Sun Cluster 3.0 U1 のシステム管理

クラスタノードの追加と削除

次の表に、ノードを既存のクラスタに追加するときに行う作業を示します。これらの作業を正常に行うには、示された順番に従う必要があります。

表 6-2 作業リスト : ノードの追加

作業 

参照箇所 

ホストアダプタのノードへの取り付けと、既存のクラスタインターコネクトが新しいノードをサポートできることの確認 

Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide

共有記憶装置の追加 

Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide

認証ノードリストへのノードの追加 

- scsetup を使用します。

「クラスタノードを認証ノードリストに追加する」

新しいクラスタノードへのソフトウェアのインストールと構成 

- Solaris オペレーティング環境および Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。 

- クラスタの一部としてノードを構成します。 

Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール

Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成の説明を参照。 

次の表に、ノードを既存のクラスタから削除するときに行う作業を示します。これらの作業を正常に行うには、示された順番に従う必要があります。

表 6-3 作業リスト : クラスタノードの削除

作業 

参照箇所 

削除するノードを保守状態にする。 

- shutdownscconf を使用します。

「ノードを保守状態にする」

すべてのリソースグループからノードを削除する。 

- scrgadm を使用します。

Sun Cluster 3.0 データサービスのインストールと構成』、既存のリソースグループからノードを削除する方法についての説明を参照。

ノードがメンバーになっているすべてのデバイスグループからノードを削除する。 

- ボリューム管理ソフトウェアのコマンドを使用します。 

「ディスクデバイスグループからノードを削除する (Solstice DiskSuite)」

または、 

「ディスクデバイスグループからノードを削除する (VERITAS Volume Manager)」

削除するノードへのすべての論理トランスポート接続を削除する。 

- scsetup を使用します。

「クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポート接続点を削除する」

 

ノードから物理的にハードウェアを取り外す方法については、『Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide』 を参照してください。

削除するノードと共有しているすべての定足数デバイスを削除する。 

- scsetup を使用します。

「定足数デバイスを削除する」

クラスタソフトウェア構成からノードを削除する。 

- scconf を使用します。

「クラスタソフトウェア構成からノードを削除する」

必要な共有記憶装置をノードおよびクラスタから削除する。 

- ボリューム管理ソフトウェアのマニュアルおよびハードウェアのマニュアル手順に従います。 

SDS または VxVM の管理ガイド、 

Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide

クラスタノードを認証ノードリストに追加する

既存のクラスタにマシンを追加する前に、プライベートクラスタインターコネクトとの物理的な接続が正確に行われているかなど、必要なとハードウェアがすべて正確にノードにインストールおよび構成されていることを確認してください。

ハードウェアの設置については、『Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide』または使用するサーバーに付属しているマニュアルを参照してください。

この手順によって、マシンは自分自身をクラスタ内にインストールします。つまり、自分のノード名を当該クラスタの認証ノードリストに追加します。

この手順を行うには、現在のクラスタメンバーノード上でスーパーユーザーになる必要があります。

  1. 「クラスタノードの追加と削除」の作業リストに示されているハードウェアの設置作業と構成作業がすべて正常に行われていることを確認します。

  2. scsetup(1M) ユーティリティを実行します。


    # scsetup
    

    「Main Menu」が表示されます。

  3. 認証ノードリストを変更するには、「New Nodes Menu」で 3 を入力して、自分自身を追加するマシンの名前を指定します。

    指示に従って、ノードの名前をクラスタに追加します。追加するノードの名前がたずねられます。

  4. 「New Nodes Menu」にアクセスするには、「Main Menu」で 6 を入力します。

  5. 作業が正常に行われたことを確認します。

    作業が正常に行われた場合、scsetup ユーティリティは「Command completed successfully」というメッセージを表示します。

  6. 新しいマシンをクラスタに追加できないように設定するには、「New Nodes Menu」で 1 を入力します。

    scsetup の指示に従います。このオプションを設定すると、クラスタは、新しいマシンが自分自身をクラスタに追加しようとするパブリックネットワーク経由の要求をすべて無視します。

  7. scsetup ユーティリティを終了します。

  8. 新しいクラスタノード上でソフトウェアをインストールして構成します。

    新しいノードをインストールして構成するには、scinstall または JumpStart のどちらかを使用します。詳細については、『Sun Custer 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。

