Sun Cluster 3.0 U1 データサービスのインストールと構成

Sun Cluster HA for Oracle 拡張プロパティの構成

この節では、Sun Cluster HA for Oracle 拡張プロパティについて説明します。通常は、拡張プロパティは Oracle サーバーリソースやリスナーリソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。拡張プロパティは、第 11 章に示す手順を使って後で構成することもできます。Sun Cluster の全プロパティについては、付録 A を参照してください。

表 2-2 は、Oracle リスナーリソースのために設定できる拡張プロパティを示したものです。Oracle リスナーリソースの作成に欠かせない拡張プロパティは ORACLE_HOME プロパティです。拡張プロパティによっては、動的に更新できるものもあります。しかし、それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するときにしか更新できません。次の表の「調整」列は、そのプロパティをいつ更新できるかを示しています。

表 2-2 Sun Cluster HA for Oracle リスナーの拡張プロパティ

名前/データタイプ 

デフォルト 

範囲 

調整 

説明 

LISTENER_ NAME (文字列)

LISTENER

なし 

無効化されたとき 

Oracle リスナーの名前。 

ORACLE_ HOME (文字列)

なし 

最小 = 1 

無効化されたとき 

Oracle ホームディレクトリへのパス。 

User_env (文字列)

"" 

なし 

任意の時点 

環境変数が含まれているファイル。リスナーの起動と停止の前に設定される。 

表 2-3 に、Oracle サーバーに設定できる拡張プロパティを示します。Oracle サーバーに対して設定する必要のある拡張プロパティは、ORACLE_HOMEORACLE_SIDAlert_log_fileConnect_string プロパティです。

表 2-3 Sun Cluster HA for Oracle サーバーの拡張プロパティ

名前/データタイプ 

デフォルト 

範囲 

調整 

説明 

Alert_log_ file (文字列)

なし 

最小 = 1 

任意の時点 

Oracle 警告ログファイル。 

Connect_ cycle (整数)

5

0 - 99,999

任意の時点 

データベースから切り離されるまでの障害モニターの接続検証サイクル数。 

Connect_ string (文字列)

なし 

最小 = 1 

任意の時点 

障害モニターがデータベースに接続するのに使用する Oracle ユーザーとパスワード。 

ORACLE_ HOME (文字列)

なし 

最小 = 1 

無効化されたとき 

Oracle ホームディレクトリへのパス。 

ORACLE_ SID (文字列)

なし 

最小 = 1 

無効化されたとき 

Oracle システム識別子identifier。 

Parameter_ file (文字列)

"" 

最小 = 0 

任意の時点 

Oracle パラメータファイル。指定しない場合は、Oracle プロパティのデフォルトが使用される。 

Probe_ timeout (整数)

60

0 - 99,999

任意の時点 

Oracle サーバーインスタンスの検証に障害モニターが使用するタイムアウト時間 (秒)。 

User_env (文字列))

"" 

なし 

任意の時点 

環境変数が含まれているファイル。リスナーの起動と停止の前に設定される。 

Wait_for_ online (ブール値)

True

なし 

任意の時点 

データベースがオンラインになるまで START メソッドで待機する。