ここでは、Sun Cluster HA for Sun ONE Web Server 拡張プロパティについて説明します。フェイルオーバーの場合、データサービスは強制的に Confdir_list のサイズを 1 にします。複数の構成ファイル (インスタンス) が必要な場合は、それぞれが Confdir_list エントリを 1 つ持つ複数のフェイルオーバーリソースを作成してください。
通常、拡張プロパティは、Sun ONE Web Server リソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。Sun Cluster のすべてのプロパティの詳細については、『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「標準プロパティ」を参照してください。
表 1–2 は、Sun ONE Web Server 用に構成可能な拡張プロパティと説明をまとめたものです。Sun ONE Web Server リソースの作成時に必要な拡張プロパティは、Confdir_list プロパティだけです。 拡張プロパティには、動的に更新できるものがあります。それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するときにしか更新できません。各プロパティをいつ更新できるかについては、説明欄の「調整」の項を参照してください。
表 1–2 Sun Cluster HA for Sun ONE Web Server 拡張プロパティ
拡張プロパティ名 |
説明 |
---|---|
Confdir_ list (文字列) |
特定の Sun ONE Web Server インスタンスのサーバールートディレクトリへのポインタ。Sun ONE Web Server がセキュアモードの場合、パス名に keypass という名前のファイルを指定する必要があります。このファイルには、このインスタンスの起動に必要なセキュアキーパスワードが含まれています。
初期値: なし 範囲: なし 調整: 作成時 |
Monitor_ retry_ count (整数) |
Monitor_retry_interval プロパティの指定時間に、プロセスモニター機能 (PMF) が障害モニターを再起動する回数。このプロパティは、障害モニターの再起動回数を制御するものであり、リソースの再起動を制御するわけではありません。リソースの再起動は、システム定義プロパティの Retry_interval と Retry_count によって制御されます。
初期値: 4 範囲: 0 – 2, 147, 483, 641 –1 は、再試行の数が無限であることを示します。 調整: 任意の時点 |
Monitor_ retry_ interval (整数) |
障害モニターの失敗回数をカウントする期間 (分)。この期間内に、障害モニターの失敗回数が、拡張プロパティ Monitor_retry_count の指定値を超えた場合、PMF は障害モニターを再起動しません。
初期値: 2 範囲: 0 – 2, 147, 483, 641 –1 は、期間が無限であることを示します。 調整: 任意の時点 |
Probe_ timeout (整数) |
Sun ONE Web Server インスタンスを検証するために障害モニターが使用するタイムアウト時間 (秒)。
初期値: 90 範囲: 0 – 2, 147, 483, 641 調整: 任意の時点 |
Monitor_Uri_List (文字列) |
Sun ONE Web Server 上に配備された任意のアプリケーションを検証するために障害モニターが使用できる単一の URI または URI のリスト。Sun ONE Web Server 上に配備されたアプリケーションによって提供される 1 個以上の URI にこのプロパティを設定することにより、配備済みアプリケーションを検証します。 初期値: Null 調整: 任意の時点 導入リリース: 3.1 10/03 |
Web サーバーの障害モニターに、Web サーバーから提供される任意のアプリケーションリスト (URI) を検証させる場合は、Monitor_uri_list 拡張プロパティを設定します。この拡張プロパティによって、拡張検証機能が提供されます。この機能は、Web サーバーにサービスを追加する場合に便利です。Monitor_uri_list 拡張プロパティは、セキュア Sun ONE Web Server インスタンスではサポートされません。Monitor_uri_list 拡張プロパティを設定しない場合、障害モニターは通常の検証を行います。詳細については、Sun Cluster HA for Sun ONE Web Server 障害モニター を参照してください。 このあとに、既存の構成に Sun ONE Web Server インスタンスを追加するときの Monitor_uri_list 拡張プロパティの設定例を示します。
(デフォルトの負荷分散を使う非セキュア Sun ONE インスタンスを追加します。) example# scrgadm -a -j web-not-secure-1 -g resource-group-1 -t SUNW.iws \ -x Confdir_List=/opt/SunONE/https-SunONE-insecure-1 \ -y Scalable=True -y Network_resources_used=schost-1 -y Port_list=8000/tcp -x Monitor_Uri_list=http://schost-1:8000/servlet/monitor |
(非セキュア SunONE アプリケーションリソースのインスタンスを追加します。) example# scrgadm -a -j web-not-secure-1 -g resource-group-1 -t SUNW.iws \ -x Confdir_list=/opt/SunONE/conf -y Scalable=False \ -y Network_resources_used=schost-1 -y Port_list=80/tcp \ -x Monitor_Uri_list=http://schost-1:80/servlet/monitor |