このマニュアルでは、SunTM Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアに関する次の情報を説明します。
Sun Cluster 3.1 10/03 データサービスについては、『Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 ご使用にあたって』を参照してください。
この節では、Sun Cluster 3.1 10/03 で新しく追加された機能と、サポートされている製品について説明します。
クラスタ再構成通知プロトコル (CRNP: Cluster Reconfiguration Notification Protocol) は、Sun Cluster 再構成イベントの通知対象アプリケーションを登録し、非同期通知を受信できるようにする機構です。クラスタで実行中のデータサービスとクラスタ以外で実行中のアプリケーションの両方をイベント通知の対象として登録できます。通知内容は、クラスタメンバーシップ、リソースグループ、リソースの状態の変更などです。
ディスクパスの監視機能 (DPM: Disk-Path Monitoring) では、システム管理者に、主パスと副パスのディスクパス障害を通知できます。 ディスクパス障害検出機構は、クラスタイベントフレームワークからイベントを生成し、ユーザーの介入を許可します。
プライベートインターコネクトを介してノード単位の論理 IP アドレス宛てに送信された IP トラフィックをストライプ化する機能です。TCP トラフィックは接続単位でストライプ化されます。UDP トラフィックはパケット単位でストライプ化されます。
Sun の eRAS ナレッジエンジンと sccheck(1M) が統合され、構成の「脆弱性」を検出する機能が大幅に改良されました。新しい sccheck では、既存の多くの eRAS チェックを利用して、構成の脆弱なポイントを検出できます。検出結果は、ノード単位、クラスタ単位で脆弱性レポートにまとめられます。
クラスタの管理および操作に対して、役割ベースのアクセス制御 (RBAC: Role Based Access Control) を適用できます。
Sun Cluster 機能を拡張して、シングルノードクラスタをサポートできるようにします。
開発者は、Sun ONE Studio の開発環境を使用してエージェントを作成できます。
scinstall(1M) では、新しいクラスタの全ノードを単一の制御ポイントからインストールすることができます。この機能は、Solaris Web Start インストールツールと互換性があります。
5 ヶ国語に翻訳された Sun Cluster コンポーネントを使用できます。これらの地域化されたコンポーネントは、Web Start プログラムでインストールできます。詳細は、『Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』を参照してください。
言語 |
地域化された Sun Cluster コンポーネント |
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フランス語 |
インストール Cluster Control Panel (CCP) Sun Cluster ソフトウェア Sun Cluster データサービス Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール SunPlex Manager Sun Cluster データサービス |
日本語 |
インストール Cluster Control Panel (CCP) Sun Cluster ソフトウェア Sun Cluster データサービス Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール SunPlex Manager Sun Cluster のマニュアルページ Cluster Control Panel のマニュアルページ Sun Cluster Data Service のマニュアルページ |
中国語簡体字 |
インストール Cluster Control Panel (CCP) Sun Cluster ソフトウェア Sun Cluster データサービス Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール SunPlex Manager |
中国語繁体字 |
インストール Cluster Control Panel (CCP) Sun Cluster ソフトウェア Sun Cluster データサービス Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール SunPlex Manager |
韓国語 |
インストール Cluster Control Panel (CCP) Sun Cluster ソフトウェア Sun Cluster データサービス Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール SunPlex Manager |
データサービスの拡張については、『Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 ご使用にあたって』を参照してください。
この節では、Sun Cluster 3.1 10/03 でサポートされるソフトウェアとメモリーの必要条件について説明します。
オペレーティング環境とパッチ – サポートされる Solaris のバージョンとパッチは次の URL で入手できます。
詳細は、パッチと必須ファームウェアのレベルを参照してください。
ボリューム管理ソフトウェア
Solaris 8 の場合 – Solstice DiskSuiteTM 4.2.1 と VERITAS Volume Manager 3.2 および 3.5
Solaris 9 の場合 – Solaris Volume Manager と VERITAS Volume Manager 3.5
VERITAS Volume Manager (VxVM) 3.2 から 3.5 へアップグレードする場合は、バージョン 3.5 用に CVM ライセンスキーをインストールするまでは Cluster Volume Manger (CVM) 機能を利用することはできません。VxVM 3.5 では、バージョン 3.2 の CVM ライセンスキーによって CVM が有効になることはありません。バージョン 3.2 の CVM ライセンスキーはバージョン 3.5 の CVM ライセンスキーにアップグレードする必要があります。
ファイルシステム
Solaris 8 の場合 – Solaris UFS と VERITAS File System 3.4 および 3.5
Solaris 9 の場合 – Solaris UFS と VERITAS File System 3.5
データサービス (エージェント) – サポートされるデータサービスについては、『Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 ご使用にあたって』を参照してください。
