次回の Sun Cluster リリースでは、Public Network Management (PNM) はサポートされません。代わりに、Sun Cluster に対するネットワークアダプタの監視とフェイルオーバーは、Solaris IP マルチパスによって行われます。
ネットワークインタフェースカードの監視やフェイルオーバーの構成と管理には PNM を使用します。ただし、PNM デーモンや PNM 管理コマンドへのユーザーインタフェースはすでに旧式であるため、次回の Sun Cluster リリースでは削除されます。したがって、これらのインタフェースに基づくツールの開発は極力避けてください。現在のリリースでは、以下に示すインタフェースが正式にサポートされていますが、次回の Sun Cluster リリースからは削除される予定です。
pnmd(1M)
pnmconfig(4)
pnmstat(1M)
pnmset(1M)
pnmrtop(1M)
pnmptor(1M)
次回の Sun Cluster リリースにおける IP マルチパスへの移行に準備するために、次の問題を考慮してください。
次回のリリースには、IP マルチパスが組み込まれる予定です。したがって、ネットワーク可用性管理には、Solaris IP マルチパスの管理モデルとインタフェースを使用してください。詳細は、『IP ネットワークマルチパスの管理』を参照してください。
Solaris IP マルチパスでは、IP マルチパスグループが複数の物理インタフェースを持つ場合、各インタフェースは独自の IP アドレスを持つ必要があり、IP マルチパスデーモンが各インタフェースの状態を監視するときには、厳密にこれらの IP アドレスを使用する必要があります。したがって、IP マルチパスに移行する前に、NAFO グループ内にある (アクティブおよびバックアップの) インタフェースごとに追加の IP アドレスを準備する必要があります。これは、マルチアダプタの NAFO グループにとっては必須であり、シングルアダプタの NAFO グループにとっては推奨です。
たとえば、nafo0 が 75 サブネット上にあり、qfe0 と qfe4 を持つと仮定します。/etc/hostname.qfe0 には schostname-1 というホスト名があり、これが 75 サブネット上の IP アドレスにマッピングされると仮定します。将来 IP マルチパスに移行するためには、さらに、qfe0 と qfe4 のそれぞれが使用する 2 つの IP アドレスを 75 サブネット上に割り当てる必要があります。詳細は、『IP ネットワークマルチパスの管理』を参照してください。
IP マルチパスでは、IP マルチパスグループ内にあるすべてのインタフェースが個別のハードウェア (MAC) アドレスを持つ必要があります。つまり、eeprom プロパティの local-mac-address? の true が受け入れられます。これをサポートしないインタフェースカードには、次のようなものがあります。
X1018A SunSwift SBus Adapter
X1059A SunFastEthernet Adapter 2.0 SBus Card
これらのカードは、次回のリリースへのアップグレード時に交換する準備を整えておく必要があります。シングルアダプタ IP マルチパスグループは local-mac-address?=true のサポートがなくても機能しますが、このような構成は高可用性設定にとっては最適でありません。詳細は、『IP ネットワークマルチパスの管理』を参照してください。