の項目はリリース10.1.3.1のOracle BPEL Worklistアプリケーションに表示されません。 リリース10.1.2のプロセスから作成されたタスクにアクセスするには、次のURLにある旧リリースのOracle BPEL Worklistアプリケーションにアクセスします。
http://localhost:9700/integration/oldworklistapp/Login
アイデンティティ・サービス構成ファイルを、「リリース10.1.2.から10.1.3.1へのワークフロー定義の移行」の説明に従って変更する必要があります。 この変更は、リリース10.1.2のプロセスを変更しない場合にも必要です。 リリース10.1.3.1の新しいワークフロー機能を使用する場合は、10.1.3のタスク定義を使用するようにプロセスを手動で移行する必要があります。 タスク・エディタ、フォーム・デプロイメント、ワークリストおよび構成ファイルの変更内容については、以降の各項を参照してください。
リリース10.1.3.1では、以前のリリースでワークフロー設計に使用していた「ワークフロー・ウィザード」がヒューマン・タスク・エディタで置き換えられています。 Oracle JDeveloperからのワークフロー機能を含むリリース10.1.2のプロセスは、引き続きデプロイできます。 ただし、この種のワークフローはヒューマン・タスク・エディタで編集できません。 リリース10.1.3.1の機能を使用するには、手動でワークフロー・タスク・スコープを移行してヒューマン・タスクを再作成する必要があります。
表E-1に、リリース10.1.2の「ワークフロー・ウィザード」ページと、この機能に対応するヒューマン・タスク・エディタでの場所を示します。
表E-1 リリース10.1.3.1で「ワークフロー・ウィザード」機能に対応する場所
| リリース10.1.2の「ワークフロー・ウィザード」ページ | リリース10.1.3.1のヒューマン・タスク・エディタでの場所 | 参照項目 |
|---|---|---|
| 「ようこそ」: ワークフロー・モデルの作成、拡張タスク構成の実行および既存ワークフローの機能拡張を行う場合
注意: 拡張タスク構成を選択した場合に表示されるページについては、後述します。 |
ヒューマン・タスクを作成する手順は、次のとおりです。
既存のワークフローを拡張する手順は、次のとおりです。
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「ヒューマン・タスク・エディタへのアクセス」(ヒューマン・タスクを作成する場合)
「他のヒューマン・タスクのタスク履歴の追加」(既存のワークフローを拡張する場合) |
| 「ワークフロー・パターン」: 設計するワークフロー・パターンの選択、ワークフロー名の指定および変数名の指定を行う場合
注意: ワークフロー・パターンは、リリース10.1.3.1では参加者タイプに名称変更されています。 |
設計するワークフロー・パターンを選択する手順は、次のとおりです。
ワークフロー名を指定する手順は、次のとおりです。
変数名を指定する手順は、次のとおりです。
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「タスク参加者の割当て」(設計するワークフロー・パターンを選択する場合)
「ヒューマン・タスク・エディタへのアクセス」または「ヒューマン・ワークリスト・タスクとBPELプロセスの関連付け」(ワークフロー名を指定する場合) 「タスク・パラメータの指定」(変数名を指定する場合)
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| 「タスク通知」: 通知メッセージを受信者に送信する際のステータスを選択する場合
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「参加者の通知プリファレンスの指定」 |
| 「タスクの詳細」: タスクの詳細(タイトル、ペイロード、ペイロード表示書式、タスク作成者および有効期間など)を選択する場合 | タスクのタイトルを指定する手順は、次のとおりです。
ペイロードを指定する手順は、次のとおりです。
ペイロード表示書式を指定する手順は、次のとおりです。
タスク作成者を指定する手順は、次のとおりです。
有効期間を指定する手順は、次のとおりです。
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「タスクのタイトルと優先度の指定」または「タスクのタイトルの指定」(タスクのタイトルを指定する場合)
「タスク・ペイロードのデータ構造の指定」(ペイロードを指定する場合) 「タスク表示フォームの選択」(ペイロード表示書式を指定する場合) 「タスクの起案者と優先度の指定」(タスク作成者を指定する場合) 「タスクの操作に対する時間制限の指定」(単一の承認者の有効期間を指定する場合) 「タスクの操作に対する時間制限の指定」(グループ投票の有効期間を指定する場合) 「タスクの操作に対する時間制限の指定」(管理チェーンの有効期間を指定する場合) 「タスクの操作に対する時間制限の指定」(承認者の順序リストの有効期間を指定する場合) |
| 「タスクの結果」: タスクに可能な結果を選択する場合 |
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「タスクの結果の指定」 |
| 「割当て先」: タスクの割当て先となるユーザーまたはグループを手動または動的に選択する場合 |
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「単一の承認者タスクへの参加者の割当て」
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| 「エスカレーション・ポリシー」: タスクのエスカレート方法を選択する場合 |
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「エスカレーションおよび有効期限ポリシーの概要」および「「エスカレートまでの時間」ポリシー」 |
| 「期限更新ポリシー」: タスクの期限更新ポリシーを選択する場合 |
