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Oracle BPEL Process Manager 管理者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31875-02
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4 BPELプロセス・ログの構成および表示

この章では、Oracle BPEL Process Managerのロギング・レベルを構成し、ロギングの結果を表示する方法について説明します。

この章で説明する内容は次のとおりです。

4.1 ロギングの概要

Oracle BPEL Process Managerは、log4jツールを使用して、起動および停止情報、エラー、警告メッセージ、HTTPリクエストのアクセス情報および追加情報を説明するメッセージが含まれたログ・ファイルを生成します。

log4jツールにより、アプリケーション・バイナリを変更しなくても実行時のロギングが可能になります。 かわりに、ロギング動作はOracle BPEL ControlおよびOracle BPEL Admin Consoleのプロパティを編集することで制御されます。

Oracle BPEL Process Managerでは、次の2つのロギング・レベルがサポートされています。

log4jで作成されるログ・ファイルのデフォルト・フォーマットは、ログ・ローダーで読み取ることができず、Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールのログ・リポジトリに書き込むことができません。 この読書きを実行するには、ログ・ファイルに書き込まれたメッセージのappenderフォーマットを変更する必要があります。 この変更は、次のディレクトリにあるlog4j-config.xmlファイルで行います。


関連項目:

  • Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールにおけるログ・ファイルのappenderフォーマットの変更方法は、『Oracle Application Server管理者ガイド』のApplication Server Controlのロギングの構成に関する項を参照してください。

  • log4jの詳細は、http://logging.apache.org/log4j/docsを参照してください。

  • SOA_Oracle_Home\opmn\logsにあるOracle Process Manager and Notification Server(OPMN)ログ・ファイルの詳細は、『Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド』を参照してください。


4.2 ドメイン・レベル・ロギング

ドメイン・ロギングでは、特定のBPELドメインの問題を記録し、トラブルシューティングを実行できます。 Oracle BPEL Controlでドメイン・ロギング・レベルを設定します。 ドメイン・ログ・ファイルは、SOA_Oracle_Home\bpel\domains\domain_name\logsにあります。

ドメイン・ロギング・レベルを設定する手順は、次のとおりです。

  1. 次の方法のいずれかを使用して、Oracle BPEL Controlにアクセスします。

    • 「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle - Oracle_Home」「Oracle BPEL Process Manager」「BPEL Control」を選択

    • 次のURLに移動

      http://localhost:port/BPELConsole
      
      

      ここで、portは次のいずれかの値となります。

      • Oracle Application Server SOAソフトウェアCDからOracle BPEL Process Managerをインストールした場合は、8888

      • Oracle BPEL Process ManagerソフトウェアCDからOracle BPEL Process Manager for DevelopersまたはOracle BPEL Process Manager for OracleAS Middle Tierインストール・タイプをインストールした場合は、9700

  2. プロンプトが表示されたら、ユーザー名oc4jadminおよびパスワードを入力します。

  3. 右上のリストから、ドメイン・ロギング・レベルを設定するドメインを選択します。

  4. 「BPELドメインの管理」「ロギング」を選択します。

    「ロギング」ウィンドウが表示されます。

    logging2.gifの説明が続きます
    図logging2.gifの説明

    使用できるのは次のロギング・レベルであり、ここでは優先順位が高い方から順に示しています。 ロギング・レベルが指定されると、選択したレベルより優先順位が低いレベルのメッセージはすべて無視されます。

    ロギング・レベル 選択した場合の結果
    オフ ロギングが無効化される。 この選択肢は優先順位が最も高い。
    致命的 重要なメッセージが記録される。 ロギング発生後、アプリケーションが異常終了する。
    エラー アプリケーション・エラー・メッセージがログに記録される。アプリケーションは引き続き実行される(たとえば、管理者が指定した構成パラメータが不正であり、ハードコード値を使用するようデフォルト設定)。
    警告 警告メッセージがログに記録される。アプリケーションは問題なく引き続き実行される。
    情報 多くのアプリケーションのverboseモードに類似したフォーマットでメッセージが記録される。
    デバッグ アプリケーションが本番環境にある場合に印刷できないデバッグ・メッセージが記録される。
    すべて すべてのロギングが有効化される。 この選択肢は優先順位が最も低い。

