この節で説明する手順を使用して、以下の操作を行います。
ノードの準備
Sybase ASE ソフトウェアをインストールします。
Sybase ASE インストールの確認
Sun Cluster HA for Sybase ASE を構成する前に、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の手順に従って各ノードの Sun Cluster ソフトウェアを構成する必要があります。
この手順では、Sybase ASE ソフトウェアのインストールに先立ってノードをどのように準備する必要があるかを説明します。
この作業のすべての手順をすべてのノードで実行してください。すべてのノードでこれらの手順がすべて実行されないと、Sybase ASE インストールが完全に行われず、Sun Cluster HA for Sybase ASE は起動に失敗します。
この手順を始める前に、Sybase ASE のマニュアルを参照してください。
すべてのノードでスーパーユーザーになります。
/etc/nsswitch.conf ファイルを次のように構成します。これによって、スイッチオーバーやフェイルオーバーが起こったときに Sun Cluster HA for Sybase ASE の起動と停止が正しく行われます。
Sun Cluster HA for Sybase ASE が動作する論理ホストをマスターできる各ノードで、次の group エントリのどれかを /etc/nsswitch.conf ファイルに指定します。
group: group: files [NOTFOUND=return] nis group: file [NOTFOUND=return] nisplus |
Sun Cluster HA for Sybase ASE は、su user コマンドを使用してデータベースノードの起動や停止を行います。
管理作業をわかりやすくするには、ユーザーに sybase という名前を付けてください。
一方、クラスタノードのパブリックネットワークに障害が発生すると、ネットワーク情報ネーミングサービスが使用不能になることがあります。group に上のどれかのエントリが追加されていると、su(1M) コマンドは、NIS/NIS+ ネームサービスが使用不能ならそのネットワーク情報ネームサービスを参照しません。
Sun Cluster HA for Sybase ASE 用のクラスタファイルシステムを構成します。
データベースを raw デバイスに格納する場合は、広域デバイスを raw デバイスアクセス用に構成します。広域デバイスの構成方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』を参照してください。
Solstice DiskSuite ボリューム管理ソフトウェアを使用する場合は、UNIX ファイルシステム (UFS) ロギングか raw ミラー化メタデバイスを使用するように Sybase ASE ソフトウェアを構成します。raw ミラー化メタデバイスの構成方法については、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
ローカルディスクか多重ホストディスクに SYBASE_HOME ディレクトリを作成します。
Sybase ASE バイナリをローカルディスクにインストールする場合は、できるだけ別のディスクを使用してください。Sybase ASE バイナリを別のディスクにインストールすると、オペレーティング環境の再インストール時にバイナリが上書きされるのを防止できます。
各ノードの /etc/group ファイルにデータベース管理者 (DBA) グループのエントリを作成し、予定するユーザーをこのグループに追加します。
管理作業をわかりやすくするには、データベース管理者グループに dba という名前を付けてください。
root と sybase ユーザーが dba グループのメンバーになっているか確認し、必要に応じてほかの DBA ユーザーのエントリを追加します。このグループ ID は、Sun Cluster HA for Sybase ASE が動作するどのノードでも同じでなければなりません。次は、その例です。
dba:*:520:root,sybase |
グループエントリをネットワークネームサービスに作成することができます。その場合には、ネットワークネームサービスに依存するのを避けるために、これらのエントリをローカルの /etc/inet/hosts ファイルにも追加します。
各ノードで、Sybase システム管理者のエントリを作成します。
管理作業をわかりやすくするには、Sybase システム管理者に sybase という名前を付けてください。
次のコマンドでは、/etc/passwd と /etc/shadow ファイルを Sybase システム管理者のエントリで更新します。
# useradd -u 120 -g dba -d /Sybase-home sybase |
sybase ユーザーエントリは、Sun Cluster HA for Sybase ASE が動作するどのノードでも同じでなければなりません。
Sybase ASE ソフトウェアをインストールする手順は次のとおりです。
クラスタメンバーでスーパーユーザーになります。
Sybase ASE インストールの要件に注意します。
Sybase ASE バイナリは、次のどちらにインストールすることもできます。
クラスタノードのローカルディスク
クラスタファイルシステム
Sybase ASE ソフトウェアをクラスタファイルシステムにインストールする場合は、まず、Sun Cluster ソフトウェアを起動し、ディスクデバイスグループの所有者になる必要があります。
どこにインストールするかについては、「Sun Cluster HA for Sybase ASE のインストールの準備」を参照してください。
ネットワークリソースおよびアプリケーションリソースを保持するフェイルオーバーリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g resource-group [-h nodelist] |
リソースグループの名前を指定します。任意の名前を指定できますが、クラスタ内で一意のリソースグループにする必要があります。
マスターになり得る物理ノードの名前または ID をコンマで区切ったリストを指定します (オプション)。フェイルオーバー時に Resource Group Manager (RGM) が主ノードとして選択する順番がこのリスト上のノードの順序で決まります。
ノードリストの順序を指定する場合は、-h オプションを使用します。クラスタのすべてのノードがマスターになり得るのであれば、-h オプションを指定する必要はありません。
Sun Cluster HA for Sybase ASE で使用するすべてのネットワークリソースが /etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス (NIS、NIS+) データベースに追加されていることを確認します。
ネットワークリソース (論理ホスト名または共有アドレス) をフェイルオーバーリソースグループに追加します。
# scrgadm -a -L -g resource-group -l logical-hostname [-n netiflist] |
ネットワークリソースを指定します。ネットワークリソースは、クライアントが Sun Cluster HA for Sybase ASE のアクセスに使用する論理ホスト名または共有アドレス (IP アドレス) です。
各ノード上の NAFO グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。netiflist には、リソースグループの nodelist にあるノードをすべて挙げる必要があります。このオプションを指定しない場合は、scrgadm(1M) コマンドは、nodelist 内の各ノードのホスト名 リストによって指定されるサブネット上からネットアダプタを見つけようとします。例: -n nafo0@nodename, nafo0@nodename2
scswitch(1M) コマンドを実行して次の作業を行います。
リソースと障害モニターを有効にします。
リソースグループを管理状態にします。
リソースグループをオンラインにします。
# scswitch -Z -g resource-group |
作成したばかりのリソースグループをマスターするノード上で、sybase としてログインします。
Sybase バイナリのインストールは、対応する論理ホストが動作しているノードで実行する必要があります。
Sybase ASE ソフトウェアをインストールします。
Sybase ASE ソフトウェアをどこにインストールする場合でも、Sybase ASE の標準的なインストール手順を使用する場合と同じように、各ノードの /etc/system ファイルを変更する必要があります。Sybase ASE ソフトウェアのインストール手順については、Sybase のインストールと構成のマニュアルを参照してください。
どの Sybase サーバーでも、ホスト名の指定を求められた時にはネットワークリソースに関連付けられたホスト名を入力してください。
Sybase ASE ソフトウェアのインストールが終わったら、Solstice DiskSuite ボリューム管理ソフトウェアを使用する場合は、「Solstice DiskSuite による Sybase ASE データベースアクセスを構成する」へ進みます。VERITAS ボリューム管理ソフトウェア (VxVM) を使用する場合は、「VxVM による Sybase ASE データベースアクセスを構成する」へ進みます。
Sybase ASE ソフトウェアのインストールを確認する手順は次のとおりです。