Sun Cluster の scshutdown(1M) コマンドを使用して、クラスタサービス全体を正しい順序で正常に停止します。scshutdown コマンドは、クラスタの場所を移動するときにも使用できます。 また、アプリケーションエラーによってデータが破壊された場合に、クラスタを停止するときにも使用できます。
クラスタ全体を正しく停止するには、shutdown や halt コマンドではなく、scshutdown コマンドを使用します。Solaris の shutdown コマンドは、ノードを個々に停止する場合にscswitch コマンドと一緒に使用します。詳細については、クラスタを停止するまたは単一クラスタノードの停止と起動を参照してください。
scshutdown コマンドは、次の手順でクラスタのすべてのノードを停止します。
実行中のすべてのリソースグループをオフラインにする。
すべてのクラスタファイルシステムをマウント解除する
アクティブなデバイスサービスを停止する。
init 0 を実行し、すべてのノードを OBP ok プロンプトの状態にする。
必要であれば、ノードを非クラスタモードで (つまり、ノードがクラスタメンバーシップを取得しないように) 起動できます。非クラスタモードは、クラスタソフトウェアをインストールしたり、特定の管理手順を実行する際に役立ちます。詳細については、非クラスタモードでクラスタノードを起動するを参照してください。
目的 |
参照先 |
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クラスタの停止 -scshutdown を使用します。 | |
すべてのノードを起動してクラスタを起動 クラスタメンバーシップを取得できるように、ノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。 | |
クラスタの再起動 -scshutdown を使用します。 ok プロンプトで boot(1M) コマンドを使用して、各ノードを個々に起動します。 クラスタメンバーシップを取得できるように、ノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。 |
クラスタノードを停止する場合は、クラスタコンソール上で send brk を使用してはいけません。この機能はクラスタ内ではサポートされません。send brk を使用し、ok プロンプトに go を入力し、再起動すると、ノードでパニックが発生します。
Oracle® の Parallel Server または Real Application Clusters が動作しているクラスタの場合、データベースのすべてのインスタンスを停止します。
停止の手順については、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 製品のマニュアルを参照してください。
クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
直ちにクラスタを停止して OBP の状態にします。
クラスタ内の 1 つのノードから、次のコマンドを入力します。
# scshutdown -g0 -y |
すべてのノードが ok プロンプトの状態になったことを確認します。
すべてのクラスタノードが ok プロンプトの状態になるまで、どのノードの電源も切らないでください。
必要であればノードの電源を切ります。
次に、正常なクラスタの動作を停止して、すべてのノードを ok プロンプトの状態にしたときのコンソールの出力例を示します。ここでは、-g 0 オプションで停止の猶予期間をゼロに設定し、-y で、確認プロンプトに対して自動的に yes と応答するよう指定しています。停止メッセージは、クラスタ内の他のノードのコンソールにも表示されます。
# scshutdown -g0 -y May 2 10:08:46 phys-schost-1 cl_runtime: WARNING: CMM monitoring disabled. phys-schost-1# INIT: New run level: 0 The system is coming down. Please wait. System services are now being stopped. /etc/rc0.d/K05initrgm: Calling scswitch -S (evacuate) The system is down. syncing file systems... done Program terminated ok |
クラスタを起動するを参照して、停止したクラスタを再起動します。
ノードが停止されており、ok プロンプトの状態になっているクラスタを起動するには、boot(1M) コマンドで各ノードを起動します。
停止中に構成を変更した場合は、最新の構成情報を持つノードを最初に起動する必要があります。これ以外の場合は、どのような順序でノードを起動してもかまいません。
ok boot |
クラスタコンポーネントが起動すると、起動されたノードのコンソールにメッセージが表示されます
クラスタメンバーシップを取得できるように、クラスタノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。
ノードが問題なく起動し、オンラインであることを確認します。
scstat(1M) コマンドを使用してノードの状態を表示します。
# scstat -n |
クラスタノードの /var ファイルシステムが満杯になると、そのノード上では Sun Cluster が再起動できなくなる可能性があります。この問題が発生した場合は、満杯の /var ファイルシステムを修復するを参照してください。
次に、ノード phys-schost-1 を起動してクラスタに結合させたときのコンソールの出力例を示します。クラスタ内の他のノードのコンソールにも同様のメッセージが表示されます。
