Sun Cluster 3.0 12/01 データサービス開発ガイド

完成した作業内容の再利用

Agent Builder を使用すると、次に示すように、完成した作業内容を再利用できます。

既存のリソースタイプのクローンの作成

Agent Builder で作成した既存のリソースタイプのクローンを作成するには、次の手順に従います。

  1. 既存のリソースタイプを Agent Builder にロードします。これは、次の 2 つの方法で行えます。

    1. (Agent Builder で作成した) 既存のリソースタイプ用のインストールディレクトリ (rtconfig ファイルが格納されているディレクトリ) から Agent Builder を起動します。すると、Agent Builder の Create 画面と Configure 画面に、そのリソースタイプ用の値がロードされます。

    2. 「File」メニューの「Load Resource Type」コマンドを使用します。

  2. Create 画面でインストールディレクトリを変更します。

    ディレクトリを選択するときは、「Browse」ボタンを使用する必要があります。つまり、新しいディレクトリ名を入力するだけでは十分ではありません。ディレクトリを選択した後、Agent Builder は「Create」ボタンを有効に戻します。

  3. 必要な変更を行います。

    この手順は、リソースタイプ用に生成されたコードのタイプを変更するときに使用できます。たとえば、最初は ksh バージョンのリソースタイプを作成していたが、後で C バージョンのリソースタイプが必要になった場合などです。この場合、既存の ksh バージョンのリソースタイプをロードし、出力用の言語を C に変更すると、Agent Builder は C バージョンのリソースタイプを構築します。

  4. リソースタイプのクローンを作成します。

    「Create」を選択して、リソースタイプを作成します。「Next」を選択して、Configure 画面に進みます。「Configure」を選択して、リソースタイプを構成します。最後に、「Cancel」を押して、終了します。

生成されたソースコードの編集

リソースタイプを作成するプロセスを簡単にするために、Agent Builder は入力数を制限しています。必然的に、生成されるリソースタイプの範囲も制限されます。したがって、より複雑な機能、たとえば、追加のプロパティの妥当性を検査したり、Agent Builder がエクスポーズしないパラメータを調整したりする機能を追加するには、生成されたソースコードまたは RTR ファイルを修正する必要があります。

ソースファイルは install_directory/rt_name/src ディレクトリに置かれます。Agent Builder は、ソースコード内においてコードを追加できる場所にコメント文を埋め込みます。このようなコメントの形式は次のとおりです (C コードの場合)。


/* User added code -- BEGIN vvvvvvvvvvvvvvv */
/* User added code -- END   ^^^^^^^^^^^^^^^ */


注 -

これらのコメント文は Ksh コードの場合も同じです。ただし、コメント行の先頭にはシャープ記号 (#) が使用されます。


たとえば、rt_name.h は、異なるプログラムが使用するすべてのユーティリティールーチンを宣言します。宣言リストの最後はコメント文になっており、ここでは自分のコードに追加したいルーチンを宣言できます。

また、install_directory/rt_name/src ディレクトリには、適切なターゲットとともに、Makefile も生成されます。make コマンドを使用すると、ソースコードを再コンパイルできます。また、make pkg コマンドを使用すると、リソースタイプパッケージを生成し直すことができます。

RTR ファイルは install_directory/rt_name/etc ディレクトリに置かれます。RTR ファイルは標準のテキストエディタで編集できます。RTR ファイルの詳細については、「リソースとリソースタイププロパティの設定」を参照してください。プロパティの詳細については、付録 A 「標準プロパティ」 を参照してください。