Sun Cluster 3.0 ソフトウェアのインストール

Sun Cluster ソフトウェアのインストールと新しいクラスタノードの設定を行う

Solaris オペレーティング環境をインストールしたら、クラスタの各ノードで次の作業を行います。


注 -

scinstall(1M) カスタム JumpStart でソフトウェアをインストールした場合は、Sun Cluster ソフトウェアは既にインストールされています。「ネームサービススイッチを構成する」に進んでください。


  1. Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって』の以下のワークシートに必要事項を記入したものを用意します。

    • 「クラスタ名とノード名のワークシート」

    • 「クラスタインターコネクトのワークシート」

    計画のガイドラインについては、第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」を参照してください。

  2. クラスタノードでスーパーユーザーになります。

  3. CD-ROM からインストールする場合は、インストールと構成を行うノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_0 ディレクトリにマウントされます。

  4. /cdrom/suncluster_3_0/SunCluster_3.0/Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/suncluster_3_0/SunCluster_3.0/Tools
    
  5. scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。


    # ./scinstall
    

    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、以下のガイドラインに従ってください。

    • 対話形式の scinstall では先打ち入力が可能です。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定がない場合は、Control-D キーを押すと、関連のある一連の質問の最初、またはメインメニューに戻ります。

    • セッションでの回答内容は、そのメニューオプションを次回実行したときのデフォルトとして格納されます。

    • ノードがクラスタモードで正常に起動するまでは、scinstall を再度実行し、必要に応じて構成情報を変更できます。ただし、不正なノード構成データが、クラスタに設定されてしまった場合は、最初にその不正な情報を削除しておく必要があります。不正な情報を削除するには、アクティブなクラスタノードの 1 つにログオンし、scsetup(1M) ユーティリティーを使用して、不正なアダプタ、接続中継点、またはケーブル情報を削除します。

  6. 最初のノードをインストールして新しいクラスタを設定するため、1 (Establish a new cluster) を入力します。

    プロンプトに従い、構成計画ワークシートの情報を使って Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。以下の情報を入力するよう求められます。

    • クラスタ名

    • このクラスタに加わるその他のノードの名前

    • ノードの認証

    • プライベートネットワークアドレスとネットマスク - クラスタが正しく構成された後では、プライベートネットワークアドレスは変更できません。

    • クラスタインターコネクト (トランスポートアダプタとトランスポート中継点) - scinstall コマンドで複数のアダプタは構成できませんが、後で scsetup ユーティリティーを使用して複数のアダプタを構成できます。

    • 広域デバイスのファイルシステム名

    • 自動再起動 - Sun Cluster ソフトウェアパッチをインストールする場合は、自動再起動を選択しないでください。

    これらの情報を入力し終えると、scinstall コマンドにより確認が求められます。このコマンドを受け入れないように選択した場合は、scinstall ユーティリティーはメインメニューに戻ります。メニュー 1 を再度実行して、異なる情報を指定できます。前に入力したエントリがデフォルトの値として表示されます。


    注 -

    独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルがインストールされていない場合は、scinstall コマンドによってデフォルトの ntp.conf ファイルが自動的にインストールされます。このデフォルトファイルは、出荷時には 8 個のノードを参照する状態になっているため、起動時に xntpd(1M) で一部の参照に関してエラーメッセージが表示される場合があります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。通常のクラスタ条件下でこれらのメッセージを表示しないようにする方法については、「Network Time Protocol (NTP) を更新する」を参照してください。


  7. クラスタの 2 番目のノードをインストールするために、2 (Add this machine as a node) を入力します。

    この手順は、最初のノードのインストール中に開始できます。

    プロンプトに従い、構成計画ワークシートの情報に従って Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。以下の情報を入力します。

    • スポンサーノードと呼ばれる既存のクラスタノードの名前

    • クラスタ名

    • クラスタインターコネクト (トランスポートアダプタとトランスポート中継点)

