Sun Cluster 3.0 の概念

クラスタノード

クラスタノードとは、Solaris オペレーティング環境と Sun Cluster ソフトウェアの両方を実行するマシンのことで、クラスタの現在のメンバー (クラスタメンバー) または潜在的なメンバーのどちらかです。Sun Cluster ソフトウェアを使用すると、1 つのクラスタに 2 〜 8 台のノードを設定できます。サポートされるノード構成については、「Sun Cluster トポロジ」を参照してください。

一般的にクラスタノードは、1 つまたは複数の多重ホストディスクに接続されます。スケーラブルサービスを 1 つ構成することで、ノードが多重ホストディスクに直接接続されていなくてもサービスを提供することができます。多重ホストディスクに接続されていないノードは、クラスタファイルシステムを使用して多重ホストディスクにアクセスします。

パラレルデータベース構成では、複数のノードがすべてのディスクへの同時アクセスを共有します。パラレルデータベース構成については、「多重ホストディスク」第 3 章「重要な概念 - 管理とアプリケーション開発」を参照してください。

クラスタ内のノードはすべて、共通の名前 (クラスタ名) によってグループ化されます。この名前は、クラスタのアクセスと管理に使用されます。

パブリックネットワークアダプタは、ノードとパブリックネットワークを接続して、クラスタへのクライアントアクセスを可能にします。

クラスタメンバーは、プライベートネットワークと呼ばれる 1 つまたは複数の物理的に独立したネットワークを介して、クラスタ内の他のノードとやりとりします。クラスタ内のプライベートネットワークの集合は、クラスタインターコネクトと呼ばれます。

クラスタ内のすべてのノードが、別のノードがいつクラスタに結合されたか、またはクラスタから切り離されたかを認識します。さらに、クラスタ内のすべてのノードは、他のクラスタノードで実行されているリソースだけでなく、ローカルに実行されているリソースも認識します。

クラスタメンバーとリソース (アプリケーション、ディスク記憶装置など)は、フェイルオーバーやスケーラブル機能を実現できる形式で構成します。

同じクラスタ内の各ノードの処理、メモリー、および入出力機能が同等のもので、パフォーマンスを著しく低下させることなく処理を継続できることを確認してください。フェイルオーバーの可能性があるため、すべてのノードに、バックアップまたは二次ノードとしてすべてのノードの作業負荷を引き受けるのに十分な予備容量があることを確認してください。

各ノードは、独自のルート (/) ファイルシステムを起動します。

クラスタメンバー用のソフトウェアコンポーネント

クラスタメンバーとして機能するには、次のソフトウェアがインストールされていなければなりません。

例外として、複数のディスクの冗長配列 (RAID) を使用する Oracle Parallel Sever(OPS) 構成があります。この構成には、Oracle データを管理するために Solstice DiskSuite や VERITAS Volume Manager などのボリューム管理ソフトウェアは必要ありません。

Solaris オペレーティング環境、Sun Cluster、およびボリューム管理ソフトウェアをインストールする方法については、『Sun Cluster 3.0 ソフトウェアのインストール』を参照してください。データサービスをインストールして構成する方法については、『Sun Cluster 3.0 データサービスのインストールと構成』を参照してください。

前述のソフトウェアコンポーネントの概念については、第 3 章「重要な概念 - 管理とアプリケーション開発」を参照してください。

次の図は、Sun Cluster ソフトウェア環境を作成するために共に動作するソフトウェアコンポーネントの概要を示しています。

図 2-2 Sun Cluster ソフトウェアコンポーネントの関係の概要

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クラスタメンバーについては、第 4 章「頻繁に寄せられる質問 (FAQ)」を参照してください。