Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール

Sun Cluster の構成可能なコンポーネント

この節では、インストール中に構成する Sun Cluster コンポーネントのガイドラインについて説明します。

クラスタ名

Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』の「クラスタ名とノード名のワークシート」に次の計画情報を追加してください。

クラスタ名は、Sun Cluster のインストールの際に指定します。クラスタ名は、インストール環境全体で一意にする必要があります。

ノード名

Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』の「クラスタ名とノード名のワークシート」に次の計画情報を追加してください。その他のほとんどのワークシートに関する情報は、ノード名ごとにまとめられています。

ノード名とは、Solaris オペレーティング環境のインストール中にマシンに割り当てる名前のことです。Sun Cluster のインストール中に、クラスタとしてインストールするすべてのノード名を指定します。

プライベートネットワーク

Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』の「クラスタ名とノード名のワークシート」に次の計画情報を追加してください。

Sun Cluster ソフトウェアは、ノード間の内部通信にプライベートネットワークを使用します。Sun Cluster では、プライベートネットワーク上のクラスタインターコネクトへの接続が少なくとも 2 つ必要です。クラスタの最初のノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールするときに、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。デフォルトのプライベートネットワークアドレス (172.16.0.0) とネットマスク (255.255.0.0) をそのまま使用するように選択するか、デフォルトのネットワークアドレスがすでに使用中の場合は別のアドレスを入力できます。


注 -

デフォルト以外のプライベートネットワークアドレスを指定する場合は、次の条件を満たす必要があります。


ノードをクラスタメンバーとして正常にインストールした後で、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更することはできません。

デフォルト以外のネットマスクを指定する場合は、以下の条件を満たす必要があります。

プライベートホスト名

Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』の「クラスタ名とノード名のワークシート」に次の計画情報を追加してください。

プライベートホスト名とは、プライベートネットワークインタフェースを介したノード間の通信に使用される名前のことです。プライベートホスト名は、clusternodenodeid-priv という命名規則に従って、Sun Cluster のインストール中に自動的に作成されます (nodeid は内部ノード ID の数値)。このノード ID 番号は、Sun Cluster のインストール中に各ノードがクラスタメンバーとなる際に、自動的に各ノードに割り当てられます。インストール後に、scsetup(1M) ユーティリティを使用してプライベートホスト名を変更できます。

クラスタインターコネクト

Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』の「クラスタインターコネクトのワークシート」に次の計画情報を追加してください。

クラスタインターコネクトは、クラスタノード間のプライベートネットワーク通信にハードウェアパスを提供します。各インターコネクトは、2 つのトランスポートアダプタの間、トランスポートアダプタとトランスポート接続点の間、または 2 つのトランスポート接続点の間を接続するケーブルで構成されます。Sun Cluster のインストール中に、2 つのクラスタインターコネクトに対して以下の構成情報を指定します。


注 -

3 つ以上のノードを持つクラスタでは、必ずトランスポート接続点を使用してください。クラスタノード間の直接接続は、2 ノードクラスタの場合だけサポートされています。


インストール後に、scsetup(1M) ユーティリティを使用して、追加のプライベートネットワーク接続を構成できます。

クラスタインターコネクトの詳細については『Sun Cluster 3.0 U1 の概念』を参照してください。

パブリックネットワーク

Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』の「パブリックネットワークのワークシート」に次の計画情報を追加してください。

パブリックネットワークはクラスタの外部と通信します。パブリックネットワーク構成を計画する際は、次のことを考慮してください。

パブリックネットワークアダプタのバックアップグループの計画のガイドラインについては、「NAFO グループ」も参照してください。 ネットワークインタフェースの詳細については、『Sun Cluster 3.0 U1 の概念』を参照してください。

ディスクデバイスグループ

Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』の「ディスクデバイスグループ構成のワークシート」に次の計画情報を追加してください。

すべてのボリューム管理ソフトウェアディスクグループを Sun Cluster ディスクデバイスグループとして構成する必要があります。このように構成することで、主ノードに障害が発生した場合でも、2 つ目のノードで多重ホストディスクをホストできるようになります。ディスクデバイスグループを計画する際は、次の点を考慮してください。

ディスクデバイスグループの詳細については、『Sun Cluster 3.0 U1 の概念』を参照してください。

NAFO グループ

Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』の「パブリックネットワークのワークシート」に次の計画情報を追加してください。

ネットワークアダプタフェイルオーバー (NAFO) グループは、パブリックネットワークアダプタの監視とフェイルオーバーを提供しており、ネットワークアドレスリソースの基礎となるものです。2 つ以上のアダプタで構成されている NAFO グループのアクティブなアダプタに障害が発生すると、そのアドレスはすべて NAFO グループ内の別のアダプタにフェイルオーバーされます。アクティブな NAFO グループアダプタは、このような方法で、NAFO グループ内のアダプタが接続されているサブネットへのパブリックネットワークの接続を維持します。

NAFO グループを計画する際は、次の点を考慮してください。

ネットワークアダプタフェイルオーバーの詳細については、『Sun Cluster 3.0 U1 の概念』を参照してください。

定足数デバイス

Sun Cluster 構成では、定足数 (quorum) デバイスを使用して、データとリソースの整合性を保持します。クラスタがノードとの接続を一時的に失っても、定足数デバイスによって、クラスタノードがクラスタに再結合しようとしたときの amnesia や split-brain といった問題を防止できます。定足数デバイスは、scsetup(1M) ユーティリティを使用して割り当てることができます。

定足数デバイスを計画する際は、次のことを考慮してください。

定足数 (quorum) についての詳細は、『Sun Cluster 3.0 U1 の概念』を参照してください。