この節では、ソフトウェアを Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアにアップグレードする際の条件、制限、および計画のガイドラインについて説明します。
Sun Cluster 2.2 を Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアにアップグレードするには、次の条件を満たす必要があります。
クラスタにはノードが 2 つだけあり、Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアでサポートされる構成になっている必要があります。アップグレードでは、3 つ以上のノードのクラスタはサポートされていません。
Ethernet アダプタだけがサポートされます。トランスポートアダプタは、100 M ビット/秒以上の転送速度を備えている必要があります。
すべてのクラスタハードウェアが安定して正常に動作している必要があります。
サン以外の製品も含め、すべてのアプリケーションが正常に動作している必要があります。
クラスタは、 Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアをサポートできるバージョンの Solaris 8 オペレーティング環境で動作しているか、あるいは、そのバージョンにアップグレードする必要があります。
すべての Sun Cluster ソフトウェア、フレームワーク、データサービスを同時にアップグレードする必要があります。
Solstice HA 1.3、Sun Cluster 2.0、 Sun Cluster 2.1 ソフトウェアは、直接 Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアにアップグレードできません。
Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアでは、アップグレード中にボリューム管理ソフトウェアを別のものに変更できません。
ノードに対して scinstall(1M) コマンドを起動した後は、コマンドが正常に完了しなかった場合でも、Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 12/01 へのアップグレードを取り消すことはできません。失敗したアップグレードを再開するには、まずそのノードに Sun Cluster 2.2 ソフトウェアを再インストールする必要があります。
Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアをサポートするには、現在のシステムディスクの配置の変更が必要になることがあります。新たにパーティション分割を計画するときは、次の情報を考慮に入れてください。
広域デバイス名前空間 - 各ノードごとに少なくとも 100M バイトのファイルシステムを作成し、そのマウントポイントを /globaldevices に設定する必要があります。このファイルシステムは、アップグレード中に適切な広域デバイス名前空間に変換されます。必要であれば、このためにスワップ領域を一部削除したり、ほかのノードと共有されていない外部ディスクを使用できます。
ミラー化されているルート - ルートディスクがミラー化されている場合は、パーティションを変更する前にミラー化を解除しておいてください。アップグレード手順が失敗しても、このミラーを使用して元の構成を回復できます。詳細については、ボリューム管理ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
ルート (/) ファイルシステムの割り当て - 現在の構成を Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする必要がある場合は、すべての Sun Cluster ノードのルートディスク上のルート (/) パーティションのサイズを増やす必要が生じる場合があります。
Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアをサポートするためのディスク領域の必要条件の詳細については、「システムディスクパーティション」を参照してください。