Sun Cluster 3.1 10/03 リリースには、次の制限が適用されます。
その他の既知の問題および制限については、既知の問題点とバグを参照してください。
マルチホストのテープ、CD-ROM、および DVD-ROM はサポートされません。
代替パス (Alternate Pathing =AP) はサポートされません。
指定のクラスタノードから格納装置までのパスが複数あるストレージデバイスはサポートされません。ただし、次のストレージデバイスは例外です。
Sun StorEdgeTM A3500 (2 つあるノードそれぞれに対するパスがサポートされている場合)
Sun StorEdge Traffic Manager をサポートするデバイス
EMC PowerPath ソフトウェアを使用する EMC ストレージデバイス
Sun EnterpriseTM 420R サーバーを使用し、スロット J4701 に PCI カードを挿入している場合、マザーボードはダッシュレベル 15 以上 (501-5168-15 以上) である必要があります。マザーボードのパーツ番号とリビジョンレベルを確認するには、PCI スロット 1 に最も近いボードの端を調べます。
Sun Enterprise 10000 サーバーのボードのスロット 0 に UDWIS 入出力カードを設置すると、クラスタでシステムパニックが発生します。このサーバーのボードのスロット 0 には、UDWIS 入出力カードを設置しないでください。
定足数デバイスに対するノード接続の数を増減させる場合、定足数が自動的に再計算されることはありません。すべての定足数デバイスをいったん削除し、その後それらを構成に追加し直すと、正しい定足数が再設定されます。
SunVTSTM はサポートされません。
IPv6 はサポートされません。
マニュアルには、トランスポートタイプとしてリモート共有メモリー (RSM: Remote Shared Memory) が記載されていますが、これはサポート対象外です。RSMAPI を使用する場合は、トランスポートタイプとして dlpi を指定します。
SCI (SBus Scalable Coherent Interface) は、クラスタインターコネクトとしてはサポートされません。ただし、PCI-SCI インタフェースはサポートされています。
論理ネットワークインタフェースは、Sun Cluster ソフトウェア用として予約されています。
クライアントノードで実行されるクライアントアプリケーションを、HA データサービスの論理 IP アドレスにマップしてはいけません。フェイルオーバー中、このような論理 IP アドレスは存在しなくなり、クライアントが切断されたままになる可能性があります。
VERITAS Volume Manager (VxVM) 3.2 から 3.5 へアップグレードする場合は、バージョン 3.5 用に CVM ライセンスキーをインストールするまでは Cluster Volume Manger (CVM) 機能を利用することはできません。VxVM 3.5 では、バージョン 3.2 の CVM ライセンスキーによって CVM が有効になることはありません。バージョン 3.2 の CVM ライセンスキーはバージョン 3.5 の CVM ライセンスキーにアップグレードする必要があります。
メディエータを使用した Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager の構成では、1 つのディスクセットに構成するメディエータホストの数は、必ず 2 つでなければなりません。
DiskSuite Tool (Solstice DiskSuite metatool) と Solaris Management Console の拡張ストレージモジュール (Solaris Volume Manager) は、Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアと互換性がありません。
VxVM 3.2 以上では、VxVM のインストール時に scvxinstall コマンドを使用して DMP (Dynamic Multipathing) を無効にすることはできません。この手順については、『 Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』の「VERITAS Volume Manager のインストールと構成」を参照してください。Veritas Dynamic Multipathing を使用できる構成は、次のとおりです。
ノードからクラスタの共有ストレージまでの I/O パスが 1 つ。
ノードから共有クラスタストレージまでの I/O パスを 2 つ以上管理できる、サポート対象のマルチパスソリューション (Sun Traffic Manager、EMC PowerPath、Hiatchi HDLM)。
VxVM を Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアで使用する場合、単一のルートディスクグループ (ルートディスクの単一スライス上に作成された rootdg) はディスクタイプとしてサポートされません。
ソフトウェア RAID 5 はサポートされません。
クラスタファイルシステムでは Quotas はサポートされません。
Sun Cluster 3.1 10/03 では、クラスタノード上でのループバックファイルシステム (LOFS) の使用はサポートされません。
umount -f コマンドは、-f オプションのない umount と同じ結果になります。つまり、強制的なマウント解除はサポートされません。
unlink(1M) は、空でないディレクトリに対してはサポートされません。
lockfs -d コマンドはサポートされません。代わりに lockfs -nを使用してください。
Solaris ソフトウェアのファイルシステムには、ファイルシステム名前空間に通信エンドポイントを指定する機能がありますが、クラスタファイルシステムではこの機能はサポートされません。したがって、名前がクラスタファイルシステムへのパス名である UNIX ドメインソケットは作成できますが、ノードにフェイルオーバーが発生したとき、このソケットは生き残ることができません。さらに、クラスタファイルシステム上で作成した FIFO または名前付きパイプはグローバルにアクセスできなくなり、ローカルノード以外の任意のノードから fattach を使用する必要があります。
forcedirectio マウントオプションを使用してマウントされたクラスタファイルシステムから、バイナリを実行することはできません。
クラスタファイルシステムをマウントし直すとき、 directio マウントオプションは指定できません。
directio ioctl を使用して、directio マウントオプションを単一ファイルに設定することはできません。
次の VxFS 機能は Sun Cluster 3.1 10/03 構成ではサポートされません。
クイック入出力
スナップショット
記憶装置チェックポイント
