サービスからクラスタノードを長時間はずす場合は、そのノードを保守状態にします。保守状態のノードは、サービス対象中に定足数確立の投票に参加しません。クラスタノードを保守状態にするには、scswitch(1M) および shutdown(1M) を使用してこのノードを停止する必要があります。
ノードを 1 つだけ停止する場合は、Solaris の shutdown コマンドを使用します。scshutdown コマンドは、クラスタ全体を停止する場合にだけ使用します。
クラスタノードが停止されて保守状態になると、そのノードのポートで構成されるすべての定足数デバイスの、定足数投票数 (quorum vote count) が 1 つ減ります。このノードが保守状態から移動してオンラインに戻されると、ノードおよび定足数デバイスの投票数は 1 つ増えます。
クラスタノードを保守状態にするには、scconf(1M) コマンドを使用する必要があります。scsetup(1M) ユーティリティには、定足数デバイスを保守状態にする機能はありません。
保守状態にするノード上でスーパーユーザーになります。
すべてのリソースグループとディスクデバイスグループをノードから退避します。
# scswitch -S -h node[,...] |
指定したノードからすべてのデバイスサービスとリソースグループを退避します。
リソースグループとデバイスグループを切り替えるノードを指定します。
退避するノードを OBP プロンプトの状態にして、クラスタから抜けます。
# shutdown -g0 -y -i0 |
クラスタ内の別のノードでスーパーユーザーになり、手順 3で停止したノードを保守状態にします。
# scconf -c -q node=node,maintstate |
scconf コマンドの変更フォームを指定します。
定足数オプションを管理します。
変更するノードのノード名またはノード ID を指定します。
ノードを保守状態にします。
クラスタノードが保守状態にあることを確認します。
# scstat -q |
保守状態にしたノードの状態はオフラインであり、その Present と Possible の定足数投票数は 0 (ゼロ) である必要があります。
次に、クラスタノードを保守状態にして、その結果を確認する例を示します。scstat -q の出力では、phys-schost-1 のノードの投票数は 0 (ゼロ) で、その状態はオフラインです。定足数の概要では、投票数も減っているはずです。構成によって異なりますがデバイスによる定足数の投票数の出力では、いくつかの定足数ディスクデバイスもオフラインである可能性があります。
[保守状態にするノード上で次を実行する:]
phys-schost-1# scswitch -S -h phys-schost-1
phys-schost-1# shutdown -g0 -y -i0
[クラスタ内の別のノード上:]
phys-schost-2# scconf -c -q node=phys-schost-1,maintstate
phys-schost-2# scstat -q
-- 定足数の概要 --
可能な定足数投票数: 3
必要な定足数投票数: 2
現在の定足数投票数: 3
-- ノードによる定足数の投票数 --
ノード名 現在の数 可能な数 状態
--------- ------- -------- ------
ノードの投票数: phys-schost-1 0 0 オンライン
ノードの投票数: phys-schost-2 1 1 オンライン
ノードの投票数: phys-schost-3 1 1 オンライン
-- デバイスによる定足数の投票数 --
デバイス名 現在の数 可能な数 状態
----------- ------- -------- ------
デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d3s2 0 0 オンライン
デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d17s2 0 0 オンライン
デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d31s2 1 1 オンライン
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ノードをオンラインに戻す方法については、ノードを保守状態から戻すを参照してください。