ヘッダーをスキップ
Oracle Web Services Managerデプロイメント・ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31905-01
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

6 Oracle WSM Agentのインストール

この章では、Oracle Web Services Manager(Oracle WSM)Agentのインストール方法を説明します。次の項で構成されています。

Oracle WSM Agentの概要

Oracle WSM Agentは、ターゲットのWebサービスまたは保護対象のWebサービス・クライアントと同じ処理領域で、ポリシーを実行するポリシー実行ポイント(PEP)です。Oracle WSM Agentは、クライアント・リクエストからターゲットのWebサービスまでのエンドツーエンドのセキュリティを提供します。Oracle WSM Agentは、Oracle WSM Policy Managerと通信できるように構成されているかどうかをチェックします。通信できる場合は、Oracle WSM Policy Managerからセキュリティ情報を取得します。Oracle WSM Policy Managerが無効の場合、Oracle WSM Agentは、実行するセキュリティ・ポリシーを含むローカル・ファイルを探します。

Oracle WSM Agentを使用するデプロイメントには、主に2つのタイプがあります。

図6-3は、Oracle WSMクライアント・エージェントとOracle WSMサーバー・エージェントがどのように使用されるかを示しています。実際のB2Bの状況では、クライアントまたはサーバーにOracle WSMがない場合があります。Oracle WSMは、WS-Securityなどの業界標準を実装しているため、Oracle WSM Agentは、標準準拠の他のセキュリティ・システムと互換性があります。

図6-3 Oracle WSMクライアント・エージェントとOracle WSMサーバー・エージェントを使用したポリシーの実行

図6-3の説明が続きます
「図6-3 Oracle WSMクライアント・エージェントとOracle WSMサーバー・エージェントを使用したポリシーの実行」の説明

図6-3の番号は、サーバー・アプリケーションに対するクライアント・リクエストがOracle WSM Agentによってどのように捕捉されるかを説明する次の手順に対応しています。

  1. Webサービス・クライアントは、Webサービスに対するリクエストを作成します。

  2. Oracle WSMクライアント・エージェントは、送信されるリクエストを捕捉し、リクエスト・パイプラインでポリシーを実行します。

  3. Oracle WSMクライアント・エージェントによってポリシーの手順が正常に実行されると、リクエストはWebサービスに送信されます。Oracle WSMサーバー・エージェントは、受信リクエストを捕捉し、リクエスト・パイプラインで定義されているポリシーを実行します。

  4. Oracle WSMサーバー・エージェントによってポリシーの手順が正常に実行されると、リクエストはWebサーバーに渡されます。

  5. Webサービスは、リクエストを処理します。

リクエスト・パイプラインは、Oracle WSMサーバー・エージェントまたはOracle WSMクライアント・エージェント(あるいは両方のエージェント)に対して定義できます。この場合、WebサービスがレスポンスをWebサービス・クライアントに返すと、送信メッセージはまずOracle WSMサーバー・エージェントによって捕捉されます。レスポンス・パイプラインでポリシーが定義されている場合、Oracle WSMサーバー・エージェントはこれらのポリシーを実行します。メッセージは、次にOracle WSMクライアント・エージェントによって捕捉され、最後にWebサービス・クライアント・アプリケーションにレスポンスが返されます。

Oracle WSM Agentのインストールの概要

Oracle WSM Agentのインストール手順の概要は、次のとおりです。

  1. Oracle Enterprise Manager 10g Web Services Manager Controlコンソール(Web Services Manager Controlコンソール)を使用して、Oracle WSMクライアントまたはサーバー・エージェント・コンポーネントをOracle WSM Policy Managerに登録します。ポリシーは、Oracle WSM Agentの登録時に定義することも、後で定義することもできます。

  2. WSMADMINツールを実行して、登録したOracle WSM Agentをインストールします。

  3. エージェントを構成し、WebサービスまたはWebサービス・クライアントに組み入れます。

    この手順は、OC4Jクライアントには干渉せず、WebサービスまたはWebサービス・クライアントは変更されません。Oracle WSMエージェントは、OC4Jランタイムまたはクライアント・ランタイムの一部です。

