この項では、新規、またはOracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)に含まれていた前のリリースのOracleAS MapViewer以降に変更された主要な機能について説明します。
Oracle Mapsとは、MapViewerの一部として提供される一連のテクノロジのことです。Oracle Mapsは、事前に生成されるベース・マップ画像タイルの自動キャッシング、使いやすいAjaxベースのWebマッピング・インタフェース、およびAjaxを介したアクセスも可能なOracle Spatialデータベース問合せによって駆動される強力な対象地物(FOI)層から構成されています。Oracle Mapsについては、第8章を参照してください。
Oracle Map Builderは、スタイル、テーマおよびベース・マップの作成と編集用のスタンドアロン型グラフィカル・ツールです。これは、以前のリリースで提供されたマップ定義ユーティリティに置き換わるものです。Oracle Map Builderの主要な機能としては、スタイル、テーマおよびベースマップの定義に対するWYSIWYG方式の編集とプレビュー、ワークフローを簡略化するウィザード、テキスト・ファイルに対するスタイル、テーマおよびベースマップ定義のインポートとエクスポートがあります。
Oracle Map Builderについては、第9章を参照してください。
次の新機能によって拡張マップ・ラベリング機能が提供されます。
MapViewerにより、1つの長いテキスト・ラベルがマップ上で必要に応じ、複数の行に自動的に分割されます。
テキスト・スタイルに対して新しい配置ヒントおよび位置合せヒントを指定すると、方位ポイントと併用したり、線文字列機能(パスに沿ったテキスト)を使用したラベリングを実行したりできます。
テキスト・スタイルは今回、スティッキーとして指定できるようになっています。つまり、ラベル・スタイルとしてスティッキーを使用する機能はすべて、そのテキスト・ラベルがマップ上に常に描画されます。詳細および例は、2.2.3項を参照してください。)
MapViewerでは今回、双方向の言語テキスト・ラベリングをサポートしています。これにより、アラビア語やヘブライ語のようにテキストが右から左に流れる言語のテキストがサポートされています。
MapViewerでは今回、PL/SQL Application Program Interface(API)をサポートしています。このAPIを構成しているPL/SQLパッケージSDO_MVCLIENTは、Oracleデータベースの内部からOracleAS MapViewerサービスにアクセスするOracleデータベース・ユーザーを対象としたものです。このパッケージは、OracleAS MapViewerのほとんどの機能を公開しており、中間層で動作する実際のOracleAS MapViewerサーバーとのやりとりを、mapリクエストを出すユーザーに代わってすべて処理します。PL/SQL APIについては、第6章を参照してください。
MapViewerでは、ドット密度(A.6.4項を参照)、棒グラフ(A.6.5項を参照)およびコレクション(A.6.6項を参照)という新しい高度なスタイルをサポートしています。コレクション・スタイルは、単一のレンダリング・パス内の複数のスタイルを結合し使用します。
MapViewerでは今回、TrueTypeフォント・ファイルを管理し、TrueTypeフォント内の任意の記号をMapViewerマーカーにすることができます。TrueTypeフォントベースのマーカー・スタイルについては、A.2.3項を参照してください。
MapViewerでは今回、(売上高のような)外部属性データとOracle Spatialに格納されているジオメトリを中間層で結合し、さらに強力なテーマ・マッピングを実行できます。外部属性データを使用したテーマ・マッピングについては、2.3.3.1項を参照してください。
MapViewerでは今回、使いやすく構成可能なスケール・バーをマップ上で使用できます。スケール・バーを追加するには、Java APIのクラスoracle.lbs.mapclient.MapViewer
のメソッドsetScaleBar(ScaleBarDef sbar)
を使用するか、Oracle Maps JavaScript APIのメソッドaddScaleBarを使用します。Oracle Maps機能については第8章、そのJavaScript APIについては8.4項を参照してください。
外部WMS層も含め、どのテーマも今回は、マップのレンダリング時に特定の透過性を持つことができます。
MapViewerでは今回、ユーザー定義のOracle SQLオブジェクト・タイプ内の埋込みフィールドであるジオメトリおよびラベル・テキストをサポートしています。
MapViewerでは今回、SDOからEPSG SRIDへのカスタマイズ可能なマッピング表(ファイル)をサポートしています。これにより、WMSユーザーは、MapViewerのWMSサービスを操作する際、EPSG SRIDを使用できます。
MapViewerでは今回、mapリクエストでGeoRasterテーマに対する画像処理オペレーションをサポートしています。詳細は、3.2.19項の<operation>
要素の説明を参照してください。
MapViewerアプリケーションの開発時は今回、クライアント側で動的スタイルを作成し、それをMapViewer.addStyle(name, StyleModel)
という1つのメソッドを使用してmapリクエストに追加できるようになっています。
addStyle
メソッドについては、4.3.4項を参照してください。
今回は、新しい<theme_modifiers>
要素を使用すると、ベース・マップ・テーマに対する動的テーマ修飾子を指定できるようになっています。これについては、3.2.17項を参照してください。
今回は、シンプルなHTTPリクエストをMapViewerサーバーに発行すると、指定したMapViewerスタイルの表示方法を示すサンプル画像が返されるようになっています。たとえば、http://www.mycorp.com/mapviewer/omserver?sty=m.star
というURLにHTTPリクエストを発行すると、その場所にMapViewerがデプロイされていれば、M.STAR
というスタイルを示す小さな画像が返されます。詳細は、2.2.4項を参照してください。