この章では、Sun Cluster インターコネクトとパブリックネットワークのソフトウェア上の作業手順について説明します。
クラスタインターコネクトとパブリックネットワークの管理には、ハードウェア上の作業とソフトウェア上の作業が含まれます。通常、クラスタを初めて設置および構成するときに、NAFO グループなどのクラスタインターコネクトとパブリックネットワークを構成します。後で、クラスタインターコネクトやパブリックネットワークを変更する必要になった場合は、この章のソフトウェア上の作業を使用してください。
この章で説明する手順は次のとおりです。
この章の関連手順の概要は、表 5-1 と表 5-3 を参照してください。
クラスタインターコネクトとパブリックネットワークの予備知識および概要については、『Sun Cluster 3.0 12/01 の概念』を参 照してください。
この節では、クラスタトランスポートアダプタやクラスタトランスポートケーブルなどのクラスタインターコネクトの再構成手順について説明します。これらの手順では、Sun Cluster ソフトウェアをインストールする必要があります。
通常、scsetup ユーティリティーを使用すると、クラスタインターコネクトのクラスタトランスポートを管理できます。詳細については、scsetup(1M) のマニュアルページを参照してください。
クラスタソフトウェアのインストール手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』を参照してください。クラスタハードウェアコンポーネントの保守については、『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』を参照してください。
クラスタインターコネクト手順中、通常は、(適切であれば)、デフォルトのポート名を選択してもかまいません。デフォルトのポート名は、ケーブルのアダプタ側が接続されているノードの内部ノード ID 番号と同じです。ただし、SCI などの特定の種類のアダプタではデフォルトのポート名は使用できません。
作業 |
参照箇所 |
---|---|
クラスタトランスポートの管理 - scsetup を使用します。 | |
クラスタトランスポートケーブルとトランスポートアダプタの追加 - scsetup を使用します。 | |
クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタまたは、トランスポート接続点の削除 - scsetup を使用します。 | |
クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタまたは、トランスポート接続点の削除 - scsetup を使用します。 | |
クラスタトランスポートケーブルを有効にする - scsetup を使用します。 | |
クラスタトランスポートケーブルを無効にする - scsetup を使用します。 |
クラスタインターコネクト上で動的再構成 (DR) を実行するときには、いくつかの問題を考える必要があります。
Solaris 8 の DR 機能の説明で述べられているすべての必要条件、手順、制限は Sun Cluster の DR サポートにも適用されます (オペレーティング環境での休止操作を除く)。したがって、Sun Cluster ソフトウェアで DR 機能を使用する前には、必ず、Solaris 8 の DR 機能についての説明を読んでおいてください。特に、DR Remove 切断操作中に非ネットワーク入出力デバイスに影響する問題についてはよく読んでおいてください。
アクティブなプライベートインターコネクトインタフェース上では、DR 削除操作は実行できません。
DR Remove 操作がアクティブなプライベートインターコネクトインタフェースに影響する場合、システムはその操作を拒否して、その操作から影響を受けるインタフェースを識別します。
プライベートインターコネクト上でインタフェースを交換するとき、その状態は保持されるので、Sun Cluster を再構成する必要はありません。
Sun Cluster では、各クラスタノードはほかのすべてのクラスタノードに対し、(機能している) パスが少なくとも 1 つずつ必要です。ほかのクラスタノードへの最後のパスをサポートするプライベートインターコネクトインタフェースを無効にしてはなりません。
パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行するときは、次の手順をその順番どおりに行います。
表 5-2 作業マップ: パブリックネットワークインタフェースでの動的再構成
作業 |
参照箇所 |
---|---|
1. アクティブなインターコネクトからインタフェースを無効にして削除します。 | |
2. パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行します。 |
『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』と『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル』 (http://docs.sun.com) |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
この手順を実行するためにスーパーユーザーとしてログインする必要はありません。
クラスタインターコネクトの状態を確認します。
# scstat -W |
一般的な状態メッセージについては、以下を参照してください。
状態メッセージ |
説明および可能な処置 |
---|---|
Path online |
パスが現在正常に機能しています。 処置は必要ありません。 |
Path waiting |
パスが現在初期化中です。 処置は必要ありません。 |
Path faulted |
パスが機能していません。これは、パスが一時的に待機状態とオンライン状態の中間にある状態の可能性があります。再び scstat -W を実行してもメッセージが繰り返される場合は、適切な処置を行ってください。 |
次に、正常に機能しているクラスタインターコネクトの状態の例を示します。