Sun Cluster 3.1 10/03 での Sun Cluster 3.0 データサービスの実行は、Sun Cluster 3.1 10/03 での Sun Cluster HA for Oracle 3.0 の実行に注記がある場合を除き、可能です。
メモリーの条件 – Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアでは、通常の負荷を想定して構成されているノードに対しては、メモリーを追加する必要があります。追加するメモリーは 128M バイト + 10% となります。たとえば、スタンドアロンのノードに通常 1G バイトのメモリーが必要な場合、Sun Cluster 3.0 のメモリーの必要条件を満たすには 256M バイトを追加する必要があります。
RSMAPI –Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアは、RSM タイプのインターコネクト (PCI-SCI など) で Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) をサポートします。
Sun Cluster 3.1 10/03 リリースには、次の制限が適用されます。
その他の既知の問題および制限については、既知の問題点とバグを参照してください。
マルチホストのテープ、CD-ROM、および DVD-ROM はサポートされません。
代替パス (Alternate Pathing =AP) はサポートされません。
指定のクラスタノードから格納装置までのパスが複数あるストレージデバイスはサポートされません。ただし、次のストレージデバイスは例外です。
Sun StorEdgeTM A3500 (2 つあるノードそれぞれに対するパスがサポートされている場合)
Sun StorEdge Traffic Manager をサポートするデバイス
EMC PowerPath ソフトウェアを使用する EMC ストレージデバイス
Sun EnterpriseTM 420R サーバーを使用し、スロット J4701 に PCI カードを挿入している場合、マザーボードはダッシュレベル 15 以上 (501-5168-15 以上) である必要があります。マザーボードのパーツ番号とリビジョンレベルを確認するには、PCI スロット 1 に最も近いボードの端を調べます。
Sun Enterprise 10000 サーバーのボードのスロット 0 に UDWIS 入出力カードを設置すると、クラスタでシステムパニックが発生します。このサーバーのボードのスロット 0 には、UDWIS 入出力カードを設置しないでください。
定足数デバイスに対するノード接続の数を増減させる場合、定足数が自動的に再計算されることはありません。すべての定足数デバイスをいったん削除し、その後それらを構成に追加し直すと、正しい定足数が再設定されます。
SunVTSTM はサポートされません。
IPv6 はサポートされません。
マニュアルには、トランスポートタイプとしてリモート共有メモリー (RSM: Remote Shared Memory) が記載されていますが、これはサポート対象外です。RSMAPI を使用する場合は、トランスポートタイプとして dlpi を指定します。
SCI (SBus Scalable Coherent Interface) は、クラスタインターコネクトとしてはサポートされません。ただし、PCI-SCI インタフェースはサポートされています。
論理ネットワークインタフェースは、Sun Cluster ソフトウェア用として予約されています。
クライアントノードで実行されるクライアントアプリケーションを、HA データサービスの論理 IP アドレスにマップしてはいけません。フェイルオーバー中、このような論理 IP アドレスは存在しなくなり、クライアントが切断されたままになる可能性があります。
VERITAS Volume Manager (VxVM) 3.2 から 3.5 へアップグレードする場合は、バージョン 3.5 用に CVM ライセンスキーをインストールするまでは Cluster Volume Manger (CVM) 機能を利用することはできません。VxVM 3.5 では、バージョン 3.2 の CVM ライセンスキーによって CVM が有効になることはありません。バージョン 3.2 の CVM ライセンスキーはバージョン 3.5 の CVM ライセンスキーにアップグレードする必要があります。
メディエータを使用した Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager の構成では、1 つのディスクセットに構成するメディエータホストの数は、必ず 2 つでなければなりません。
DiskSuite Tool (Solstice DiskSuite metatool) と Solaris Management Console の拡張ストレージモジュール (Solaris Volume Manager) は、Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアと互換性がありません。
VxVM 3.2 以上では、VxVM のインストール時に scvxinstall コマンドを使用して DMP (Dynamic Multipathing) を無効にすることはできません。この手順については、『 Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』の「VERITAS Volume Manager のインストールと構成」を参照してください。Veritas Dynamic Multipathing を使用できる構成は、次のとおりです。
ノードからクラスタの共有ストレージまでの I/O パスが 1 つ。
ノードから共有クラスタストレージまでの I/O パスを 2 つ以上管理できる、サポート対象のマルチパスソリューション (Sun Traffic Manager、EMC PowerPath、Hiatchi HDLM)。
VxVM を Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアで使用する場合、単一のルートディスクグループ (ルートディスクの単一スライス上に作成された rootdg) はディスクタイプとしてサポートされません。
ソフトウェア RAID 5 はサポートされません。
クラスタファイルシステムでは Quotas はサポートされません。
Sun Cluster 3.1 10/03 では、クラスタノード上でのループバックファイルシステム (LOFS) の使用はサポートされません。
umount -f コマンドは、-f オプションのない umount と同じ結果になります。つまり、強制的なマウント解除はサポートされません。
unlink(1M) は、空でないディレクトリに対してはサポートされません。
lockfs -d コマンドはサポートされません。代わりに lockfs -nを使用してください。
