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Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド
10gリリース3(10.1.3)
B50835-01
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8 OCMS Parlay X Web Servicesのアーキテクチャ

この章では、OCMS Parlay X Web Servicesのアーキテクチャ、セキュリティおよびインストールについて説明します。この章の内容は次のとおりです。

Webサービス・クライアント・アプリケーションのアーキテクチャ

クライアント・アプリケーションのアーキテクチャは、Webサービスの1つのクライアントが、システムの多くのエンド・ユーザーにかわって機能するアーキテクチャです(図8-1)。

複数のユーザーが同じWebサービス・クライアントに同時に接続でき、クライアントはWebサービスを起動するとそれらのユーザーにかわって機能します。次の使用ガイドラインに注意してください。

Webサービスのセキュリティ

OCMSサーバー上の全Webサービスのデフォルトのデプロイでは、クライアントがDIGEST認証(ユーザー名とパスワードが必要)を使用してクライアント自体を認証する必要があります。この認証をサポートするために、parlayxclient-10.1.3.4.jarにはランタイムxmlディスクリプタ(<interface-name>Binding_Stub.xml)が含まれています。このディスクリプタは、クライアントからのDIGEST認証に必要なヘッダーを含めることをサポートするように構成されています。そのため、OCMS parlayxclient-10.1.3.4.jarを使用するクライアントでは、使用する特定のWebサービス・クライアントのユーザー名とパスワードのみを設定する必要があります。次に例を示します。

SendMessageClient smc = new SendMessageClient();
...
smc.setUsername("oracle-ws-client");
smc.setPassword("secret");

認証を成功させるには、認証に使用するユーザー名とパスワードを事前に決定し、OCMS Webサーバーで構成しておく必要があります。サーバーでの正しいユーザー名とパスワードの構成は、構成するセキュリティ・プロバイダの選択によって異なります。たとえば、ファイルに基づくセキュリティ・プロバイダ(最も簡単なもの)を使用するために、マルチメディア・メッセージングWebサービス(SendMessgeサービス、ReceiveMessageサービスおよびMessageNotificationManagerサービスなど)のユーザー名とパスワードを構成するとします。OCMSサーバーで次の手順を実行します。

  1. Application Server Control Enterprise Managerにログインします。

  2. 「管理」「セキュリティ」「セキュリティ・プロバイダ」を選択して、messagingwebserviceセキュリティ・プロバイダを編集します。

  3. デフォルトのセキュリティ・プロバイダがファイルベースのセキュリティ・プロバイダであることを確認します。プロバイダを変更するには、「セキュリティ・プロバイダの変更」「ファイルベースのセキュリティ・プロバイダ」を選択し、「OC4Jインスタンスのデフォルトのファイルベースのセキュリティ・プロバイダを使用します」を選択して「OK」をクリックします。

  4. 「レルム」を選択して、デフォルト・レルム(jazn.com)の近くにある「ユーザー」リンクをクリックします。

  5. 新しいユーザーを追加するには「作成」を選択します。

  6. ユーザー名(oracle-ws-clientなど)とパスワード(secretなど)を入力して、ユーザー・ロールusersを追加します。「OK」を選択します。これで、クライアント側で次のコードを使用して、ユーザーoracle-ws-clientとパスワードsecretですべてのマルチメディア・メッセージングWebサービスに接続できるようになりました。

    smc.setUsername("oracle-ws-client");
    smc.setPassword("secret");

通常、クライアント・アプリケーションの開発者はサーバー側の認証資格証明の設定の詳細を把握する必要はありません。これはサーバー管理者が取り扱うためです。

サーバー管理者がWebサービスに対する認証要件を変更する場合(たとえば、DIGESTのかわりにプレーン・テキストのユーザー名とパスワードを使用する場合など)、新しい要件に関する方法が提供されます。この場合、通常、parlayxclient-10.1.3.4.jarの解凍、<interface-name>Binding_Stub.xmlの変更、およびアプリケーションの実行時に使用するための、更新されたparlayxclient-10.1.3.4.jarの再パッケージングが必要になります。サーバー管理者から提供される方法には、関連する詳細事項が含まれます。

通知に関するWebサービスのセキュリティ

各種Webサービスにはクライアント側で実行する対応通知Webサービス(MessageNotification、PresenceNotification)が含まれ、該当するイベントが発生すると、Webサービスは通知(メッセージ配信ステータス、メッセージの受信、プレゼンス・ステータスの変更)を受信します。この実装では、クライアントの通知時にデフォルトでWeb Serviceセキュリティ(WS-Security)は使用されません。つまり、サーバーではクライアント側で実行する通知WebサービスがWS-Securityを使用しないことを前提としており、通知を送信する際にサーバー自体を認証しようとはしません。クライアント側でWS-Securityを有効にすると、通知SOAPリクエストから必要なヘッダーが失われるため、サーバーからの通知は失敗します。

Webサービスのインストール

Webサービスは、標準の.earファイルとしてパッケージ化されており、Enterprise Manager経由で他のWebサービスと同様にデプロイできます。.earファイルには、2つのインタフェースを実装する2つの.warファイルが含まれています。Webサービスがプレゼンス・サーバーと同じサーバーにデプロイされる場合、そのWebサービスはプレゼンス・サーバーの子アプリケーションになります。

クライアント・アプリケーションでは、OCMSに付属するparlayxライブラリをインポート(およびコンパイル)する必要があります。この場合、プロジェクトに次のjarをインポートします。

これらのjarファイルはコンパイルする他に、クライアントのランタイム構成にも含まれます(つまり、コンソール・クライアントの場合にクラスパスを設定する、またはJ2EEコンテナにデプロイされたクライアント・アプリケーションのデプロイ済war/earにjarを含めるなど)。

前述のjar以外に、OCMSインストールには、通知Webサービスのwarファイルが含まれます。これらのwarファイルには、開発者が様々なWebサービスの通知を有効にするためにインポートする必要があるjarファイルがすべて含まれます。