この節では、setup コマンドを使って次の作業を行う手順を説明します。
iPlanet Web Server をインストールする。
iPlanet Web Server を Sun Cluster HA for iPlanet Web Server データサービスとして実行できるようにする。
Web サーバーに対する URL マッピングの設定では、いくつかの取り決めに従う必要があります。たとえば、CGI ディレクトリを設定する場合、可用性を維持するには、マップしたディレクトリをクラスタファイルシステムに配置する必要があります。たとえば、CGI ディレクトリを /global/pathname/cgi-bin にマップします。
CGI プログラムが、RDBMS などのバックエンドサーバーにアクセスするような状況では、そのバックエンドサーバーも Sun Cluster によって制御されていることを確認してください。そのサーバーが、Sun Cluster がサポートする RDBMS の場合には、高可用性 RDBMS パッケージのいずれか 1 つを使用します。サポートされない RDBMS の場合は、API を使用してそのサーバーを Sun Cluster の制御下に置きます。API については、『Sun Cluster 3.0 U1 データサービス開発ガイド』を参照してください。
この手順を実行するには、構成に関する次の情報が必要になります。
サーバーのルートディレクトリ (アプリケーションバイナリへのパス)。バイナリは、ローカルディスクまたはクラスタファイルシステムにインストールできます。これらの場所にインストールした場合の長所と短所については、「アプリケーションバイナリの格納先の決定」を参照してください。
データサービスへのアクセスにクライアントが使用する論理ホスト名 (フェイルオーバーサービスの場合) または共有アドレス (スケーラブルサービスの場合)。これらのアドレスを構成し、オンラインにしなければなりません。
Sun Cluster HA for iPlanet Web Server サービスと別の HTTP サーバーを実行しており、これらが同じネットワークリソースを使用している場合は、それぞれ異なるポートで待機するように構成してください。異なるポートで待機するように構成しないと、2 つのサーバーの間でポートの衝突が発生します。
クラスタメンバーでスーパーユーザーになります。
CD の iPlanet インストールディレクトリから setup コマンドを実行します。
プロンプトが表示されたら、iPlanet サーバーバイナリをインストールする場所を入力します。
インストール場所には、クラスタファイルシステム上またはローカルディスク上の場所を指定します。ローカルディスクにインストールする場合は、次の手順で指定するネットワークリソース (論理ホスト名または共有アドレス) の潜在的主ノードになるすべてのクラスタノード上で setup コマンドを実行してください。
マシン名の入力が求められたら、iPlanet サーバーが依存する論理ホスト名と適切な DNS ドメイン名を入力します。
完全な論理ホスト名は、network-resource.domainname の形式になります (例: schost-1.sun.com)。
Sun Cluster HA for iPlanet Web Server データサービスが正しくフェイルオーバーするには、マシン名の入力を求められたときには、常に、物理ホスト名ではなく、論理ホスト名または共有アドレスリソース名のいずれかを使用する必要があります。
問い合わせが表示されたら、「Run admin server as root」を選択します。
管理サーバー用に iPlanet インストールスクリプトによって選択されたポート番号を書き留めておいてください。後で iPlanet Web Server のインスタンスを構成するときに、このデフォルト値を使用する場合があります。デフォルト値を使用しない場合は、別のポート番号を指定することもできます。
問い合わせが表示されたら、サーバー管理者 ID とパスワードを入力します。
システムのガイドラインに従います。
管理サーバーが起動されることを示すメッセージが表示されたら、構成の準備は完了です。
Web サーバーを構成するには、「iPlanet Web Server を構成する」を参照してください。
この手順では、iPlanet Web Server のインスタンスを構成し、高可用性を実現する方法について説明します。この手順では、Web ブラウザを使用します。
手順を実行する前に、次の点に注意します。
開始する前に、クラスタが存在するネットワークにアクセスできるマシン上に Netscape ブラウザがインストールされていることを確認してください。ブラウザは、クラスタノードまたはクラスタの管理ワークステーションにインストールできます。
構成ファイルは、ローカルファイルシステムまたはクラスタファイルシステムのいずれかに配置できます。
セキュアインスタンス用にインストールされた証明書をすべてのクラスタノードからインストールする必要があります。このインストールには、すべてのノードでの管理コンソールの実行が含まれます。したがって、クラスタに n1、n2、n3、n4 のノードがある場合には、インストール手順は次のようになります。
ノード n1 で管理サーバーを起動します。
Web ブラウザから、次のように管理サーバーに接続します。http://n1.domain:port (例: http://n1.eng.sun.com:8888 または、管理サーバーポートとして指定したポート)。通常、ポートは 8888 です。
証明書をインストールします。
ノード n1 の管理サーバーを停止し、ノード n2 から管理サーバーを起動します。
Web ブラウザから、次のように新しい管理サーバーに接続します。http://n2.domain:port (例: http://n2.eng.sun.com:8888).