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「「期限更新までの時間」ポリシー」 |
| 「割当てポリシー」: タスクの操作を特定のユーザーが実行する必要があるか、または特定数のユーザーが実行する必要があるかを選択する場合 (これによりタスクを複数のユーザーに順番にルーティング可能) |
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「承認者の順序リスト・タスクへの参加者の割当て」 |
| 「ルーティング・ポリシー」: タスクのルーティング方法を選択する場合 |
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「受信者へのタスク・ステータス変更の通知」 |
| 「結果の決定ポリシー」: タスクの結果ポリシー(最終結果に必要なパーセンテージ、デフォルトの結果および早期完了構成など)を選択する場合 |
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「グループ投票詳細の指定」 |
| 「管理チェーン・パラメータ」: このタスクを順番に確認する管理チェーン(最初の割当て先およびマネージャなどの他のユーザー)を選択する場合 |
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「承認者数の指定」 |
| 「レビューア」: このタスクを確認するユーザーまたはグループを手動または動的に選択する場合
(最終レビューア・パターンを含むパラレル・ワークフローが選択されている場合にのみ表示) |
パラレル参加者に続いてレビューアの役割を果たす単純参加者をモデル化します。 | |
| (詳細オプション)「オプションのタスク詳細」: タスクの優先度、タスク所有者およびタスク識別キーを選択する場合 | タスクの優先度を指定する手順は、次のとおりです。
タスク所有者を指定する手順は、次のとおりです。
識別キーを指定する手順は、次のとおりです。
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「タスクのタイトル、優先度、結果および所有者の指定」または「タスクの起案者と優先度の指定」(タスクの優先度を指定する場合)
「タスク所有者の指定」(タスク所有者を指定する場合) 「識別キーの指定」(識別キーを指定する場合) |
| (詳細オプション)「タスクのフレックス・フィールド」: タスクについてペイロードのみでなくデータも取得する機能を拡張する場合 | フレックス・フィールドの構成は、Oracle BPEL Worklistアプリケーションで行われます。 単純型を使用するタスク・パラメータをフレックス・フィールドにプロモートできます。 この機能を使用するには、管理者権限でOracle BPEL Worklistアプリケーションにログインします。 デフォルトでは、bpeladminユーザーにはフレックス・フィールド・マッピングを実行するための権限が付与されています。
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「フレックス・フィールド・マッピング」 |
| (詳細オプション)「制限付きタスク・アクション」: 実行時にOracle BPEL Worklistアプリケーションから実行される一部の共通アクションを制限する場合 |
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「デフォルトのシステム・アクションの上書き」 |
| (詳細オプション)「バージョン追跡属性」: バージョン追跡対象となる属性を選択する場合 | バージョン属性の構成はサポートされていません。 デフォルトでは、次の場合にワークフロー・サービスによりタスク・バージョンが作成されます。
コメントが追加される際には、タスクのバージョンは作成されません。 |
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表E-2に、構成ファイル間の相違点を示します。 これらのファイルはSOA_Oracle_Home¥bpel¥system¥services¥configディレクトリにあります。
表E-2 構成ファイルの変更点
| 構成 | ファイル | リリース10.1.2と10.1.3.1の間の変更点 |
|---|---|---|
| 電子メール・サーバー | ns_emails.xml
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このファイルには、電子メール通知とワイヤレス通知の両方に使用されるNotificationModeという新規プロパティが追加されています。
<EmailAccounts xmlns="http://
xmlns.oracle.com/ias/pcbpel/NotificationService"
EmailMimeCharset=""
NotificationMode="NONE">
このプロパティを次のように設定します(
このファイル内の注意項目には、設定が詳細に説明されています。 |
| ワイヤレス | ns_iaswconfig.xml
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変更なし。 |
| Fax | ns_faxcoverpages.xml
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変更なし。 |
| ワークフロー・プロパティ | wf_config.xml
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このファイルには、以前はpc.propertiesにあったワークフロー・プロパティ設定が含まれています。
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| グローバル構成プロパティ | pc.properties
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このファイルでは、グローバル構成プロパティのみが定義されています。 すべてのワークフロー・プロパティ設定は、wf_config.xmlで定義されています。