# scstat -W -- Cluster Transport Paths -- Endpoint Endpoint Status -------- -------- ------ Transport path: phys-schost-1:qfe1 phys-schost-2:qfe1 Path online Transport path: phys-schost-1:qfe0 phys-schost-2:qfe0 Path online Transport path: phys-schost-1:qfe1 phys-schost-3:qfe1 Path online Transport path: phys-schost-1:qfe0 phys-schost-3:qfe0 Path online Transport path: phys-schost-2:qfe1 phys-schost-3:qfe1 Path online Transport path: phys-schost-2:qfe0 phys-schost-3:qfe0 Path online |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
クラスタトランスポートケーブルが物理的に取り付けられていることを確認します。
クラスタトランスポートケーブルの取り付け手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』を参照してください。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
scsetup ユーティリティーを実行します。
# scsetup |
「Main Menu」が表示されます。
3 (Cluster interconnect) を入力して、「Cluster Interconnect Menu」にアクセスします。
SCI アダプタを使用する構成では、この手順の「Add (追加)」部分において表示されるアダプタ接続 (ポート名) のデフォルトを受け入れてはなりません。その代わりに、ノードに物理的に (ケーブルで) 接続されている、Dolphin スイッチ上のポート名 (0、1、2、または 3) を指定します。
1 (Add a transport cable) を入力してトランスポートケーブルを追加します。
指示に従い、必要な情報を入力します。
2 (Add a transport adapter to a node) を入力してトランスポートアダプタを追加します。
指示に従って、必要な情報を入力します。
3(Add a transport junction) を入力してトランスポート接続点を追加します。
指示に従い、必要な情報を入力します。
クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポート接続点が追加されたことを確認します。
# scconf -p | grep cable # scconf -p | grep adapter # scconf -p | grep junction |
次に、scsetup コマンドを使用して、トランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポート接続点をノードに追加する例を示します。
[ケーブルが物理的に取り付けられていることを確認する] Become superuser on any node and place the node to be removed in maintenance state. # scsetup Select Cluster interconnect. Select either Add a transport cable, Add a transport adapter to a node, or Add a transport junction. Answer the questions when prompted. You Will Need: Example: node names phys-schost-1 adapter names qfe2 junction names hub2 transport type dlpi [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する] Command completed successfully. Quit the scsetup Cluster Interconnect Menu and Main Menu. [ケーブル、アダプタ、および接続点が追加されたことを確認する] # scconf -p | grep cable Transport cable: phys-schost-2:qfe0@1 ethernet-1@2 Enabled Transport cable: phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3 Enabled Transport cable: phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1 Enabled # scconf -p | grep adapter Node transport adapters: qfe2 hme1 qfe0 Node transport adapter: qfe0 Node transport adapters: qfe0 qfe2 hme1 Node transport adapter: qfe0 Node transport adapters: qfe0 qfe2 hme1 Node transport adapter: qfe0 # scconf -p | grep junction Cluster transport junctions: hub0 hub1 hub2 Cluster transport junction: hub0 Cluster transport junction: hub1 Cluster transport junction: hub2 |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
次の手順を使用して、クラスタトランスポートケーブル、クラスタトランスポートアダプタ、およびトランスポート接続点をノード構成から削除します。ケーブルが無効な場合、このケーブルの 2 つの終端は構成されたままになります。トランスポートケーブルの終端として使用されているアダプタは削除できません。
各クラスタノードは他のすべてのクラスタノードに対し、 (機能している) トランスポートパスが少なくとも 1 つずつ必要です。2 つのノードは必ず接続されており、お互いに分離されているノードは存在しません。ケーブルを無効にする前には、必ず、ノードのクラスタインターコネクトの状態を確認してください。状態が冗長な場合、つまり別の接続が使用できる場合だけ、ケーブル接続を無効にします。状態が冗長な場合、つまり別の接続が使用できる場合だけ、ケーブル接続を無効にします。ノードの最後の機能しているケーブルを無効にすると、そのノードはクラスタメンバーシップから外れます。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