Solaris ソフトウェアのファイルシステムには、ファイルシステム名前空間に通信エンドポイントを指定する機能がありますが、クラスタファイルシステムではこの機能はサポートされません。したがって、名前がクラスタファイルシステムへのパス名である UNIX ドメインソケットは作成できますが、ノードにフェイルオーバーが発生したとき、このソケットは生き残ることができません。さらに、クラスタファイルシステム上で作成した FIFO または名前付きパイプはグローバルにアクセスできなくなり、ローカルノード以外の任意のノードから fattach を使用する必要があります。
forcedirectio マウントオプションを使用してマウントされたクラスタファイルシステムから、バイナリを実行することはできません。
クラスタファイルシステムをマウントし直すとき、 directio マウントオプションは指定できません。
directio ioctl を使用して、directio マウントオプションを単一ファイルに設定することはできません。
次の VxFS 機能は Sun Cluster 3.1 10/03 構成ではサポートされません。
クイック入出力
スナップショット
記憶装置チェックポイント
キャッシュアドバイザリ (この機能の使用は可能だが、効果が認められるのは特定のノードに限られる)
VERITAS CFS (VERITAS クラスタ機能と VCS が必要)
その他のクラスタ構成でサポートされる VxFS の機能とオプションはすべて、Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアでサポートされます。VxFS オプションがクラスタ構成でサポートされるかどうかについては、VxFS のマニュアルとマニュアルページを参照してください。
次に示す VxFS 固有のマウントオプションは、Sun Cluster 3.1 10/03 構成ではサポートされません。
convosync (O_SYNC に変換)
mincache
qlog、delaylog、tmplog
Sun Cluster 構成での VxFS クラスタファイルシステムの管理については、『 Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「Cluster ファイルシステムの管理の概要」を参照してください。
この節では、IP ネットワークマルチパスの使用に関する制限の中で Sun Cluster 3.1 10/03 環境にだけ適用される制限 (IP ネットワークマルチパス用の Solaris ドキュメントに示されている情報と異なる制限事項) を示します。
IPv6 はサポートされません。
パブリックネットワークアダプタはすべて、IP ネットワークマルチパスグループ内に存在しなければなりません。
/etc/default/mpathd ファイル内で TRACK_INTERFACES_ONLY_WITH_GROUPS を「yes」から「no」に変更することは避けてください。
IP ネットワークマルチパス用の Solaris ドキュメントに示されている手続き、ガイドライン、および制限事項のほとんどは、クラスタ環境と非クラスタ環境のどちらであるかにかかわらず同じです。このため、IP ネットワークマルチパスの制限事項に関するその他の情報については、該当する Solaris ドキュメントを参照してください。
オペレーティング環境のリリース |
参照箇所 |
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Solaris 8 オペレーティング環境 |
『IP ネットワークマルチパスの管理』 |
Solaris 9 オペレーティング環境 |
『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』内の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 |
クラスタノードをルーター (ゲートウェイ) に構成しないでください。システムがダウンした際にクライアントが代替ルーターを探すことができず、回復できません。
クラスタノードを NIS や NIS+ のサーバーに構成しないでください。ただしクラスタノードを NIS や NIS+ のクライアントにすることは可能です。
Sun Cluster を高可用性起動の提供や、クライアントシステムへのサービスのインストールを行うように構成しないでください。
Sun Cluster を rarpd サービスを提供するように構成しないでください。
クラスタに RPC サービスをインストールする場合、サービスはプログラム番号 100141、10014、および 100248 を使用できません。これらの番号は、Sun Cluster デーモン rgmd_receptionist 、fed、および pmfd 用に予約されています。これらのプログラム番号を使用する RPC サービスをインストールした場合は、別のプログラム番号を使用するように変更する必要があります。
現時点では、SNDR (Sun StorEdge Network Data Replicator) は HAStorage でのみ使用可能です。この制限は、SNDR が複製に使用する論理ホストを含む軽量リソースグループにしか適用されません。アプリケーションリソースグループは、現在のリリースでも SNDR と HAStoragePlus を併用できます。SNDR リソースグループに HAStorage を使用し、アプリケーションリソースグループに HAStoragePlus を使用するという方法で、HAStoragePlus と SNDR によるフェイルオーバーファイルシステムを実現できます。この場合、HAStorage リソースと HAStoragePlus リソースは、このシステムにおける同じ DCS デバイスをポイントすることになります。SNDR を HAStoragePlus と併用できるように、現在パッチの開発が進められています。
クラスタノードでの高優先度プロセススケジューリングクラスの実行はサポートされません。タイムシェアリング (時分割) スケジューリングクラスで高い優先度で実行されるプロセス、またはリアルタイムスケジューリングクラスで実行されるプロセスは、クラスタノードで実行しないでください。Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアでは、リアルタイムスケジューリングクラスを必要としないカーネルスレッドが使用されます。通常以上の優先度で動作するタイムシェアリングプロセスや、リアルタイムプロセスがあると、Sun Cluster カーネルスレッドが必要とする CPU サイクルがそれらのプロセスによって奪われることがあります。
Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアを利用して提供できるサービスは、Sun Cluster と共に提供されているデータサービスか、Sun Cluster データサービス API を使用して設定されたデータサービスだけです。
Sun Cluster ソフトウェアは、現時点では、sendmail(1M) サブシステム用 HA データサービスを提供しません。sendmail サブシステムを個々のクラスタノードで実行することは認められていますが、sendmail の機能 (メールの配信、経路設定、待ち行列化、再試行など) は HA 対応ではありません。