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| アイデンティティ・サービス | is_config.xml
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コンテンツ階層が変更されています。 このファイルでは、複数レルムと個別の認証および認可プロバイダに対するサポートが定義されています。
<?xml version = '1.0' encoding = 'UTF-8'?><ISConfiguration xmlns= "http://
www.oracle.com/pcbpel/identityservice/isconfig">
<configurations>
<configuration realmName="jazn.com">
<provider providerType="JAZN" name="XML"
service="Identity"> <property name="usersPropertiesFile"
value="users-properties.xml"/>
</provider>
</configuration>
</configurations>
</ISConfiguration>
リリース10.1.2の書式では、次のようにレルムは1つのみでした。 <BPMIdentityServiceConfig xmlns="http://
www.oracle.com/pcbpel/identityservice/isconfig">
<provider providerType="JAZN" name="xml">
<property name="userPropertiesFile"
value="users-properties.xml"/>
</provider>
</BPMIdentityServiceConfig>
リリース10.1.2の |
リリース10.1.3.1では、ワークフロー・サービスとの相互作用のために新規APIセットが用意されています。 これらのAPIはリリース10.1.3.1のワークフロー・タスクのサポート専用であり、リリース10.1.2のタスクやタスク定義の問合せや更新には使用できません。
リリース10.1.2のタスクとの相互作用に使用できるように、リリース10.1.2のAPIも引き続き提供されます。 これらのAPIでは、リリース10.1.2のタスクやタスク定義を問合せおよび更新できます。 ただし、リリース10.1.3.1のタスクには使用できません。
表E-3に、リリース10.1.2とリリース10.1.3.1の間で行われたワークリストAPIの変更点を示します。
表E-3 APIワークリストの変更点
| コンポーネント | 10.1.2 | 10.1.3.1 |
|---|---|---|
| APIクライアント | ローカルのJavaクライアントとリモートのEJBクライアントをサポートするための各種APIが提供されます。 | 複数のAPIクライアント(Java、ローカルEJB、リモートEJBおよびSOAP)が提供されます。
このリリースでは、ローカルおよびリモートEJBが1つのAPIに統一されています。 同じAPIを使用するには、適切な通信プロトコルを使用するように
関連項目: 「ワークフロー・サービスのクライアントの作成」 |
| APIを含むパッケージ |
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表E-4に、リリース10.1.2とリリース10.1.3.1の間で行われたタスク表示フォームのデプロイメントの変更点を示します。
表E-4 タスク表示フォームのデプロイメント
| 問題 | 10.1.2 | 10.1.3.1. |
|---|---|---|
| タスク表示フォームの指定 | 使用するタスク表示フォームを、ワークフロー設計中に「ワークフロー・ウィザード - タスクの詳細」ウィンドウで指定します。
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使用するタスク表示フォームを、ヒューマン・タスク設計の完了後に指定します。
関連項目: タスク3: 「タスク表示フォームの生成」 |
| 自動生成JSPタスク・フォームのコンテンツ | ペイロードを表示する2つのファイルが自動的に作成されます。
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デフォルト・レイアウトは、次の3つのリージョンを含むテンプレートに基づいています。
テンプレートのURIおよびリージョン情報を含む 関連項目: 「単純タスク表示フォームの自動生成」 |
| カスタムJSPタスク・フォームのコンテンツ | ペイロード表現表示用のJSPをOracle BPEL Worklistアプリケーションで作成します。 | タスク表示フォームは、3つのテンプレートと2つのデフォルトJSPを使用して生成されます。
2つのデフォルトJSPは次のとおりです。
関連項目: 「カスタム・タスク表示フォームの生成」 |
| タスク・フォームのディレクトリ構造 | JSPおよびマッピング・ファイルはプロセスと同じレベルで表示されます。 | タスク表示フォームは、JDev_Oracle_Home¥jdev¥mywork¥application_name¥project_name¥public_html¥human_task_name¥formディレクトリにあるEARファイルにパッケージされています。
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| デプロイメント・ターゲット | フォームがデプロイされるのは、プロセスがOracle JDeveloperからデプロイされる場合のみです。
自動生成JSPは、プロセスのデプロイ中にサーバーにコピーされます。 |
フォームは、Oracle JDeveloperまたはantを使用してデプロイされます。 タスク・フォームをデプロイするために、build.xmlにdeployTaskFormターゲットが自動的に追加されます。