残りのクラスタトランスポートパスの状態を確認します。
# scstat -W |
2 ノードクラスタのいずれかのノードを削除しようとして「パス障害 (Path faulted)」などのエラーメッセージが表示された場合、この手順を続ける前に問題を調査してください。このような問題は、ノードパスが利用できないことを示しています。残りの正常なパスを削除すると、このノードはクラスタメンバーシップから外れ、クラスタが再構成されます。
scsetup ユーティリティーを実行します。
# scsetup |
「Main Menu」が表示されます。
3 (Cluster interconnect) を入力して、「Cluster Interconnect Menu」にアクセスします。
4 (Remove a Taransport cable) を入力して、ケーブルを削除します。
指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、および接続点名を知っておく必要があります。
ケーブルを物理的に取り外す場合は、ポートと宛先デバイスをつないでいるケーブルを切り離します。
アダプタを削除するには、5 (Remove a transport adapter from a node) を入力します。
指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、および接続点名を知っておく必要があります。
アダプタを物理的にノードから取り外す手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』を参照してください。
接続点を削除するには、6 (Remove a transport junction) を入力します。
指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、および接続点名を知っておく必要があります。
ポートがトランスポートケーブルの終端として使用されている場合、接続点は削除できません。
ケーブルまたはアダプタが削除されたことを確認します。
# scconf -p | grep cable # scconf -p | grep adapter # scconf -p | grep junction |
ノードからトランスポートケーブルやトランスポートアダプタが削除された場合は、このコマンドの出力には表示されません。
次に、scsetup コマンドを使用して、トランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、またはトランスポート接続点を削除する例を示します。
[クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになる] [ユーティリティーを実行する] # scsetup Type 3 (Cluster interconnect). Select either Add a transport cable, Add a transport adapter to a node, or Add a transport junction. Answer the questions when prompted. You Will Need: Example: node names phys-schost-1 adapter names qfe1 junction names hub1 [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する] "Command completed successfully." Quit the scsetup Cluster Interconnect Menu and Main Menu. [ケーブル、アダプタ、接続点が削除されたことを確認する] # scconf -p | grep cable Transport cable: phys-schost-2:qfe0@1 ethernet-1@2 Enabled Transport cable: phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3 Enabled Transport cable: phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1 Enabled # scconf -p | grep adapter Node transport adapters: qfe2 hme1 qfe0 Node transport adapter: qfe0 Node transport adapters: qfe0 qfe2 hme1 Node transport adapter: qfe0 Node transport adapters: qfe0 qfe2 hme1 Node transport adapter: qfe0 # scconf -p | grep junction Cluster transport junctions: hub0 hub2 Cluster transport junction: hub0 Cluster transport junction: hub2 |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
このオプションを使用して、既存のクラスタトランスポートケーブルを有効にします。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
scsetup ユーティリティーを起動します。
# scsetup |
「Main Menu」が表示されます。
2 (Cluster interconnect) を入力して、「Cluster Interconnect Menu」にアクセスします。
7 (Enable a transport cable) を入力して、トランスポートケーブルを有効にします。
プロンプトが表示されたら、指示に従います。ケーブルのいずれかの終端のノード名およびアダプタ名の両方を入力する必要があります。
ケーブルが有効になっていることを確認します。
# scconf -p | grep cable |
次に、ノード phys-schost-2 にあるアダプタ qfe-1 のクラスタトランスポートケーブルを有効にする例を示します。
