この付録では、OC4J固有のデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルであるorion-application.xml
とorion-application-client.xml
について説明します。他のOC4J固有ディスクリプタについては、他のOC4J開発者ガイドを参照してください。
次の項目が含まれています。
この項では、OC4J固有のアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタ・ファイルの概要について説明します。
orion-application.xml
ファイルの最上位レベルの要素は、<orion-application>
要素です。
属性:
autocreate-tables
: このアプリケーションのCMP Bean用のデータベース表を自動的に作成するかどうか。デフォルトはfalse
です。
autodelete-tables
: このアプリケーションをデプロイするときに、CMP Bean用の古いデータベース表を自動的に削除するかどうか。デフォルトはfalse
です。
default-data-source
: サーバーのデフォルト以外の場合に使用するデフォルトのデータソース。指定する場合は、このアプリケーションに対して有効なデータソースを示す必要があります。
deployment-version
: このJARがデプロイされたOC4Jのバージョン。現在のバージョンと一致しない場合は、再デプロイされます。これはサーバー内部の値であるため、編集しないでください。
treat-zero-as-null
: 主キーを表すときに、読み取った値がゼロのときはNULLとして扱うかどうか。デフォルトはfalse
です。
アプリケーション・クライアントをプロセス内で起動するとき、つまりauto-start="true"
の場合に使用する引数です。この要素はクライアント・アプリケーションに固有です。
属性:
value
: 引数の値
1つ以上の<argument>
要素を含みます。各要素には、アプリケーション・クライアントをプロセス内で起動するとき、つまりauto-start="true"
の場合に使用する引数が含まれます。この要素はクライアント・アプリケーションに固有です。
アプリケーションのアプリケーション・クライアント・モジュールです。アプリケーション・クライアントは、サーバーと相互作用するGUIベースまたはコンソール・ベースのスタンドアロン・クライアントです。
属性:
auto-start
: OC4Jサーバーの起動時にプロセス内でアプリケーションを自動的に起動するかどうか。デフォルトはfalse
です。true
を指定する場合は、user
属性もtrue
に設定する必要があります。
deployment-time
: クライアントがデプロイされた時刻を示します。これはOC4J内部の値であるため、編集しないでください。
path
: アプリケーション・クライアントに対する、絶対パスまたはEARファイルを基準とする相対パス。
user
: true
に設定すると、プロセス内でクライアントが実行されます。auto-start
をtrue
にする場合は、この属性もtrue
に設定する必要があります。
<cluster>
OC4Jインスタンス内で稼働するエンタープライズ・アプリケーションに対するアプリケーション・クラスタ構成を含みます。
通常、クラスタはグローバル・レベルで有効にされますが、アプリケーション・レベルの設定はグローバル情報より優先されます。OC4Jクラスタ・フレームワークの概要については、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。
<cluster>
のサブ要素は次のとおりです。
<property-config> <flow-control-policy> <replication-policy> <protocol> <synchronous-replication>
これらのサブ要素の詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。
属性:
enabled
: アプリケーションに対してクラスタを有効にするかどうか。デフォルトはtrue
です。アプリケーション・レベルでこの値を設定すると、default
アプリケーションを含む親アプリケーションから継承された値より優先されます。
group-name
: レプリケーション・グループ・チャネルを確立するときに使用する名前。指定しないと、OC4Jサーバー構成ファイルのserver.xml
で定義されているアプリケーション名がデフォルトで使用され、エンタープライズ・アプリケーションごとに新しいグループ・チャネルが作成されます。
値を指定すると、そのアプリケーションとすべての子アプリケーションが、このグループ名に関連付けられているチャネルを使用します。
<database>
タグが含まれていると、この属性は無視されます。
allow-collocation
: 同じホストマシンに存在するグループ・メンバー(JVM)に、アプリケーションの状態をレプリケートできるかどうか。
デフォルトはtrue
です。複数のホストを使用可能にする場合は、この属性をfalse
に設定する必要があります。
同じマシン上で複数のOC4Jインスタンスがインスタンス化されている場合は、default-web-site.xml
、jms.xml
およびrmi.xml
