Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成

Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server 拡張プロパティの構成

この節では、Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server の拡張プロパティを構成する方法について説明します。通常、拡張プロパティは Sun ONE Directory Server リソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。拡張プロパティは、第 15 章「データサービスリソースの管理」に示す手順を使ってあとで構成することもできます。

Sun Cluster の全プロパティについては、付録 A 「標準プロパティ」 を参照してください。

表 4–2 に、Sun ONE Directory Server に設定できる拡張プロパティを示します。Sun ONE Directory Server リソースを作成するための必須拡張プロパティは、 Confdir_list プロパティのみです。この拡張プロパティは、Sun ONE Directory Server 構成ファイルが存在するディレクトリを指定します。拡張プロパティの中には動的に変更できるものもありますが、それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するときにしか更新できません。「調整可能」の欄は、各プロパティをいつ更新できるかを示しています。

表 4–2 Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server 拡張プロパティ

名前/データタイプ 

説明 

Confdir_ list (文字列配列)

サーバールートを示すパス名。start-slapd および stop-slapd スクリプトが存在する slapd-hostname サブディレクトリを含みます。Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server にはこの拡張プロパティが必要であり、このプロパティはエントリを 1 つだけ持ちます。SunONE Directory Server がセキュアモードの場合、パス名に keypass という名前のファイルを含む必要があります。このファイルには、このインスタンスの起動に必要なセキュアキーパスワードが含まれています。

 

デフォルト:なし

範囲: なし

調整:作成時

Monitor_ retry_ count (整数)

Monitor_retry_ interval プロパティで指定された時間の範囲内に、プロセスモニター機能 (PMF) が障害モニターを再起動する回数。このプロパティは、障害モニターの再起動を制御するのであって、リソースの再起動を制御するわけではありません。リソースの再起動は、システム定義プロパティの Retry_interval および Retry_count によって制御されます。

 

デフォルト:4

範囲: 0 – 2、147、483、641

–1 は、再試行の数が無限であることを示します。 

調整: 任意の時点

Monitor_ retry_ interval (整数)

障害モニターの失敗がカウントされる期間 (分)。この期間内に、障害モニターの失敗の数が、拡張プロパティ Monitor_retry_ count で指定した値を超えた場合、PMF は障害モニターを再起動できません。

 

デフォルト:2

範囲: 0 – 2、147、483、641

–1 は、再試行の間隔が無限であることを示します。 

調整: 任意の時点

Probe_ timeout (整数)

Sun ONE Directory Server インスタンスの検証に障害モニターが使用するタイムアウト値 (秒) 

 

デフォルト:120

範囲: 0 – 2、147、483、641

調整: 任意の時点