キャッシュアドバイザリ (この機能の使用は可能だが、効果が認められるのは特定のノードに限られる)
VERITAS CFS (VERITAS クラスタ機能と VCS が必要)
その他のクラスタ構成でサポートされる VxFS の機能とオプションはすべて、Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアでサポートされます。VxFS オプションがクラスタ構成でサポートされるかどうかについては、VxFS のマニュアルとマニュアルページを参照してください。
次に示す VxFS 固有のマウントオプションは、Sun Cluster 3.1 10/03 構成ではサポートされません。
convosync (O_SYNC に変換)
mincache
qlog、delaylog、tmplog
Sun Cluster 構成での VxFS クラスタファイルシステムの管理については、『 Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「Cluster ファイルシステムの管理の概要」を参照してください。
この節では、IP ネットワークマルチパスの使用に関する制限の中で Sun Cluster 3.1 10/03 環境にだけ適用される制限 (IP ネットワークマルチパス用の Solaris ドキュメントに示されている情報と異なる制限事項) を示します。
IPv6 はサポートされません。
パブリックネットワークアダプタはすべて、IP ネットワークマルチパスグループ内に存在しなければなりません。
/etc/default/mpathd ファイル内で TRACK_INTERFACES_ONLY_WITH_GROUPS を「yes」から「no」に変更することは避けてください。
IP ネットワークマルチパス用の Solaris ドキュメントに示されている手続き、ガイドライン、および制限事項のほとんどは、クラスタ環境と非クラスタ環境のどちらであるかにかかわらず同じです。このため、IP ネットワークマルチパスの制限事項に関するその他の情報については、該当する Solaris ドキュメントを参照してください。
オペレーティング環境のリリース |
参照箇所 |
---|---|
Solaris 8 オペレーティング環境 |
『IP ネットワークマルチパスの管理』 |
Solaris 9 オペレーティング環境 |
『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』内の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 |
クラスタノードをルーター (ゲートウェイ) に構成しないでください。システムがダウンした際にクライアントが代替ルーターを探すことができず、回復できません。
クラスタノードを NIS や NIS+ のサーバーに構成しないでください。ただしクラスタノードを NIS や NIS+ のクライアントにすることは可能です。
Sun Cluster を高可用性起動の提供や、クライアントシステムへのサービスのインストールを行うように構成しないでください。
Sun Cluster を rarpd サービスを提供するように構成しないでください。
クラスタに RPC サービスをインストールする場合、サービスはプログラム番号 100141、10014、および 100248 を使用できません。これらの番号は、Sun Cluster デーモン rgmd_receptionist 、fed、および pmfd 用に予約されています。これらのプログラム番号を使用する RPC サービスをインストールした場合は、別のプログラム番号を使用するように変更する必要があります。
現時点では、SNDR (Sun StorEdge Network Data Replicator) は HAStorage でのみ使用可能です。この制限は、SNDR が複製に使用する論理ホストを含む軽量リソースグループにしか適用されません。アプリケーションリソースグループは、現在のリリースでも SNDR と HAStoragePlus を併用できます。SNDR リソースグループに HAStorage を使用し、アプリケーションリソースグループに HAStoragePlus を使用するという方法で、HAStoragePlus と SNDR によるフェイルオーバーファイルシステムを実現できます。この場合、HAStorage リソースと HAStoragePlus リソースは、このシステムにおける同じ DCS デバイスをポイントすることになります。SNDR を HAStoragePlus と併用できるように、現在パッチの開発が進められています。
クラスタノードでの高優先度プロセススケジューリングクラスの実行はサポートされません。タイムシェアリング (時分割) スケジューリングクラスで高い優先度で実行されるプロセス、またはリアルタイムスケジューリングクラスで実行されるプロセスは、クラスタノードで実行しないでください。Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアでは、リアルタイムスケジューリングクラスを必要としないカーネルスレッドが使用されます。通常以上の優先度で動作するタイムシェアリングプロセスや、リアルタイムプロセスがあると、Sun Cluster カーネルスレッドが必要とする CPU サイクルがそれらのプロセスによって奪われることがあります。
Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアを利用して提供できるサービスは、Sun Cluster と共に提供されているデータサービスか、Sun Cluster データサービス API を使用して設定されたデータサービスだけです。
Sun Cluster ソフトウェアは、現時点では、sendmail(1M) サブシステム用 HA データサービスを提供しません。sendmail サブシステムを個々のクラスタノードで実行することは認められていますが、sendmail の機能 (メールの配信、経路設定、待ち行列化、再試行など) は HA 対応ではありません。
特定のデータサービスについては、『Sun Cluster 3.1 データサービス 10/03 ご使用にあたって』を参照してください。
Sun Cluster HA for Oracle 3.0 データサービスを Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェア上で実行できるのは、次に示す Solaris オペレーティング環境バージョンで使用する場合だけです。
Solaris 8、32 ビットバージョン
Solaris 8、64 ビットバージョン
Solaris 9、32 ビットバージョン
64 ビットバージョンの Solaris 9 で使用する場合には、Sun Cluster HA for Oracle 3.0 データサービスを Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェア上で実行できません。