[任意のノード上でスーパーユーザーになる] [scsetup ユーティリティーを実行する] # scsetup Select Cluster interconnect>Enable a transport cable. Answer the questions when prompted. You will need the following information. You Will Need: Example: node names phys-schost-2 adapter names qfe1 junction names hub1 [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する] scconf -c -m endpoint=phys-schost-2:qfe1,state=enabled Command completed successfully. Quit the scsetup Cluster Interconnect Menu and Main Menu. [ケーブルが有効なことを確認する] # scconf -p | grep cable Transport cable: phys-schost-2:qfe1@0 ethernet-1@2 Enabled Transport cable: phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3 Enabled Transport cable: phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1 Enabled |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
クラスタトランスポートケーブルを無効にして、クラスタインターコネクトパスを一時的に停止する必要があることがあります。これは、クラスタインターコネクトで発生する問題の解決や、クラスタインターコネクトのハードウェアの交換に便利です。
ケーブルが無効な場合、このケーブルの 2 つの終端は構成されたままになります。トランスポートケーブルの終端として使用されているアダプタは削除できません。
各クラスタノードは他のすべてのクラスタノードに対し、 (機能している) トランスポートパスが少なくとも 1 つずつ必要です。2 つのノードは必ず接続されており、お互いに分離されているノードは存在しません。ケーブルを無効にする前には、必ず、ノードのクラスタインターコネクトの状態を確認してください。状態が冗長な場合、つまり別の接続が使用できる場合だけ、ケーブル接続を無効にします。状態が冗長な場合、つまり別の接続が使用できる場合だけ、ケーブル接続を無効にします。ノードの最後の機能しているケーブルを無効にすると、そのノードはクラスタメンバーシップから外れます。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
ケーブルを無効にする前に、クラスタインターコネクトの状態を確認します。
# scstat -W |
2 ノードクラスタのいずれかのノードを削除しようとして「パス障害 (Path faulted)」などのエラーメッセージが表示された場合、この手順を続ける前に問題を調査してください。このような問題は、ノードパスが利用できないことを示しています。残りの正常なパスを削除すると、このノードはクラスタメンバーシップから外れ、クラスタが再構成されます。
scsetup ユーティリティーを起動します。
# scsetup |
「Main Menu」が表示されます。
3 (Cluster interconnect) を入力して、「Cluster Interconnect Menu」にアクセスします。
8 (Disable a transport cable) を入力して、ケーブルを無効にします。
指示に従い、必要な情報を入力します。このクラスタインターコネクトのすべてのコンポーネントは無効になります。ケーブルのいずれかの終端のノード名およびアダプタ名の両方を入力する必要があります。
ケーブルが無効になっていることを確認します。
# scconf -p | grep cable |
次に、ノード phys-schost-2 にあるアダプタ qfe-1 のクラスタトランスポートケーブルを無効にする例を示します。
[任意のノード上でスーパーユーザーになる] [scsetup ユーティリティーを実行する] # scsetup Select Cluster interconnect>Disable a transport cable. Answer the questions when prompted. You will need the following information. You Will Need: Example: node names phys-schost-2 adapter names qfe1 junction names hub1 [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する] scconf -c -m endpoint=phys-schost-2:qfe1,state=disabled Command completed successfully. Quit the scsetup Cluster Interconnect Menu and Main Menu. [ケーブルが無効になっていることを確認する] # scconf -p | grep cable Transport cable: phys-schost-2:qfe1@0 ethernet-1@2 Disabled Transport cable: phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3 Enabled Transport cable: phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1 Enabled |
パブリックネットワークを変更する必要がある場合、この節を説明する手順を使用してください。
パブリックネットワークアダプタを管理する場合は、以下の点に注意してください。
アクティブなアダプタをグループ内のバックアップアダプタに切り替える前に、ネットワークアダプタフェイルオーバー (NAFO) グループのアクティブなアダプタを構成解除 (アンプラム) しないようにする。「NAFO グループのアクティブアダプタを切り替える」を参照してください。