の各構成ファイルで、インスタンスごとに異なるリスナー・ポートを指定する必要があります。
write-quota
: アプリケーションの状態をレプリケートする必要のある他のアプリケーション・グループ・メンバー(JVM)の数。この属性を指定すると、状態が書き込まれるJVMの数を制限することでオーバーヘッドを減らすことができます。OC4Jの以前のリリースで使用されていたアイランドの概念と似ています。
デフォルトは1
JMVです。
<database>
タグが含まれていると、この属性は無視されます。
cache-miss-delay
: セッションがローカルで見つからない場合に、別のグループ・メンバーがセッションに応答するまでプロセス内で待機する時間の長さ(ミリ秒)。セッションが見つからない場合、指定された時間が経過するまでリクエストは一時停止します。
デフォルトは1000
ミリ秒です。大量のリクエスト・ロードが予想されるインストールでは、この値を5000
などに増加します。この値をより高く設定すると、allow-colocation
がtrue
に設定されている場合、OC4Jインスタンス内でのセッション・データのレプリカの作成が回避されます。
<database>
タグが含まれていると、この属性は無視されます。
属性:
path
: oc4j-connectors.xml
ファイルの名前とパス。<connectors>
要素を指定しない場合のデフォルトのパスは、ORACLE_HOME
/j2ee/
instance
/connectors/
rarName
./oc4j-connectors.xml
です。
アプリケーションが使用するデータソースを定義するXMLファイルのパスとファイル名を指定します。
OC4Jのデータソースは、data-sources.xml
という名前のXMLファイルに存在します。このファイルは、デフォルトのデータソースとともに/j2ee/
instance
/config/
ディレクトリにインストールされます。
属性:
path
: data-sources.xml
ファイルに対するパス。絶対パス、またはorion-application.xml
ディスクリプタの場所を基準とする相対パスです。
アプリケーションに関する短い説明を含むオプションの文字列です。
アプリケーション内にあるEJB JARモジュールの参照です。
属性:
path
: ejb-jarファイルに対する、EARを基準とする相対パスまたは絶対パス。
remote
: true
に設定すると、そのノードでEJBインスタンスをアクティブ化するか、または別のサーバー(リモートまたはクラスタ内)からリモートで検索します。デフォルトはfalseです。
ログ・ファイルに対する相対パスまたは絶対パスです。
属性:
path
: パス
このセキュリティ・ロール・マッピングが示すグループです。つまり、指定されたグループの全メンバーがこのロールに含まれます。
属性:
name
: グループの名前
<javagroups-config>
JavaGroupsのグループ通信プロトコルを使用し、クラスタ内のノード間でセッション状態をレプリケートするために必要なデータを含みます。
属性:
url
: JavaGroupsのXML構成ファイルに対するリンク
property-string
: JavaGroupsのJChannelの作成方法を定義するプロパティを含む文字列
<jazn>
XMLベースの構成プロバイダ・タイプを使用するようにJava Authentication and Authorization Service(JAAS)を構成します。この要素の詳細は、『Oracle Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』に記載されているjazn.xml
ファイルの<jazn>
要素の説明を参照してください。
JAZNUserManager
のフィルタ要素を定義します。この要素の詳細は、『Oracle Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』に記載されているjazn.xml
ファイルの<jazn-web-app>
要素の説明を参照してください。
<jmx-mbean>
OC4J MBeanServerに自動的に登録される、アプリケーションとともにデプロイされる単一のMBeanを指定します。
サブ要素:
<description>
: MBeanの判読可能な名前を含む文字列。この名前は、MBeanブラウザのユーザー・インタフェースに表示されます。
属性:
objectname
: その下にMBeanを登録する名前。名前のドメイン部分は、指定しても無視されます。アプリケーションのMBeanは、ドメイン名としてアプリケーションのデプロイ名を使用して登録されます。
たとえば、MyMBeanA
という名前のMBeanをwidget
という名前のアプリケーションとともにデプロイする場合は、この属性の値として:name=MyMBeanA
と指定します。この場合、名前はwidget:name=MyMBeanA
と表示されます。
class
: MBeanの実装クラス。
このOC4Jインスタンスに対してライブラリ・パスとして追加する、ディレクトリ、JARアーカイブまたはZIPアーカイブに対する、相対パス、絶対パスまたはURLを指定します。OC4Jの起動時に、アーカイブを含めるためにディレクトリがスキャンされます。
属性:
path
: パス
アプリケーションに対するロギングの構成を設定します。
サブ要素:
<file> <mail> <odl>
