Sun Cluster 3.0 U1 データサービスのインストールと構成

SAP をクラスタで実行するための準備をする

SAP のインストール中に、SAP コアインスタンスをインストールしたサーバーにファイルやシェルスクリプトが作成されます。これのファイルやスクリプトでは、物理サーバー名が使用されています。Sun Cluster ソフトウェアのもとで SAP ソフトウェアを使用する場合は、物理サーバーへの参照を論理ホスト名への参照で置き換える必要があります。以下の各手順では、変数 physicalserver は物理サーバーを、変数 logical-hostname は論理ホスト名をそれぞれ表します。「論理ホスト名」という表現は、データベースとアプリケーションサーバー間のトラフィックが発生する論理ホスト名を表します。論理ホストの詳細については『Sun Cluster 3.0 U1 の概念』を参照してください。

次の手順に従って、SAP をクラスタで実行するための準備をします。


注 -

この後の手順で変更するファイルのバックアップコピーを取ってください。


  1. SAP ソフトウェアがインストールされているノードにログインします。

  2. SAP コアインスタンスとデータベースをシャットダウンします。


    注 -

    SAP コアインスタンスやデータベースの他に、動作しているアプリケーションサーバーがある場合は、それもシャットダウンしてください。


  3. 次のディレクトリのすべてのファイルについて、その名前に物理サーバー名が含まれている場合は、それを変更します。

    • sapsidadmホームディレクトリ - ファイル名を変更する前に sapsidadm ユーザーになる必要があります。

    • orasapsid ホームディレクトリ - ファイル名を変更する前に orasapsid ユーザーになる必要があります。

    • SAP プロファイルディレクトリ - ファイル名を変更する前に sapsidadm ユーザーになる必要があります。

    たとえば、.sapenv_physicalserver.csh ファイルを .sapenv_logical-hostname.csh に変更します。

  4. ログファイルを除く次のディレクトリのすべてのファイルについて、その内容が物理サーバー名を参照している場合は、それを変更します。

    • sapsidadm ホームディレクトリ - ファイルを編集する前に sapsidadm ユーザーになる必要があります。

    • orasapsid ホームディレクトリ - ファイルを編集する前に orasapsid ユーザーになる必要があります。

    • SAP プロファイルディレクトリ - ファイルを編集する前に sapsidadm ユーザーになる必要があります。

    たとえば、起動スクリプトやシャットダウンスクリプトに physicalserver の参照がある場合は、それを論理ホスト名の参照に変更します。

  5. sapsidadm ユーザーで、次の例に示すような SAPLOCALHOST パラメータのエントリを追加します。


    SAPLOCALHOST logical-hostname
    

    このエントリは、/sapmnt/SAPSID/profile ディレクトリの SAPSID_Service-StringSystem-Number_logical-hostname プロファイルファイルに追加する必要があります。

    外部アプリケーションサーバーは、このエントリの論理ホスト名を使ってコアインスタンスの場所を見つけます。