    • 広域デバイスのファイルシステム名

    • 自動再起動 - Sun Cluster ソフトウェアパッチをインストールする場合は、自動再起動を選択しないでください。

    これらの情報を入力し終えると、scinstall コマンドにより確認が求められます。このコマンドを受け入れないように選択した場合は、scinstall ユーティリティーはメインメニューに戻ります。メニュー 2 を再度実行して、異なる情報を指定できます。前に入力したエントリがデフォルトの値として表示されます。

    インストールを続行するよう選択して、スポンサーノードがまだ設定されていない場合、scinstall は、スポンサーノードが利用可能になるまで待機します。

  8. すべてのノードを完全に構成し、各追加ノードに対して 手順 7 を繰り返します。

    追加のノードへのインストールを開始する際に、2 番目のノードのインストールが完了するのを待つ必要はありません。

  9. Sun Cluster 用のソフトウェアパッチをインストールします。

    パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって』を参照してください。

  10. Sun Cluster ソフトウェアパッチをインストールしたら、そのクラスタを停止し、クラスタの各ノードを再起動します。

    クラスタの最初のノードを再起動する前に、scshutdown コマンドを使用してそのクラスタを停止します。クラスタノードをインストールモードから削除するまでは、定足数 (quorum) の確立に使用される票 (quorum vote) は、クラスタを形成する最初のノード (スポンサーノード) にしかありません。形成されたクラスタがまだインストールモードにあり、最初のノードが再起動される前にクラスタが停止していない場合、残りのクラスタは定足数を得られず、クラスタ全体が停止します。

    クラスタノードは、「インストール後設定を行う」 の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまでは、インストールモードのままです。

例 - Sun Cluster ソフトウェアのインストール

次に、scinstall によって、ノード phys-schost-1 のインストール作業が完了したときに表示される進行状況メッセージの例を示します。このノードは、クラスタにインストールする最初のノードです。


** Installing SunCluster 3.0 **
        SUNWscr.....done.
        SUNWscdev...done.
        SUNWscu.....done.
        SUNWscman...done.
        SUNWscsal...done.
        SUNWscsam...done.
        SUNWscrsmop.done.
        SUNWsci.....done.
        SUNWscid....done.
        SUNWscidx...done.
        SUNWscvm....done.
        SUNWmdm.....done.
 
Initializing cluster name to "sccluster" ... done
Initializing authentication options ... done
Initializing configuration for adapter "hme2" ... done
Initializing configuration for adapter "hme4" ... done
Initializing configuration for junction "switch1" ... done
Initializing configuration for junction "switch2" ... done
Initializing configuration for cable ... done
Initializing configuration for cable ... done
Setting the node ID for "phys-schost-1" ... done (id=1)
 
Checking for global devices global file system ... done
Checking device to use for global devices file system ... done
Updating vfstab ... done
 
Verifying that NTP is configured ... done
Installing a default NTP configuration ... done
Please complete the NTP configuration after scinstall has finished.
 
Verifying that "cluster" is set for "hosts" in nsswitch.conf ... done
Adding the "cluster" switch to "hosts" in nsswitch.conf ... done
 
Verifying that "cluster" is set for "netmasks" in nsswitch.conf ... done
Adding the "cluster" switch to "netmasks" in nsswitch.conf ... done
 
Verifying that power management is NOT configured ... done
Unconfiguring power management ... done
/etc/power.conf has been renamed to /etc/power.conf.060199105132
Power management is incompatible with the HA goals of the cluster.
Please do not attempt to re-configure power management.
 
Ensure routing is disabled ... done
Network routing has been disabled on this node by creating /etc/notrouter.
Having a cluster node act as a router is not supported by Sun Cluster.
Please do not re-enable network routing.
 
Log file - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.276
 
Rebooting ... 

次の作業

「ネームサービススイッチを構成する」に進み、ネームサービスの参照順序を設定します。