この章では、Sun Cluster 3.0 構成を Sun Cluster 3.1 ソフトウェアにアップグレードする手順を説明します。
Sun Cluster 構成では、Solaris 8 から Solaris 9 ソフトウェアにはアップグレードできません。
Sun Cluster 3.1 構成の計画の概要については、第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」 を参照してください。 Sun Cluster ソフトウェアのアップグレードに関連する手順の詳細については、Sun Cluster 3.0 から Sun Cluster 3.1 ソフトウェアへのアップグレード を参照してください。
Sun Cluster 3.0 から Sun Cluster 3.1 ソフトウェアにアップグレードするには、次の作業を行います。
表 3–1 作業マップ: Sun Cluster 3.0 から Sun Cluster 3.1 ソフトウェアへのアップグレード
作業 |
参照箇所 |
---|---|
アップグレードのガイドラインを参照 | |
クラスタを稼動環境から外し、リソースを無効にして、共有データとシステムディスクのバックアップを作成 | |
必要に応じて、Solaris オペレーティング環境をアップグレード。任意で VERITAS Volume Manager (VxVM) をアップグレード | |
Sun Cluster 3.1 フレームワークおよびデータサービスソフトウェアにアップグレード。必要に応じて、アプリケーションをアップグレード | |
クラスタソフトウェアのアップグレードを終了。VxVM をアップグレードした場合は、ディスクグループをアップグレード。リソースタイプを再登録し、リソースを有効にして、リソースグループをオンラインにする |
この節では、Sun Cluster 3.0 から Sun Cluster 3.1 ソフトウェアへのアップグレードに関するガイドラインについて説明します。
次のガイドラインに従って、Sun Cluster 3.0 から Sun Cluster 3.1 ソフトウェアにアップグレードします。
パブリックネットワークアダプタが使用する利用可能なテスト IP アドレスを取得します。scinstall アップグレードユーティリティーは、クラスタ内の各パブリックネットワークアダプタに対して、テスト IP アドレスの入力を求めます。テスト IP アドレスの詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』を参照してください。
ソフトウェアはすべて、Sun Cluster 3.1 ソフトウェアがサポートするバージョンにアップグレードする必要があります。たとえば、Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでサポートされるデータサービスエージェントは、Sun Cluster 3.1 ソフトウェアでサポートされるバージョンにアップグレードする必要があります。関連するアプリケーションが Sun Cluster 3.1 ソフトウェアでサポートされない場合は、そのアプリケーションがサポートされるリリースにアップグレードする必要があります。
scinstall アップグレードユーティリティーは、Sun Cluster 3.1 ソフトウェアで提供されるデータサービスのみをアップグレードします。カスタムまたはサードパーティ製のデータサービスは、手動でアップグレードする必要があります。
Sun Cluster 構成では、Solaris 8 から Solaris 9 ソフトウェアにはアップグレードできません。
Sun Cluster 2.x ソフトウェアから Sun Cluster 3.1 ソフトウェアには直接アップグレードできません。
Sun Cluster 3.1 ソフトウェアから Sun Cluster 3.0 ソフトウェアにはダウングレードできません。
ソフトウェアをアップグレードする前に、次の手順を実行してクラスタを稼動状態から外します。
クラスタのアップグレードを開始する前に、アップグレード対象のすべてのソフトウェア製品の CD-ROM、マニュアル、およびパッチを用意します。
Solaris 8 または Solaris 9 オペレーティング環境
Sun Cluster 3.1 フレームワーク
Sun Cluster 3.1 データサービス (エージェント)
Sun Cluster 3.1 データサービスエージェントが管理するアプリケーション
VERITAS Volume Manager
Sun のパッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
利用可能なテスト IP アドレス (クラスタ内のパブリックネットワークアダプタごとに 1 つずつ) のリストを取得します。
テスト IP アドレスは、パブリックネットワークアダプタがアクティブか、グループ内のバックアップアダプタであるかに関係なく、クラスタ内の各パブリックネットワークアダプタごとに必要です。テスト IP アドレスは、アダプタが IP ネットワークマルチパスを使用するように再構成するときに使用されます。
各テスト IP アドレスは、パブリックネットワークアダプタが使用する既存の IP アドレスと同じサブネット上になければなりません。
ノード上のパブリックネットワークアドレスを表示するには、次のコマンドを実行します。
% pnmstat |
IP ネットワークマルチパス用のテスト IP アドレスの詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)を参照してください。
