Sun Cluster 3.1 Data Service for BroadVision One-To-One Enterprise ガイド

Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成

この節では、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise の構成手順について説明します。

Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 拡張プロパティ

表 1–4の拡張プロパティを使用して、リソースを作成します。リソースを作成するときに、コマンド行の scrgadm -x parameter=value を使用して、拡張プロパティを構成します。 すでにリソースを作成してある場合は、『Sun Cluster 3.1 Data Service for BroadVision One-To-One Enterprise ガイド』の第 13 章で説明されている手順を使用して、拡張プロパティを構成します。拡張プロパティの中には動的に変更できるものもありますが、それ以外の拡張プロパティはリソースを作成するか無効にするときにしか更新できません。「調整可能」の欄には、そのプロパティをいつ変更できるかが示されています。 Sun Cluster のすべてのプロパティについての詳細は、このマニュアルの付録 A を参照してください。

表 1–4 Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 拡張プロパティ

プロパティの種類 

プロパティ名 

説明 

BroadVision One-To-One Enterprise 構成 

 

 

BVUSER

BroadVision ユーザーの UNIX ID。bvuser を、希望するユーザー名に変更してください。

 

初期値: なし

調整: 作成時 (At_ creation)

BV1TO1_VAR

bvuser として設定される環境変数。

 

初期値: なし

調整: 作成時 (At_ creation)

検証 

 

Monitor_retry_interval

Resource Group Manager (RGM) が障害モニターの失敗を数える期間 (単位: 分)障害モニターは、拡張プロパティ Monitor_retry_count で指定されている回数を超えて失敗することがあります。Monitor_retry_interval が指定する期間内に失敗回数が Monitor_retry_count の値を超える場合には、Process Monitor Facility (PMF) は障害モニターを再起動しません。

 

初期値: 2

調整: 任意の時点

Monitor_retry_count

障害モニターに対して Sun Cluster ソフトウェアが許可する PMF 再起動の回数。 

 

初期値: 4

調整: 任意の時点 (Anytime)

Probe_timeout

検証のタイムアウト値 (秒)。 

 

初期値: 180

調整: 任意の時点 (Anytime)

デーモン 

START_ORB_SERVERS

ブール型。デフォルトでは、このデータサービスはリソース内の orbix デーモンとすべての BroadVision デーモンを起動します。orbix デーモンは、必要に応じて orbix サーバーを起動します。データサービスが orbix サーバーを起動するようにしたい場合は、このプロパティを TRUE に設定してください。

 

デフォルト:FALSE

調整: 任意の時点 (Anytime)

Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を登録して構成する

次の手順を使用して、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise の登録と構成を行います。


注 –

Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を起動する前に、データベースがアクセス可能であることを確認してください。


  1. ルートホスト、バックエンド、および Interaction Manager サーバーと、すべての BroadVision One-To-One Enterprise サーバーを停止します。


    注 –

    この手順は、BroadVision One-To-One Enterprise インストールをテストした後に実行してください。


  2. ps(1) コマンドを実行して、すべてのクラスタノードで BroadVision One-To-One Enterprise プロセスと orbix デーモン (orbixd) がすべて停止していることを確認します。

  3. 1 つのクラスタノードのスーパーユーザーになります。

  4. scrgadm コマンドを実行し、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のリソースタイプを登録します。


    # scrgadm -a -t SUNW.bv
    
    -a

    データサービスのリソースタイプを追加します。

    -t SUNW.bv

    当該データサービス用にあらかじめ定義されているリソースタイプを指定します。

  5. scrgadm コマンドを実行し、ルートホストリソース、バックエンドリソース、および Interaction Manager リソースを作成します。

    1. BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェア、データベース、および HTTP サーバーインストールを構成して確認する手順 2で作成したフェイルオーバーリソースグループ内に、ルートホストリソースとバックエンドリソースを作成します。


      注 –

      bvuserBV1TO1_VAR は、すべてのリソースで同じでなければなりません。



      # scrgadm -a -j root-host-resource -g root-host-resource-group -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser
       -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory
      # scrgadm -a -j back-end-resource-1 -g back-end-resource-group-1 -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser
       -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory
      # scrgadm -a -j back-end-resource-2 -g back-end-resource-group-2 -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser
       -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory
      ...
      # scrgadm -a -j back-end-resource-n -g back-end-resource-group-n -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser
       -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory
      