この手順を n3 と n4 のノードに対して繰り返します。
以上の手順が終わったら、次の各手順を行います。
管理ワークステーションまたはクラスタノードから、Netscape ブラウザを起動します。
クラスタノードのいずれか 1 つで、https-admserv ディレクトリに移動し、iPlanet 管理サーバーを起動します。
# cd https-admserv # ./start |
iPlanet 管理サーバーの URL を Netscape ブラウザに入力します。
URL は、サーバーのインストール手順 (手順 4) の iPlanet インストールスクリプトによって確立される物理ホスト名とポート番号で構成されます (例: n1.eng.sun.com:8888)。手順 2 を実行すると、./start コマンドで管理 URL が表示されます。
プロンプトが表示されたら、サーバーのインストール手順 (手順 6) で指定したユーザー ID とパスワードを使用し、iPlanet 管理サーバーインタフェースにログインします。
作成された iPlanet Web Server インスタンスの管理を開始します。
別のインスタンスが必要な場合は、ここで作成します。
管理グラフィカルインタフェースでは、iPlanet サーバー構成の詳細を含むフォームが提供されます。以下の項目を除き、このフォームのデフォルト値のまま使用できます。
すべてのノードのローカルディスクにディレクトリを作成し、iPlanet Web Server が管理するログ、エラーファイル、PID ファイルを保持できるようにします。
iPlanet が正しく動作するためには、これらのファイルが、クラスタファイルシステムではなく、クラスタ内の各ノードに配置されている必要があります。
クラスタ内のすべてのノードと同じローカルディスク上の場所を選択します。ディレクトリを作成する場合は、mkdir -p コマンドを使用します。このディレクトリの所有者は、nobody にします。
次の例は、この手順を終了する方法です。
phys-schost-1# mkdir -p /var/pathname/http-instance/logs/ |
ログファイルまたは PID ファイルのサイズが大きくなる可能性がある場合は、これらのファイルがディレクトリを圧迫するため、/var 下のディレクトリに配置しないでください。サイズの大きなファイルを扱うのに十分な空き容量のあるパーティションにディレクトリを作成してください。
magnus.conf ファイルの ErrorLog と PidLog エントリに、前の手順で作成したディレクトリを登録し、管理者のインタフェースからその変更を同期させます。
magnus.conf ファイルは、エラーファイルおよび PID ファイルの場所を指定します。このファイルを編集し、エラーおよび PID ファイルの場所を 手順 5 で作成したディレクトリに場所を変更してください。magnus.conf ファイルは、iPlanet サーバーインスタンスの config ディレクトリにあります。インスタンスディレクトリがローカルファイルシステムにある場合は、magnus.conf ファイルを各ノードで変更する必要があります。
次のようにエントリを変更します。
# Current ErrorLog and PidLog entries ErrorLog /global/data/netscape/https-schost-1/logs/error PidLog /global/data/netscape/https-insecure-schost-1/logs/pid # New entries ErrorLog /var/pathname/http-instance/logs/error PidLog /var/pathname/http-instance/logs/pid |
管理者のインタフェースが変更を検知すると、次の警告メッセージが表示されます。
Warning: Manual edits not loaded Some configuration files have been edited by hand. Use the Apply button on the upper right side of the screen to load the latest configuration files. |
問い合わせが表示されたら、「Apply」をクリックします。
管理者のインタフェースに、次のメッセージが表示されます。
Configuration files have been edited by hand. Use this button to load the latest configuration files. |
問い合わせが表示されたら、「Load Configuration Files」をクリックします。
管理者のインタフェースを使用し、アクセスログファイルの場所を設定します。
管理グラフィカルインタフェースで、「Preferences」タブをクリックし、サイドバーの「Logging Options」をクリックします。GUI にアクセスログのパラメータを構成するためのフォームが表示されます。
手順 5 で作成したディレクトリに配置するようにログファイルの場所を変更します。
次の例に、ログファイルの変更を示します。
Log File: /var/pathname/http-instance/logs/access |
「Save」をクリックして変更を保存します。
「Save and Apply」をクリックしないでください。iPlanet Web Server が起動します。
Sun Cluster HA for iPlanet Web Server のデータサービスパッケージが、Sun Cluster Agents CD からインストールされていない場合には、「Sun Cluster HA for iPlanet Web Server パッケージのインストール」へ進みます。パッケージがインストールされている場合は、「Sun Cluster HA for iPlanet Web Server の登録と構成」へ進みます。