スケーラブルアプリケーションサーバーインスタンスをインストールする手順は次のとおりです。この手順を実行する前にセントラルインスタンスとデータベースがすでにインストールされていなければいけません。
ファイルシステムの配置を次のようにすると、使い易さが増し、データの上書きを防止できます。
クラスタファイルシステム
/sapmnt/SID
/usr/sap/SID -> app-instance 以外のすべてのサブディレクトリ
/usr/sap/SID/home -> SAPSIDadm ホームディレクトリ
/usr/sap/trans
ローカルファイルシステム
/usr/sap/local/SID/app-instance
すべての SAP ディレクトリをクラスタファイルシステムに作成します。
セントラルインスタンスとデータベースがフェイルオーバー可能であることを確認します。
セントラルインスタンスのクラスタファイルシステムにロックファイルを設定して、複数のノードから起動が行なわれるのを防止します。
セントラルインスタンスにロックファイルを設定する手順については、「セントラルインスタンスのロックファイルを設定する方法」を参照してください。
すべてのアプリケーションサーバーがクラスタファイルシステムの SAP バイナリを使用できることを確認します。
セントラルインスタンスとデータベースをクラスタファイルシステムにインストールします。
セントラルインスタンスとデータベースのインストール方法については、SAP のマニュアル『Installation of the SAP R/3 on UNIX』を参照してください。
スケーラブルアプリケーションサーバーが動作する可能性があるすべてのノードで、アプリケーションサーバーの起動や停止に必要な data/log/sec/work ディレクトリとログファイルのローカルディレクトリを作成します。
この手順は必須です。この手順を行わないと、クラスタファイルシステムに異なるアプリケーションサーバーインスタンスを誤ってインストールし、それによって 2 つのアプリケーションサーバーが互いを上書きするおそれがあります。
新しい各アプリケーションサーバーのローカルディレクトリを作成します。
例:
# mkdir -p /usr/sap/local/SC3/D03 |
リンクを設定して、クラスタファイルシステムからこのローカルアプリケーションサーバーディレクトリを指定します。これによって、アプリケーションサーバーと startup/stop ログファイルはローカルファイルシステムにインストールされます。
例:
# ln -s /usr/sap/local/SC3/D03 /usr/sap/SC3/D03 |
アプリケーションサーバーをインストールします。
start/stop スクリプトを編集して、startup/stop ログファイルがユーザー sapsidadm と orasapsid のホームディレクトリの下でノード固有となるようにします。
例:
# vi startsap_D03 |
変更前:
LOGFILE=$R3S_LOGDIR/`basename $0.log` |
変更後:
LOGFILE=$R3S_LOGDIR/`basename $0`_`uname -n`.log |
スケーラブルアプリケーションサーバーを実行するすべてのノードにアプリケーションサーバーを SAPSID と同じインスタンス番号でコピーします。
スケーラブルアプリケーションサーバーを実行するノードは、スケーラブルアプリケーションサーバーリソースグループ nodelist にあります。
各ノードからアプリケーションサーバーの起動や停止ができることを確認します。ログファイルが正しい場所にあることを確認します。
ログオングループを使用する場合は、SAP ログオングループをインストールします。