後続の項では、それぞれのタイプのOracle WSM Agentのインストール方法を説明します。

サーバー・エージェントのインストール

この項では、OC4J上の次のWebサービス用にサーバー・エージェントをインストールする方法について説明します。

Oracle Webサービス用サーバー・エージェントのインストール

Oracle Webサービス用にサーバー・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。

  1. サーバー・エージェントを追加します。

  2. サーバー・エージェントのポリシーを定義します。

  3. サーバー・エージェントをインストールします。

  4. Webサービス・デプロイメント・ディスクリプタを構成します。

後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。

サーバー・エージェントを追加する手順

  1. Web Services Manager Controlコンソールを使用して、サーバー・エージェントを登録し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。

    1. コンポーネント・タイプ: サーバー・エージェント

    2. コンテナ・タイプ: OC4J

  2. 「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、サーバー・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。

サーバー・エージェントのポリシーを定義する手順

Web Services Manager Controlで、エージェントと関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。

サーバー・エージェントをインストールする手順

サーバー・エージェントをインストールする前に、Oracle Application Serverが稼働していることを確認します。

  1. ORACLE_HOME/owsm/bin/agent.propertiesファイルの属性を、次の値で編集します。

    • agent.componentType: OC4JServerInterceptor

    • agent.containerType: OC4J

    • agent.containerVersion: 10.1.3

    • agent.component.id: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されるコンポーネントIDを入力します。

  2. ファイルに対する変更を保存します。

  3. 次のプロパティは、自動的に値が入ります。値が、これらのプロパティに対して正しいことを確認します。

    • oc4j.home

    • oc4j.j2ee.home

    • external.oc4j.port

    • external.oc4j.adminPort

    • external.oc4j.adminID

    これらのプロパティの詳細は、「agent.propertiesファイル」を参照してください。

  4. wsmadmin installAgentコマンドを実行して、エージェントをインストールします。


    注意:

    このコマンドを実行する前に、サーバー・エージェントをインストールするOracle Application Serverが、稼働中であることを確認してください。

    このコマンドの詳細は、付録B「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」「installAgent」を参照してください。

Webサービス・デプロイメント・ディスクリプタを構成する手順

次の手順は、保護対象のWebサービスを含むアプリケーションが存在するOracle Application Serverで実行します。

  1. Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールで、Oracle WSMサーバー・エージェントによって保護されるWebサービスが含まれるアプリケーションを選択します。

  2. 「Webサービス」タブをクリックします。

  3. 保護するWebサービスをクリックして、「管理」タブをクリックします。

  4. 「機能の有効化/無効化」をクリックします。

  5. 「Webサービス・エージェント」を「使用可能な機能」ボックスから「有効な機能」ボックスに移動して、「OK」をクリックします。

  6. Webサービス・エージェントの「構成の編集」アイコンをクリックします。

  7. 「構成ディレクトリ」ボックスに、サーバー・エージェントのコンポーネントIDを入力します。ここで入力する値は、agent.propertiesファイルのagent.component.idプロパティに入力した値と一致させる必要があります。

  8. 「保存」をクリックします。

AXIS 1.1 Webサービス用サーバー・エージェントのインストール

サーバー・エージェントをインストールする前に、AXIS 1.1 Webアプリケーションに、そのアプリケーションによってデプロイされたWebサービスを示すserver-config.wsddファイルがあることを確認します。このファイルの詳細は、AXISドキュメントを参照してください。

AXIS Webサービス用にサーバー・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。

  1. サーバー・エージェントを追加します。

  2. サーバー・エージェントのポリシーを定義します。

  3. サーバー・エージェントをインストールします。

  4. Webサービス・アプリケーションを再デプロイします。

後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。

サーバー・エージェントを追加する手順

  1. Web Services Manager Controlを使用して、サーバー・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。

    1. コンポーネント・タイプ: サーバー・エージェント

    2. コンテナ・タイプ: AXIS-1.1

  2. 「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、サーバー・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。

サーバー・エージェントのポリシーを定義する手順

Web Services Manager Controlで、エージェントと関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。

サーバー・エージェントをインストールする手順

  1. ORACLE_HOME/owsm/binディレクトリにあるagent.propertiesファイルの属性を、次の値で編集します。

    • agent.componentType: serveragent

    • agent.containerType: AXIS

    • agent.containerVersion: 1.1

    • agent.component.id: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されるコンポーネントIDを入力します。

  2. Webサービス・アプリケーションがWeb Archive(WAR)ファイルとしてパッケージされている場合は、agent.propertiesファイルのwebservice.application.inputプロパティを編集します。WARファイルのフルパスと名前を入力します。

