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Oracle Web Services Manager管理者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31906-02
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8 Oracle Web Services Managerでのイベントのロギング

この章では、Oracle Web Services Manager(Oracle WSM)で収集する情報について説明します。この章では次の項について説明します。

概要

Oracle WSMコンポーネントは、次のような情報を生成します。

低レベル・イベントおよび状態のログ

Oracle WSMの各コンポーネントは、イベント実行およびコンポーネントのステータスに関する情報を、そのコンポーネント専用のローカル・ファイルに送信します。このような情報は、Oracle WSMシステムのパフォーマンスの監視や、予定どおりに動作していないコンポーネントのデバッグに有用です。この機能は、Oracle WSM Policy Managerの起動時または特定のメソッドの実行時に様々なレベルで報告します。また、エラーが発生した場合、スタック・トレースを記録します。

アプリケーション・ログ・ファイルは次の場所にあります。

ORACLE_HOME/j2ee/instance/log

変数instanceは、Oracle WSMをインストールするOC4Jインスタンスの名前です。スタンドアロンのOracle WSMをインストールする場合、インスタンスのデフォルト値はhomeです。

表8-1に示すログ・ファイルがあります。

表8-1 Oracle WSMのアプリケーション・ログ・ファイル

ログ・ファイル名 ログ・メッセージが記録されるコンポーネント

ccore.log

Oracle Enterprise Manager 10g Web Services Manager Control

coreman.log

Oracle Web Services Manager Monitor

gateway.log

Oracle Web Services Manager Gateway

policymanager.log

Oracle Web Services Manager Policy Manager

clientagent.log

Oracle Web Services Manager Client Agents

serveragent.log

Oracle Web Services Manager Server Agents


デフォルトでは、Oracle WSMをインストールすると、Web Services Manager Control、Oracle WSM Monitor、Oracle WSM GatewayおよびOracle WSM Policy Managerの4つのコンポーネントのログ・ファイルが自動的に作成されます。クライアントまたはサーバー・エージェントを作成してデプロイする場合、Oracle WSMエージェントのログ・ファイルのみが表示されます。

各アプリケーションには、ロギングの構成に使用できるlogging.xmlという名前のロギング構成ファイルがそれぞれあります。このファイルは次の場所にあります。

ORACLE_HOME/owsm/config/application/logging.xml

変数applicationは、Oracle WSMアプリケーションの名前(ccore、coreman、gateway、policymanager、clientagentおよびserveragent)です。ログ・ファイルの場所と名前(File)、ログ・レベル(priority value)、ログ・ファイル・サイズ(MaxFileSize)およびバックアップ・ログ・ファイル数(MaxBackupIndex)などのログ・ファイルの特性を構成するには、パラメータをカッコで指定します。Oracle WSMは、Apacheグループで開発されたLog4Jテクノロジを使用します。ログ・ファイル・パラメータの構成の詳細は、製品ドキュメント(http://logging.apache.org)を参照してください。

ログ・ファイルの最大サイズは、デフォルトで10MBです。ログ・ファイルがこの最大サイズに達すると、1がファイルの最後に付加され、メッセージは引き続きそのアプリケーション・ログ・ファイルにログとして記録されます。たとえば、ccore.logの名前がccore.log.1に変更され、メッセージは引き続きccore.logにログとして記録されます。デフォルトでは、バックアップ・ファイルが1つ作成されます。したがって、ccore.logの名前がccore.log.1に変更されると、既存のバックアップ・ファイルはccore.log.1で上書きされます。

ファイルに送信される低レベル・イベントおよび状態の情報量を制御するには、次のいずれかの階層ロギング・レベルを指定します。


注意:

これらの値は大/小文字が区別されるため、大文字で指定してください。

ログ・ファイルを使用して、クラスごとに異なるロギング・レベルを指定できます。Web Services Manager Controlのlogging.xmlファイルからの次のエントリは、INFOに設定されたロギング・レベルを示しています。

<category name="com.cfluent.webui">
        <priority value="INFO" class="com.cfluent.ccore.util.logging.LogLevel"/>
</category>
<category name="com.cfluent.pingengine">
        <priority value="INFO" class="com.cfluent.ccore.util.logging.LogLevel"/>
</category>
<root>
        <priority value="INFO" class="com.cfluent.ccore.util.logging.LogLevel"/>
<appender-ref ref="FILE"/>
</root>