    「ロギング」ウィンドウの下部に、設定可能なログ出力のタイプが表示されます。

  5. レベルおよび説明を確認します。

    ログ出力名 説明
    domain_name.collaxa.cube 一般的なBPELロギング(システム)
    domain_name.collaxa.cube.activation アクティブ化エージェント・ロギング(インバウンド・アダプタ)
    domain_name.collaxa.cube.bpeltest BPELユニット・テスト・ロギング
    domain_name.collaxa.cube.console.reports Oracle BPEL Controlレポート・ロギング
    domain_name.collaxa.cube.engine XMLメッセージ・ロギング
    domain_name.collaxa.cube.engine.agents 内部エージェント・フレームワーク・ロギング(期限切れエージェントなど)
    domain_name.collaxa.cube.engine.archive 10.1.3より前のリリースにおけるJARファイル・アーカイブ・デプロイ・ロギング。 10.1.3ではアーカイブはサポートされていない。
    domain_name.collaxa.cube.engine.bpel BPELプロセス・ロギング。 有効にした場合、実行される各BPELアクティビティによってメッセージが記録される。
    domain_name.collaxa.cube.engine.data 永続性およびデハイドレーション・レイヤー・ロギング
    domain_name.collaxa.cube.engine.delivery 配信サービスおよびマネージャのロギング。このログ出力は、コールバックおよび配信の開始を受け持つ。
    domain_name.collaxa.cube.engine.deployment BPELスーツケース・ロギングのデプロイ
    domain_name.collaxa.cube.engine.dispatch 非同期メッセージ・ロギング
    domain_name.collaxa.cube.engine.transaction プロセス手順の実行のトランザクション関連ロギング。 このログ出力は、10.1.3では使用されない。
    domain_name.collaxa.cube.messaging メッセージ・レイヤー・ロギング(Oracle BPEL Process Managerがスケール変更のためメッセージ・サービスを使用する場合)
    domain_name.collaxa.cube.security サーバー側セキュリティ・ロギング(メッセージ・ヘッダー認証レイヤー)
    domain_name.collaxa.cube.sensor センサー・パブリッシャ・レイヤー・ロギング
    domain_name.collaxa.cube.services サービス・ロギング(通知またはヒューマン・ワークフローなど)
    domain_name.collaxa.cube.translation アダプタ変換レイヤー・ロギング(アダプタ・プロトコルとインバウンドXML文書との変換)
    domain_name.collaxa.cube.ws 通信関連ロギング(WSIFレイヤー(インバウンドおよびアウトバウンド)、SOAPおよびアダプタなど)
    domain_name.collaxa.cube.xml XML処理および変換、XPathおよびXML文書(BPEL変数)ロギング
    domain_name.oracle.bpel.security バリデータ内部ロギング

  6. 特定のログ出力名について「ロギング・レベル」リストからレベルを選択するか、「すべて変更」リストからすべてのログ出力名に対する単一レベルを選択します。

  7. 「適用」をクリックします。

  8. プロセスを再実行してロギング・データを収集します。

  9. SOA_Oracle_Home\bpel\domains\domain_name\logsにあるdomain.logファイルを確認します。


注意:

SOA_Oracle_Home\bpel\domains\domain_name\configディレクトリ内のlog4j-config.xmlを編集して、これらのパラメータを構成することもできます。

4.3 システム・レベル・ロギング

システム・レベル・ロギングは、インフラストラクチャ、AXISおよびWSIFの問題に対して提供されます。 Oracle BPEL Admin Consoleでシステム・ロギング・レベルを設定します。 システム・ログ・ファイルは、SOA_Oracle_Home\bpel\system\logsにあります。

システム・ロギング・レベルを設定する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle BPEL Admin Consoleにアクセスします。

    http://localhost:port/BPELAdmin
    
    

    ここで、portは次のいずれかの値となります。

    • Oracle Application Server SOAソフトウェアCDからOracle BPEL Process Managerをインストールした場合は、8888

    • Oracle BPEL Process ManagerソフトウェアCDからOracle BPEL Process Manager for DevelopersまたはOracle BPEL Process Manager for OracleAS Middle Tierインストール・タイプをインストールした場合は、9700

  2. プロンプトが表示されたら、ユーザー名oc4jadminおよびパスワードを入力します。

  3. 「ロギング」をクリックします。

    「ロギング」ウィンドウが表示されます。

    表示されるロギング・レベルは、手順4で説明したものと同じです。 「ロギング」ウィンドウの下部に、設定可能なログ出力のタイプが表示されます。

    ログ出力名 説明
    collaxa 一般的なOracle BPEL Process Managerロギング
    collaxa.cube.cluster クラスタ関連ロギング
    collaxa.cube.infrastructure データベース・コネクタなどのインフラストラクチャ・ロギングの問題
    collaxa.cube.services すべてのOracle BPEL Process Managerサービス・ロギング
    org.collaxa.thirdparty.apache.axis 一般的なAXIS関連ロギング
    org.collaxa.thirdparty.apache.axis.enterprise AXIS関連ロギング
    org.collaxa.thirdparty.apache.axis.transport AXIS関連ロギング(AXISがネットワークを介して送信中の内容を参照する目的)
    org.collaxa.thirdparty.apache.wsif システム全体のWSIFロギング
    org.collaxa.thirdparty.apache.wsif.logging WSIFロギング
    org.collaxa.thirdparty.jgroups JGroups関連ロギング
    org.quartz クォーツ・スケジューラ関連ロギング
    wsif WSIFロギング