      -j root-host-resource

      ルートホストリソースの名前を指定します。

      -x BVUSER= bvuser

      BroadVision ユーザー名を指定します。

      -x BV1TO1_VAR= path-to-bv1to1_var-directory

      $BV1TO1_VAR ディレクトリのパスを指定します。

      -j back-end-resource-n

      バックエンドリソースの名前を指定します。

    2. スケーラブルリソースグループ内に Interaction Manager リソースを作成します。


      注 –

      bvuserBV1TO1_VAR は、すべてのリソースで同じでなければなりません。



      # scrgadm -a -j im-resource -g im-resource-group -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser /
      -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory
      
      -j im-resource

      Interaction Manager リソースの名前を指定します。

  6. scswitch コマンドを実行し、BroadVision One-To-One Enterprise リソースを含めたリソースグループを有効にしてオンラインの状態にします。


    # scswitch -Z -g root-host-resource-group
    # scswitch -Z -g back-end-resource-group-1
    # scswitch -Z -g back-end-resource-group-2
    ...
    # scswitch -Z -g back-end-resource-group-n
    # scswitch -Z -g im-resource-group
    

Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成を確認する

次の手順を使用して、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise が正しくインストールされ、構成されているかどうかを確認します。

  1. Web ブラウザから、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアで構成したアプリケーションにログインします。

  2. ルートホストリソースグループを管理するノードにログインします。

  3. BroadVision ユーザーになります。

  4. ルートホストプロセスを停止します。

    1. BV_LOCAL_HOST 環境変数を root-host-logical-hostname として設定します。

    2. 使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。

    3. 次の BroadVision コマンドを実行します。


      # bvconf shutdown -local
      

    注 –

    Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 障害モニターがルートホストを再起動します。


  5. BroadVision One-To-One Enterprise に対する Web ブラウザ接続が、まだ有効であることを確認してください。

  6. scswitch コマンドを実行し、ルートホストリソースグループをほかのクラスタノード (node2 など) に切り替えます。


    # scswitch -z -g root-host-resource-group -h node2
    
  7. BroadVision One-To-One Enterprise に対する Web ブラウザ接続が、まだ有効であることを確認してください。

  8. 各バックエンドリソースグループごとに、手順 2から手順 7を繰り返します。

次に進む手順

以上で、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールと構成は終わりです。補足情報として以下の節を参照してください。

Command Center を BroadVision One-To-One Enterprise サーバーに接続する

次の手順を使用して、クラスタで構成された BroadVision One-To-One Enterprise サーバーに Command Center を接続します。この手順では、Command Center を BroadVision One-To-One Enterprise サーバーに接続する 2 つの方法を説明します。

  1. どちらの方法を使用するかを選択します。

    • Dynamic Control Center (DCC) が IIOP ではなく POOP を使用するように変更する。

      この方法を使用する場合、手順 2に進みます。

    • すべてのクラスタノードと論理ホスト名および IP アドレスを含むようにIT_LOCAL_ADDR_LIST プロパティを設定する。

      この方法を使用しない場合は、手順 3に進みます。

  2. Dynamic Control Center (DCC) が IIOP ではなく POOP を使用するように変更します。このためには、My Computer/HKEY_CURRENT_USER/Software/BroadVision/Dynamic Control Center/4.2/Options/Use IIOP Windows レジストリエントリの値を 0 に設定します。

  3. orbix デーモンを実行するすべてのクラスタノードおよび論理ホスト名の IP アドレスを含むように IT_LOCAL_ADDR_LIST プロパティを設定します。

例 - Command Center を Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise に接続する

この例では、次のサンプル IP アドレスを使用して bv1to1.conf ファイルに追加します。

ルートホスト

10.10.102.225

バックエンドホスト

10.10.102.226

Interaction Manager ホスト

10.10.102.222

Interaction Manager ホスト

10.10.102.223

これらのサンプル IP アドレスを使って、次の行を bv1to1.conf ファイルのグローバル export セクションの下で、IT_DAEMON_PORT プロパティの前に追加します。


IT_LOCAL_ADDR_LIST = “127.0.0.1”
               + “10.10.102.222”           
               + “10.10.102.223”           
               + “10.10.102.225”           
               + “10.10.102.226”
               ;           

注 –

DCC はフェイルオーバーから回復できません。詳細については、BroadVision One-To-One Enterprise サポートに問い合わせてください。