ここでは MySQL をインストールして構成する手順について説明します。
これ以降のセクションでは、MySQL の特定のディレクトリが参照されます。参照で使用される一般的なパス名は次のとおりです。これらのパス名は前のセクションで説明した例の中で使用されています。構成上の制限事項を参照してください。
MySQL が http://www.mysql.com から広域ファイルシステムにインストールされ、MySQL インスタンスが広域ファイルシステムにインストールされる場合 (例 1–1を参照)。
MySQL ベースディレクトリ — /global/mysql
MySQL データベースディレクトリ — /global/mysqldata
MySQL が局所ファイルシステムにインストールされ、MySQL インスタンスがフェイルオーバーファイルシステムにインストールされる場合 (例 1–2を参照)。
MySQL ベースディレクトリ — /usr/local/mysql
MySQL データベースディレクトリ — /local/mysqldata
次の手順で、MySQL をインストールして構成します。
Sun Cluster における MySQL の配備方法を決定 – MySQL をどのように配備するかを決定する必要があります。
配備する MySQL インスタンス数を決定します。
各 MySQL インスタンスで使用するクラスタファイルシステムを決定します。
MySQL クラスタファイルシステムのマウント – Sun Cluster における MySQL の配備方法を決定してから、クラスタファイルシステムがマウントされていることを確認する必要があります。
MySQL インスタンスにフェイルオーバーファイルシステムを使用させる場合は、手動でファイルシステムをマウントする必要があります。
Sun Cluster 内の全ノードへの MySQL のインストール – MySQL は広域ファイルシステムにインストールすることをお勧めします。ローカルファイルシステムにソフトウェアをインストールした場合とクラスタファイルシステムにインストールした場合の長所と短所については、『Sun Cluster データサービスのインストールと構成 』の「アプリケーションバイナリの格納先の決定」を参照してください。
http://www.mysql.com から MySQL をダウンロードします。— しかし、MySQL ソフトウェア用にローカルディスクを使用する予定の場合、この手順を Sun Cluster 内のすべてのノード上で繰り返す必要があります。
MySQL を実行するクラスタ内のすべてのノードで MySQL 用の mysql-user と mysql-group を作成します。
MySQL バイナリ用の所有者とグループを変更します。
MySQL インスタンス用の MySQL データベースディレクトリを作成します。
# mkdir <MySQL Database directory> # |
<MySQL Database directory> については、構成上の制限事項を参照してください。 構成上の制限事項の例と次の例で使用されている一般的なパス名の一覧については、MySQL のインストールと構成を参照してください。
次に、ある MySQL インスタンスの例を示します。MySQL は http://www.mysql.com から広域ファイルシステムとしてマウントされている /global/mysql にインストールされています。この MySQL インスタンス用の MySQL データベースディレクトリ は /global/mysql-data です。
# cd /global/mysql # # ls -l -rw-r--r-- 1 mysql mysql 19106 Dec 10 14:52 COPYING -rw-r--r-- 1 mysql mysql 28003 Dec 10 14:52 COPYING.LIB -rw-r--r-- 1 mysql mysql 44577 Dec 5 10:37 ChangeLog -rw-r--r-- 1 mysql mysql 6811 Dec 10 14:53 INSTALL-BINARY -rw-r--r-- 1 mysql mysql 1976 Dec 5 10:37 README drwxr-xr-x 2 mysql mysql 1024 Dec 13 18:05 bin -rwxr-xr-x 1 mysql mysql 773 Dec 10 15:34 configure drwxr-x--- 3 mysql mysql 512 Apr 3 12:23 data drwxr-xr-x 2 mysql mysql 1024 Dec 10 15:35 include drwxr-xr-x 2 mysql mysql 512 Dec 10 15:35 lib drwxr-xr-x 2 mysql mysql 512 Dec 10 15:35 man -rw-r--r-- 1 mysql mysql 2582089 Dec 10 14:47 manual.html -rw-r--r-- 1 mysql mysql 2239278 Dec 10 14:47 manual.txt -rw-r--r-- 1 mysql mysql 94600 Dec 10 14:47 manual_toc.html drwxr-xr-x 6 mysql mysql 512 Dec 10 15:35 mysql-test drwxr-xr-x 2 mysql mysql 512 Dec 10 15:35 scripts drwxr-xr-x 3 mysql mysql 512 Dec 10 15:35 share drwxr-xr-x 7 mysql mysql 1024 Dec 10 15:35 sql-bench drwxr-xr-x 2 mysql mysql 512 Dec 10 15:35 support-files drwxr-xr-x 2 mysql mysql 512 Dec 10 15:35 tests # |
要件に応じた MySQL ファイル my.cnf を作成します。— Sun Cluster HA for MySQL データサービスには my.cnf のサンプルファイルが 2 つ (マスター構成用とスレーブ構成用) 用意されています。
Sun Cluster の初回のインストール時に Sun Cluster HA for MySQL パッケージ (SUNWscmys) をインストールしなかった場合は、Sun Cluster HA for MySQL パッケージのインストールを参照してパッケージを SC3.1 にインストールする必要があります。そのあと、MySQL のインストールと構成作業を続けてください。
/opt/SUNWscmys/etc/my.cnf_sample_[master|slave] はサンプルの MySQL 構成ファイルであり、このファイルを使用すると、独自の MySQLインスタンス用の <MySQL Databasedirectory> /my.cnf を作成できます。ただし、各自の構成値が反映されるように、ファイルを編集する必要があります。
# cp /opt/SUNWscmys/etc/my.cnf_sample_master \ <MySQL Databasedirectory>/my.cnf |
MySQL インスタンスのブートストラップを実行します。— これによって、特権テーブル db、host、user、tables_priv、および columns_priv が func テーブルとともに MySQL データベース内に作成されます。
# cd <MySQL Basedirectory> |
# ./scripts/mysql_install_db \ --datadir=<MySQL Database directory> |
<MySQL Database Directory> 内にログファイルを作成します。
# mkdir <MySQL Database Directory>/logs |
<MySQL Database Directory> 用の所有者とグループを変更します。
# chown -R mysql:mysql <MySQL Database Directory> |
<MySQL Database Directory>/my.cnf ファイルのアクセス権を変更します。
# chmod 644 <MySQL Database Directory>/my.cnf |