この作業は、scvxinstall(1M) コマンドを使用し、1 回の操作で VxVM ソフトウェアのインストールとルートディスクのカプセル化を行います。
ローカルのルート以外のディスクに rootdg ディスクグループを作成する場合は、「VERITAS Volume Manager ソフトウェアだけをインストールする」へ進んでください。
この作業は、VxVM をインストールするノードごとに行ってください。VERITAS Volume Manager (VxVM) は、クラスタのすべてのノードにインストールすることも、あるいは、VxVM が管理する記憶装置に物理的に接続されたノードにだけインストールすることもできます。
Dynamic Multipathing (DMP) は、インストール処理の開始時に scvxinstall ユーティリティによって無効に設定されますが、VRTSvxvm がインストールされた時点で VxVM 3.1.1 によって自動的に有効に戻されます。VxVM の旧バージョンは、DMP を無効にした状態で実行する必要があります。
クラスタが以下の前提条件を満たしていることを確認します。
クラスタ内のノードはすべてクラスタモードで動作している
インストールするノードのルートディスクに 2 つの空き (割り当てられていない) パーティションが存在する
VxVM をインストールするノードでスーパーユーザーになります。
ノードの /etc/name_to_major ファイルに vxio エントリが含まれていないことを確認します。
vxio エントリが存在する場合は、ファイルから削除してください。以前にクラスタの他のノードに VxVM をインストールしていた場合は、このエントリが存在する可能性があります。VxVM ソフトウェアパッケージのインストール時に、正しい vxio エントリが自動的に追加されます。
ノードの CD-ROM ドライブに VxVM CD-ROM を挿入します。
scvxinstall を対話モードで起動します。
scvxinstall コマンドを中止する場合は、Control-C を押します。
# scvxinstall |
詳細は、scvxinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。
ルートをカプセル化するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら、「yes」とこたえます。
Do you want Volume Manager to encapsulate root [no]? y |
プロンプトが表示されたら、VxVM CD-ROM の位置を指定します。
適切な VxVM CD-ROM が見つかると、プロンプトの一部としてその場所が角括弧内に表示されます。表示された場所を使用する場合は、Enter キーを押します。
Where is the volume manager cdrom [default]? |
VxVM CD-ROM が見つからない場合には、プロンプトが表示されます。CD-ROM または CD-ROM イメージの場所を入力してください。
Where is the volume manager cdrom? |
プロンプトが表示されたら、VxVM ライセンスキーを入力します。
Please enter license key: license |
scvxinstall コマンドによって、次の作業が自動的に行われます。
Dynamic Multipathing (DMP) を無効にする
VRTSvxvm、VRTSvmdev、VRTSvmman パッケージをインストールする
rootdg ドライバのメジャー番号を 210 に設定する
ルートディスクをカプセル化することによって rootdg ディスクグループを作成する
/etc/vfstab ファイル内の /global/.devices エントリを更新する
詳細は、scvxinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。
インストール作業が完了した時点で、ユーザーがプロンプトに対して Control-C を押さないかぎり scvxinstall コマンドはノードを自動的に再起動します。Control-C を押した場合には、その後ユーザー自身でノードを再起動して VxVM インストールを完了する必要があります。
VxVM クラスタ機能を有効にする場合は、vxlicense コマンドを実行してクラスタ機能のライセンスキーを指定します。
vxlicense コマンドの詳細は、VxVM のマニュアルを参照してください。
(省略可能) VxVM GUI をインストールします。
# pkgadd VRTSvmsa |
VxVM GUIの詳細については、VxVM のマニュアルを参照してください。
CD-ROM を取り出します。
必要に応じて VxVM パッチをインストールします。
パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』を参照してください。
(省略可能) クラスタノード上に VxVM マニュアルページを置かない場合は、マニュアルページパッケージを削除します。
# pkgrm VRTSvmman |
VxVM を別のノードにインストールするかどうかを決定します。
VxVM をインストールしないノードが存在するかどうかを確認します。
VxVM クラスタ機能を有効にする場合は、クラスタのすべてのノードに VxVM をインストールする必要があります。手順 20 へ進んでください。
VxVM をインストールしないノードでスーパーユーザーになります。
/etc/name_to_major ファイルを編集し、vxio メジャー番号を 210 に設定するエントリを追加します。
# vi /etc/name_to_major vxio 210 |
後でこのノードに VxVM をインストールする際には、VxVM をインストールする前に vxio エントリを削除する必要があります。
vxio エントリを初期化します。
# drvconfig -b -i vxio -m 210 |
このノードを次回再起動する時に、次のようなメッセージが表示されることがあります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。
/sbin/rcS: /usr/sbin/vxrecover: not found /etc/rc2.d/S75MOUNTGFSYS: /usr/sbin/vxdctl: not found |
VxVM をインストールしない他のすべてのノードで、手順 16 〜 手順 18 を繰り返します。
この作業を終了した時点で、各クラスタノードの /etc/name_to_major ファイルには同じ vxio エントリが記録されています。
カプセル化されたルートディスクをミラー化するかどうかを決定します。
ミラー化する場合は、「カプセル化されたルートディスクをミラー化する」へ進んでください。
ミラー化しない場合は、「共有ディスクグループの作成と登録を行う」へ進んでください。
後からルートディスクのカプセル化を解除する必要が生じた場合は、「ルートディスクのカプセル化を解除する」の手順に従ってください。