この節では、Sun Cluster HA for Oracle 拡張プロパティについて説明します。通常は、拡張プロパティは Oracle サーバーリソースやリスナーリソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。拡張プロパティは、第 11 章に示す手順を使って後で構成することもできます。Sun Cluster の全プロパティについては、付録 A を参照してください。
表 2-2 は、Oracle リスナーリソースのために設定できる拡張プロパティを示したものです。Oracle リスナーリソースの作成に欠かせない拡張プロパティは ORACLE_HOME プロパティです。拡張プロパティによっては、動的に更新できるものもあります。しかし、それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するときにしか更新できません。次の表の「調整」列は、そのプロパティをいつ更新できるかを示しています。
表 2-2 Sun Cluster HA for Oracle リスナーの拡張プロパティ
名前/データタイプ |
デフォルト |
範囲 |
調整 |
説明 |
---|---|---|---|---|
LISTENER_ NAME (文字列) |
LISTENER |
なし |
無効化されたとき |
Oracle リスナーの名前。 |
ORACLE_ HOME (文字列) |
なし |
最小 = 1 |
無効化されたとき |
Oracle ホームディレクトリへのパス。 |
User_env (文字列) |
"" |
なし |
任意の時点 |
環境変数が含まれているファイル。リスナーの起動と停止の前に設定される。 |
表 2-3 に、Oracle サーバーに設定できる拡張プロパティを示します。Oracle サーバーに対して設定する必要のある拡張プロパティは、ORACLE_HOME、ORACLE_SID、Alert_log_file、Connect_string プロパティです。
表 2-3 Sun Cluster HA for Oracle サーバーの拡張プロパティ
名前/データタイプ |
デフォルト |
範囲 |
調整 |
説明 |
---|---|---|---|---|
Alert_log_ file (文字列) |
なし |
最小 = 1 |
任意の時点 |
Oracle 警告ログファイル。 |
Connect_ cycle (整数) |
5 |
0 - 99,999 |
任意の時点 |
データベースから切り離されるまでの障害モニターの接続検証サイクル数。 |
Connect_ string (文字列) |
なし |
最小 = 1 |
任意の時点 |
障害モニターがデータベースに接続するのに使用する Oracle ユーザーとパスワード。 |
ORACLE_ HOME (文字列) |
なし |
最小 = 1 |
無効化されたとき |
Oracle ホームディレクトリへのパス。 |
ORACLE_ SID (文字列) |
なし |
最小 = 1 |
無効化されたとき |
Oracle システム識別子identifier。 |
Parameter_ file (文字列) |
"" |
最小 = 0 |
任意の時点 |
Oracle パラメータファイル。指定しない場合は、Oracle プロパティのデフォルトが使用される。 |
Probe_ timeout (整数) |
60 |
0 - 99,999 |
任意の時点 |
Oracle サーバーインスタンスの検証に障害モニターが使用するタイムアウト時間 (秒)。 |
User_env (文字列)) |
"" |
なし |
任意の時点 |
環境変数が含まれているファイル。リスナーの起動と停止の前に設定される。 |
Wait_for_ online (ブール値) |
True |
なし |
任意の時点 |
データベースがオンラインになるまで START メソッドで待機する。 |