アップグレード中、クラスタサービスが利用できなくなることをユーザーに通知します。
クラスタが正常に機能していることを確認してください。
クラスタの現在の状態を表示するには、任意のノードから次のコマンドを実行します。
% scstat |
詳細については、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
そのノード上の /var/adm/messages ログに、解決されていないエラーや警告メッセージがないかどうかを確認します。
アップグレードする前に、クラスタ上にインストールされているすべてのリソースタイプの名前をリストします。
% scrgadm -p | grep "リソースタイプ" |
このリストは、アップグレード処理の最後でリソースタイプを再登録するときの参照用として保持しておきます。
各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
クラスタ内のすべてのリソースを無効にします。
アップグレード中にリソースを無効にすることで、ノードが誤って再起動されクラスタモードになっても、そのリソースが自動的にオンラインになるのを防止します。
任意のノードから、クラスタ内のすべての有効なリソースをリストします。
# scrgadm -pv | grep "リソース 有効" |
scswitch コマンドを使用して、クラスタ内の有効なリソースをそれぞれ無効にします。
scswitch -n -j resource |
無効にします。
リソースを指定します。
Sun Cluster 3.0 5/02 リリースからアップグレードする場合は、コマンド行の代わりに scsetup(1M) ユーティリティーを使用できます。「Main Menu」から、「Resource Groups」を選択して、「Enable/Disable Resources」を選択します。
各リソースグループをオフラインに切り替えます。
# scswitch -F -g resource-group |
リソースグループをオフラインに切り替えます。
オフラインにするリソースグループの名前を指定します。
各リソースグループを非管理状態にします。
# scswitch -u -g resource-group |
指定したリソースグループを非管理状態にします。
非管理状態にするリソースグループの名前を指定します。
すべてのノード上のすべてのリソースが無効になっており、そのすべてのリソースグループが非管理状態であることを確認します。
このコマンドを実行するためにスーパーユーザーになる必要はありません。
# scstat -g |
クラスタ内の各ノードで実行されているすべてのデーターベースを停止します。
すべての共有データをバックアップします。
ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。
# scshutdown ok |
各ノードで、ノードを非クラスタモードで起動します。
ok boot -x |
各システムディスクをバックアップします。
Solaris ソフトウェアをアップグレードするかどうかを確認します。
Sun Cluster 3.1 ソフトウェアが、クラスタ内で現在実行されている Solaris ソフトウェアのアップデートリリースをサポートしない場合は、Solaris オペレーティング環境をアップグレードする必要があります。
Sun Cluster 構成では、Solaris 8 から Solaris 9 ソフトウェアにはアップグレードできません。
アップグレードしない場合は、Solaris オペレーティング環境をアップグレードする に進みます。
アップグレードする場合は、クラスタソフトウェアをアップグレードする に進みます。
クラスタ内の各ノードで次の手順を実行して、Solaris オペレーティング環境をアップグレードし、Sun Cluster 3.1 ソフトウェアをサポートできるように準備します。ただし、Sun Cluster 3.1 ソフトウェアがサポートする Solaris ソフトウェアのバージョンでクラスタがすでにインストールされており、Solaris ソフトウェアの最新の互換アップデートにアップグレードする予定でない場合は、この手順は必要ありませんが、それ以外の場合には以下の手順を実行してください。あるいは、クラスタソフトウェアをアップグレードする に進んで下さい。
Sun Cluster 3.1 ソフトウェアをサポートするには、クラスタが、少なくとも最低必須レベルである Solaris 8 または Solaris 9 オペレーティング環境で動作しているか、アップグレードされている必要があります。詳細については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「サポートされる製品」を参照してください。
Sun Cluster 構成では、Solaris 8 から Solaris 9 ソフトウェアにはアップグレードできません。
アップグレードするクラスタノードでスーパーユーザーになります。
以下の Apache リンクがすでに存在するかどうかを確認します。存在する場合は、ファイル名に大文字の K または S が含まれているかどうかを確認します。
/etc/rc0.d/K16apache /etc/rc1.d/K16apache /etc/rc2.d/K16apache /etc/rc3.d/S50apache /etc/rcS.d/K16apache |
