この項では、OracleAS Adapter for Tuxedoの機能とアーキテクチャの概要について説明します。
この項の構成は、次のとおりです。
OracleAS Adapter for Tuxedoには、次のアダプタが含まれています。
これらのアダプタは、Oracle Application Serverをレガシー・メインフレーム・アプリケーションに統合します。 OracleAS Adapter for Tuxedoは、BEA Tuxedoアプリケーション・サーバーで稼働するサービスをモデル化します。このBEA Tuxedoアプリケーション・サーバーには、Common Object Request Broker Architecture(CORBA)およびApplication to Transaction Monitor Interface(ATMI)の2つのプログラミング・インタフェースが用意されています。ATMIは、一連のCまたはCOBOLのプロシージャを使用してプロシージャ・ライブラリ・ベースのプログラミングを提供するプログラミング・インタフェースをサポートしています。ATMIでは、通信、トランザクションおよびデータ・バッファ管理用のインタフェースも提供しています。さらに、ATMIインタフェースとBEA Tuxedoシステムによって、トランザクション処理用のX/Open分散トランザクション処理(DTP)モデルが実装されます。
OracleAS Adapter for Tuxedoには、次の機能が含まれています。
OracleAS Adapter for Tuxedoが稼働しているプラットフォームへのダイレクト・アクセスの提供により、パフォーマンスが向上します。
Tuxedoサービスは相互作用の集合としてモデル化され、各相互作用は入力レコードと出力レコードとともに特定のTuxedoサービスにマップされます。
FMLとVIEWファイル、またはJOLTファイルのいずれかからTuxedoメタデータをインポートし、そのメタデータをOracle Connectのマッピング定義に変換することによって、Tuxedoシステムのメタデータ・スキーマを取得および保守します。
Tuxedo/T同期コールをサポートします。
Tuxedoメッセージ構造とXMLデータの間でマップを行います。
リソース・マネージャ(RM)として動作することによって、ローカル・トランザクションをサポートします。 このサポートは、アダプタでXMLトランザクション演算子に応答し、対応するATMIトランザクション・コールを発行することで実現します。バックエンド・サービスは、トランザクションのセマンティクスおよび実装を担当します。
Tuxedoサーバーでの完全なクライアント認証をサポートします。ユーザー名とパスワードの使用もオプションでサポートされています。
次のバッファ・タイプがサポートされています。
STRING
VIEW
: 16ビットと32ビットの両方がサポートされています。
CARRAY
FML
: 16ビットと32ビットの両方がサポートされています。
XML
MBSTRING
: BEA Tuxedoバージョン8.1以上でのみサポートされています。
Postイベント(EventBroker)がサポートされています。 これを使用すると、JavaアプリケーションがTuxedoイベントにサブスクライブし、J2CA 1.5メッセージ・インフローとしてイベントを受信できます。 イベントは、準拠ポリシーに従って1つ以上のキューにポストされます。
キューへのメッセージ書込み(エンキュー)がサポートされています。 これは、イベントが相互作用入力レコードとして定義されているenqueue
相互作用を実行することにより、行われます。
OracleAS Adapter for Tuxedoはグローバル・トランザクションをサポートしていないため、分散トランザクションには関与できません。
OracleAS Adapter for Tuxedo/Qは、キューからメッセージを取り込むために使用します。 キューはアウトバウンド・チャネルとして参照されます。キューは論理的にアウトバウンド相互作用と同等です。
キューからメッセージを取り込むには、getEvents
相互作用を実行します。 この相互作用は、自動的にアダプタ・スキーマに追加されます。 実行すると、すべてのメッセージがキューから取り込まれます。 また、すべての出力レコードを統合するレコードが作成され、相互作用出力レコードとして使用されます。
dequeue
相互作用を使用すると、選択したメッセージをキューから削除できます。 実行すると、特定の属性を含むメッセージがキューから削除されます。
Oracle AS Adapter for Tuxedoのアーキテクチャは、次のコンポーネントで構成されています。
J2CA 1.5 Tuxedoアダプタ: J2CA Tuxedoアダプタは、J2EEコンポーネントとの接続性を提供するJ2EE Connector Architectureに準拠している標準のリソース・アダプタです。
Oracle Connect: Oracle Connectは、レガシー・システム上で動作し、Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)内で動作するJ2CA 1.5 Tuxedoアダプタからのリクエストを処理します。
Oracle Studio: Oracle StudioはOracle Connectの構成ツールです。Oracle Studioを使用する構成タスクは、Windowsプラットフォームで実行されます。 Oracle Studioは、OracleAS Adapter for Tuxedoのモデル化に必要な特定の情報を生成できるパースペクティブを使用します。
図1-1は、OracleAS Adapter for Tuxedoのコンポーネントを示しています。
J2CA 1.5 Tuxedoアダプタは、アプリケーション・クライアントから受け取ったJ2CA相互作用の起動をXMLフォーマットに変換し、XMLフォーマットをレガシー・サーバー上のOracle Connectに渡します。 デーモンは、J2CA 1.5 Tuxedoアダプタ・クライアントから着信するリクエストをリスニングし、リクエストを処理するためにサーバー・プロセスに割り当てます。サーバー・プロセスのプロパティ(接続プーリングの要件など)は、デーモン内のワークスペース定義によって設定されます。サーバー・プロセスにはアプリケーション・エンジンのインスタンスが含まれています。このインスタンスがXMLフォーマットをTuxedoで理解できる固有の構造に変換し、バックエンド・アダプタに渡します。バックエンド・アダプタは、リポジトリに格納されているバックエンド・アダプタのメタデータとXMLから変換された着信データに基づいて相互作用を作成し、その相互作用をレガシー・アプリケーションに渡します。この実行の結果は、バックエンド・アダプタを使用してアプリケーション・エンジンに戻されます。結果は、XMLに変換され、クライアントに渡されます。