ok boot Rebooting with command: boot ... Hostname: phys-schost-1 Booting as part of a cluster NOTICE: Node 1 with votecount = 1 added. NOTICE: Node 2 with votecount = 1 added. NOTICE: Node 3 with votecount = 1 added. ... NOTICE: Node 1: attempting to join cluster ... NOTICE: Node 2 (incarnation # 937690106) has become reachable. NOTICE: Node 3 (incarnation # 937690290) has become reachable. NOTICE: cluster has reached quorum. NOTICE: node 1 is up; new incarnation number = 937846227. NOTICE: node 2 is up; new incarnation number = 937690106. NOTICE: node 3 is up; new incarnation number = 937690290. NOTICE: Cluster members: 1 2 3 ... |
scshutdown(1M) コマンドを実行してクラスタを停止してから、各ノードで boot コマンドを使用してクラスタを再起動します。
(任意) Oracle Parallel Server/Real Application Clusters が動作しているクラスタの場合、データベースのすべてのインスタンスを停止します。
停止の手順については、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 製品のマニュアルを参照してください。
クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
クラスタを停止にして OBP の状態にします。
クラスタ内の 1 つのノードから、次のコマンドを入力します。
# scshutdown -g0 -y |
各ノードが停止され、ok プロンプトの状態になります。
クラスタメンバーシップを取得できるように、クラスタノードにはクラスタインターコネクトとの動作中の接続が必要です。
各ノードを起動します。
停止中に構成を変更した場合以外は、どのような順序でノードを起動してもかまいません。停止中に構成を変更した場合は、最新の構成情報を持つノードを最初に起動する必要があります。
ok boot |
クラスタコンポーネントが起動すると、起動されたノードのコンソールにメッセージが表示されます。
ノードが問題なく起動し、オンラインであることを確認します。
scstat コマンドを使用してノードの状態を表示します。
# scstat -n |
クラスタノードの /var ファイルシステムが満杯になると、そのノード上では Sun Cluster が再起動できなくなる可能性があります。この問題が発生した場合は、満杯の /var ファイルシステムを修復するを参照してください。
次に、正常なクラスタの動作を停止してすべてのノードを ok プロンプトの状態にしてから、クラスタを再起動したときのコンソールの出力例を示します。ここでは、-g 0 オプションで猶予期間をゼロに設定し、-y で、確認プロンプトに対して自動的に yes と応答するよう指定しています。停止メッセージは、クラスタ内の他のノードのコンソールにも表示されます。
# scshutdown -g0 -y May 2 10:08:46 phys-schost-1 cl_runtime: WARNING: CMM monitoring disabled. phys-schost-1# INIT: New run level: 0 The system is coming down. Please wait. ... The system is down. syncing file systems... done Program terminated ok boot Rebooting with command: boot ... Hostname: phys-schost-1 Booting as part of a cluster ... NOTICE: Node 1: attempting to join cluster ... NOTICE: Node 2 (incarnation # 937690106) has become reachable. NOTICE: Node 3 (incarnation # 937690290) has become reachable. NOTICE: cluster has reached quorum. ... NOTICE: Cluster members: 1 2 3 ... NOTICE: Node 1: joined cluster ... The system is coming up. Please wait. checking ufs filesystems ... reservation program successfully exiting Print services started. volume management starting. The system is ready. phys-schost-1 console login: NOTICE: Node 1: joined cluster ... The system is coming up. Please wait. checking ufs filesystems ... reservation program successfully exiting Print services started. volume management starting. The system is ready. phys-schost-1 console login: |