個々の NAFO グループから削除する前に、バックアップアダプタを別のサブネットに配線しないようにする。
論理アダプタ操作は、グループで監視中の場合でもアクティブアダプタで行うことができる。
クラスタ内の各ノードについて、最低 1 つのパブリックネットワーク接続を維持しなければなりません。クラスタは、パブリックネットワーク接続がないとアクセスできません。
クラスタソフトウェアのインストール手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』を参照してください。パブリックネットワークのハードウェアコンポーネントの保守については、『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide.』を参照してください。
表 5-3 作業リスト : パブリックネットワークの管理
作業 |
参照箇所 |
---|---|
ノードで NAFO グループを作成する。 | |
パブリックネットワークアダプタをノードに追加する。 | |
NAFO グループを削除する。 | |
既存の NAFO グループからバックアップアダプタを削除する。 | |
アクティブアダプタをバックアップアダプタに切り替える。 | |
NAFO グループの状態を確認する。 | |
パラメータを変更して、PNM 障害検出およびフェイルオーバープロセスを調整する。 |
クラスタ内のパブリックネットワークインタフェース上で動的再構成 (DR) を実行するときには、いくつかの問題を考える必要があります。
Solaris 8 の DR 機能の説明で述べられているすべての必要条件、手順、制限は Sun Cluster の DR サポートにも適用されます (オペレーティング環境での休止操作を除く)。したがって、Sun Cluster ソフトウェアで DR 機能を使用する前には、必ず、Solaris 8 の DR 機能についての説明を読んでください。特に、DR 切断操作中に非ネットワーク入出力デバイスに影響する問題についてはよく読んでおいてください。
アクティブなパブリックネットワークインタフェース上では、DR Remove 操作は実行できません。まず、NAFO グループのアクティブなパブリックネットワークインタフェースをすべて、アクティブな状態から削除する必要があります。
プライベートインターコネクト上でインタフェースを交換するとき、その状態は保持されるので、Sun Cluster を再構成する必要はありません。
アクティブなネットワークアダプタを適切に無効にせずにパブリックネットワークインタフェースカードを取り外そうとした場合、システムはその操作を拒否して、その操作から影響を受けるインタフェースを識別します。
無効にしたネットワークアダプタ上で DR 削除操作を実行している間にアクティブなネットワークアダプタに障害が発生した場合、可用性に影響があります。DR 操作中、アクティブなアダプタにはフェイルオーバーする場所がありません。
パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行するときは、次の手順をその順番どおりに行います。
表 5-4 作業マップ: パブリックネットワークインタフェースへの動的再構成
作業 |
参照箇所 |
---|---|
1. アクティブなアダプタをバックアップアダプタに切り替えて、NAFO グループから削除できるようにします。 |
126 ページの「 NAFO グループのアクティブアダプタを切り替える」 |
2. アダプタを NAFO グループから削除します。 | |
3. パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行します。 |
『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーガイド』と『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル』 (http://docs.sun.com) |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
NFAO グループを作成するときには、以下の必要条件に注意してください。
すべてのパブリックネットワークアダプタは、NAFO グループに属するように構成する必要があります。
任意のノードについて、特定のサブネットに少なくとも 1 つの NAFO グループがあります。
NAFO グループのすべてのアダプタは、同じサブネットに接続する必要があります。
ホスト名を関連付けることができる、つまり /etc/hostname.adapter ファイルを持つアダプタは、NAFO グループで 1 つだけです。
パブリックネットワークアダプタは、1 つの NAFO グループにだけ属することができます。
NAFO グループに構成するノード上でスーパーユーザーになります。
このノードについて、同じサブネットに物理的に接続されているパブリックネットワークアダプタを検出します。
これらのアダプタは、NAFO グループのバックアップアダプタになります。
パブリックネットワークアダプタ用の /etc/hostname.adapter ファイルがない場合は、このファイルを作成します。
このファイルに指定されたアダプタが、NAFO グループにおけるデフォルトのアクティブアダプタになります。
# vi /etc/hostname.<adapter> phys-schost-1 |
/etc/inet/hosts ファイルを編集して、パブリックネットワークアダプタに割り当てられている IP アドレスおよび対応するホスト名を追加します。
/etc/inet/hosts ファイルに追加された IP アドレス 192.29.75.101 およびホスト名 phys-schost-1 の例を以下に示します。
# vi /etc/inet/hosts 192.29.75.101 phys-schost-1 |
ネーミングサービスが使用されている場合、この情報はネーミングサービスデータベースにも存在します。
NAFO グループを作成します。
# pnmset -c nafo-group -o create adapter [adapter ...] |
指定した NAFO グループの構成サブコマンドを実行します。NAFO グループの名前は、nafoN でなければなりません。N は、グループの負ではない整数識別子です。グループ名は各ノードにローカルとなります。そのため、同じ NAFO グループ名は、複数のノードで使用できます。
新しい NAFO グループを作成します。
