この節では、Sun Cluster データサービスを構成するためのガイドラインを説明します。
Solaris と Sun Cluster のインストールを開始する前に、すべてのデータサービスの要件を確認します。計画に不備があった場合、インストールエラーが発生し、Solaris や Sun Cluster ソフトウェアを完全にインストールし直す必要が生じる可能性もあります。
たとえば、Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションには、ユーザーがクラスタ内で使用するホスト名に関する特殊な要件があります。 Sun Cluster HA for SAP にも特殊な要件があります。Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後にホスト名は変更できないため、このような必要条件は Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に調整しておく必要があります。
アプリケーションソフトウェアおよびアプリケーション構成ファイルは、次のいずれかの場所にインストールできます。
各クラスタノードのローカルディスク – ソフトウェアと構成ファイルを個々のクラスタノードに配置すると、次のようなメリットが得られます。あとでアプリケーションを更新する場合に、サービスを停止することなく実施できます。
ただし、ソフトウェアや構成ファイルの異なるコピーが存在するため、保守や管理をするファイルが増えるという欠点があります。
クラスタファイルシステム – アプリケーションバイナリをクラスタファイルシステムに格納した場合、保守や管理をするコピーが 1 つだけになります。しかし、アプリケーションソフトウェアをアップグレードするには、クラスタ全体でデータサービスを停止する必要があります。アップグレード時に多少の時間停止できるようであれば、アプリケーションおよび構成ファイルの 1 つのコピーをクラスタファイルシステムに格納するようにしてください。
クラスタファイルシステムの作成については、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』の計画に関する章を参照してください。
高可用性ローカルファイルシステム - HAStoragePlus を使用すると、ローカルファイルシステムを Sun Cluster 環境に統合して、ローカルファイルシステムの可用性を高めることができます。HAStoragePlus は、Sun Cluster でローカルファイルシステムのフェイルオーバーを行うための付加的なファイルシステム機能 (チェック、マウント、強制的なマウント解除など) も提供します。フェイルオーバーを行うには、アフィニティスイッチオーバーが有効な広域ディスクグループ上にローカルファイルシステムが存在していなければなりません。
HAStoragePlus リソースタイプを使用する方法については、各データサービスの章、または 高可用性ローカルファイルシステムの有効化を参照してください。
nsswitch.conf ファイルは、ネームサービスの検索用の構成ファイルです。このファイルは次の情報を指定します。
ネームサービスの検索に使用する Solaris 環境内のデータベース
データベースの検索順序
一部のデータサービスについては、「group」検索の対象の先頭を「files」に変更してください。具体的には、nsswitch.conf ファイル内の「group」行を変更し、「files」エントリが最初にリストされるようにします。「group」行を変更するかどうかを判断するには、構成するデータサービスに関する章を参照してください。
Sun Cluster 環境の nsswitch.conf ファイルの構成方法については、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』の計画に関する章を参照してください。
データサービスによっては、Sun Cluster の要件を満たす必要があります。特別な検討事項が必要かどうかを判断するには、そのデータサービスに関する章を参照してください。
リソースタイプ HAStoragePlus を使用すると、フェイルオーバー用に構成された Sun Cluster 環境で高可用性ローカルファイルシステムを使用できます。HAStoragePlus リソースタイプの設定方法については、高可用性ローカルファイルシステムの有効化を参照してください。
クラスタファイルシステムの作成については、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』の計画に関する章を参照してください。