  3. Webサービス・アプリケーションがEARファイルとしてパッケージされている場合は、agent.propertiesファイルの次のプロパティを編集します。

    • webservice.application.input: EARファイルのフルパスと名前を入力します。

    • webservice.application.webapp.name: 非コメント化し、WARファイル名(たとえば、hellows-web.war)を入力します。

    • webservice.application.contexturi: コンテキスト・ルート(たとえば、/hellows.)を入力します。

    agent.propertiesファイルの詳細は、表6-1「agent.propertiesファイル」を参照してください。

  4. wsmadmin installAgentコマンドを実行します。

    このコマンドの詳細は、付録B「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」「installAgent」を参照してください。

Webサービス・アプリケーションの再デプロイ

クライアント・エージェントを機能させるには、アプリケーションを再デプロイして、変更が有効になるようにする必要があります。Webアプリケーションのデプロイの詳細は、『Oracle Containers for J2EEデプロイメント・ガイド』を参照してください。

クライアント・エージェントのインストール

この項では、次のWebサービス・クライアント用にクライアント・エージェントをインストールする方法について説明します。


注意:

クライアント・エージェントをインストールする前に、Webサービス・クライアントをテストし、クライアントがWebサービスから目的の結果を得られることを確認します。Webサービス・クライアントの開発の詳細は、次のドキュメントを参照してください。
  • 『Oracle Application Server Web Services開発者ガイド』

  • 『Oracle Application Server Web Servicesアドバンスト開発者ガイド』


Oracle J2SEクライアント用クライアント・エージェントのインストール

Oracle J2SEクライアント用にクライアント・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。

  1. クライアント・エージェントを追加します。

  2. クライアント・エージェントのポリシーを定義します。

  3. クライアント・エージェントをインストールします。

  4. クライアント・エージェントをOracle J2SE Webサービス・クライアントと構成します。

  5. ランタイム環境を設定します。

後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。

クライアント・エージェントを追加する手順

  1. Web Services Manager Controlを使用して、クライアント・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。

    1. コンポーネント・タイプ: クライアント・エージェント

    2. コンテナ・タイプ: OC4J

  2. 「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、クライアント・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。

クライアント・エージェントのポリシーを定義する手順

エージェントに関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。

クライアント・エージェントをインストールする手順


注意:

Oracle WSMは、クライアント・エージェントをインストールするマシン上にインストールする必要があります。次の手順では、Oracle WSMがORACLE_HOMEで指定した場所にインストールされると想定しています。

  1. ORACLE_HOME/owsm/bin/ agent.propertiesファイルで次の属性を編集します。

    • agent.componentType: OC4JClientInterceptor

    • agent.containerType: OC4J

    • agent.containerVersion: 10.1.3

    • client.home: クライアントの場所のフルパス(たとえば、c:\oracle\client)を入力します。

    • agent.component.id: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されたコンポーネントIDを入力します。

  2. コマンド・プロンプトから、wsmadmin installAgentコマンドを使用して、クライアント・エージェントをインストールします。

    これにより、クライアント・エージェントはagent.propertiesファイルのclient.home属性で指定した場所にインストールされます。たとえば、client.homec:\oracle\clientと指定され、エージェントのコンポーネントIDがC0003006の場合、次のディレクトリが作成されます。

    C:\oracle\client\owsm\config\interceptors\C0003006

    いくつかの構成ファイルとサブディレクトリが、この場所にコピーされます。

    このコマンドの詳細は、付録B「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」「installAgent」を参照してください。

クライアント・エージェントとOracle J2SE Webサービス・クライアントの構成

Webサービス・クライアントが作成され、コンパイルされると、いくつかのJavaアーティファクトが生成されます。具体的には、package.runtime.binding_Stub.javaの形式の名前を持つJavaファイルが1つあります。

たとえば、org.myorg.myclient.runtime.HttpSoap11Binding_Stub.javaのようになります。

拡張子が.xmlであることを除けば.javaファイルと同じ名前を持つ構成ファイルが生成されます。構成ファイルの名前は、package.runtime.binding_Stub.xmlの形式です。

たとえば、次のようになります。

org.myorg.myclient.runtime.HttpSoap11Binding_Stub.xml

このファイルが自動的に生成されない場合、oracle-webservices-client-10_0.xsdスキーマを使用してファイルを作成します。構成ファイルは、org.myorg.myclient.runtime.HttpSoap11Binding_Stub.xmlと同様に、クライアントのクラスパスに存在する必要があります。

