Sun Cluster 3.1 Data Service for Sun ONE Directory Server ガイド

Sun ONE Directory Server のインストールと構成

Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server は、Netscape Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) を使用し、Sun Cluster ソフトウェアの制御下で実行される Sun ONE Directory Server です。この節では、Sun ONE Directory Server をインストールして、Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server として実行できるようにする手順について説明します。

Sun ONE Directory Server ソフトウェアのデフォルトのインストールパラメータに変更を加える必要があります。Sun ONE Directory Server のインストールと構成を行う際には、次の点に注意してください。


注 –

Sun ONE Directory Server のインストール後、クラスタファイルシステム上にインストールされたファイルやディレクトリを削除したり、格納場所を変更したりしないでください。たとえば、Sun ONE Directory Server とともにインストールされたクライアントバイナリ ( ldapsearch など) の格納場所を変更しないでください。


Sun ONE Directory Server のインストール方法については、次の各節を参照してください。

Sun ONE Directory Server のインストール (Solaris 8 用)

この手順では、対話形式である Sun ONE または iPlanet の setup コマンドについて説明します。ここでは、Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server 固有の情報だけを提供します。適宜デフォルト値を選択するか、値を変更してください。ここでは、基本的な手順のみを説明します。詳細については、Sun ONE Directory Server のマニュアルを参照してください。

  1. クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。

  2. Sun ONE または iPlanet CD のインストールディレクトリから setup コマンドを実行します。

  3. Custom Installation を使用して Sun ONE Directory Server をインストールするメニュー項目を選択します。

    カスタムインストールを利用すると、管理サーバーの物理的なホスト名を指定できます。これにより、論理ホストが起動しているかどうかにかかわらず管理サーバーにアクセスできるようになります。

  4. インストールする場所としては、クラスタファイルシステム上の場所を選択します (例:/global/nsldap)。

  5. ネットワークリソースとそのマシンのドメインを選択します (例: schost-1.eng.sun.com)。

    setup コマンドにより完全サーバー名の入力を求めるプロンプトが表示されたら、ネットワークリソースに関連付けられているホスト名を指定します。


    注 –

    Sun ONE Directory Server のインストールを実行するノード上でオンラインになっている論理ホストを指定してください。このノードで論理ホストがオンラインになっていないと、インストールの終了後に自動的に Sun ONE Directory Server が起動したときに障害が発生します。


  6. Sun ONE Directory Server Administrative Server として使用する IP アドレスの入力を求めるプロンプトが表示されたら、クラスタノードの IP アドレスを指定します。

インストールの一部として、Sun ONE Directory Server Administrative Server の設定も行います。このサーバー用に指定する IP アドレスは、フェイルオーバーする論理ホスト名ではなく、物理クラスタノードの IP アドレスである必要があります。

次の作業

ネットワークリソースを構成して起動したら、Sun ONE Directory Server の構成へ進みます。

Sun ONE Directory Server のインストール (Solaris 9 用)

Sun ONE Directory Server は Solaris 9 オペレーティングシステムにバンドルされています。Solaris 9 を使用する場合は、Solaris 9 CD を使用して Sun ONE Directory Server をインストールします。

  1. Sun ONE Directory Server パッケージ (iPlanet Directory Server という名前になっている場合もあります) をすべてのクラスタノードにインストールします。

  2. グローバルファイルシステム上で、すべてのディレクトリサーバーの保守を行う場所を特定します (/global/nsldap など)。

    必要であれば、保守用のファイルシステムとして異なるディレクトリも作成できます。

  3. すべてのノード上で、/var/ds5 から当該ディレクトリへのリンクを作成します。/var/ds5 がすでにノード上に存在する場合、それを削除してからリンクを作成します。


    # rmdir /var/ds5
    
    # ln -s /global/nsldap /var/ds5
    
  4. 任意の 1 つのノード上で、ディレクトリサーバーを通常の方法で設定します。


    # directoryserver setup
    

    このノード上では、リンク /usr/iplanet/ds5/slapd-<instance-name> が自動的に作成されます。その他のすべてのノード上では、リンクを手動で作成します。

    次の例では、dixon-1 はディレクトリサーバーインスタンスの名前です。


    # ln -s /var/ds5/slapd-dixon-1 /usr/iplanet/ds5/slapd-dixon-1
    
  5. setup コマンドがサーバー名を問い合わせたときは、論理ホスト名を指定します。

    この手順は、フェイルオーバーが正しく機能するために必要です。


    注 –

    指定する論理ホストは、directoryserver setup コマンドを実行したノード上でオンラインである必要があります。このノードで論理ホストがオンラインになっていないと、インストールの終了後に自動的に Sun ONE Directory Server が起動したときに障害が発生します。


  6. 論理ホスト名の問い合わせに対して、コンピュータ名として論理ホスト名とドメインを一緒に指定します (schost-1.eng.sun.com など)。

    setup コマンドが完全なサーバー名を問い合わせたときは、ネットワークリソースに関連するホスト名を指定します。

  7. Sun ONE Directory Server Administrative Server として使用する IP アドレスの問い合わせに対して、directoryserver setup を実行しているクラスタノードの IP アドレスを指定します。

インストールの一部として、Sun ONE Directory Server Administrative Server の設定も行います。このサーバー用に指定する IP アドレスは、フェイルオーバーする論理ホスト名ではなく、物理クラスタノードの IP アドレスである必要があります。

次の作業

ネットワークリソースを構成して起動したら、Sun ONE Directory Server の構成へ進みます。

Sun ONE Directory Server の構成

次の作業

Sun Cluster Agents CD-ROM からSun ONE Directory Server のデータサービスパッケージをまだインストールしていない場合は、Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server パッケージのインストール へ進みます。パッケージがインストールされている場合は、Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server の構成の完了へ進みます。