これらのリンクがすでに存在しており、そのファイル名に大文字の K または S が含まれる場合、これらのリンクに関して特に操作する必要はありません。 これらのリンクが存在しないか、存在していてもファイル名に小文字の k または s が含まれている場合は、手順 6 で、これらのリンクをほかに移動します。
Solaris ソフトウェアをアップグレードします。
Sun Cluster ソフトウェアは、Solaris 8 から Solaris 9 ソフトウェアへのアップグレードをサポートしていません。
Solaris ソフトウェアのアップグレードに、Maintenance Update 方式を使用するかどうかを決定します。
使用する場合は、手順 b に進みます。
使用しない場合は、後の参照用にすでにコメントアウトしてあるすべてのエントリを記録し、/etc/vfstab ファイルのすべての広域デバイス用のエントリを一時的にコメントアウトします。
この作業は、Solaris がアップグレード中にグローバルデバイスをマウントしないようにするために行います。この手順は、Solaris ソフトウェアのアップグレードに Maintenance Update 方式を使用する場合には不要です。
クラスタをアップグレードする Solaris のバージョン用のアップグレード指示に従ってください。
Solaris ソフトウェアのアップグレード中にノードを再起動するには、コマンドに -x オプションを追加します。このオプションを指定することで、そのノードは非クラスタモードで再起動されます。次の 2 つのコマンドは、ノードをシングルユーザーの非クラスタモードで起動します。
# reboot -- -xs ok boot -xs |
手順 a で、 /etc/vfstab ファイルの広域デバイス用のエントリをコメントアウトしたかどうかを確認します。
手順 2 で、VxVM の手順を実行して Solaris ソフトウェアをアップグレードしたかどうかを確認します。
使用していない場合は、手順 6 に進みます。
使用した場合は、その VxVM アップグレード手順の残りの操作を実行します。ただし、非クラスタモード以外で再起動しないでください。
# reboot -- -x |
手順 3 で、Apache リンクがまだ存在していなかったか、Solaris ソフトウェアをアップグレードする前に、ファイル名に小文字の k または s が含まれていた場合は、復元した Apache リンクをほかへ移動します。
以下のコマンドを使用して、小文字の k または s を含むファイル名を変更します。
# mv /a/etc/rc0.d/K16apache /a/etc/rc0.d/k16apache # mv /a/etc/rc1.d/K16apache /a/etc/rc1.d/k16apache # mv /a/etc/rc2.d/K16apache /a/etc/rc2.d/k16apache # mv /a/etc/rc3.d/S50apache /a/etc/rc3.d/s50apache # mv /a/etc/rcS.d/K16apache /a/etc/rcS.d/k16apache |
まだ再起動していない場合は、ノードを非クラスタモードで再起動します。
コマンドに 2 つのダッシュ (--) を含めます。
# reboot -- -x |
Solaris ソフトウェアのパッチとハードウェア関連のパッチをすべてインストールし、ハードウェアパッチに含まれる必須ファームウェアをすべてダウンロードします。Solstice DiskSuite ソフトウェアの場合は、任意の Solstice DiskSuite ソフトウェアのパッチをインストールします。
パッチを追加した後で、再起動しないでください。ノードは、Sun Cluster ソフトウェアをアップグレードした後に再起動します。
パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
Sun Cluster 3.1 ソフトウェアにアップグレードします。
クラスタソフトウェアをアップグレードする に進みます。
各ノードで次の手順を実行します。この手順は、複数のノードで同時に行えます。
各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
ノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 CD-ROM を挿入します。
ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1 ディレクトリにマウントされます。
ノードを Sun Cluster 3.1 ソフトウェアにアップグレードします。
/cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここに示した ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。
以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。
# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools |
クラスタソフトウェアフレームワークをアップグレードします。
# ./scinstall -u update -S interact |
NAFO グループを IP ネットワークマルチパスグループに変換するときに使用するテスト IP アドレスを指定します。
scinstall が、必要とされる各テスト IP アドレスをユーザーに求めることを指定します。
アップグレード処理が中断された場合は、ノードが非クラスタモードであることを確認した後、scinstall コマンドを再開します。
詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。IP ネットワークマルチパス用のテスト IP アドレスの詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』を参照してください。
アップグレード処理中、scinstall は次の構成変更を行います。
ルートディレクトリに移動して、CD-ROM を取り出します。
Sun Cluster パッチをインストールします。
パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
この時点でノードを再起動しないでください。
各アプリケーションをアップグレードし、必要に応じてアプリケーション用のパッチを適用します。
インストール方法については、各アプリケーションのマニュアルを参照してください。これらのガイドラインに従って、Sun Cluster 構成のアプリケーションをアップグレードします。
アプリケーションが共有ディスクに格納されている場合は、アプリケーションをアップグレードする前に、関連するディスクグループをマスターして、関連するファイルシステムを手作業でマウントする必要があります。
アプリケーションのアップグレード中にノードを再起動しなければならない場合は、起動コマンドに -x オプションを追加します。このオプションを指定することで、そのノードは非クラスタモードで再起動されます。以下の 2 つのコマンドは、ノードをシングルユーザーの非クラスタモードで起動します。
# reboot -- -xs ok boot -xs |
データサービスを Sun Cluster 3.1 ソフトウェアバージョンにアップグレードします。
Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM で提供されるデータサービスだけが scinstall(1M) によって自動的にアップグレードされます。カスタムまたはサードパーティ製のデータサービスは、手動でアップグレードする必要があります。
アップグレード対象のノードでSun Cluster 3.1 Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。
データサービスソフトウェアをアップグレードします。
# scinstall -u update -s all -d /cdrom/cdrom0 |
アップグレードを行うよう指定します。
すべての Sun Cluster データサービスをアップグレードします。
アップグレード処理が中断された場合は、ノードが非クラスタモードであることを確認した後、scinstall コマンドを再開します。
CD-ROM を取り出します。
必要に応じて、Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM で提供されないカスタムのデータサービスを手動でアップグレードします。
Sun Cluster データサービスパッケージをインストールします。
パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
すべてのノードがアップグレードされた後、各ノードを再起動してクラスタにします。
# reboot |
すべてのノードがクラスタメンバーであることを、任意のノードから確認します。
# scstat -- クラスタノード -- ノード名 状態 --------- ------ Cluster node: phys-schost-1 Online Cluster node: phys-schost-2 Online |
クラスタ状態の表示方法の詳細については、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
アップグレードを終了します。
クラスタソフトウェアのアップグレードを完了する に進みます。
次の例は、Solaris 8 オペレーティング環境において、2 ノードクラスタを Sun Cluster 3.0 から Sun Cluster 3.1 ソフトウェアにアップグレードする処理を示しています。クラスタノード名は、phys-schost-1 と phys-schost-2 です。
(最初のノードで、Sun Cluster 3.1 CD-ROM からのフレームワークソフトウェアをアップグレードする) phys-schost-1# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools phys-schost-1# ./scinstall -u update -S interact (最初のノードで、Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM からのデータサービスをアップグレードする) phys-schost-1# ./scinstall -u update -s all -d /cdrom/cdrom0 (2 番目のノードで、Sun Cluster 3.1 CD-ROM からのフレームワークソフトウェアをアップグレードする) phys-schost-2# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools phys-schost-2# ./scinstall -u update -S interact (2 番目のノードで、Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM からのデータサービスをアップグレードする) phys-schost-2# ./scinstall -u update -s all -d /cdrom/cdrom0 (各ノードを再起動してクラスタメンバーにする) phys-schost-1# reboot phys-schost-2# reboot (クラスタのメンバーシップを確認する) # scstat |