アプリケーションに対するOracle Diagnostic Loggingを構成します。ODLフレームワークは、Javaの標準フレームワークを補完してログ・データをOracleログ分析ツールと自動的に統合するプラグイン・コンポーネントを提供します。ODLフレームワークではログ・ファイルはXMLの形式で作成されるため、Oracle Application Serverや独自に開発したコンポーネントで、より簡単に解析および再利用ができます。
maxDirectorySize
: ログ・ファイル・ディレクトリの許容される最大サイズをバイト単位で設定します。この限度を超えると、ログ・ファイルは最も古いものから順番にパージされます。
maxFileSize
: 個別のログ・ファイルの最大サイズをバイト単位で設定します。この限度に達すると、新しいログ・ファイルが生成されます。
path
: このコンポーネントに対するログ・フォルダのパスとフォルダ名。絶対パス、または構成XMLファイルが存在する場所に対する相対パスを指定できます。この場所は、通常、/j2ee/
instance
/config
ディレクトリです。この属性は、XML構成ファイルが関係する機能に対するログ・ファイルが存在する場所を示します。
ODLロギングを有効にすると、各メッセージは、log
N
.xml
という名前の対応するログ・ファイルに格納されます。Nは1から始まる番号です。最初のログ・メッセージは、ログ・ファイルlog1.xml
から始まります。ログ・ファイルが最大サイズに達すると、2番目のログ・ファイルlog2.xml
が開かれ、ロギングが続けられます。最後のログ・ファイルがいっぱいになると、最初のログ・ファイルlog1.xml
が消去され、新しいメッセージ用の新しいファイルが開かれます。このようにログ・ファイルは常に循環し、ディスク領域を浸食することはありません。
属性:
path
: この領域に対するログ・フォルダのパスとフォルダ名。絶対パス、または構成XMLファイルが存在する場所に対する相対パスを指定できます。この場所は、通常、/j2ee/
instance
/config
ディレクトリです。この属性は、XML構成ファイルが関係する機能に対するログ・ファイルが存在する場所を示します。たとえば、サーバー・ログ・ファイルを書き込む場所を示すには、server.xml
ファイルでこの要素を変更します。
max-file-size
: 個別のログ・ファイルの最大サイズ(KB)。
max-directory-size
: ディレクトリの最大サイズ(KB)。デフォルトのディレクトリ・サイズは10MBです。
最大ディレクトリ・サイズに達するまで、このディレクトリ内に新しいファイルが作成されます。各ログ・ファイルのサイズは、属性で指定されている最大値以下です。
イベントを記録する電子メール・アドレスです。このオプションを使用する場合は、有効なメール・セッションも指定する必要があります。
属性:
address
: メール・アドレス
セッションのSMTPサーバー・ホストを定義します(SMTPを使用する場合)。
属性:
location
: セッションを格納するネームスペース内の場所
smtp-host
: セッションのSMTPサーバー・ホスト(SMTPを使用する場合)
RMIクライアントに対するネームスペース(ネーミング・コンテキスト)のセキュリティ・ポリシーを指定します。
特定のセキュリティ設定でリソースを定義します。
属性:
root
: このルールを適用するネームスペースの部分のルート
隠しパスワードのルックアップに使用するUserManager
を指定します。省略すると、現在のUserManager
が認証と認可に使用されます。たとえば、全体的なUserManager
に対してはJAZN LDAPのUserManager
を使用し、隠しパスワードのチェックにはJAZN XMLのUserManager
を使用することができます。
UserManager
を識別するには、次に示すように、この要素の中で<jazn>
要素の定義を指定します。
<password-manager> <jazn ...> </password-manager>
この<jazn>
要素の詳細は、『Oracle Containers for J2EEセキュリティガイド』に記載されているjazn.xml
ファイルの<jazn>
要素の説明を参照してください。
再起動の間にアプリケーションの状態を格納するディレクトリへの(アプリケーション・ルートに対する)相対パスまたは絶対パスを含みます。
属性:
path
: 永続性ディレクトリへのパス(EARファイルを基準とする相対パスまたは絶対パス)。たとえば./persistence
などです。
principals.xml
ファイルに対するパスを定義します。
属性:
path
: プリンシパル・ファイルへのパス(エンタープライズ・アーカイブを基準とする相対パスまたは絶対パス)
名前/値ペアとしてのプロパティを含みます。
属性:
name
: パラメータの名前
value
: パラメータの値
<protocol>
データのレプリケーションに使用するメカニズムを定義します。指定できるのは1つのみであることに注意してください。
サブ要素:
<multicast> <peer> <database>
読取りアクセス・ポリシーです。
JMSリソース・プロバイダを定義します。カスタムの<resource-provider>
を追加するには、orion-application.xmlファイルに次の記述を追加します。