  4. レベルおよび説明を確認します。

  5. 特定のログ出力名について「ロギング・レベル」リストからレベルを選択するか、「すべて変更」リストからすべてのログ出力名に対する単一レベルを選択します。

  6. 「適用」をクリックします。

  7. プロセスを再実行してロギング・データを収集します。

  8. SOA_Oracle_Home\bpel\system\logsにあるorabpel.logファイルを確認します。


注意:

SOA_Oracle_Home\bpel\system\configディレクトリ内のlog4j-config.xmlを編集して、これらのパラメータを構成することもできます。

4.4 システムおよびドメイン・レベル・ロギングの例

この項では、問題のトラブルシューティングを実行する「デバッグ」ロギング・レベルに設定するログ出力名の例を示します。

4.4.1 例1: プロセスによる外部Webサービスの呼出し

プロセスが外部Webサービスを呼び出し、Webサービスによって取得されたデータが不正であるケースです。 次のログ出力を確認します。

  • domain_name.collaxa.cube.ws: 送信前に異常が発生したかどうかを確認します。

  • org.collaxa.thirdparty.apache.axisおよびorg.collaxa.thirdparty.apache.axis.transport: 現在送信中の内容を確認します。

4.4.2 例2: WSIFバインディングによるJavaクラスの呼出し

JavaクラスがWSIFバインディングにより呼び出され、バインディングの失敗が発生したケースです。 次のログ出力を確認します。

  • domain_name.collaxa.cube.ws: 全スタックを確認します。

  • org.collaxa.thirdparty.apache.wsif: 実際の呼出しを実行するWSIF部分を検査します。

4.4.3 例3: プロセスによる非同期サービスの呼出し

プロセスが非同期サービスを呼び出し、コールバックを受け取らないケースです(タイムアウト、または永久に待機)。 次のログ出力を確認します。

  • domain_name.collaxa.cube.ws: これはアウトバウンド方向に関連しています。

  • org.collaxa.thirdparty.apache.axisおよびorg.collaxa.thirdparty.apache.axis.transport: 送信内容および相関に必要な発信WSAヘッダーを確認します。

  • domain_name.collaxa.cube.engine.delivery: 配信ハンドラの処理内容と、相互に関連付けることができるメッセージが取得されるかどうかを確認します。

4.4.4 例4: プロセスによる通知の送信

プロセスが電子メール・アクティビティにより通知を送信したにもかかわらず、電子メールが目的の場所に着かないケースです。 次のログ出力を確認します。

  • domain_name.collaxa.cube.services: 配信の試行中に発生した事象を確認します。

4.5 センサーを使用したロギング

センサーを使用して、アプリケーション・ロギング・アクティビティを生成できます。 ロギングが無効化されていてもセンサー・データ・オブジェクトが作成されるため、センサーを使用したロギングはパフォーマンスに影響する点に注意してください。

センサーを特定のアクティビティに追加した後、データを変数から抽出します。 これを実行するには、log4jロギングを実行するためのカスタム・センサー・パブリッシュ・アクションを実装する必要があります。 たとえば、呼出しアクティビティについてセンサーを作成し、JMSキューに送信されるメッセージを作成できます。


関連項目:

センサーの詳細は、『Oracle BPEL Process Manager開発者ガイド』を参照してください。

4.6 Java埋込みアクティビティ内のbpelx:execによるロギング

Oracle JDeveloperで、Java埋込みアクティビティ内部にJava BPELexec拡張子bpelx:execを使用して、BPELプロセスにカスタムJavaコードを追加することで、メッセージを記録することもできます。

メソッドaddAuditTrailEntry(String):voidにより、監査証跡にエントリを追加できます。

4.7 まとめ

この章では、ドメイン・レベルおよびシステム・レベルでBPELプロセス・ログを構成し表示する方法を説明しています。 トラブルシューティング情報を表示するために設定するログ出力名の例を示しています。 ロギング情報を生成する代替の方法(センサーを使用およびbpelx:execを使用)についても説明しています。