この手順は、クラスタ内の各ノードでソフトウェアをアップグレードし、すべてのノードがクラスタとして再起動されてから実行します。
アップグレードしていない場合は、手順 2 に進みます。
アップグレードした場合は、すべてのディスクグループをアップグレードします。
インストールした VxVM リリースがサポートする最新バージョンにディスクグループをアップグレードするには、ディスクグループの主ノードで次のコマンドを実行します。
# vxdg upgrade dgname |
ディスクグループのアップグレードの詳細については、 VxVM の管理マニュアルを参照してください。
Sun Cluster 構成の監視に Sun Management Center を使用しているかどうかを確認します。
使用していない場合は、手順 3 に進んでください。
Sun Management Center のコアパッケージがインストールされていることを確認します。
この手順には、各クラスタノードへの Sun Management Center エージェントパッケージのインストールが含まれます。インストール方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。
Sun Management Center サーバーマシンでスーパーユーザーになります。
CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 CD-ROM を挿入します。
/cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Packages ディレクトリに移動します。ここに示した ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。
以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。
# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_8/Packages |
Sun Cluster モジュールサーバーパッケージの SUNWscssv をインストールします。
# pkgadd -d . SUNWscssv |
ルートディレクトリに移動して、CD-ROM を取り出します。
Sun Management Center ヘルプサーバーマシンでスーパーユーザーになります。
Sun Cluster モジュールヘルプサーバーパッケージの SUNWscshl をインストールします。
アップグレードにより新しいバージョンを受け取ったすべてのリソースタイプを再登録し、リソースを再度有効にしてリソースグループをオンラインにします。
任意のノードで、scsetup(1M) ユーティリティーを起動します。
# scsetup |
リソースグループで作業する場合には、2 (リソースグループ) を入力します。
リソースタイプを登録するには、4 (リソースタイプの登録) を入力します。
継続するかどうかをたずねられたら、yes を入力します。
1 (まだ登録されていないすべてのリソースタイプを登録する) を入力します。
scsetup ユーティリティーは、登録されていないすべてのリソースタイプを表示します。yes を入力して、これらのリソースタイプを引き続き登録します。
8 (リソースのプロパティを変更する) を入力します。
yes を入力して継続します。
3 (リソースのバージョンを管理する) を入力します。
yes を入力して継続します。
1 (バージョン状態を表示する) を入力します。
scsetup ユーティリティーは、同じリソースタイプで新しいバージョンにアップグレードできるリソースがどれか、また、アップグレード開始前のリソースのあるべき状態を表示します。
yes を入力して継続します。
4 (すべての該当リソースを再バージョンする) を入力します。
継続するかどうかをたずねられたら、yes を入力します。
「リソースグループメニュー」に戻ります。
リソースを有効にするには、6 (リソースを有効/無効にする) を入力します。
継続するかどうかをたずねられたら、yes を入力します。
有効にするリソースを選択し、プロンプトの指示に従います。無効になっている各リソースに対して、この手順を繰り返します。
すべてのリソースが再び有効になったら、 q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。
5 (リソースグループをオンライン/オフラインにするか、スイッチオーバーする) を入力します。
継続するかどうかをたずねられたら、yes を入力します。
プロンプトの指示に従って、各リソースグループをオンラインにします。
scsetup ユーティリティーを終了します。
q を入力して各サブメニューを取り消すか、Ctrl-C を押してください。
リソースタイプの将来のバージョンをアップグレードするには、『Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成』の「リソースタイプのアップグレード」を参照してください。
これでクラスタのアップグレードは完了です。クラスタを本稼働環境に戻すことができます。