<runtime enabled="owsm" ...</runtime>タグをpackage.runtime.binding_Stub.xmlファイルに追加します。次の行は、例のorg.myorg.myclient.runtime.HttpSoap11Binding_Stub.xml構成ファイルからのものです。

<oracle-webservice-clients><webservice-client><port-info><runtime enabled="owsm"><owsm init-home="C:/oracle/client/owsm/config/interceptors/C0003005"/></runtime></port-info></webservice-client></oracle-webservice-clients>

owsm要素のinit-home属性に指定する値は、「クライアント・エージェントをインストールする手順」の手順でエージェント構成をコピーした場所にする必要があります。

ランタイム環境の設定

Webサービス・クライアントを実行する前に、次のJARファイルをクラスパスに追加します。

  • client.home/owsm/lib/extlibにあるすべてのJARファイル。変数client.homeは、Webサービス・クライアントがインストールされるディレクトリです。

  • ORACLE_HOME/owsm/lib/cfluent-log4.j.jar

  • JDBC JARファイル。たとえば、「基本」スタンドアロン・インストールまたは「基本」SOAインストールの場合、この場所は、ORACLE_HOME/Mobile/Sdk/BIN/OLITE40.JARです。「拡張」スタンドアロンまたは「拡張」SOAオプションでインストールした場合、JDBC JARファイルの場所を見つけるには、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • ORACLE_HOME/jlib/orail8n.jarORACLE_HOME/jlib/ojmisc.jar

Oracle J2EEクライアント用クライアント・エージェントのインストール

Oracle J2EEクライアント用にクライアント・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。

  1. クライアント・エージェントを追加します。

  2. クライアント・エージェントのポリシーを定義します。

  3. クライアント・エージェントをインストールします。

  4. クライアント・エージェントをOracle J2EE Webサービス・クライアントと構成します。

  5. Webサービス・クライアントを再デプロイします(EJBクライアントとサーブレット・クライアントのみ)。

  6. ランタイム環境を設定します(J2EEアプリケーション・クライアントのみ)。

後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。

クライアント・エージェントを追加する手順

  1. Web Services Manager Controlを使用して、クライアント・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。

    1. コンポーネント・タイプ: クライアント・エージェント

    2. コンテナ・タイプ: OC4J

  2. 「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、クライアント・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。

クライアント・エージェントのポリシーを定義する手順

エージェントに関連付けるポリシーを作成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。

クライアント・エージェントをインストールする手順


注意:

Oracle WSMは、クライアント・エージェントをインストールするマシン上にインストールする必要があります。次の手順では、Oracle WSMがORACLE_HOMEで指定した場所にインストールされると想定しています。

  1. ORACLE_HOME/owsm/bin/ agent.propertiesファイルで次の属性を編集します。

    • agent.componentType: OC4JClientInterceptor

    • agent.containerType: OC4J

    • agent.containerVersion: 10.1.3

    • client.home: クライアント・エージェント構成がインストールされるパスを入力します。client.homeにはORACLE_HOMEを使用することをお薦めします。

    • agent.component.id: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されたコンポーネントIDを入力します。

  2. コマンド・プロンプトから、wsmadmin installAgentコマンドを使用して、クライアント・エージェントをインストールします。

    これにより、クライアント・エージェントはagent.propertiesファイルのclient.home属性で指定した場所にインストールされます。たとえば、client.homec:\oracle\clientと指定され、エージェントのコンポーネントIDがC0003006の場合、次のディレクトリが作成されます。

    C:\oracle\client\owsm\config\interceptors\C0003006

    いくつかの構成ファイルとサブディレクトリが、この場所にコピーされます。

    wsmadmin installAgentコマンドの詳細は、付録B「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」「installAgent」を参照してください。

クライアント・エージェントとOracle J2EE Webサービス・クライアントの構成

Oracle J2EE Webサービス・クライアントに対してクライアント・エージェント構成の場所を特定します。該当するJ2EEクライアント・デプロイメント・ディスクリプタ・ファイルのプロパティを編集します。

  • サーブレットおよびJSP: WARアーカイブ内のWEB-INF/orion-web.xmlファイルを編集します。

  • EJB: META-INF/orion-ejb-jar.xmlファイルを編集します。

  • アプリケーション・クライアント: アプリケーション・クライアントのJARファイル内のMETA-INF/orion-application-client.xmlファイルを編集します。

