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Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド
10gリリース3(10.1.3)
B50835-01
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12 ロギング・システムの構成

この章では、OCMSで使用するロギング・フレームワークについて説明します。この章の内容は次のとおりです。

OCMSでのOracle Diagnostic Loggingの概要

OCMSでは、Oracle Application Serverで提供されるOracle Diagnostic Loggingを使用します。Oracle Diagnostic Loggingには、エラー診断を発行するためにOracle製品で使用するAPIと、解析用のエラー診断ログを収集するLogLoaderツールが実装されています。Oracle Diagnostic Loggingのインタフェースはjava.util.loggingです。

ロギング・コンポーネント

OCMSでは、次のロギング・コンポーネントが定義されています。

  • oracle.sdp.ocms.customer: このログ出力では、カスタマが確認する必要があるメッセージをすべて取得します。XML形式のOracle Diagnostic Loggingに従ってローカライズされます。

  • oracle.sdp.ocms.application: このログ出力では、サーバーにデプロイされたSIPアプリケーションのログ・メッセージをすべて取得します。たとえば、SipServlet.log()などです。

残りのロギング・コンポーネントは、デバッグ目的の場合のみ提供されます。

  • oracle.sdp.ocms.anomalousmsg: このログ出力では、誤ったSIPメッセージや解析不可能なSIPメッセージを取得します。使用可能なレベルはFINEおよびFINERです。

  • oracle.sdp.ocms.traffic: このログ出力では、SIPメッセージを取得します。使用可能なレベルはFINEおよびFINERです。

  • oracle.sdp.ocms.config: このログ出力では、構成プロパティとシステム・プロパティをすべて取得します。

  • oracle.sdp.ocms.statisticsおよびoracle.sdp.sipcluster.util.stat: これらのログ出力では、送信されたメッセージの数などの統計を取得します。

単一クラス・ファイルによるロギング情報のフィルタリング

ロギング・フレームワークでは、前述の名前に、ログ出力を作成したクラスの完全修飾名が付加されてログ出力を作成します。このため、開発者は単一クラス・ファイルのレベルでロギング情報をフィルタ処理することができます。たとえば、クラスoracle.sdp.commons.MyClassがカスタマのログ出力を作成する場合、そのログ出力の名前は次のようになります。

"oracle.sdp.ocms.customer.oracle.sdp.commons.MyClass"

構成ファイルには、ログ出力の定義、物理ログ・ファイルの参照、trace loggerの定義が含まれます。trace loggerは、前述のログ出力が作成されると必ず自動的に作成されるログ出力です。たとえば、あるクラスがLogFactory.getLogger(クラス)のコールによってカスタマのログ出力をリクエストする場合、trace loggerも作成されます。これにより、すべてのカスタマ・メッセージがトレース・ログに書き込まれ、スロー可能なデータを含むログ・メッセージの詳細がトレース・ログに出力されます。

ログ・ファイル

OCMSのすべての基本的なログ出力(system、anomalousmsg、customer、traffic、config、statistics、application)では、主要ロギング・ディレクトリsdpの下にある各自のログ・ディレクトリとログ・ファイルが使用されます。ログ・ファイルは構成できません。これはlog.xmlという名前のXMLファイルです。

デバッグ・メッセージの場合、traceというディレクトリも作成されます。

ログ出力のインタフェース

SIPコンテナの主要なロギングは、カスタマ・ログとトレース・ログです。カスタマ・ログには、ローカライズされたカスタマ・メッセージが含まれ、トレース・ログはデバッグのロギング(デフォルトのインストールでは無効)に使用されます。カスタマ・ログ出力の名前はoracle.sdp.ocms.systemです。

次のログ出力インタフェースが実装されています。

  • oracle.sdp.commons.logging.Logger

  • oracle.sdp.commons.logging.CustomerLogger: このインタフェースとoracle.sdp.commons.logging.TraceLoggerは、ほとんどのクラスが通常のロギングで使用するインタフェースです。ローカライズされたメッセージが使用される唯一のインタフェースです。その他のすべてのインタフェースは、デバッグ・タイプのロギングとみなされます。

  • oracle.sdp.commons.logging.TraceLogger: このインタフェースとoracle.sdp.commons.logging.CustomerLoggerは、ほとんどのクラスが通常のロギングで使用するインタフェースです。ローカライズされたメッセージが使用される唯一のインタフェースです。その他のすべてのインタフェースは、デバッグ・タイプのロギングとみなされます。

  • oracle.sdp.commons.logging.MessageLogger: サーバーからの受信メッセージと送信メッセージのログを記録します。

  • oracle.sdp.commons.logging.ConfigurationLogger: サービスの起動時の構成情報のログを記録します。たとえば、coreVersion = "10.1.3.4"などです。

  • oracle.sdp.commons.logging.TimerLogger: パフォーマンスのチューニングに必要なタイミング情報のログを記録します。たとえば、データベース・コールの実行時間のロギングなどです。

  • oracle.sdp.commons.logging.StatisticsLogger: 定期的に統計のログを記録します。

ロギングのレベル

次のロギングのレベルが提供されています。

コンポーネントのログ・レベルの設定

コンポーネントのロギング・レベルは、Oracle Application Server Enterprise Managerを使用して動的に設定できます。ロギング構成の変更は60秒ごとに自動的に取得されるので、サーバーを再起動する必要はありません。

ログ・レベルを設定するには、次の手順を実行します。

  1. Enterprise Managerで「管理」を選択します。

  2. 「ログ出力の構成」の横にある「タスクに移動」アイコンを選択します。

  3. 「ログ出力の構成」ページの検索フィールドに、ロギング・インタフェースの名前(oracle.sdp.ocms.trafficなど)を入力して、「実行」をクリックします。

  4. 必要に応じてロギング・レベルを変更します。

デフォルトでは、trafficおよびanomalousmsg以外のすべてのコンポーネント・ログ出力はINFOに設定されています。trafficログおよびanomalousmsgログはOFFに設定されています。このため、デフォルト設定を使用しているシステムでは、trafficログやanomalousmsgログにはいかなるメッセージも書き込まれません。詳細は、「ロギングのレベル」を参照してください。