例 - クラスタノードの認証ノードリストへの追加

次に、ノード phys-schost-3 を既存のクラスタの認証ノードリストに追加する例を示します。


[スーパーユーザーになり、scsetup ユーティリティを実行する]
# scsetup
Select New nodes>Specify the name of a machine which may add itself.
Answer the questions when prompted.
Verify that the scconf command completed successfully.
 
scconf -a -T node=phys-schost-3
 
    Command completed successfully.
Select Prevent any new machines from being added to the cluster.
Quit the scsetup New Nodes Menu and Main Menu.
[クラスタソフトウェアをインストールする]

次の作業

クラスタノードを追加する作業の概要については、表 6-2 を参照してください。

ノードを既存のリソースグループに追加する方法については、『Sun Cluster 3.0 U1 データサービスのインストールと構成』を参照してください。

クラスタソフトウェア構成からノードを削除する

ここで説明する手順は、ノードをクラスタから削除するプロセスで実行する必要のある最後のソフトウェア構成手順です。この手順を実行するには、クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになる必要があります。

  1. 「クラスタノードの追加と削除」の作業リストに示されている作業がすべて正常に行われていることを確認します。


    注 -

    この手順を続行する前に、ノードを保守状態にしたうえで、そのノードがすべてのリソースグループ、デバイスグループ、定足数 (quorum) デバイス構成から削除してあることを確認してください。


  2. クラスタ内のローカルディスクおよび関連する raw ディスクデバイスグループ名を確認します (dsk/d4 など)


    # scconf -pvv | grep Local_Disk	
    

  3. 削除するノードに接続されているクラスタ内のローカルディスクおよび raw ディスクデバイスグループを確認します。


    # scconf -pvv | grep node-name | grep Device	
    

  4. 手順 3 で確認したすべてのローカルディスクの localonly 属性を無効にします。

    localonly 属性の詳細については、scconf_dg_rawdisk のマニュアルページを参照してください。


    # scconf -c -D name=rawdisk-device-group,localonly=false
    

  5. ノードが属している raw ディスクデバイスグループからノードを削除します。

    この手順は、削除するノードに接続されている raw ディスクデバイスグループごとに行う必要があります。


    # scconf -r -D name=rawdisk-device-group,nodelist=node
    

  6. クラスタからノードを削除します。


    # scconf -r -h node=nodename 
    

  7. scstat を使用し、ノードが削除されていることを確認します。


    # scstat -n 
    

  8. ノードをクラスタから物理的に切り離すには、ハードウェアを取り外します。詳細については、『Sun Custer 3.0 U1 Hardware Guide』を参照してください。


注 -

クラスタからノードを削除した後でこのノードを稼動状態に戻すには、削除したノードに Solaris オペレーティング環境を再インストールする必要があります。


例 - クラスタソフトウェア構成からのノードの削除

次に、ノード phys-schost-2 をクラスタから削除する例を示します。


[任意のノード上でスーパーユーザーになる]
[ローカルディスクおよび関連する raw  ディスクデバイスグループ名を確認する]
# scconf -pvv | grep Local_Disk
	(dsk/d4) Device group type:          Local_Disk
	(dsk/d8) Device group type:          Local_Disk
[削除するノードに接続されているローカルディスクおよび関連する raw ディスク
 デバイスグループを確認する]
# scconf -pvv | grep phys-schost-2 | grep Device	
	(dsk/d4) Device group node list:  phys-schost-2
	(dsk/d2) Device group node list:  phys-schost-1, phys-schost-2
	(dsk/d1) Device group node list:  phys-schost-1, phys-schost-2
[ノードに接続されているすべてのローカルディスクの localonly フラグを削除する]
# scconf -c -D name=dsk/d4,localonly=false
[すべての raw ディスクデバイスグループからノードを削除する]
# scconf -r -D name=dsk/d4,nodelist=phys-schost-2
# scconf -r -D name=dsk/d2,nodelist=phys-schost-2
# scconf -r -D name=dsk/d1,nodelist=phys-schost-2
[ノードをクラスタから削除する]# scconf -r -h node=phys-schost-2
[ノードが削除されたことを確認する]
# scstat -n
 
-- Cluster Nodes --
                    Node name           Status
                    ---------           ------
  Cluster node:     phys-schost-1       Online

次の作業

ハードウェアに関連する作業については、『Sun Custer 3.0 U1 Hardware Guide』を参照してください。

クラスタノードを削除する作業の概要については、表 6-3 を参照してください。

ノードを既存のクラスタに追加する方法については、「クラスタノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。