この章では、Oracle Communication and Mobility Server(OCMS)でのアプリケーション開発について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Communication and Mobile Server(OCMS)は、SIPアプリケーションを開発、デプロイおよび管理するためのキャリアグレードのSIPアプリケーション環境です。標準のJava2 Enterprise Edition(J2EE)プラットフォームに基づくOCMSは、SIPアプリケーションとサービスを簡単に統合できる柔軟でスケーラブルな環境です。
SIPプラットフォームでは、次のアプリケーションを開発し、デプロイできます。
転送や発着信規制などの通話管理サービスを含む音声およびテレビ電話
オンラインまたはオフライン・ステータス、通知、ユーザー・ステータスへのアクセス許可など、ユーザーのプレゼンス情報の公開とサブスクリプション
インスタント・メッセージング
Push-to-Talk over Cellular(PoC)を含むPush-to-Talkアプリケーション
OCMSは、Presence、プロキシとレジストラの組み合せたProxy/Registrar、そしてSIPメッセージ・ルーティング・アプリケーションApplication Routerなど、そのまま使用できる標準SIPアプリケーションを備えています。SIPプラットフォームに欠かせないこれらのアプリケーションは、OCMSプラットフォームに自動的にインストールされるので、開発リソースとデプロイに要する時間を節約できます。
OCMSの最大の特長は、OMA/Simple Presence Enabler 1.0に従って作成された標準ベースのハイパフォーマンス・アプリケーションPresenceです。OCMS Presenceアプリケーションは、大量のユーザーをサポートする堅牢性を備えながら、統合プラットフォームとエンタープライズPresenceサーバーを必要とするISV、システム・インテグレータおよび企業の要求も満たすソリューションです。
Oracle Communication and Mobility Serverのこのリリースには、拡張機能および新機能が組み込まれています。新機能および強化された機能の詳細は、http://www.oracle.com/technology/products/ocms/otn_front.htmを参照してください。
OCMS環境では、次のサポートにより、JSR-116準拠アプリケーションを開発できます。
OCMSは、JSR-116 SIP Servlet APIを使用したSIPサーブレットの開発をサポートします。これらのインタフェースを使用してSIPサーブレットを作成し、SIPメッセージの終了、SIPレスポンスの送信、SIPメッセージのプロキシを行うカスタマイズされたSIPベースのコンポーネントを作成できます。SIPサーブレットの概要と、SIP Servlet APIに対するOCMS拡張機能の詳細は、第2章「SIPサーブレット」を参照してください。OCMSでのアプリケーション開発の全体像については、第5章「SIPサーブレット・アプリケーションの作成」を参照してください。
OCMSは、「Open Service Access, Parlay X Web Services, Part 14, Presence ETSI ES 202 391-14」で定義されたParlay X Presence Web Serviceインタフェースを使用したアプリケーション開発をサポートします。Parlay Xインタフェースを使用して、通知の公開、サブスクリプションおよびリスニングを行う機能を提供することで、多数のユーザーのクライアントとして機能するWebサービスを作成できます。OCMSのParlay X Web Serviceインタフェースのサポートと、OCMS SCEをIDEとして使用してWebサービスを開発する方法の詳細は、第6章「OCMSのPalay X Web Services」を参照してください。Oracle WebCenter 10.1.3.3プラットフォーム用のParlay X Web Serviceの作成例は、Oracle Technology Network(http://www.oracle.com/technology/index.html)でOracle Communication and Mobility Serverのドキュメントを参照してください。
Oracle JDeveloper 10gを使用して、Presence Web Servicesをテストできます。WebCenter 10.1.3.3プラットフォーム用のアプリケーションを作成する場合は、Oracle JDeveloperリリース10.1.3.3以上の開発ツールをお薦めします。OCMS内でのOracle JDeveloper 10gの使用の詳細は、Oracle Technology Network(http://www.oracle.com/technology/index.html)でOracle Communication and Mobility Serverのドキュメントを参照してください。
OCMSは、主要開発ツールとしてOCMS Service Creation Environment(OCMS SCE)を提供します。Oracle JDeveloperは、Presence Web Servicesをテストするための二次ツールです。
OCMSは、SIPサーブレットおよびサーバー側アプリケーションの開発ツールであるOCMS Service Creation Environment(OCMS SCE)を提供します。Windowsオペレーティング・システムを使用する開発者を対象とするOCMS SCE(SCE)は、OCMSプラットフォームを使用してサービスを作成するためのツールとAPIを提供します。Eclipse上で動作するOCMS SCEは、開発サイクルのコード、ビルド、デプロイ、デバッグの各フェーズを通して開発作業をサポートします(図1-1を参照)。OCMS SCEを使用したアプリケーション開発の詳細は、第5章「SIPサーブレット・アプリケーションの作成」を参照してください。