バックアップアダプタとして機能するパブリックネットワークアダプタを指定します。 121 ページの手順 3 を参照してください。
アダプタがすでに構成されている場合は、アクティブアダプタとして選択され、pnmset コマンドはその状態を変更しません。ただし、バックアップアダプタの 1 つが構成され、/etc/hostname にある IP アドレスが割り当てられます。adapter ファイルで検出される IP アドレスが割り当てられます。
NAFO グループの状態を確認します。
# pnmstat -l |
次に、2 つのネットワークアダプタ (qfe0 および qfe1) で構成される NAFO グループ (nafo0) を作成する例を示します。
# pnmstat -l # vi /etc/hostname.qfe0 phys-schost-1 # vi /etc/inet/hosts 192.168.0.0 phys-schost-1 # pnmset -c nafo0 -o create qfe0 qfe1 # pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1 OK NEVER qfe0 |
アダプタを既存の NAFO グループに追加して、NAFO グループの別のバックアップアダプタを提供すると、クラスタノードのパブリックネットワーク接続の可用性が向上します。
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
新しいパブリックネットワークアダプタカードをノードに取りつける必要があるかどうかを判断します。
取り付ける必要がある場合は、『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』を参照してください。
取り付ける必要がない場合は、手順 2 に進んでください。
NAFO グループに追加されているアダプタが、NAFO グループのアクティブアダプタとして同じサブネットに接続されているかどうかを確認します。
アダプタが取り外されていないかどうか、また、アダプタに関連する /etc/hostname.adapter ファイルを持つアダプタは、NAFO グループで 1 つだけです。
新しいアダプタを追加する NAFO グループを含むノード上でスーパーユーザーになります。
アダプタを NAFO グループに追加します。
# pnmset -c nafo-group -o add adapter |
新しいアダプタの追加先の NAFO グループを指定します。
指定した NAFO グループに追加するパブリックネットワークアダプタを指定します。
NAFO グループの状態を確認します。
# pnmstat -l |
次に、2 つのアダプタ (qfe0 および qfe1) で構成されている NAFO グループ (nafo0) にアダプタ qfe2 を追加する例を示します。
# pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1 OK NEVER qfe0 # pnmset -c nafo0 -o add qfe2 # pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1:qfe2 OK NEVER qfe0 |
グループ内の任意のアダプタの監視やフェイルオーバーを解除するときに、NAFO グループを削除します。NAFO グループが、論理ホストリソースグループまたは共有アドレスリソースグループにより使用されている場合は、削除はできません。
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
削除する NAFO グループを含むノード上でスーパーユーザーになります。
任意の論理ホストまたは共有アドレスリソースにより、NAFO グループが使用されているかどうかを確認します。
# scrgadm -pv |
また、scrgadm -pvv (v フラグを 2 つ) を使用して、削除する NAFO グループを使用しているリソースを検出することもできます。
この NAFO グループを使用する論理ホストリソースグループおよび共有アドレスリソースグループを切り替えます。
# scswitch -z -g resource-group -h nodelist |
指定したリソースグループを切り替えます。
リソースグループの切り替え後のノード名を指定します。
NAFO グループを削除します。
# pnmset -c nafo-group -o delete |
削除する NAFO グループを指定します。
NAFO グループを削除します。
NAFO グループの状態を確認します。
削除した NAFO グループは、一覧に表示されません。
# pnmstat -l |
次に、nafo1 という NAFO グループをシステムから削除する例を示します。最初に、この NAFO グループを使用する論理ホストリソースグループ lh-rg-1 が、別のノードに切り替えられます。
# scswitch -z -g lh-rg-1 -h phys-schost-2 # pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1 OK NEVER qfe0 nafo1 qfe2 OK NEVER qfe2 # pnmset -c nafo1 -o delete # pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1 OK NEVER qfe0 |
既存の NAFO グループからバックアップアダプタを削除すると、アダプタをシステムから削除したり、交換したり、異なるサブネットに接続し直したり、また、別の NAFO グループのバックアップとして使用したりできます。
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
NAFO グループから最後のバックアップアダプタを削除すると、アクティブアダプタで検出される障害の保護が解除され、クラスタノードのパブリックネットワークの可用性が低下します。
アクティブアダプタを削除する場合は、最初に、グループの別のアダプタに切り替える必要があります。
「NAFO グループのアクティブアダプタを切り替える」を参照してください。
スーパーユーザーとして NAFO グループからアダプタを削除します。
# pnmset -c nafo-group -o remove adapter |
アダプタを削除する NAFO グループを指定します。
アダプタを NAFO グループから削除します。
NAFO グループの状態を確認します。