この節では、Sun Cluster 3.1 構成で Sun Management Center 2.1.1 から Sun Management Center 3.0 ソフトウェアに、または Sun Management Center 2.1.1 から Sun Management Center 3.5 ソフトウェアにアップグレードする方法について説明します。
次の手順を実行して、 Sun Cluster 3.1 構成で Sun Management Center 2.1.1 から Sun Management Center 3.0 ソフトウェアに、または Sun Management Center 2.1.1 から Sun Management Center 3.5 ソフトウェアにアップグレードします。
次のものを用意します。
Sun Cluster 3.1 CD-ROM または CD-ROM イメージへのパス。Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードした後で、この CD-ROM を使用して Sun Cluster モジュールパッケージをインストールし直す必要があります。
Sun Management Center のマニュアル。
パッチがある場合には、Sun Management Center パッチおよび Sun Cluster モジュールパッチ。パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「パッチとファームウェアレベル 」を参照してください。
すべての Sun Management Center プロセスを停止します。
Sun Management Center コンソールが動作している場合は、コンソールを終了します。
コンソールウィンドウのメニューバーから「ファイル」、「終了」の順に選択します。
個々の Sun Management Center エージェントマシン (クラスタノード) で Sun Management Center エージェントプロセスを停止します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a |
Sun Management Center サーバーマシンで Sun Management Center サーバープロセスを停止します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -S |
スーパーユーザーで、表 3–2 に示す場所から Sun Cluster モジュールパッケージを削除します。
すべての場所からすべての Sun Cluster モジュールのパッケージを削除する必要があります。そうしないと、パッケージの相互依存関係のために Sun Management Center ソフトウェアのアップグレードに失敗することがあります。Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードした後で、手順 5 でパッケージをインストールし直します。
# pkgrm module-package |
説明箇所 |
削除するパッケージ |
---|---|
各クラスタノード |
SUNWscsam、SUNWscsal |
Sun Management Center コンソールマシン |
SUNWscscn |
Sun Management Center サーバーマシン |
SUNWscssv |
Sun Management Center ヘルプサーバーマシン |
SUNWscshl |
Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードします。
Sun Management Center のマニュアルに説明されているアップグレード手順に従ってください。
スーパーユーザーで、表 3–3 に示す場所に Sun Cluster モジュールパッケージを再インストールします。
Sun Management Center ソフトウェアでは、ヘルプサーバーパッケージ SUNWscshl をヘルプサーバーマシンだけでなくコンソールマシンにもインストールします。
# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Packages # pkgadd module-package |
説明箇所 |
インストールするパッケージ |
---|---|
各クラスタノード |
SUNWscsam、SUNWscsal |
Sun Management Center コンソールマシン |
SUNWscshl |
Sun Management Center サーバーマシン |
SUNWscssv |
Sun Management Center ヘルプサーバーマシン |
SUNWscshl |
すべての Sun Management Center パッチと Sun Cluster モジュールパッチをクラスタの各ノードに適用します。
関係するすべてのマシンで Sun Management Center エージェント、サーバー、コンソールの各プロセスを再起動します。
Sun Management Center を起動する の手順を参照してください。
Sun Cluster モジュールを読み込みます。
Sun Cluster モジュールを読み込む の手順を参照してください。
Sun Cluster モジュールがすでに読み込まれている場合は、これをいったん読み込み解除してから再び読み込み、サーバーにキャッシュされているすべてのアラーム定義を消去する必要があります。モジュールを読み込み解除するには、コンソールの「詳細」ウィンドウから「モジュール」、「読み込み削除」の順に選択します。