<runtime enabled="owsm" ...</runtime>タグを、該当するJ2EEクライアント・デプロイメント・ディスクリプタ・ファイルに追加します。次の例は、クライアント・エージェント構成の場所でクライアント・デプロイメント・ディスクリプタがどのように構成されるかを示しています。

... <service-ref-mapping name="..."><port-info><wsdl-port namespaceURI="..." localport="..."/><runtime enabled="owsm"><owsn init-home="C:/oracle/client/owsm/cofig/interceptors/C0003006"/></runtime>...</port-info></service-ref-mapping>

Webサービス・クライアントの再デプロイ

EJBクライアントおよびサーブレット・クライアントの場合、クライアント・エージェントの構成後に、Webサービス・クライアントを再デプロイする必要があります。この手順では、クライアント・エージェントがORACLE_HOMEにインストールされているものとします。

ランタイム環境の設定


注意:

この手順では、クライアント・エージェントがORACLE_HOMEにインストールされているものとします。

J2EEアプリケーション・クライアントの場合、次のJARファイルをWebサービス・クライアントのクラスパスに追加します。

  • ORACLE_HOME/owsm/lib/extlibにあるすべてのJARファイル。変数client.homeは、Webサービス・クライアントがインストールされるディレクトリです。

  • ORACLE_HOME/owsm/lib/cfluent-log4.j.jar

  • JDBC JARファイル。たとえば、「基本」スタンドアロン・インストールまたは「基本」SOAインストールの場合、この場所は、ORACLE_HOME/Mobile/Sdk/BIN/OLITE40.JARです。「拡張」スタンドアロンまたは「拡張」SOAオプションでインストールした場合、JDBC JARファイルの場所を見つけるには、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • ORACLE_HOME\jlib\orail8n.jarORACLE_HOME\jlib\ojmisc.jar

AXIS 1.1 J2EEクライアント用クライアント・エージェントのインストール

AXIS 1.1 J2EEクライアント用にクライアント・エージェントをインストールするには、次の手順を完了します。

  1. クライアント・エージェントを追加します。

  2. クライアント・エージェントのポリシーを定義します。

  3. クライアント・エージェントをインストールします。

  4. Webサービス・クライアントを再デプロイします。

後続の項では、これらの手順をそれぞれ詳細に説明します。

クライアント・エージェントを追加する手順

  1. Web Services Manager Controlを使用して、クライアント・エージェントを作成し、ドロップダウン・リストから次の値を選択します。

    1. コンポーネント・タイプ: クライアント・エージェント

    2. コンテナ・タイプ: AXIS 1.1

  2. 「登録」を選択します。これにより、コンポーネントIDが生成されます。このコンポーネントIDは、クライアント・エージェントのインストール時に使用するため、書き留めておきます。

クライアント・エージェントのポリシーを定義する手順

エージェントに関連付けるポリシーを構成します。エージェントに対するポリシーの定義方法の詳細は、『Oracle Web Services Manager管理者ガイド』の第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。

クライアント・エージェントをインストールする手順

  1. ORACLE_HOME/owsm/bin/ agent.propertiesファイルで次の属性を編集します。

    • agent.componentType: clientagent

    • agent.containerType: AXIS

    • agent.containerVersion: 1.1

    • agent.component.id: エージェントを作成し、Web Services Manager Controlを使用して登録するときに生成されたコンポーネントIDを入力します。

  2. Webサービス・アプリケーションがWeb Archive(WAR)ファイルとしてパッケージされている場合は、agent.propertiesファイルのwebservice.application.inputプロパティを編集します。WARファイルのフルパスと名前を入力します。

  3. Webサービス・クライアントがEARファイルとしてパッケージされている場合は、agent.propertiesファイルの次のプロパティを編集します。

    • webservice.application.input: EARファイルのフルパスと名前を入力します。

    • webservice.application.webapp.name: 非コメント化し、WARファイル名(たとえば、hellows-web.war)を入力します。

    • webservice.application.contexturi: コンテキスト・ルート(たとえば、/hellows.)を入力します。

    agent.propertiesファイルの詳細は、表6-1「agent.propertiesファイル」を参照してください。

  4. wsmadmin installAgentコマンドを実行します。

    このコマンドの詳細は、付録B「Oracle Web Services Manager WSMADMINコマンド」「installAgent」を参照してください。

Webサービス・クライアントの再デプロイ

変更が有効になるように、Webサービス・クライアントを再デプロイします。

agent.propertiesファイル

サーバー・エージェントまたはクライアント・エージェントをカスタマイズするには、ORACLE_HOME/owsm/bin/agent.propertiesファイルを編集します。この項では、agent.propertiesファイル内のプロパティについて説明します。