削除したアダプタは、NAFO グループの一覧に表示されません。
# pnmstat -l |
次に、NAFO グループ nafo0 からアダプタ qfe2 を削除する例を示します。
# pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1:qfe2 OK NEVER qfe0 # pnmset -c nafo0 -o remove qfe2 # pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1 OK NEVER qfe0 |
アクティブアダプタをバックアップアダプタに切り替え、現在のアクティブアダプタを NAFO グループから削除できるようにします。pnmd(1M) デーモンは、現在のアクティブアダプタにより提供されるすべての IP アドレスを、障害トリガーアダプタフェイルオーバーとして新しいアクティブアダプタに同じように移動します。
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
接続により、切り替え時に遅延することがあります。この遅延は数分続く場合もあります。ただし、この操作は、高レベルアプリケーションには透過的に行われます。
新しいアクティブデバイスの物理接続が、現在のアクティブアダプタのものと同じかどうかを確認します。
新しいアクティブアダプタが、現在のアクティブアダプタとして IP アドレスを提供できないと、これらの IP アドレスに依存するネットワークおよびデータサービスが、物理接続が修復されるかその後のフェイルオーバーが成功するまで、中断されます。
アクティブアダプタを切り替える NAFO グループを含むノード上でスーパーユーザーになります。
アクティブアダプタを切り替えます。
# pnmset -c nafo-group -o switch adapter |
切り替えるアダプタを含む NAFO グループを指定します。
指定したアダプタを、NAFO グループのアクティブアダプタにします。
古いアクティブアダプタ用の /etc/hostname.adapter ファイルの名前を、新しいアクティブアダプタ用に変換します。
# mv /etc/hostname.<old_adapter> /etc/hostname.<new_adapter> |
NAFO グループの状態を確認します。
切り替えたアダプタが、アクティブアダプタとして表示されます。
# pnmstat -l |
次に、アクティブアダプタを qfe1 から qfe0 に切り替える例を示します。
# pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1 OK NEVER qfe0 # pnmset -c nafo0 -o switch qfe1 # mv /etc/hostname.qfe0 /etc/hostname.qfe1 # pnmstat -l group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe0:qfe1 OK 11 qfe1 |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
pnmstat(1M) コマンドを実行して、ノード上にあるすべての NAFO グループの現在の設定および状態についての情報を一覧表示します。
# pnmstat -l |
また、pnmptor(1M) および pnmrtop(1M) コマンドを使用して、アダプタの情報を取得することもできます。
次に、ノードの 3 つの NAFO グループの状態の例を示します。
# pnmstat -l Group adapters status fo_time act_adp nafo0 qfe5 OK NEVER qfe5 nafo1 qfe6 OK NEVER qfe6 nafo2 qfe7 OK NEVER qfe7 |
次の例では、NAFO グループ nafo0 のアクティブアダプタが、アダプタ qfe5であることを示しています。
# pnmptor nafo0 qfe5 |
次の例では、アダプタ qfe5 が、NAFO グループ nafo0 に属することを示しています。
# pnmrtop qfe5 nafo0 |
このアルゴリズムには、次の 4 つの調整可能パラメータがあります。
inactive_time
ping_timeout
repeat_test
slow_network
これらのパラメータによって、フォルト検出の速度と正確さを調整できます。詳細については、表 5-5 を参照してください。
この手順を使用して、pnmd(1M) デーモンのデフォルトのパブリックネットワーク管理 (PNM) の値を変更します。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
pnmparams ファイルを作成します (存在しない場合)。
# vi /etc/cluster/pnmparams |
次の表を使用して PNM パラメータを設定します。
/etc/cluster/pnmparams ファイルの設定は、ノードのすべての NAFO グループに適用されます。ハッシュ記号 (#) で始まる行は無視されます。ファイルのその他の行の形式は、variable=value でなければなりません。
パラメータ |
説明 |
---|---|
inactive_time |
現在のアクティブアダプタのパケットカウンタを連続して検証するときの秒数。デフォルトは 5 です。 |
ping_timeout |
ALL_HOST_MULTICAST およびサブネットブロードキャスト ping のタイムアウト値 (秒単位)。デフォルトは 4 です。 |
repeat_test |
デバイスアダプタに障害が発生して、フェイルオーバーを起動すると宣言するまでに ping シーケンスを行う回数。デフォルトは 3 です。 |
slow_network |
各 ping シーケンスが行われてから、パケットカウンタの変更を確認するまでの待機時間 (秒単位)。デフォルトは 2 です。 |
warmup_time |
バックアップアダプタへのフェイルオーバーを行ってから、障害監視を再開するまでの待機時間 (秒単位)。これにより、遅いドライバやポート初期化のための余分時間が許可されます。デフォルトは 0 です。 |
変更は、pnmd デーモンが次に起動するまで有効になりません。
次に、デフォルト値からパラメータが 2 つ変更された /etc/cluster/pnmparams ファイルの例を示します。
inactive_time=3 repeat_test=5 |