関連項目: 「タスク表示フォームのデプロイ」 |
| デプロイ済タスク・フォームの場所 | すべてのタスク表示フォームは、j2ee¥home¥applications¥hw_services¥worklistxpress¥payload¥bpel_WorkflowName_Version¥にあるサンプル・ワークリスト・アプリケーション内にデプロイされます。
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各タスク表示フォームは個別アプリケーションであり、j2ee¥home¥applications¥default_Process_Name_Version_Workflow_Name¥にデプロイされます。これにより、複数のワークリスト・アプリケーションのタスク表示アプリケーションを共有しやすくなります。
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表E-5に、新旧のOracle BPEL Worklistアプリケーションへのアクセスに使用するURLを示します。 リリース10.1.2のプロセスから作成されたタスクにアクセスするには、次のURLにある旧リリースのOracle BPEL Worklistアプリケーションにアクセスします。 リリース10.1.3.1のヒューマン・タスク・エディタで設計したタスクにアクセスするには、新しいURLにアクセスします。
表E-5 新旧のOracle BPEL WorklistアプリケーションのURL
| 問題 | リリース10.1.2のワークリスト・アプリケーションのURL | リリース10.1.3.1のワークリスト・アプリケーションのURL |
|---|---|---|
| WorklistのURL | http://host:port/integration/oldworklistapp/Login
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http://host:port/integration/worklistapp/Login
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| Worklistのコードの場所 | Oracle_Home¥integration¥orabpel¥samples¥hw¥worklistapp
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SOA_Oracle_Home¥bpel¥samples¥hw¥worklistapp
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リリース10.1.2では、ワークフロー定義は次の場所にありました。
構成ファイル
ワークフロー・スコープ内のBPELコード
生成されたBPELコードは、プロセスの設計用に選択したワークフロー・パターンに応じて異なりました。 プロセス内のBPELコードは、タスク・マネージャ・プロセスでも一部の機能に使用されました。 そのため、ヒューマン・ワークフローを含むすべてのプロセスについて、スコープ内で実行されたアクティビティが監査証跡に表示されていました。 また、タスクのすべてのインスタンスには、対応するTaskActionHandler BPELプロセス・インスタンスが含まれていました。リリース10.1.3.1では、ワークフローは完全にメタデータドリブンです。 したがって、生成されるBPELコードは単純で、複数のassignアクティビティと後続のタスク・マネージャ・サービスからのinvokeおよびreceiveアクティビティで構成されます。 タスク・マネージャはBPELプロセスとして実装されなくなりました。 そのため、監査証跡に表示されるタスク・ビューは簡素化されています。 また、監査証跡はタスク履歴を表示するように拡張されました。 そのため、タスク・アクティビティをクリックすると、タスクの現在の状態が問合せされ、ステータスと割当て先が表示されます。
ヒューマン・ワークフローを含むscopeアクティビティを識別します。
手順1で識別したワークフローごとに新規のヒューマン・タスク定義を作成します。
古いスコープと同じ名前を付けます。
Human TaskアクティビティをBPELプロセスにドラッグ・アンド・ドロップします。
これにより、新しいリリース10.1.3.1のscopeアクティビティとswitchアクティビティが作成されます。
リリース10.1.2のscopeアクティビティを削除します。 ただし、リリース10.1.2のswitch文は削除しないでください。
リリース10.1.3.1のswitchからリリース10.1.2のswitchにcase文をコピーし、caseブロックで使用していたコードをすべて残します。
リリース10.1.3.1のswitchアクティビティを削除します。
リリース10.1.2のグローバル・タスク変数を削除します。 ヒューマン・タスクがリリース10.1.3.1で作成されている場合は、新規の変数が作成されます。
_form.xmlおよび.jspファイルを見つけて、ワークフローに使用されるタスク・フォームを識別します。
リリース10.1.2では、タスク・フォームは自動生成JSPフォーム、XSLTテンプレートおよびユーザー定義JSP URLを使用して表示されます。 自動生成JSPフォームの場合は、リリース10.1.3.1の自動生成単純タスク・フォームを使用できます。 XSLTテンプレートとユーザー定義JSP URLの場合は、リリース10.1.3.1のカスタム・タスク・フォームを使用できます。
リリース10.1.3.1のカスタム・タスク・フォームを使用する場合は、ヘッダー、ペイロードおよびフッターの各リージョンを含む3リージョンJSPテンプレートを選択する必要があります。 ヘッダー・リージョンとフッター・リージョンには、それぞれデフォルトのヘッダーJSPとフッターJSPを使用できます。 ペイロードには、リリース10.1.2のタスク・フォーム表示に基づくXSLTまたはJSPタイプを使用できます。
タスク・フォームを再生成します。
古いタスク・フォームに対して実行したカスタマイズを再実行します。