特定のデータサービスについては、『Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 ご使用にあたって』を参照してください。
Sun Cluster HA for Oracle 3.0 データサービスを Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェア上で実行できるのは、次に示す Solaris オペレーティング環境バージョンで使用する場合だけです。
Solaris 8、32 ビットバージョン
Solaris 8、64 ビットバージョン
Solaris 9、32 ビットバージョン
64 ビットバージョンの Solaris 9 で使用する場合には、Sun Cluster HA for Oracle 3.0 データサービスを Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェア上で実行できません。
次に示す既知の問題とバグは、Sun Cluster 3.1 10/03 リリースの処理に影響を与えます。最新情報については、http://docs.sun.com に挙げられているオンラインの『 Sun Cluster 3.1 10/03 Release Notes Supplement』を参照してください。
問題の概要:/etc/mnttab ファイルに、グローバルにマウントされている VxFS ファイルシステムの最新の largefile 状態が示されない。
回避方法: fsadm コマンドを使用し、(/etc/mnttab エントリではなく) ファイルシステムの largefile 状態を確認してください。
問題の概要:qfe アダプタを終端としたプライベートインターコネクトのトランスポートパスがオンラインにならない場合がある。
scstat -W を実行し、エラーの起きたアダプタを確認します。すべてのトランスポートパスが表示され、エラーの起きたアダプタが faulted 状態または waiting 状態にあるパス終端の 1 つとして示されます。
scsetup を実行し、そのアダプタに接続されているケーブルをすべてクラスタ構成から削除します。
scsetup をもう一度使用して、そのアダプタをクラスタ構成から削除します。
アダプタとケーブルを追加し直します。
パスが表示されるか確認します。問題が継続する場合は、手順 1 から 5 の作業を数回繰り返してください。
パスが表示されるか確認します。問題がまだ継続する場合は、エラーの起きたアダプタを使用してノードを再起動します。ノードを再起動する前に、残りのクラスタがノードを再起動しても生き残れるだけの十分な定足数を持っていることを確認します。
問題の概要:スパースファイル内でブロック割り当てのための書き込み処理を行なったあと、ファイルのブロックカウントがクラスタノード全体で矛盾した状態になる場合がある。クラスタノード全体におけるこのブロック不整合は、UFS (または VxFS 3.4) でレイヤー化されたクラスタファイルシステムの場合には 30 秒ほどで解決される。
回避方法: inode を更新するファイルメタデータ処理 (修正など) では、st_blocks 値と同期をとる必要があります。これは、後続のメタデータ処理で st_blocks 値の一貫性を維持するためです。
問題の概要:Sun Cluster HA for Oracle データサービスは、データベースの起動および終了に su コマンドを使用する。クラスタノードのパブリックネットワークに障害が発生すると、ネットワークサービスが使用不能になることがある。
回避方法: Solaris 9 の場合、ネットワーク障害の発生時にデータサービスの開始および終了が正常に行われるように、/etc/nsswitch.conf ファイルの内容を変更します。
oracle_server または oracle_listener リソースの主ノードになることができる各ノード上で、/etc/nsswitch.conf ファイルを編集します。具体的には、passwd、group、publickey、および project データベースのエントリを追加します。
passwd: files
group: files
publickey: files
project: files
問題の概要:fuser コマンドによってどのノードにもユーザーは存在しないと報告される場合でも、クラスタファイルシステムのマウント解除が失敗することがある。
回避方法: そのファイルシステムに対する非同期入出力がすべて完了したあとでマウント解除の操作をもう一度行なってください。
問題の概要:Sun Cluster HA-Siebel エージェントが個々の Siebel コンポーネントを監視しない。Siebel コンポーネントの障害が検出された場合、syslog には警告メッセージしか記録されない。
回避方法: コマンド scswitch -R -h node-g resource_group を使用し、コンポーネントがオフラインになっている Siebel サーバーリソースグループを再起動してください。
問題の概要:新しく追加したノードに Sun Cluster の RAC サポートをインストールすると、Oracle RAC インスタンスを使用できなくなる。
回避方法: Oracle RAC サポートを実行しているクラスタにノードを追加した後も Oracle RAC データベースを引き続き使用したい場合は、特別なインストール手順を実行します。以下の例では、ノード 1、2、および 3 で Oracle RAC を実行しながら、3 ノードクラスタから 4 ノードクラスタへ移行する方法を示します。
新しいノード (ノード 4) に Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。
注:この時点では、まだ RAC サポートパッケージをインストールしません。
新しいノードを再起動してクラスタに結合します。
新しいノードをクラスタに結合したなら、Oracle RAC データベースを実行中のいずれか 1 つのノード (この例ではノード 1) で、Oracle RAC データベースを停止します。
このノード (ノード 1) を再起動します。
ノード (ノード 1) が回復したなら、このノード上で Oracle データベースを起動し、データベースサービスを再開します。
データベースの負荷を単一のノードで処理できる場合は、残りのノード (ノード 2 および 3) 上のデータベースを停止して、これらのノードを再起動します。データベースの負荷をサポートするために複数のノードが必要な場合は、手順 3 から 5 のように 1 つずつノードの再起動を行います。
すべてのノードの再起動が完了したなら、新しいノード上に Oracle RAC サポートパッケージをインストールします。
問題の概要:remove スクリプトが SUNW.gds リソースタイプの登録解除に失敗し、次のメッセージを表示する。
Resource type has been un-registered already.