<resource-provider class="providerClassName" name="JNDI name"> <description> description </description> <property name="name" value="value" /> </resource-provider>
前述の例でユーザーが置き換えることのできる構成メンバー(イタリック体の部分)は、次のように指定します。
class
属性の値providerClassName
は、リソース・プロバイダ・クラスの名前に置き換えます。
name
属性の値JNDI name
は、リソース・プロバイダを識別するための名前に置き換えます。この名前は、java:comp/resource/name/
のように、アプリケーションのJNDIでリソース・プロバイダを検索する際に使用されます。
<description>
タグの値description
は、特定のリソース・プロバイダの説明に置き換えます。
対応する属性のname
とvalue
の値は、特定のリソース・プロバイダにパラメータとして渡す必要のあるプロパティ・タグの同じ名前に置き換えます。
ロールのグループとユーザーに対する実行時マッピングを定義します。アセンブリ・ディスクリプタの同じ名前のセキュリティ・ロールにマップします。
属性:
impliesAll
: このマッピングに全ユーザーを含めるかどうか。
name
: ロールの名前。
security-role-mappingが示すユーザーを定義します。
属性:
name
: ユーザーの名前
使用するオプションのユーザー・マネージャ・クラスを指定します。既存のシステムを統合し、Webアプリケーションに対してカスタム・ユーザー・マネージャを提供するために使用します。
属性:
class
: ユーザー・マネージャの完全修飾クラス名。たとえば、com.evermind.sql.DataSourceUserManager
やcom.evermind.ejb.EJBUserManager
などです。
display-name
: UserManager
インスタンスの説明的な名前。
アプリケーションの一部であるWebアプリケーションまたはモジュールを示します。各Webアプリケーションは、任意のサイト上に、そのサイトの任意のコンテキストでインストールできます(たとえばhttp://www.myserver.com/myapp/
)。
属性:
id
: たとえばモジュールをWebサイトにバインドするときなどに、このWebアプリケーションを参照するために使用する名前
path
: Webアプリケーションへのパス(EARファイルを基準とする相対パスまたは絶対パス)
<write-access>
書き込みアクセス・ポリシーです。
このファイルは、アプリケーション・クライアント用のOC4J固有のディスクリプタです。
<orion-application-client>
J2EEアプリケーション・クライアントに対するデプロイ時の情報を含むorion-application-client.xml
ファイルを定義します。application-client.xml
に含まれるアプリケーション・クライアントのアセンブリ情報を補完します。
コンテキストに送信される属性を含みます。JNDIの中で唯一の必須属性はjava.naming.factory.initial
で、これはコンテキスト・ファクトリの実装のクラス名です。
属性:
name
: 属性の名前
value
: 属性の値
別のエンタープライズBeanのホームへの参照の宣言に使用します。ejb-ref-mapping
要素は、デプロイ時にこれをJNDIの場所と結び付けます。
属性:
location
: EJBホームのルックアップを行うJNDIの場所。ejb/Payroll
などです。
name
: ejb-ref
の名前。application-client.xml
の<ejb-ref>
で定義されている名前と一致します。
アセンブリ・ディスクリプタのenv-entry
の値をオーバーライドします。EAR(アセンブリ)にデプロイ固有の値が含まれないようにするために使用します。本体は値です。
属性:
name
: コンテキスト・パラメータの名前
リソースを取得するために使用されるオプションのjavax.naming.Context
の実装を指定します。これは、サード・パーティ製のモジュール(サード・パーティ製のJMSサーバーなど)に接続する場合に役立ちます。リソース・ベンダーが提供するコンテキストの実装を使用するか、存在しない場合はベンダーのソフトウェアとのネゴシエーションを行う実装を作成します。
属性:
location
: リソースを取得するときに外部コンテキストで検索する名前
データソース、JMSキュー、メール・セッションなどの外部リソースへの参照を宣言します。resource-env-ref-mapping
は、デプロイ時にその要素をJNDIの場所と結び付けます。
属性:
location
: リソースをバインドするJNDIの場所
データソース、JMSキュー、メール・セッションなどの外部リソースへの参照を宣言します。resource-ref-mapping
は、デプロイ時にこれをJNDIの場所と結び付けます。
属性:
location
: リソースのホームをルックアップするJNDIの場所。
name
: resource-ref
の名前。application-client.xml
のresource-ref
の名前と一致します。