注意:

プロパティ値には、大文字と小文字の区別があります。

表6-1 agent.propertiesファイル

プロパティ 説明

agent.componentType

有効な値は、serveragentclientagentOC4JServerInterceptorまたはOC4JClientInterceptorです。

agent.containerType

OC4JまたはAXISを指定します。

agent.containerVersion

AXIS WebサービスとAXISクライアントのエージェントを除くすべてのエージェントに10.1.3.1を指定します。AXISエージェントには1.1を指定します。

oc4j.home

有効なOC4Jインストール・ディレクトリのパス(たとえば、c:\ORACLE_HOME)。このプロパティは、Oracle Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントの場合にのみ必要です。

oc4j.j2ee.home

OC4J J2EEインストール・ディレクトリのパス。

external.oc4j.port

OC4JがHTTPリクエストをリスニングするポート。

external.oc4j.adminPort

RMIポート。このプロパティの値は、インストール後に自動的に追加されます。たとえば、デフォルト値は23791です。Oracle SOA Suiteをインストールした場合、この値はOPMNポート番号です。

このプロパティは、Oracle Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、J2EEクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。

external oc4j.adminID

OC4J管理者ユーザー。たとえば、oc4jadmin

このプロパティは、Oracle Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、J2EEクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。

client.home

有効なクライアント・ホーム・ディレクトリのパス。これは、クライアント・エージェントが存在する場所です。このプロパティは、クライアント・エージェントの場合にのみ必要です。

webservice.application.input

アプリケーションEARファイルまたはWARファイルのフルパス。EARファイルのフルパスを指定した場合、webservice.application.webapp.nameプロパティを指定する必要があります。

このプロパティは、AXIS Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、AXISクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。

webservice.application.webapp.name

デフォルトでは、このプロパティはコメント・アウトされています。EARファイルのフル・パスを指定した場合、このプロパティを非コメント化し、アプリケーションの名前を指定します。

このプロパティは、AXIS Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、AXISクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。

webservice.application.contexturi

アプリケーション・サーバー内のコンテキストURI。このプロパティは、AXIS Webサービス用にインストールされたサーバー・エージェントと、AXISクライアント用にインストールされたクライアント・エージェントの場合にのみ必要です。

agent.installDir

エージェントがインストールされるディレクトリ。このプロパティは、TIBCO Business Worksエージェントの場合にのみ必要です。

このプロパティは、Oracle WSM 10.1.3.1.0リリースではサポートされていません。

agent.traPath

TIBCO Business Works traファイルのパス。このプロパティは、TIBCO Business Worksエージェントの場合にのみ必要です。

このプロパティは、Oracle WSM 10.1.3.1.0リリースではサポートされていません。

agent.component.id

このプロパティの値は、エージェントをOracle WSM Policy Managerに登録するときに生成されます。

agent.policymanager.enabled

trueを指定すると、エージェントはOracle WSM Policy Managerからオンライン・モードでポリシーを取得します。このプロパティをtrueに設定する場合、agent.policymanagerURLpolicySet.poll.enabledおよびpolicySet.poll.frequencyプロパティの値を指定する必要があります。

falseを指定すると、エージェントはファイルからポリシーを取得します(オフライン・モード)。

agent.policymanagerURL

Oracle WSM Policy Manager URLの場所。agent.policymanager.enabledtrueに設定されている場合に、このプロパティを設定します。

policySet.poll.enabled

onまたはoffを指定して、Oracle WSM Policy Managerのポーリングを有効または無効にします。agent.policymanager.enabledtrueに設定されている場合に、このプロパティを設定します。

policySet.poll.frequency

秒単位のポーリング頻度。agent.policymanager.enabledtrueに設定されている場合に、このプロパティを設定します。

agent.policySet.file

デフォルト・ポリシー・セットの名前。

このプロパティは、Oracle WSMがオフライン・モードで実行中、つまりagent.policymanager.enabledfalseに設定されているときに必要です。

agent.policySet.propertiesFile

Webアプリケーションとともにパッケージされているプロパティ・ファイル名。このファイルはポリシー・セット・ファイルの場所を指定します。