回避方法: remove スクリプトを使用したあとで、SUNW.gds の登録を手動で解除してください。あるいは、scsetup コマンドか SunPlex Manager を使用することもできます。
問題の概要:Solaris の shutdown コマンドまたはこのコマンドに類似したコマンド (uadmin など) を使用してクラスタノードを停止すると、ノードパニックが起きて次のメッセージが表示されることがある。
CMM: Shutdown timer expired. Halting.
回避方法: Sun のサービス担当者に連絡してサポートを受けてください。このパニックは、停止するノードによって管理されていたサービスをクラスタ内のほかのノードに安全に引き継がせるために必要なものです。
問題の概要:プライベートインターコネクトに ce アダプタを使用するクラスタでは、1 つ以上のクラスタノードが 5 個以上のプロセッサを搭載していると、パスのタイムアウトとそれに引き続くノードパニックが発生する場合がある。
回避方法: ce ドライバに ce_taskq_disable パラメータを設定する必要があります。すべてのクラスタノード上の /etc/system ファイルに set ce:ce_taskq_disable=1 という行を追加し、続いてそれらのクラスタノードを再起動してください。これによりハートビート (およびその他のパケット) が常に割り込みコンテキストで配布され、パスのタイムアウトと後続のノードパニックが防止されます。クラスタノードを再起動する間は、定足数に関連するメッセージに注意してください。
問題の概要:scrgadm は、IPMP (NAFO) グループのサブネットとは別のサブネットに所属する論理ホスト名/共有アドレスのホスティングを許可しない。
回避方法: 次の形式の scrgadm コマンドを使用します。
scrgadm -a -j <resource> -t <resource_type> -g <resource_group> -x HostnameList=<logical_hostname> -x NetIfList=<nafogroup>@<nodeid> .
NetIfList には、ノード名ではなくノード ID を指定します。
問題の概要:ファイルシステムのフェイルオーバーまたはスイッチオーバーが失敗すると、そのファイルシステムがエラー状態になることがある。
回避方法: ファイルシステムのマウントを解除して、マウントし直します。
問題の概要:ノードがクラスタに追加される際にデバイスグループのスイッチオーバーが進行していると、追加されるノードとスイッチオーバー処理がハングアップする可能性がある。また、デバイスサービスに対するアクセスも停止する。この状況は、ノードが 3 つ以上存在し、デバイス上にマウントされたファイルシステムのタイプが VxFS であるというクラスタで発生しやすい。
回避方法: この状況を防止するには、ノードがクラスタに追加される間にデバイスグループのスイッチオーバーを開始しないようにしてください。この状況が発生した場合は、デバイスグループに対するアクセスを復旧させるためにすべてのクラスタノードを再起動する必要があります。
問題の概要:SunPlex Manager には、クラスタ上で高可用性 DNS サービスを設定するデータサービスインストールウィザードが付属している。ユーザーが既存の DNS 構成 (named.conf ファイルなど) を指定しないと、ウィザードは既存のネットワークおよびネームサービス構成を自動検出して、有効な DNS 構成を生成しようとする。ところが、ネットワーク環境によってはこの処理が行われず、ウィザードがエラーメッセージなしでエラー状態になる。
回避方法: SunPlex Manager DNS データサービスインストールウィザードでプロンプトが表示されたなら、既存の有効な named.conf ファイルを指定してください。 クラスタ上で高可用性 DNS を手動構成することもできます。この場合は、文書化された DNS データサービスの手順に従ってください。
問題の概要:SunPlex Manager には、Oracle バイナリのインストールおよび構成、ならびにクラスタ構成の作成によってクラスタ上に高可用性 Oracle サービスを設定するデータサービスインストールウィザードが付属している。しかし、このウィザードは現在機能していない。このため、ユーザーのソフトウェア構成によって、さまざまなエラーが発生する。
回避方法: クラスタ上での Oracle データサービスのインストールおよび構成は、手動で行います。手順は、Sun Cluster のマニュアルに記載されています。
問題の概要:ノードの停止や再起動時に、ノードがハングして、停止または再起動のプロセスを完了できなくなることがある。システムは次のメッセージを発行してハングする。 Failfast: Halting because all userland daemons all have died.