ロギング・レベルは、priority valueパラメータで指定します。ほとんどの場合、特定のクラスに対して異なるログ・レベルを構成する必要はありません。コンポーネント全体のログ・レベルを変更するには、すべてのクラスの優先度レベルを目的のレベルに変更するために検索および置換します。

logging.xmlファイルのパラメータを変更した後、変更が有効になるようにアプリケーションを再デプロイする必要があります。アプリケーションのデプロイの詳細は、『Oracle Web Services Managerデプロイメント・ガイド』を参照してください。

高レベル・パフォーマンス・メトリック

ポリシー強制ポイント(PEP)は、Oracle WSM Monitorに生データを送信します。Oracle WSM Monitorでは、その生データを集約およびコンパイルして、Webサービスの可用性、認証および認可の結果、リクエスト待機時間およびセキュリティ違反に関する高レベル・インジケータを生成します。この情報は、Oracle WSMが管理するWebサービスに誰がアクセスしているのか、およびこれらのリクエストがどのように処理されているのかを管理者が把握する場合に役立ちます。

パフォーマンス・メトリックには一般的な2つのタイプがあります。

高レベル・パフォーマンス・メトリックの場合、すべてのメトリックについて機能をオンまたはオフにするしかありません。個々のメトリックの収集またはコンパイルは指定できません。

エージェントおよびゲートウェイのメッセージ・ロギングの構成

ポリシーの強制として機能するエージェントおよびゲートウェイは、エージェントまたはゲートウェイの強制ポリシーで指定したロギング・ステップを使用して、アプリケーション・メッセージからの情報をログとして記録します。ポリシー・ステップの構成の詳細は、第5章「Oracle Web Services Managerのポリシー管理」を参照してください。

次のいずれかまたは両方を使用して、ロギングを構成できます。

  • サービス・リクエストからの情報をログとして記録するリクエスト・パイプラインのログ・ステップ。

  • サービス・レスポンスからの情報をログとして記録するレスポンス・パイプラインのログ・ステップ。

パイプライン内のポリシー・ステップの後にログ・ステップを追加して、ログ・ステップごとにロギングのレベルを指定できます。そのため、収集した情報量を制御できます。

ロギング機能を設定して、次のいずれかにログ・データを送信できます。

  • 強制コンポーネントと同じコンピュータ上に配置されているファイル。

  • ネットワーク上に配置されているデータベース・リポジトリ。

デフォルトでは、出力はOracle WSMデータベースに送信されます。オプションで、Oracle WSMデータベースとローカル・ファイルの両方に出力を送信できます。

ログ・ファイルはデフォルトでlogsディレクトリに格納され、各ログ・ファイル名には、ログが最大サイズに達した時間とファイルに書き込まれたログ・メッセージが含まれます。

パフォーマンス要件を満たすには、トポロジ的にPEPに近い場所にメッセージ・ログを配置する必要があります。これは、高度に分散された環境で複数の分散ログが必要な場合です。

ファイルにログ・エントリを送信するには、ポリシー強制ポイントのcfluent.messagelog.typeおよびcfluent.message.file.logDirectoryプロパティを編集します。これらのプロパティの編集の詳細は、「ポリシー強制ポイントの変更」を参照してください。

最大ログ・エントリの変更

Asyncwriterは、Oracle WSMデータベースにログ・メッセージを書き込みます。Asyncwriterには、デフォルトで1000個のログ・エントリに対応するバッファがあります。Asyncwriterがデータベースにメッセージを書き込む速度よりも、メッセージがAsyncwriterに送信される速度の方が速い場合、メッセージの一部が失われます。これは、Oracle WSMシステムでストレス・テストを実行している場合に発生する可能性があります。この場合、ポリシー強制ポイントのcfluent.messagelog.asynwriter.maxEntriesプロパティの値を増やします。Oracle WSMコンポーネントに関するプロパティの編集の詳細は、「ポリシー強制ポイントの変更」を参照してください。