Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters を調整するには、RAC フレームワークリソースグループ内のリソースの拡張プロパティを変更する必要があります。拡張プロパティについて詳しくは、付録 A 「Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 拡張プロパティ」を参照してください。 通常、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters リソースを作成するときには、コマンドライン scrgadm -x parameter =value を使って、拡張プロパティを設定します。 『 Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「データサービスリソースの管理」で説明されている手順を使用して、このリソースをあとで構成することもできます。
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 用の拡張プロパティの多くは、再構成プロセスのステップにタイムアウトを指定しています。 これらのタイムアウトのほとんどの最適値は、使用するクラスタ構成には依存しません。 したがって、タイムアウトをデフォルト値から変更する必要はありません。
使用するクラスタ構成に依存するタイムアウトについては、以下に説明します。 再構成プロセス中にタイムアウトが発生した場合は、これらのタイムアウトプロパティの値をクラスタ構成に適合するように増やしてください。
Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の VxVM コンポーネントの再構成ステップ 4 に必要な時間は、 VERITAS 共有ディスクグループ構成のサイズと複雑さに影響されます。 使用する VERITAS 共有ディスクグループ構成が大きいかまたは複雑で、VxVM コンポーネントの再構成がタイムアウトする場合は、VxVM コンポーネントの再構成ステップ 4 のタイムアウト値を増やしてください。
VxVM コンポーネントの再構成ステップ 4 のタイムアウト値を増やすには、SUNW.rac_cvm リソースの Cvm_step4_timeout 拡張プロパティの値を増やします。
SUNW.rac_cvm リソースタイプの拡張プロパティについて詳しくは、表 A–2 を参照してください。
# scrgadm -c -j rac_cvm -x cvm_step4_timeout=1200 |
この例では、VxVM コンポーネントの再構成ステップ 4 のタイムアウト値を 1200 秒に設定します。 この例では、VxVM コンポーネントが、rac_cvm という名前の SUNW.rac_cvm リソースタイプのインスタンスで表されるものと想定しています。
予約コマンドを実行するために必要な時間は以下の要因に影響されます。
クラスタ内の共有物理ディスクの数
クラスタ上の負荷
クラスタ内の共有物理ディスクの数が多い場合、またはクラスタの負荷が大きい場合、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の再構成がタイムアウトする可能性があります。このようなタイムアウトが発生する場合は、予約ステップのタイムアウト値を増やしてください。
予約ステップのタイムアウト値を増やすには、使用するストレージ管理スキーマ用の適切なリソースの Reservation_timeout 拡張プロパティを増やします。
ストレージ管理スキーマ |
リソース |
---|---|
クラスタ機能を備えた VxVM |
SUNW.rac_cvm |
ハードウェア RAID サポート |
SUNW.rac_hwraid |
クラスタファイルシステムを使用している場合は、予約ステップのタイムアウトは提供できません。
これらのリソースタイプの拡張プロパティの詳細は、以下をご覧ください。
# scrgadm -c -j rac_hwraid -x reservation_timeout=350 |
この例では、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の再構成の予約ステップのタイムアウト値を 350 秒に設定します。 この例では、クラスタはハードウェア RAID サポートを使用しています。 この例では、ハードウェア RAID コンポーネントが、rac_hwraid という名前の SUNW.rac_hwraid リソースタイプのインスタンスで表されるものと想定しています。
クラスタノード上の Oracle UDLM 以外のアプリケーションでは、Oracle UDLM の範囲と競合する通信ポートの範囲を使用する可能性があります。 このような競合が発生する場合は、Oracle UDLM で使用する通信ポートの範囲を変更してください。
Oracle UDLM で使用する通信ポートの範囲は、SUNW.rac_udlm リソースタイプの以下の拡張プロパティの値によって決まります。
Port 。Oracle UDLM で使用する通信ポートの番号を指定します。 Oracle UDLM で使用する通信ポート番号の範囲内の最初の番号は、Port の値です。
Num_ports。Oracle UDLM で使用する通信ポートの番号を指定します。 Oracle UDLM で使用する通信ポート番号の範囲内の最後の数字は、Port および Num_ports の値の合計です。
SUNW.rac_udlm リソースタイプの拡張プロパティの詳細については、表 A–1 を参照してください。
# scrgadm -c -j rac_udlm -x port=7000 |
この例では、Oracle UDLM で使用する通信ポート番号を 7000 に設定します。 この例では、以下のことを前提にしています。
Oracle UDLM コンポーネントは、 rac_udlm という名前の SUNW.rac_udlm リソースタイプのインスタンスによって表されます。
この例のコマンドは、使用不可の場合にだけ調整可能な拡張プロパティの変更手順の一部として実行されます。 詳細は、リソースが使用不可の場合にだけ調整可能な拡張プロパティを変更するを参照してください。
リソースが使用不可の場合にだけ調整可能な拡張プロパティを変更できる状況には制限が適用されます。このような状況は、以下のリソースタイプに依存しています。
RAC フレームワークリソースグループに含まれる各リソースを使用不可にし、RAC フレームワークリソースグループを非管理状態にします。
必ず RAC フレームワークリソースグループに含まれる他のすべてのリソースを使用不可にしてから SUNW.rac_framework リソースのインスタンスを使用不可にしてください。RAC フレームワークリソースグループ内の他のリソースは、SUNW.rac_framework リソースに依存しています。
詳細な手順については、『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「リソースを無効にし、そのリソースグループを UNMANAGED 状態に移動する 」を参照してください。
RAC フレームワークリソースグループのノードリスト内のすべてのノードをリブートします。
scrgadm ユーティリティを使って、プロパティを新しい値に設定します。
# scrgadm -c -j resource -x property=value |
拡張プロパティを変更するリソースの名前を指定します。このリソースが、scsetup ユーティリティを使って作成された場合、名前は表 2–2 に示すようにリソースタイプによって異なります。
変更する拡張プロパティの名前を指定します。
拡張プロパティの新しい名前です。
RAC フレームワークリソースグループおよびそのリソースをオンラインにします。
# scswitch -Z -g resource-group |
リソースとモニターを使用可能にし、リソースグループを 管理状態にし、オンラインにします。
管理状態に移行し、オンラインになる RAC フレームワークリソースグループの名前を指定します。このリソースグループが scsetup ユーティリティを使って作成された場合、リソースグループの名前は、rac-framework-rg です。