回避方法: ノードの停止または再起動の前に次のコマンドを実行します。 psradm -f -a :
ノードを停止する場合:
# scswitch -S -h <node>
# psradm -f -a
# shutdown -g0 -y -i0
ノードを再起動する場合:
# scswitch -S -h <node>
# psradm -f -a
# shutdown -g0 -y -i6
まれに、上記の回避方法では問題を解決できないことがあります。
問題の概要:Sun Cluster 3.x を実行している大規模なシステムでは、ノード停止コマンド shutdown -g0 -y -i6 で再起動が行われず、OK プロンプトに続いて Failfast: Halting because all userland daemons have died というメッセージが表示されることがある。
回避方法: 次に示す回避方法のどれか 1 つを選択してください。
ノードを停止し、ok プロンプトに続いて boot と入力します。
ノードの停止前に failfasts を無効にします。
# /usr/cluster/lib/sc/cmm_ctl -f
# shutdown -g0 -y -i6
ノードが再起動したなら failfasts を有効にします。
# /usr/cluster/lib/sc/cmm_ctl -f
または、システムを停止する前に、次の mdb コマンドを使用して failfast_panic_delay タイムアウト値を大きくします。
(echo 'cl_comm`conf+8/W 0t600000' ;
echo 'cl_comm`conf+c/W 0t600000') | mdb -kw
この例では、タイムアウト値が 600000 ミリ秒 (10 分) に設定されます。
問題の概要:停止時に Oracle DLM プロセスが終了せず、/var をマウント解除できなくなることがある。
回避方法: 次に示す回避方法のどちらかを選択します。
/var パーティションを分割しない
init や shutdown ではなく reboot/halt を使用する
問題の概要:負荷の高いシステムでは、Oracle リスナープローブがタイムアウトになり、Oracle リスナーの再起動が行われることがある。
回避方法: 負荷の高いシステムでは、リソースの Thorough_probe_interval プロパティの値を大きくして、Oracle リスナーのリソースプローブのタイムアウトを防ぎます。
プローブのタイムアウトは、次のようにして計算します。
Thorough_probe_interval が 20 秒より大きい場合は 10 秒
Thorough_probe_interval が 120 秒より大きい場合は 60 秒
その他の場合は Thorough_probe_interval/2
問題の概要:RG_system リソースグループプロパティの値を TRUE に設定すると、リソースグループとそのリソースがクラスタインフラストラクチャのサポートに使用され、ユーザーデータサービスは実装されない。RG_system の値が TRUE の場合、RGM は、システム管理者が誤ってリソースグループやそのリソースをオフラインにしたり、これらのプロパティの変更を防止する。場合によっては、RG_system プロパティの値を TRUE にしてリソースグループプロパティを変更しようとするとノードパニックが発生することがある。
回避方法: RG_system リソースグループプロパティの値は変更しないでください。
問題の概要:liveCache リソースのマスターになることができるノードでは、パブリックネットの停止時に su コマンドがハングすることがある。
回避方法: liveCache リソースのマスターになることができる各ノードで、/etc/nsswitch.conf ファイルに次の変更を加えることをお勧めします。この変更により、パブリックネットの停止時も、su コマンドがハングしなくなります。
passwd: files nis [TRYAGAIN=0]
問題の概要:Apache、Oracle 用の SunPlex Manager データサービスインストールウィザードは、Solaris 9 以上をサポートしない。
回避方法: Sun Cluster のマニュアルを参考に、クラスタ上に Oracle を手動でインストールします。Solaris 9 以上に Apache をインストールする場合は、インストールウィザードを実行する前に、Solaris Apache パッケージ SUNWapchr および SUNWapchu を手動で追加します。
問題の概要:インストールおよび構成時にクラスタにノードを追加すると、次のような「RPC 認証」エラーが発生することがある。
“RPC authentication error”
“Not authorized to communicate with <sponsor-node>”
“Cluster name verification failed”
回避方法: ドメイン名が設定されていない (/etc/defaultdomain ファイルが見つからない) ときは、インストールを続行する前に domainname(1M) コマンドを実行して、クラスタに接続しているすべてのノード上でドメイン名を設定します。たとえば、# domainname xxx のように入力します。
Sun Cluster 構成のパッチに関する情報を以下に示します。
Sun Cluster 製品に必要なパッチを確認してダウンロードするためには、SunSolveTM ユーザーとして登録済みでなければなりません。SunSolve アカウントをまだ入手していない場合は、Sun のサービス担当者またはセールスエンジニアに問い合わせるか、あるいは http://sunsolve.sun.com でオンライン登録を行なってください。
PatchPro は、Sun Cluster ソフトウェアのインストールまたは保守に必要なパッチの選択とダウンロードを簡易化するパッチ管理ツールです。PatchPro には、パッチのインストールを簡易化する Sun Cluster 固有の Interactive Mode ツールと、最新のパッチセットにより構成の保守を行う Expert Mode ツールが付属しています。Expert Mode は、特に、高可用性やセキュリティのパッチだけではなく、最新のパッチをすべて入手する場合に便利です。
Sun Cluster ソフトウェア用の PatchPro ツールにアクセスするには、http://www.sun.com/PatchPro/ にアクセスし、「Sun Cluster」から「Interactive Mode」または「Expert Mode」を選択します。 クラスタ構成を記述し、パッチをダウンロードする方法については、PatchPro ツールの指示に従ってください。
SunSolveTM Online Web サイトには、サン製品のパッチやソフトウェア、ファームウェアに関する最新情報が常時掲載されています。現在サポートされるソフトウェア、ファームウェア、およびパッチの最新のリビジョンについては、SunSolve Online サイト (http://sunsolve.sun.com) にアクセスしてください。
