この節で説明する手順を使用して、以下の操作を行います。
ノードの準備
Sybase ASE ソフトウェアをインストールします。
Sybase ASE インストールの確認
Sun Cluster HA for Sybase ASE を構成する前に、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』に記載されている手順に従って、各ノードで Sun Cluster ソフトウェアを構成する必要があります。
この手順では、Sybase ASE ソフトウェアのインストールに先立ってノードをどのように準備する必要があるかを説明します。
この作業のすべての手順をすべてのノードで実行してください。すべてのノードでこれらの手順がすべて実行されないと、Sybase ASE インストールが完全に行われず、Sun Cluster HA for Sybase ASE は起動に失敗します。
この手順を始める前に、Sybase ASE のマニュアルを参照してください。
すべてのノードでスーパーユーザーになります。
/etc/nsswitch.conf ファイルを次のように構成します。これによって、スイッチオーバーやフェイルオーバーが起こったときに Sun Cluster HA for Sybase ASE の起動と停止が正しく行われます。
Sun Cluster HA for Sybase ASE が動作する論理ホストをマスターできる各ノードで、次の group エントリのどれかを /etc/nsswitch.conf ファイルに指定します。
group: group: files [NOTFOUND=return] nis group: files [NOTFOUND=return] nisplus |
Sun Cluster HA for Sybase ASE は、su user コマンドを使用してデータベースノードの起動や停止を行います。
クラスタノードのパブリックネットワークに障害が発生すると、ネットワーク情報ネームサービスが使用不能になることがあります。group に上のどれかのエントリが追加されていると、su(1M) コマンドは、NIS/NIS+ ネームサービスが使用不能ならそのネットワーク情報ネームサービスを参照しません。
Sun Cluster HA for Sybase ASE 用のクラスタファイルシステムを構成します。
データベースを raw デバイスに格納する場合は、広域デバイスを raw デバイスアクセス用に構成します。広域デバイスの構成方法については、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』を参照してください。
Solstice DiskSuiteTM/Solaris Volume Manager ソフトウェアを使用する場合は、ミラー化メタデバイスか raw ミラー化メタデバイス上の UNIX ファイルシステム (UFS) ロギングを使用するように Sybase ASE ソフトウェアを構成する必要があります。raw ミラー化メタデバイスの構成方法については、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager のマニュアルを参照してください。
ローカルディスクか多重ホストディスクに SYBASE_HOME ディレクトリを作成します。
Sybase ASE バイナリをローカルディスクにインストールする場合は、できるだけ別のディスクを使用してください。Sybase ASE バイナリを別のディスクにインストールすると、オペレーティング環境の再インストール時にバイナリが上書きされるのを防止できます。
各ノードの /etc/group ファイルにデータベース管理者 (DBA) グループのエントリを作成し、予定するユーザーをこのグループに追加します。
root と sybase ユーザーが dba グループのメンバーになっているか確認し、必要に応じてほかの DBA ユーザーのエントリを追加します。このグループ ID は、Sun Cluster HA for Sybase ASE が動作するどのノードでも同じでなければなりません。次は、その例です。
dba:*:520:root,sybase |
グループエントリをネットワークネームサービスに作成することができます。その場合には、ネットワークネームサービスに依存するのを避けるために、これらのエントリをローカルの /etc/group ファイルにも追加します。
各ノードで、Sybase システム管理者のエントリを作成します。
次のコマンドでは、/etc/passwd と /etc/shadow ファイルを Sybase システム管理者のエントリで更新します。
# useradd -u 120 -g dba -d /Sybase-home sybase |
sybase ユーザーエントリは、Sun Cluster HA for Sybase ASE が動作するどのノードでも同じでなければなりません。
Sybase ASE ソフトウェアをインストールする手順は次のとおりです。
クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。
Sybase ASE インストールの要件に注意します。
Sybase ASE バイナリは、次のどちらにインストールすることもできます。
クラスタノードのローカルディスク
高可用性ローカルファイルシステム
クラスタファイルシステム
Sybase ASE ソフトウェアをクラスタファイルシステムにインストールする場合は、まず、Sun Cluster ソフトウェアを起動し、ディスクデバイスグループの所有者になる必要があります。
Oracle ソフトウェアをどこにインストールするかについては、Sun Cluster HA for Sybase ASE インストールの準備を参照してください。
ネットワークとアプリケーションのリソースを格納するためのフェイルオーバーリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g resource-group [-h nodelist] |
リソースグループの名前を指定します。どのような名前でもかまいませんが、クラスタ内のリソースグループごとに一意である必要があります。
潜在マスターを識別するための名前または ID をコンマで区切ったリストを指定します (オプション)。フェイルオーバー時に Resource Group Manager (RGM) が主ノードとして選択する順番がこのリスト上のノードの順序で決まります。
ノードリストの順序を指定する場合は、-h オプションを使用します。クラスタのすべてのノードがマスターになり得るのであれば、-h オプションを指定する必要はありません。
Sun Cluster HA for Sybase ASE で使用するすべてのネットワークリソースが /etc/inet/hosts ファイルまたはネームサービス (NIS、NIS+) データベースに追加されていることを確認します。
ネットワークリソース (論理ホスト名または共有アドレス) をフェイルオーバーリソースグループに追加します。
# scrgadm -a -L -g resource-group -l logical-hostname [-n netiflist] |
ネットワークリソースを指定します。ネットワークリソースは、クライアントが Sun Cluster HA for Sybase ASE にアクセスするために使用する論理ホスト名または共有アドレス (IP アドレス) です。
各ノード上の IP Networking Multipathing グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。 netiflist に指定する各要素の形式は、netif@node でなければなりません。netif には、IP Networking Multipathing グループ名を指定できます (たとえば、sc_ipmp0)。ノードには、ノード名かノード ID を指定できます (たとえば、sc_ipmp0@1 や sc_ipmp@phys-schost-1 )。
現在、Sun Cluster では、netif にアダプタ名を使用することはできません。
scswitch(1M) コマンドを実行して次の作業を行います。
リソースと障害の監視を有効にします。
リソースグループを管理状態にします。
リソースグループをオンラインにします。
# scswitch -Z -g resource-group |
作成したばかりのリソースグループをマスターするノード上で、sybase としてログインします。
Sybase バイナリのインストールは、対応する論理ホストが動作しているノードで実行する必要があります。
Sybase ASE ソフトウェアをインストールします。
Sybase ASE ソフトウェアをどこにインストールする場合でも、Sybase ASE の標準的なインストール手順を使用する場合と同じように、各ノードの /etc/system ファイルを変更する必要があります。Sybase ASE ソフトウェアのインストール手順については、Sybase のインストールと構成のマニュアルを参照してください。
どの Sybase サーバーでも、ホスト名の指定を求められた時にはネットワークリソースに関連付けられたホスト名を入力してください。
Sybase ASE ソフトウェアをインストールしたなら、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager を使用する場合は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager による Sybase ASE データベースアクセスを構成するに進みます。VERITAS Volume Manager (VxVM) を使用する場合は、VERITAS Volume Manager による Sybase ASE データベースアクセスを構成する に進みます。
Sybase ASE ソフトウェアのインストールを確認する手順は次のとおりです。