Sun Cluster 3.1 10/03 のパッチ情報は、Info Docs を使用して見つけることができます。Info Docs を表示するには、SunSolve にログインし、メインページの最上部から「Simple Search」にアクセスします。次に、「Simple Search」ページで「Info Docs」ボックスをクリックし、検索条件ボックスに Sun Cluster 3.1 と入力します。以上の操作で、Sun Cluster 3.1 ソフトウェアの Info Docs ページが表示されます。
Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアをインストールしたり、クラスタコンポーネント (Solaris オペレーティング環境、Sun Cluster ソフトウェア、ボリューム管理ソフトウェア、データサービスソフトウェア、ディスクハードウェア) にパッチを適用する前に、Info Docs 情報と、パッチに付随する README ファイルをよく読んでください。クラスタが適切に動作するためには、すべてのクラスタノードが同じパッチレベルになっていなければなりません。
特別なパッチの適用手順およびパッチの管理上のヒントについては、『 Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「Sun Cluster ソフトウェアとファームウェアへのパッチの適用」を参照してください。
Sun Cluster 3.1 10/03 ユーザーマニュアルセットは、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM に PDF および HTML 形式で格納されています。
Sun Cluster 3.1 Data Services 10/03 ユーザーマニュアルセットは、Sun Cluster 3.1 Agents 10/03 CD-ROM に格納されています。
Sun Cluster 3.1 10/03 のマニュアルの表示に、 AnswerBook2TM サーバーソフトウェアは必要ありません。詳細は、どちらか一方の CD-ROM を開き、最上位ディレクトリに入っている index.html ファイルを参照してください。この index.html ファイルは、 CD-ROM から PDF 形式と HTML 形式のマニュアルを直接読んだり、マニュアルパッケージのインストール方法を表示するためのものです。
Sun Cluster のマニュアルパッケージをインストールする前に、SUNWsdocs パッケージをインストールする必要があります。SUNWsdocs パッケージのインストールには pkgadd を使用できます。SUNWsdocs パッケージは、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM の SunCluster_3.1/Sol_ N/Packages/ ディレクトリに入っています ( N は Solaris 8 の場合 8、Solaris 9 の場合 9)。Solaris 9 Documentation CD-ROM からインストールプログラム installer を実行すると、SUNWsdocs パッケージが自動的にインストールされます。
日本語のマニュアルは docs.sun.com を参照してください。Sun Cluster 3.1 10/03 ユーザーマニュアルセットには次のマニュアルコレクションが含まれています。
Sun Cluster 3.1 10/03 Software Collection。このマニュアルコレクションには、以下のマニュアルが含まれます。
『Sun Cluster 3.1 10/03 Concepts Guide』
『Sun Cluster 3.1 Data Services Developer's Guide』
『Sun Cluster 3.1 Error Messages Guide』
Sun Cluster 3.x Hardware Administration Collection。このマニュアルコレクションには、以下のマニュアルが含まれます。
『Sun Cluster 3.x Hardware Administration Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge 3310 Array Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge 3510 FC Array Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge 3900 or 6900 Series System Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge 6120 Array Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge 6320 System Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge 9900 Series Storage Device Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge A1000 or Netra st A1000 Array Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge A3500/A3500FC System Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge A5x00 Array Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge D1000 or Netra st D1000 Disk Array Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge D2 Array Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge MultiPack Enclosure Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge Netra D130 or StorEdge S1 Enclosure Manual』
『Sun Cluster 3.x With Sun StorEdge T3 or T3+ Array Manual』
Sun Cluster 3.1 10/03 Reference Collection。このマニュアルコレクションには、以下のマニュアルが含まれます。
Sun Cluster Reference Manual
Sun Cluster 3.1 Data Services 10/03 Collection に含まれるマニュアルの一覧は、『Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 ご使用にあたって』に記載されています。
また、Sun Cluster のマニュアルは docs.sun.comSM の Web サイトから参照することもできます。次の Web サイトを利用すれば、docs.sun.com アーカイブをブラウズしたり、本のタイトルやテーマを検索できます。
この節では、すでに判明しているマニュアル、オンラインヘルプ、またはマニュアルページの誤りや記載漏れ、およびこれらの問題を修正するための手順を説明します。
Sun Cluster 3.1 10/03 は RSM トランスポートをサポートしません。Sun Cluster マニュアルコレクション内の「RSM トランスポート」の記述はすべて無視してください。
この節では、『Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』で判明している記述の誤りと記載漏れについて説明します。
この節では、SunPlex Manager オンラインヘルプの記述の誤りと記載漏れについて説明します。
オンラインヘルプの「Before Starting」の節の「Sun Cluster HA for Oracle」という項目の記述が正しくありません。
(誤)
/etc/system ファイルに変数 shmsys および semsys のエントリが存在しない場合、デフォルト値が自動的に挿入されます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が正しいかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。
(正)
Oracle データサービスのインストール時、/etc/system ファイルに変数 shmsys および semsys のエントリが存在しない場合は、手動でデフォルト値を入力できます。その後システムをリブートする必要があります。入力する値がそのデータベースで正しい値かどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。
「Sun Cluster RBAC Rights Profiles」の表で、solaris.cluster.appinstall および solaris.cluster.install は、Cluster Operation プロファイルではなく Cluster Management プロファイルの下に記載されていなければなりません。
「Sun Cluster RBAC Rights Profiles」の表で、Sun Cluster Commands プロファイルのコマンドリストに、sccheck(1M) を追加する必要があります。
この節では、『Sun Cluster 3.1 10/03 System Administration Guide』内の記述の誤りと漏れについて説明します。
Sun Cluster ソフトウェア上の VERITAS Volume Manager では、単一のルートディスクグループはディスクタイプとしてはサポートされません。このため、『 Sun Cluster 3.1 10/03 System Administration Guide』の「非カプセル化ルート (/) ファイルシステムを復元する (VERITAS Volume Manager)」内の作業を行う場合は、ルートディスクグループ (rootdg) がルートディスク上の単一のスライス上に存在するか確認するように指示している手順 9 は無視する必要があります。つまり、手順 1 から手順 8 までを実行し、手順 9 を省略して、手順 10 から終わりまでを実行します。
定足数デバイスに対するノード接続の数を増減させる場合、定足数が自動的に再計算されることはありません。すべての定足数デバイスをいったん削除し、その後それらを構成に追加し直すと、正しい定足数が再設定されます。
このマニュアルには、Sun Cluster データサービス関連のエラーメッセージの一部が記載されていません。マニュアルコレクションに含まれていないエラーメッセージは、『Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 ご使用にあたって』に記載されています。
Sun Cluster 3.1 10/03 Collection、および Sun Cluster 3.1 Data Service 10/03 Collection 日本語版の各マニュアルに記載されている『Sun Cluster 3.1 Data Service 10/03 Release Notes』には日本語版が存在します。『Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 ご使用にあたって』に置き換えてください。
データサービスのマニュアルに関連した記述の誤りと記載漏れについては、『Sun Cluster 3.1 データサービス10/03 ご使用にあたって』で説明されています。
この節では、Sun Cluster のマニュアルページの記述の誤りと記載漏れについて説明します。
scconf_transp_adap_sci(1M) のマニュアルページでは、SCI トランスポートアダプタを rsm トランスポートタイプで使用できると説明されています。このサポート説明は正しくありません。SCI トランスポートアダプタは、rsm トランスポートタイプをサポートしません。SCI トランスポートアダプタがサポートするのは、dlpi トランスポートタイプだけです。
次の文は、SCI–PCI アダプタの名前について説明しています。この情報は現在、scconf_transp_adap_sci(1M) のマニュアルページには記載されていません。
新しい情報:
SCI アダプタを指定するには、sciN という形式の名前を使用してください。
次の段落は、scgdevs コマンドの動作を明確に記述します。この情報は現在、scgdevs(1M) のマニュアルページには記載されていません。
新しい情報:
ローカルノードから呼び出された scgdevs(1M) は、その作業をリモートノード上で非同期的に実行します。したがって、ローカルノード上でコマンドが完了しても、必ずしも、その作業がクラスタ規模で完了しているとは限りません。
このリリースの API_version は、以前の値 2 から 3 に上がっています。新しい Sun Cluster エージェントを開発する場合、以前のバージョンの Sun Cluster ソフトウェアに新しいリソースタイプが登録されるのを防ぐには、エージェントの RTR ファイルに API_version=3 と宣言します。詳細は、rt_reg(4) および rt_properties(5) を参照してください。
Sun Cluster 3.0 データサービスのマニュアルページを表示するには、Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェア上にインストールされている Sun Cluster 3.0 データサービスの最新のパッチをインストールしてください。詳細は、パッチと必須ファームウェアのレベルを参照してください。
パッチを適用したあとで、マニュアルページのフルパスを引数として指定して man -M コマンドを実行し、Sun Cluster 3.0 データサービスマニュアルページにアクセスしてください。たとえば、次のように入力すると Apache のマニュアルページが開かれます。
% man -M /opt/SUNWscapc/man SUNW.apache |
フルパスを指定せずに Sun Cluster 3.0 データサービスのマニュアルページにアクセスできるようにするには、MANPATH を修正してください。 次に、MANPATH に Apache マニュアルページのパスを追加して Apache マニュアルページを表示するコマンド例を示します。
% MANPATH=/opt/SUNWscapc/man:$MANPATH; export MANPATH % man SUNW.apache |